ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 なんか主人公を真面目キャラにしたのは失敗だったかなと思ってましたがこれはこれで動かしにくいだけでいままでとは違ったことができるので面白いですね。

 真面目キャラに飽きたらだんだんと壊していけばいいだけの話ですし♪
 というか壊す予定アリアリですがw




揺れ動く心

 さて、ギルドでひと悶着あったわけが、もともとあの馬鹿の方から突っかかってきただけなので後始末に関してはマルがギルドの職員の何人かに指示を出して血で汚れた床の掃除や本来の業務を滞りなくやっている。

 

 その現場を見ていた連中も最初はイトラみたいな小さな女の子が街一番のハンターの俺に弟子入りしたのを訝しげに想っていたようだがそうした連中も今回の騒動でイトラを馬鹿にしたりする奴はいなくなっただろう。

 

 

 そんなこんなで俺とイトラとサラはすぐにそれら騒動の責任とかなんだかんだを全て放り出して帰宅したのだった。

 

 

「し・し・ょ・う♪

 一緒にお風呂入りませんか?

 お背中流しますよ♪」

 

 

「…………は?」

 

 

 うふふふふ、と笑顔で言ってくるイトラ。

 

 ギルドに着いてからもそうだったが俺に恩以上、恋以上、愛以上の感情が芽生えているようだがこれってどうすればいいんだろうな。

 

 

「おーい、ハターン。

 おやつ作ってくれよ。

 ギルドでイトラの勝負を見ていたら熱くなっちまって腹が減っちまったんだよ」

 

 

「お前はさっきあれだけ食べてまだ腹が減ってるのかよ」

 

 

 一旦イトラを置いといてソファーに寝そべりながらだるそうな声をあげるサラに視線を向ける。

 

 俺としては面倒だし断りたいんだが、あまりにもしつこく頼み込んでくるので仕方なく作ってやることにした。

 

 

「ハターン師匠、お手伝いします♪」

 

 

 イトラはエプロンを取り出すといそいそと服を脱ぎ始めた。

 

 

「……ちょっと待て、何やってんだイトラ?

 いや、やろうとしてることは見ればわかるが俺にはそういう趣味はないぞ」

 

 

「そうでしたか。

 やっぱり師匠は裸エプロンの時は靴下も履かない方が好みですか?」

 

 

 どこで仕入れた知識なのか幼い割に耳年増だな。

 

 

「いやいや、俺はそもそも裸エプロン自体に興味がないんだ。

 イトラも手伝いたいなら服を着ろ、服を」

 

 

 これまでそれなりに多くの弟子を育ててきたから女の子の弟子の裸なんていくらでも見てきたがイトラはその中でも特に小さいな。

 

 だが、そんな小ささもいいと思うが……ってなにを考えてるんだ俺は!

 

 サラが弟子の時も危なかったがさすがにイトラに手を出してはいかん。

 

 

 その様子をニヤニヤとサラが見てくる。

 

 

「ハターンってば硬派を気取っておきながら女の子が大好きむっつりスケベだからな♪

 イトラ、それは照れてるだけだからもっと強気で行っちまえ♪」

 

 

「こら! つまらんことをイトラに吹き込むな!」

 

 

 馬車の中でハンターとしての知識などを色々教えていた時から気づいていたがイトラは教えたことを完璧に記憶し、知識が経験を凌駕するという特異体質のようだからなるべく余計な知識は教えたくないのだが……

 

 

「おっと、そうこうしている間にもおやつは完成したな」

 

 

 口と同時に手を動かしていたのでサラご所望の俺特製のスィーツは完成だ。

 

 

「ハターン師匠って苦手なことないんですか?

 私は師匠の身の回りのお世話がしたいのに完璧すぎるから苦手な分野が分からないんですよ」

 

 

 あまりに完璧なお菓子の出来栄えに目を見張るイトラはそんな事を言ってくる。

 

 ちなみに俺は王家からもハンターとしてよりも料理人や菓子職人としての依頼の方が多かったりすると明記しておこう。

 

 しかし俺の世話ね。

 

 男としては嬉しいがイトラの場合それ以上先に進んでしまいそうな予感がするんだよな。

 

 

「俺は何でもできるし今の生活に満足している。

 しいて言うなら俺の望みはイトラに早く弟子を卒業してもらうことだな。

 そしてサラと一緒に家を出て行って自立してほしいのだ」

 

 

 いやまぁ、実際にはもうミラボレアスの討伐を成し遂げた時点でハンターとしては一人前だし、報酬もたくさんもらってるから家を借りることも簡単なんだろうから今出て行ってもいいんだけどな。

 

 見る限りこのままじゃ一生俺にべったりしてきそうだし。

 

 

「……師匠は私が嫌い?

 私は師匠のことが大好きなんだよ。

 だから一生側に置いてほしいと思ってるしそのためなら今日ギルドで絡んできたようなゲスを殺すのも平気なんだよ。

 だから私だけを見てほしいの」

 

 

 俺の眼を見つめながら本気の覚悟と涙を滲ませるイトラ。

 

 つい助けを求めてサラに視線を向けるが、サラはお菓子を食べ終わるとイトラを放置し、そのまま一人風呂に向かったようだ。

 

 まったく肝心な時に役に立たん奴だ。

 

 

「俺は結婚とか恋愛とかそういうのに興味はない。

 これからもただのハンターとして一人で生きていくだけだし、イトラのこともこれまで育ててきた弟子の一人としてしか見ていない。

 俺のことは諦めるんだな」

 

 

 イトラは泣きそうな顔をし、黙って俯く。

 

 罪悪感もなくはないが俺なんかよりもイトラにはふさわしい男が出てくるはずさ。

 

 この方がお互いのためにもいいに決まっている。

 

 イトラをそのままにして俺は風呂にも入らずそのままの格好で自室のベッドで横になった。

 

 ……まぁ、守っていくはずの弟子を自らの手で散らすというのも何やら思うところがないではないが。

 

 

 

 

イトラside

 

 どうして? どうして? どうして?

 

 私はこんなに愛してるのに。

 

 どうやったら師匠は振り向いてくれるのかしら?

 

 こうなったら……振り向くまで愛し尽くすのみ!!

 

 そうよ! 女の子は行動力があれば結果は後から付いて来るんだから後先考えずに行動しちゃえばいいのよ♪

 

 

 今はその答えで引き下がるけど必ず私に惚れさせてみせるんだから!

 

 師匠、その時まで待っててね♪

 

 うふふふふふふふふふ♪

 




 イトラは一応正ヒロインなので最終的にはくっつくんですけどね。

 最後に倒すべきモンスター(?)は決まってるんですが狩り以外がほとんどメインになってるので、まだ少し出番が薄いかもしれません。
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