「行き成りですが私、若葉八千代は比企谷八幡に告白をしました」
「綺麗に終わらせるためです」
「では私は…… を頂きます」
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「それじゃあ、さようなら。皆様の恋が実るといいですね」
奉仕部の扉を開け外気に触れる。今日やれる事は全て行った。明日も忙しくなりそうだね。全ては八幡さんを手に入れるため。さあ始めよう八幡さん。大丈夫、全てを私に任せてくれれば君は君でいられるよ。私が何に成るかはわからないけどね
窓ガラスに映った私の眼は、見る者に恐怖を与えるような暗い輝きを放っている。
『全生徒、教師。黙祷!』
二日後の水曜日。全生徒が体育館に集まりある生徒に向けて黙祷を捧げる。金髪で毛がカールした生徒や赤い縁の眼鏡をつけた生徒など、二年は特に多くの人が泣いている。彼女は多くの人に想われてきたということだろうね。そう、今黙祷を捧げられてる生徒は
由比ヶ浜先輩だ。
殺害されたのは昨日。第一発見者は八幡さんだ。告白のため由比ヶ浜先輩が一人待機してる時に何者かが頸動脈を刃物で切り、失血死。その後犯人は凶器をその場に捨て逃走。これが現在公開されている情報。これも私が招いた不幸だよ、私が提供した場所で事件が起きたなら、私が殺したも同然だね……。
まあ、実際に殺したのも私だけどね。これも全てあの時、降りなかった自分と彼女等を恨みなよ。私は納得する結果にするためならどんな手でも使うと決めていたからね。その為に多く殺める必要はない、由比ヶ浜先輩という一辺さえ殺せば奉仕部という三角形が大きな音を立てて崩れる。私がその邪魔な三角形から君を出してあげるよ。
『全校生、退室!』
いつもより静かにそして素早く退室していく生徒たち。今日の放課後は部活動無しで先生が見張りについて下校するらしい。私としてはそんな事どうでもいいから早く八幡さんのところに向かいたい。待っててね八幡さん、君が私を望むようにしてあげるよ。
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「や、やちよさん……」
「大丈夫……とは遠くかけ離れてるね。勝手ながらしばらく君達といさせてもらうよ」
一度家に帰り比企谷家に。八幡さんだけでなく小町さんも付き合いは深いだろうと思いやってきたけど案の定負担が大きかったようで、涙で顔をぐしゃぐしゃにした小町さんが出てきた。さっき言った通り今日から小町さんたちのお世話をさせて貰うよ。
「どういうことですか?」
「私の方が先輩との付き合いは短く浅いからその分悲しみも少ない、でも君達は違う」
「しばらくは心の傷を癒すことに専念してくれないかな」
「でも……やちよさんが……」
「大丈夫、私は後でどうにでもなるよ。ここはお姉さんに任せなさい」
「っ……はい……!」
抱き付いてきた小町さんの頭を軽く撫でる。極僅かとは言え笑顔が戻ったようだね。君達が気力を取り戻すまでお節介をさせて貰うよ。まずは何をしようかな。お風呂を沸かして……、いやまずは聞くことがあったね。
「小町さん、御飯は食べてるかな?お風呂は?」
「いえ、昨日から泣いていたので……」
「わかった。じゃあ楽にしててね」
先に御飯だね。精神的ストレスが大きいから普通の御飯じゃ吐き戻す可能性が高いかな?じゃあ消化を優先してお粥かおじやだね。それで食べてる間にお風呂を用意して、その間にベッドメイキングをしておこうかな。
「よし、台所借りるよ」
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「……すぅ……」
「……くー……」
リビングに布団を敷いて二人とも寝かしつけた。
八幡さんは、御飯時に食欲が無いというので無理やり突っ込んでみたりした。流石に口に入れたものを吐き出す気は無いのかちゃんと食べてくれたので一口で許しその後は水を飲ませて、お風呂へ行かせる。事故があったら困るので偶に様子を見に行った。体を伝って流れていく水を見て、血を思い出したらしく青くなっていたのを急いで救出。急いで布団を敷き暖かい飲み物を用意して飲ませておく。その後布団で横になるよう命じる
小町さんは、ゆっくりだけどちゃんと食べていた。出来る子だと思って出来ない子にばかり構うのは、出来る子を不幸にすると聞いたことがあるので側にいて一挙一動見逃さない様にしている。甘えたくなるのか食べさせるのをねだったりするので叶える。全部は叶えないけどね。ショックは大きいが目の当りにした八幡さん程では無い様でお風呂もしっかり入れた。その後は八幡さんと同じ様に飲み物を与える。そして八幡さんの隣に転がす。
そして今に至るってね。流石に疲れたよ。今のところ分かった事は小町さんは少し精神年齢が下がったように思える。八幡さんは自分に溜め込みどう発散するかをいまいち分かっていないらしい。
今の悩みは二人の学校と八幡さんの発散方法と言った所かな。取り敢えず二人とも登校させるには不安があるから明日は休ませよう、これに関しては小町さんの方が危険かな、理由としては周りにいる人数の違いかな。問題は八幡さんの発散方法だけどこれは体を動かす等スポーツでもやらせてみよう。
「ただい……、どちら様?」
「……まず場所を変えさせてもらえませんか?」
挨拶や自己紹介を先にするのが礼儀だろうけどこの際目を瞑ってもらおう。きっとお母さんかな?後ろ髪を長くした小町さん、という感じの特徴的な髪形をしてるし。……あの髪はやっぱり遺伝みたいだね
「初めまして、八幡さんの後輩の若葉八千代です」
「初めまして小町と八幡の……。えぇ!八幡の!?」
「ええ、八幡さんの後輩です」
取り敢えず挨拶を済ませる。八幡さんの後輩だと告げたら酷く驚かれた、自己紹介で「小町と八幡の~」と言っていたので恐らく私を小町さんの同級生だと思ったのかな? いやそんなことはどうでもいい、私としては両親のどちらかが付いていられなかったのかと疑問に思う。今は感謝させてもらうけどね。あの二人を深く信頼させる為に頑張っているから。
「それでどうして家に……?」
「……八幡さんの同級生、小町さんとも関わりがある方が先日お亡くなりになりました」
「そんな……!」
この調子だと二人から何も聞いていないようだね。……あの二人も中々罪深いね。崖っぷちに追い詰められたらもうお終いだろうに、そこで親に頼らないのは本当に愚かだよ。くく、でもその愚かさが私の追い風になっているけどね
「しばらく通わせてもらいます。今の二人は非常に不安定で危険です」
「わかったわ……。明後日には私も休める様になれそうだからそれまでお願いね?」
「ありがとうございます。あの二人の事は任せてください」
全て嘘偽りない言葉。真剣な気持ち。悪意もないから、ただただ純粋な気持ちだけが伝わる。本当にありがとうございます。義母さん。……なんてね
「……あなたも無理しちゃだめよ」
そういって私の頭を撫でてから仕事の物であろう書類を纏め始める。自分のお母さんじゃなくても母は母なんだね。久しぶりに母の温もりをしっかり感じとったよ。今回の八幡さんの家に泊まり込むという事はお母さんにだいぶ無理言っちゃったからね。ちゃんと謝ろう、感謝しよう。
さて私も遅くなり過ぎないうちに眠るとするかな