ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 いつものことですが、今回の話もモンハンとはほとんど関係ありません。




第十三章:ヒーローとは俺のことだ編
弟子の願いを叶えるために


 

「疲れた……」

 

 

 何がつかれたのかというと、もちろん昨日のトン爺さんからの依頼を安請け合いしてしまい、時間旅行いたことだ。

 

 過去に跳んで色々としたあと無事に現代に戻ってこれたものの、ラティオ活火山まで飛ばされてしまいアカムトルムの討伐をすることとなり、さらにそのあとカーザン族の一人娘ヒノコ・カーザンから求婚され、全速力でこの遠く離れたトイダーヴァの街まで走って逃げてきたために俺の体は昨日からずっと気だるさが抜けないままでいた。

 

 

「しかも俺を名指しした依頼が今日になって久し振りに来たと思ったら、またえらく面倒な依頼が来るなんてついてない」

 

 

 昨日までは先ほどの説明のようにトン爺さんの手伝いという、どうでもいい事をするくらい暇を持て余していたのだが、こんな風に疲れて休みたいと思っている時に限って俺を頼る依頼が来るようになっているのだ。

 

 

「マルに事情を話したところで、『ラティオ活火山からトイダーヴァの街まで一時間で走って帰ってくるなんてぇ~、馬鹿の大陸記録ねぇ~♪』 とでも言われそうだから疲れを顔に出さずに俺宛てに来た依頼をポーカーフェイスで受注したが、さすがにダルイ。

 だがまぁ、俺宛ての依頼なんてそんなに来ないしこれが今日最後の依頼となるだろう。

 帰ったらのんびりさせてもらうとしよう」

 

 

 今のモノマネけっこう似てたんじゃね?

 

 などと一人で思ったりもするが意外と虚しいので口には出さなかった。

 

 ちなみに今俺がいるのは自宅でもギルドでもなく、狩り場だ。

 

 今日来ていた依頼は古龍種ばかりで、何でも古塔にてテオ・テスカトルとナナ・テスカトリとクシャルダオラとオオナズチとキリンが同時に現れたので全てまとめて討伐して欲しいという依頼だった。

 

 そしてその依頼を見事にクリアし、俺は古龍共の死体の上で横になりながら迎えの馬車が来るのを待っているところだったりする。

 

 

「それにしても今回の古龍達は弱かったな。

 一応G級みたいだが5頭同時に襲ってきたくせに俺に実力の半分も出させることができないとは」

 

 

 そうしたことを考えていると向かえの馬車がようやく着いた。

 

 迎えの馬車も俺がクエスト達成するまでの間くらい、この場に留まって待っていてくれればいいのにとも思うがG級の狩り場はその少しの間に一般人は死んでしまいかねない危険があるから仕方がないのかもな。

 

 俺の狩りに使う時間は今回は一頭につき1秒、つまり今回5頭だったので5秒。

 

 エリア内でモンスターと遭遇するまでの移動の時間を含めても10分もかからないのだが、いつも馬車の御者をやってくれるあいつはアホだから10分もあればベースキャンプで釣りを初めて釣り上げたハレツアロワナやカクサンデメキンを食べて頭がパァンとなって死んでしまいかねない時間だし待機させておくというのは無理があるのだろう。

 

 とにかく今日の依頼を終えた俺は帰ったら絶対に家で休むと固く誓い帰路についたのだった。

 

 

~トイダーヴァの街~

 

 

「お帰りぃ~♪

 帰って来たばかりで悪いけどぉ~、ハターン君に新しい依頼が来てるのぉ~♪」

 

 

 満面の笑顔で、俺が断るなんて全然考えてないような笑顔で、新たな依頼書を持ってくるマル。

 

 

「……なぁマル。

 さすがの俺も今回の狩り(前回のも含めて)でけっこう疲れてるしその依頼はまた今度に回せないか?」

 

 

「うーん、回せないこともなくはないけどぉ~、とりあえず読んでみてぇ~♪

 イトラちゃんにもかかわりがあることなのぉ~」

 

 

「イトラに関係すること?」

 

 

 マルから依頼書を受け取り読んでみるとその依頼はとてもG級ハンターに対する依頼ではなかった。

 

 それどころかハンターに依頼するような内容ではなかったのだ。

 

 

「これのどこが依頼だよ。

 俺が出張る必要なんて一切ないじゃねーか」

 

 

「でもちゃ~んとハターン君を名指ししての依頼よぉ~♪

 指名料も多めに貰っちゃってるしぃ~♪」

 

 

 依頼:『子供向けヒーローショーに出てほしい』

 

 内容:『今度子どもたちに人気の狩猟戦隊シュレンジャーのヒーローショーで怪我人が出たので代役として出演してください』

 

 うん、実に分かりやすい依頼書だ。

 

 何をすればいいのかよくわかる依頼書だ……

 

 

「……なんで俺がこんな子供向けヒーローショーなんかに出なくちゃいけないんだ!?

 てゆーかマル! これのどこにイトラが関係してるって言うんだ!」

 

 

 俺の怒号などどこ吹く風、といった様子のマルは先ほどから崩すことのない笑顔を作ったまま答える。

 

 

「実はぁ~、イトラちゃんこの『狩猟戦隊シュレンジャー』の大ファンみたいなのよぉ~。

 私も好きだからぁ~、こないだ原作の本を貸してあげたんだけどぉ~、えらく気に入っちゃってねぇ~♪」

 

 

「イトラの奴、こんなもんにまで手を出していたのか……

 そう考えると子どもっぽくて微笑ましいなぁ」

 

 

 普段のイトラは俺に甘えて、俺に甘えて、俺に甘えまくっているところしか思い出せないし、たまに10歳という年齢に似合わない妙に大人びて見えるところなんかにときめいたりもしているが、それでもまだ10歳なので時折見せる子どもらしい行動に俺は意外と癒されていたりするのだ。

 

 そんなイトラの久し振りに見せる『子どもっぽさ』を見るためならこの依頼を受けるのもいいかもしれないな。

 

 

「ほらぁ~、この本の挿絵のキャラ~、このキャラは狩猟戦隊シュレンジャーを助ける通りすがりのヒーローなんだけど設定がハターン君にそっくりなのぉ~♪

 イトラちゃんこのヒーローの大ファンなのよぉ~♪」

 

 

「わかった……その依頼、このハターン・モンスータが引き受けた」

 

 

 イトラの笑顔のためなら悪くない。

 

 これも師匠として以上に保護者的人間の役目でもあるな。

 

 

「この依頼は緊急だからぁ~、ショーは明日開かれるのぉ~。

 でもチョイ役だしなんとかなると思うからぁ~詳しい事は明日監督に聞いてねぇ~♪」

 

 

「明日行ってそのまますぐにショーに出れるくらいショボイ役なら別に俺でなくてもいいような……」

 

 

「実はぁ~、そのショーのチケット手に入れ損ねちゃってぇ~。

 ハターン君が出てくれれば私もショーを見に行けるのよぉ~♪」

 

 

 はいはい、どうせそんなこったろうと思ってましたよ。




 ハターンはけっこう甘ちゃんでお人好しなんですよね。

 と言う訳で頑張ってもらうお話♪
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