ハターン・モンスータの狩りと愛の日々 作:ヨイヤサ・リングマスター
イトラside
ここはトイダーヴァの街の第一位のハンター、ハターン・モンスータの家。
そこで未来の嫁姑の真剣勝負が始まろうとしていた……
……なーんちゃって♪
ナレーションみたいなことをしてみちゃいました♪
私はいまお義母様による試験を受けている最中なのですだけれど。
「まず最初にイトラちゃんに言わせてもらいますとあなたは合格です。
うちのハターンちゃんのことを頼みますよ」
開口一番にお義母様が言ったのはそれだけだった。
正直『お前なんかにうちの息子はやれん!』とか『息子と結婚したくば私を倒してからにしろ!』みたいな展開を想像していただけにちょっと拍子抜けです。
「もちろんお義母様のためにも一日も早く師匠を口説き落として孫の顔を見せてあげます。
ではさっそく師匠にもう一度アタックしてきますね♪」
善は急げ、師匠にもう一度ちゃんと告白してお嫁さんにしてもらわなくちゃ♪
「はいストーップ」
「にゃぎ!」
せっかく新しく覚悟を決めた私の襟を引っ張って止めるなんてお義母様ったらどういうつもりでしょうか。
殺してほしいのかしら?
っと、いけないいけない、お義母様くらいには殺意を抑えないと師匠にも嫌われちゃう。
「さっきギルド待っている間にマルさんにも話を聞いてたけどイトラちゃんってば前に告白して駄目だったんでしょ?
そのあとすぐにキリン装備で夜這いしたってのにあのハターンちゃんがキリン装備のイトラちゃんを拒んだなんてそれは寡黙で渋いハードボイルドな男になりたいという気持ちが強い証拠よ。
そこで趣向を変えてみるの」
「どう変えるんですか?」
正直な話私は面倒な手順を踏んだやり方は好きじゃないですしこのまま乗り込んで行ってナイフを突き付けて結婚を迫るような実力行使の方がいいと思ってたんですけど。
師匠は私を殺せないけど私は師匠を殺せる。
だって私は殺したいほどハターン師匠を愛してるんですもの♪
「ふふふっ、実はこんなこともあろうかとギルドの関係者に無理言って色々と用意をしてもらったのよ。
私自身もやり過ぎかと思うくらいだけど私の夫、ハターンちゃんのパパはハンター協会会長をしてるからその地位を利用した強権によるものなんだけどね」
そこで言うのを止め、お義母様は『楽しみにしてなさい』と言うだけでどうするのかを教えてくれない。
うふふ、でも師匠のお義母様ならそこまでの無茶はしないでしょう。
それでハターン師匠が私に惚れてくれるかもしれないならなんでもするわ。
その後お義母様は部屋の隅で二人でババ抜きをしていたサラさんとディオシキさんの二人にも声を掛けて計画を実行に移すこととなったのでした。
ハターンside
翌朝、母さん達はまだ部屋にいるらしいし、することもないので愛読書の『キリン娘全集1巻』(読む用)を読んでいたのだが何やら騒動が起きそうな気がしたので今日は一日中寝て過ごそうと思い、ベッドに横になる。
「やれやれ、母さんも余計なことをイトラに吹き込んでなければいいんだがな」
もちろんあの母さんがイトラに何もしないとは思えないし、このまま観光を済ませて帰ってくれるとも思えない。
でもいいだろ?たまには何事もない平和な日々を送ることを夢見たとしても!
誰に言うでもなくそんな言い訳じみたことを考えながら目を閉じると家の外からイトラの悲鳴とモンスターの鳴き声が響いてきた。
もしやさっそく母さんが騒動を起こしたのか!?
「イトラ!
どうした!」
慌てて跳ね起きて外に飛び出して見るとそこには壊れた『阿武祖龍弩・アハトアハト』を持ち、血を流したイトラとその周囲にはリオレウスやリオレイア、その他多数のあらゆる種類のモンスターがいた。
「おいおいおい、こいつはどういう状況だ!?
何でこんなにたくさんのモンスターがハンターの街トイダーヴァを襲撃してるんだよ!」
とにかくイトラの安全が第一なので急いで駆け寄り、抱き上げると屋根の上まで跳びあがった。
その瞬間近くにいたリオレウスのブレスが先ほどまでいた場所を通過していく。
「イトラ無事か!
なんでお前が怪我をしてモンスターがこんなに大勢いるんだよ!?」
イトラは息も絶え絶えになりながらゆっくりと説明を開始する。
幸いにも血を流してはいるがイトラの怪我はそれほど深くはないようだ。
モンスターどもはその間にも攻撃の手をゆるめたりなんてせずに俺とイトラを狙ってブレスなり体当たりなりを繰り返してくる。
「……師匠に振り向いてもらうのに吊り橋効果を使うといい、ってお義母様に言われたんですけど、お義母様はギルドが管理していた捕獲されて街に拘束されていたモンスターを全部檻から出してしまったんです。
サラさんやディオシキさん達他のハンターはみんな狩りの依頼を無理矢理押し付けられて街から追い出されて私と師匠しかいまこの街にはハンターはいない状況です」
なんてこった、母さんがここまでするとは俺は甘く見ていたのかもしれないな。
そして俺に会いに来るやつは厄介事を持ちこむというのは毎度外れないもんだな。
「グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォー!」
近くにいたリオレウス(金冠サイズ)が背後から突進をしてくるが逆にリオレウスを踏み台にすることでさらに空高く跳びあがる。
視界に写るのはモンスターだらけとなったトイダーヴァの街。
「こうなったら仕方がない。
さすがにイトラにこの数を一人で相手させるわけにもいかんし俺も本気で行くとしよう。
さぁ、モンスターども、かかってこんかいぃ!」
この物語では狩り要素はオマケなのでモンハンらしい戦闘描写を書くつもりは一切ないですw
それとアグナコトルの亜種は氷ですが、なんかこいつを見てると『バンジョーとカズーイの大冒険2』に出てきたドラゴンのチリー兄弟を思い出しましたw
なんか雰囲気とか似ていると思うのですが私だけですかね?