ハターン・モンスータの狩りと愛の日々 作:ヨイヤサ・リングマスター
自分で書いててもこの馬鹿っぽさをモンハンの小説でやるのはどうなんだろうとも思いますが、他の小説と被らないという意味では他に類を見ませんし、突っ走った話にはなってるかなw
そもそもモンハンの小説ではなく狩人の小説が書きたいと思って書き始めたんですし。
泥棒をとっちめてやる!
とは言ったものの、俺にはそんな専門的な知識もないので仕方なく情報収集から始めようということになり、4人でギルドへと向かうことになった。
こんな時こそあまり関わりたくはないがギルドマスターのマルの出番だな。
イトラ達3人をいつもの俺専用(最近は三人も自然に座ってる)の席に待たせてカウンターまで歩いて行く。
マルは受付嬢が言うには今日も今日とてカウンターの奥でゴロゴロしているそうなので呼んでもらった。
「あらあらぁ~、ちょうどいいところに来てくれたわねぇ~。
実はハターン君にお願いがあるのぉ~♪」
相変わらず間延びした甘ったるい声で話しかけてくる一応ギルドマスターのマル(一応の部分に注目してもらいたい)。
そのマルは一応ギルドマスターなので情報通でもあるし、嫌な予感しかしないがこいつの話を聞くしかなさそうだな。
「また何か厄介事を押し付けるつもりか?
俺達は空き巣に入られていたからその届け出と情報を求めて来たんだが」
「うん、それぇ~。
その泥棒が今この街を騒がしてるのよねぇ~」
「俺ら以外にも被害にあった奴がいるんだな。
それで情報を渡すから俺らに捕まえて来いって言いたいんだろ?」
「さすがはハターン君ねぇ~。
貴方達にぃ~、泥棒を捕まえてほしいのぉ~♪
個人的なお願いだから報酬も出ないし情報もろくにないんだけど受けてくれるかなぁ~?」
これはいわゆるアレだな。
『YES』か『NO』の選択肢を用意しておきながら『YES』を選ぶまで先に進めないというアレだろう。
「わーったよ。
どの道俺らも自分の手で捕まえたかったし受けてやるよ」
「ありがとぉ~。
それで情報なんだけどぉ~、一切ないのぉ~♪」
はぁ?
被害が多いとさっき言ってたのにそれでも情報を一つも残さない泥棒なんているのか?
「犯行現場に『大泥棒マック・スティッド参上!』って頭の悪そうな字で書かれたカードが落ちてるのは共通してるんだけど今だに影も形も目撃者も見つからないのよぉ~」
「それはまた随分と腕のいい泥棒なんだな。
しかしそれほどの泥棒ならギルドナイトが動いたりしないのか?」
「ギルドナイトは現在他の仕事で忙しいから当分は動かせないわよぉ~。
なんでも新種のモンスターがたくさん見つかったとかでぇ~、みぃ~んなメラナト島に調査に向かってるのよぉ~」
メラナト島と言えば確か父さんが一番いい装備を着込んで乗り込んだ島だったな。
たぶんハンター協会の会長が直接現地に乗り込んだりしたからそんなに人員を割かねばならなくなってしまったんだろうな。
まったく父さんときたら困った人だ。
席に戻るとすでに注文を済ませていた三人はテーブルの上を料理でいっぱいにして俺を無視して勝手に食い始めていた。
「……料理を注文するのはいいけどさ、みんな泥棒のことを忘れてるんじゃないのか?」
サラなんかさっきまでの怒り心頭といった様子を微塵も見せずに目の前の料理と格闘をしている。
ディオシキは俺に気づいているのだろうがあえて無視して料理に集中している。
唯一イトラだけが俺に気づいて食事を中断したが、俺が席に着くのを確認するとすぐに俺の膝の上に移動して俺の腕をマフラーのように自分の首に絡めさせてくる。
それから俺の顔を見てニパッっと笑い、満足したのかまた食事を再開する。
みんな泥棒のこと忘れてんじゃね?
「私は大切な『ハターン師匠の使った道具コレクション』を盗まれたことを忘れてませんし許してませんので見つけ次第殺すことは決定してますよ♪」
いや、そんな笑顔で殺すとか言うなっての。
俺はそんな教育をした覚えはありませんよ!……たぶん。
「で、何か情報は得られたのかい?
僕様ちゃんもさっき他の席に座っているハンター達に話を聞いてみたけどどうやら最近この街で泥棒被害が増えてきているようじゃないか」
「…………(ゴワワワワ!)」
ディオシキはちゃんとまじめに捜査をするつもりがあるようだな。
サラは相変わらず食事を止めず、話も聞かず、幸せそうな顔してテーブルの上の料理を片っ端から片づけて行ってるが。
「でも案外泥棒なんてすぐ傍にいるんじゃないんですか?
ほらあそこの席に座ってる人なんて見るからに怪しいじゃないですか」
イトラが指さす方向にはと髭を生やした鉤鼻の怪しげな男がサラと同じくらいの勢いでテーブルいっぱいに出された料理と格闘をしていた。
「ぷふぅ~、今日も俺様の仕事は上手くいったな~。
この街の連中トロ過ぎ♪
俺様が犯人だってまだ気づいていないんだもんな」
と、けっこうな大声を出すが周りの連中、俺とイトラ以外は誰一人としてその男に見向きもしていない。
「なぁイトラ、俺はあそこで食事をしている髭を生やした鉤鼻の男が今自分が犯人だと言ったように聞こえたんだが」
「奇遇ですねハターン師匠。
私もあの人が自白したのを聞きました」
「ん?僕様ちゃんにはどこにいるのか全く見えないな」
ディオシキは男がいる辺りに視線を向けているが見えないようだ。
まぁ、目が悪いからだろうな。
「ちょっと話を聞いてみるかイトラ」
「そうしましょう師匠。
あれが絶対に犯人で間違いないですですから!」
目が悪いディオシキや食事が生き甲斐のサラはともかくこの酒場の中の誰も気づかないというのはおかしな現象だとも思うが俺とイトラは捕まえてみることにしたのだった。