ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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星が滅びかねん!

 

 アカムトルムを倒して溶岩流から逃れたあと、俺は再びヒノコとそのパパを連れてカーザン族の村があった場所に来ている。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

「とりあえず壊された家屋の撤去作業をしなくて済んだと思えば儲けもんじゃないのか?」

 

 

「………………」

 

 

「………………」

 

 

 俺の目の前には放心した親子、すなわちカーザン族の族長とその娘ヒノコがいるのだが二人ともさっきからずっと黙りっぱなしなのだ。

 

 そりゃまぁアカムトルムを倒す時に力加減を間違えて火山を切り裂いたことで溢れだした溶岩流によってカーザン族の村を埋めてしまったのは悪いとは思うけど『村』を助けてくださいという依頼ではなかったし仕方がないだろう?

 

 今はその溶岩も冷えてカチカチに固まってしまっているからこの上に家とかを作り治すならそれほど手間じゃないだろうし。

 

 だがまぁ……うん、これはアレだ。

 

 このまま放置して帰ろう。

 

 

「報酬は村が建て直されてからでいいからギルドの俺の口座に振り込んどいてくれ。

 それじゃ俺はこれで」

 

 

「待つのじゃ!」

 

 

ガシッ

 

 

「なんだ?」

 

 

 帰ろうとしたところでヒノコに腕を掴まれた。

 

 

「ハターン・モンスータってのは事後処理も出来ないようなハンターなのか?

 うちっちらは住む場所を失ったのじゃからここはお前さんが最後まで面倒を見るのが筋ってものじゃないのかのう?」

 

 

「そりゃまぁ俺もやりすぎたとは思うけど。

 どうしようも……できなくはないな」

 

 

「そうじゃろそうじゃろ♪

 お前さんがあのハターン・モンスータとなればこの状況をどうにかする策の一つや二つ出てこんはずがない。

 して、どのような策があるのじゃ」

 

 

 俺がどうにか出来るというと途端に表情を明るくするヒノコ。

 

 さっきから話てくるのはヒノコだけだ。

 

 何やら族長はじっと俺を見るだけで何も言ってこない。

 

 

「とりあえずこの溶岩を材料として家を建築すれば溶岩に埋まってしまった壊れた家屋を掘りだしたり他の場所に移住するより安く早く済ませることが出来ると思うから俺が村を作り直してやるよ」

 

 

 言っている意味が分からないのかヒノコと族長は首をかしげるがそれを無視して俺は鎧の内側から竜骨砕きとは別の大剣を取り出し、地面(すっかり黒く固まってしまった溶岩)に突き立てた。

 

 

ズゥン

 

 

 音が響くと同時に地面でさっきまで黒かった溶岩が再び真っ赤になる。

 

 そしてそれを鍛冶屋が使う手袋を嵌めて触れることで形を作っていく。

 

 

「うん、久し振りにやってみたが上出来上出来」

 

 

 あっという間に溶岩で一軒家を作り上げてしまった。

 

 

「な、なんでそんな事が出来るのじゃ!?

 溶岩を溶かして粘土みたいにつくりかえたってのかい?」

 

 

「そうだ、この大剣は炎王龍テオ・テスカトルの素材を使って作った『テスカ・デル・ソル』って剣なんだが一振りで周囲を焼け野原にするほどの大火力を持った火属性の剣なんだ。

 もちろんこの手袋もどんな熱いものに触れても燃えない熱伝導しない素材を使って作られている」

 

 

 天才鍛冶屋トン爺さんの造った物なので、出来は最高のものだ。

 

 

「それじゃこんな家なら文句はないだろ?

 あっという間に村ごと作ってやるからよく見ておけよ」

 

 

 さすがに一つ一つ手作業で造るのは面倒だし手袋を外す。

 

 ここからはさっきからから辺り一面に張り巡らせていた熱に強い糸を使う。

 

 

「俺的建築術発動! うおりゃぁー!」

 

 

 再び剣を地面に突き立て地面の溶岩を溶かす。

 

 そしてさらに俺の気を込めることで、さながらアカムトルムの鳴き声による炎柱のように溶岩を宙に浮かべると糸で形を整えていく。

 

 

「完璧だ!

 おまけとして村周辺も含めてかなり整地したから人の往来も増えるだろう。

 この村に入るための山の麓からの道も舗装しておいたし」

 

 

 すでに俺の糸はこの火山一つまるまる包み込むように伸びているので手の届かない場所はないのだ。

 

 さて、イトラもそろそろモンニャン隊のクエストを終わらせて帰って来るころだろうから早いとこ帰らないとな。

 

 だが建物も見事に復元し、やれ帰ろうかとしたところで俺はまたもヒノコに捕まってしまった。

 

 

「……離してくれないか」

 

 

「……」

 

 

「もう俺がハンターとしてすることはないだろう?

 アカムトルムも討伐したし、アフターサービスとして壊されて溶岩に埋まった村の建物も再建したしほかに何か依頼でもあるのか?」

 

 

「……結婚してください」

 

 

「はぁ?」

 

 

 今何か幻聴が聞こえた気がしたが気のせいだよな。

 

 うん、気のせいだ。

 

 

「気のせいではありません。

 うちっちはハターンさんのお嫁さんになります!」

 

 

「はぁぁぁ~!?」

 

 

 と、ここで先ほどから黙って事態を見ていた族長が声を発する。

 

 

「いやはや実にすばらしい!

 ハターン殿、この村には村を守れなかった族長は、代わりに村を守った人に族長の座を渡さねばならないという掟があるのじゃ。

 じゃからハターン殿には俺の一人娘ヒノコと結婚してこの村の族長になってほしいんじゃ」

 

 

 ちょい待てこら!

 

 こないだもネコの村で族長になっちまったがあれと違ってこっちは強制的に結婚までさせられるってのか!?

 

 冗談じゃねえ、そんな事がイトラに知られたらこのあいつは絶対に俺を殺したあと、この星ごと心中しようとするはずだ!

 

 ……って、俺はイトラのことが好きだからこんなことを考えているのではなく、あくまでも世界の平和のためにここで結婚するのを避けたいという考えの元にこの結論に行きついたのであって、イトラと結婚したいとか考えているわけではない!

 

 

「うちっちはもう、お前さんの魅力にもうメロメロじゃ♪

 今はうちっちに対する気持ちがないのかもしれんがうちっちはかなりの床上手じゃからきっとトイダーヴァの街に戻りたくなくなるような天国を味あわせてやるぞ」

 

 

 くぅっ、なんかそう言われるとヒノコもめっちゃ可愛く見えてきたがそれは絶対にあってはならない事態だ!

 

 だがしかぁし! もしも結婚なんてしてしまったら寡黙で渋いハードボイルドな男という俺のイメージを失ってしまうことになりかねん!

 

 最近は面倒ごとにも慣れてきたがさすがに今回は厄介すぎる。

 

 俺は体中の細胞全てに街に帰ることだけを命じて走り出した。

 

 この状態の俺は500㎞を5秒の速さで走っているのかもしれない。

 

 

「待ってくりゃれ~ハターン様~……」

 

 

 ヒノコも族長も無視して走ったことで何とか1時間もしないうちにトイダーヴァの街に帰ってくることが出来た。

 

 ちょうどイトラもモンニャン隊を終えて帰って来たばかりのようだったので心を読まれないようにきっちりと心を閉じてイトラを抱きしめてやった。

 

 あぁ、この柔らかい感触! なんとも可愛い弟子だ!

 

 イトラが立派なハンターになるまでは俺は結婚なんて決してする気はないぞ。

 

 改めてそう誓うのだった。

 

 でもそうなるとますますイトラは俺のことを狙ってくるような気が……

 




 『テスカ・デル・ソル』のデザインはあまり好きではありませんでしたが説明文はけっこう好きでした。

 P2Gでも私は大剣使いでしたが火砕断の方が見た目が好きでしたのでよく使っていました。

 男キャラの時は大抵どんなモンスター相手にもディアブロZが基本でしたのでディアZと火砕断は最高のにお気に入りの組み合わせでした♪

 男と女のキャラをどちらも作るのはモンハン好きとして当然の嗜みでしょうから私は両方のセーブでやり込んで、ほとんど全ての武具を集めてます。(P2Gまでは)

 ちなみに今回の話の設定としてはラティオ活火山とトイダーヴァの街はかな~り離れている、という設定になっております。
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