ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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これ、やりすぎじゃないだろうか?

 工房に籠っていたチカとトン爺さんは二人とも同時に出てきた。

 

 チカの方は白い布のかかった台車を押して、トン爺さんの方は立派な箱を担いでだ。

 

 

「まずは私からお見せしましょう」

 

 

 チカは台車にかかっていた布をまくり、造り上げた防具をお披露目する。

 

 

「ハターンさんの暗銀の鎧は男性用だったのでこちらはイトラちゃんに合わせて貧金の鎧にしました。

 もちろん多少の重量はありますが動きやすさと防御力を追及してありますので着てしまえば問題なく動けるはずです」

 

 

 まったく別の防具になってしまったが見ただけでわかる。

 

 こいつはまさに一流の職人の技術が使われた逸品だった。

 

 

「なぁ、ハターン。

 これってお前の暗銀シリーズが元になってるとは思えないな。

 素材も形状も違うのに作り直すことでこれに仕上げるなんてすごくねーか?」

 

 

「ああ、確かにこれはすごいな。

 正直サイズを合わせるだけで終わるのかと思ったらここまで最初と違う防具に作り直すなんてさすがはトン爺さんの孫だな。

 これからも贔屓にさせてもらうよ」

 

 

 物の価値には無頓着のサラでさえ驚くほど俺の渡した暗銀の鎧は別の鎧へと生まれ変わっていた。

 

 これは凄過ぎるな。

 

 

「いえ、ありがとうございます♪

 偉大なる鍛冶職人トン・カンジヤの孫としてこれ位できて当然ですから。

(おっしゃー!

 ハターンさんからお墨付きをもらえるなんてこれはもう私のこと好きなんじゃない?好きなんじゃない?好きなんじゃない?

 でも焦ったらだめよ。

 でも最後に幸せを手にするのは私なんだから、あのチビジャリとアホ女なんかに負けないようにしなくちゃね。

 それさえ済めば結婚に向けて明るい未来が開けそうだわ♪)」

 

 

 一見すると笑顔のようだがその裏で何か考えてるんだろうな。

 

 やっぱ褒めたのはよくなかったかもな。

 

 

「さて、では次はワシじゃのう。

 イトラちゃんのためにこのワシが老骨に鞭打って作った最高の一品を見るがいい」

 

 

 トン爺さんが箱を開けると中には分解された真白なライトボウガンが入っていた。

 

 

「わぁ、きれい……」

 

 

 イトラはその輝きに目を奪われているが俺はこの武器の素材に驚いた。

 

 

「おい、トン爺さん。

 これってミラルーツの素材を使って作る最強のライトボウガン『阿武祖龍弩』じゃねえのか!?」

 

 

 ボウガンの強化ってのは確かフレームや弦の丈夫さとかスコープやロングバレルを取り付けるといった簡単なものだと思っていたが最初に渡した『猟筒』を元にこれを作るとはとはさすがの俺も驚きだな。

 

 

「ふふん、このワシがただの強化で終わらせる訳がなかろう。

 しかもこのボウガンは口径を通常のものよりも大きくしたため正確に言えば『阿武祖龍弩・アハトアハト』と呼ぶのが正しいのう」

 

 

 自慢気に言うだけあって、このボウガンはよく見てみれば美しさだけでなく禍々しさも持っていた。

 

 

「もちろんワシの特別製じゃから10歳のイトラちゃんにも持ち運べるし、全弾種の速射機能と武器そのものに『連射』スキルをつけている。

 おまけに反動を独自の技術で零にしたから片手でも撃ち続けることが可能じゃ!」

 

 

 まったくチカにも驚いたがこの爺さんはさらに上をいくな。

 

 しかし初心者のイトラには安全のためにもこれ位の装備がちょうどいいのかもしれないな。

 

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