ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 ついに仇との遭遇を果たしたイトラ!

 さぁ物語もクライマックスになってきました!



イトラの咆哮

イトラside

 

 

「あ、あああ……」

 

 

 その龍の姿を見た時に思い出した。

 

 これが光黒龍ギーラ……

 

 私のパパとママを殺したモンスター。

 

 私から全てを奪っていった憎しみの対象。

 

 

「見つけた……ついに見つけた!」

 

 

 その情報が見た瞬間に頭の中に流れ込んできた。

 

 そして師匠達がいることも忘れ背中に提げていたボウガンを構えながら一気に距離を詰めて飛びかかった。

 

 

「グォォォォォォォォォォォォー!」

 

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」

 

 

 自分の声とは思えない叫びを喉から響かせ大気を震わせる。

 

 そして自分の声に押されるかのように私は体を前に突き動かす。

 

 ただ目の前の仇を屠らんとするために。

 

 

「死ねぇ!」

 

 

 装弾済みだった通常弾レベル3を弾倉が空になるまで撃ち続ける。

 

 だけどギーラの体には傷一つ付かない。

 

 

「ならばこれで確実に殺す!」

 

 

 高速で愛銃を変形させていく。

 

 以前ラオシャンロンの墓で戦ったかなり大きなボスシェンガオレンを一撃で跡形もなく消し去った『阿武祖龍弩・アハトアハトSP』の最終形態。

 

 

「極上・銃王無神!」

 

 

 

 

 引き金を引いて弾が発射されたのを見た。

 

 当たったのもちゃんと見た。

 

 だけど……倒せない。

 

 ハンターとしての道を歩み始めたのも、これまでの師匠の厳しい修行に耐えてきたのも、全ては師匠への愛のためだと思ってた。

 

 だけど今日この時、この龍を見た瞬間悟った。

 

 私は復讐のために強くなろうとしてたんだと。

 

 

「グォォォォォォォォォー!」

 

 

 ギーラが咆哮とともに自身の周りに浮かべていた光球から光線が打ち出された。

 

 

「あぁ、やっぱり私はあの時から成長できてなんかいなかったんだ。

 無意味に生まれて無価値に死んでいくしかない存在だったんだ……」

 

 

 私は最大の攻撃を繰り出しても傷一つつけることが出来なかったギーラを殺すという考えなんて吹き飛んで、私はすでにこの龍に殺されることを望んでいた。

 

 あまりにも強いこの龍は私がこれまでに買ってきた獲物とは全然違うのだから。

 

 

「パパやママの場所に行けば楽になれるかも……」

 

 

 そしてギーラの攻撃はすぐ目の前まで迫ってきても体は反応せずに立ち尽くすだけだった……

 

 

 

 

 

 

 

ハターンside(戦闘前に時を遡って)

 

 

「やっぱ暴走しちまったか。

 まぁ親の仇だしイトラの眼は愛や喜びと同じくらいに復讐と憎悪に淀んでいたからな」

 

 

「おいハターン! それならあたしが連れて来た時になんでイトラを弟子にしたんだ!?

 結局のところイトラはハターンの愛情を受け入れていなかったことになるんじゃねーか!」

 

 

 冷静な俺に驚いたような表情を向けてくるサラ。

 

 

「サラにゃん、ここは静かに観戦してましょ。

 ハタっちにはハタっちの考えがあってイトラちゃんを弟子にしたんだし。

 それと僕様ちゃんもイトラちゃんの眼が復讐者の眼だということに気づいていたよん」

 

 

 こちらは珍しく真面目な顔をしたディオシキは腕を組んだまま隣でイトラの戦いを静かに見る。

 

 サラは人の心の機微には疎いがディオシキはそう言うところだけは俺から一番学んでいるからイトラの中の憎しみだけでなく、それ以外の感情にも気付いていたんだろうな。

 

 その学んだことを活かすかどうかが気分次第なのが困りもんだが。

 

 

「イトラちゃんの過去はすでに聞いていたけどまさかこれほどの大物が仇だったなんてね。

 これほどの龍はさすがに僕様ちゃんも手こずりそうだし。

 で、どうするのハタっち? そろそろ助けに入る?」

 

 

 イトラのボウガンは眼の前のギーラの甲殻に傷一つつけていない。

 

 確かにこのままではイトラは負けて殺されてしまうだろう。

 

 だが、

 

 

「もう少しだ。

 あいつは俺と約束した。

 必ず俺を頼ると」

 

 

 だから信じている。

 

 自分では勝てないとわかった時に死を受け入れるのではなく俺達を、師匠や姉弟子など関係なく、仲間として頼ることが出来る一人前のハンターとして成長出来ていることを。

 

 

「極上・銃王無神!」

 

 

 イトラは自身の最大の必殺技を繰り出した。

 

 さすがはトン爺さんの発明だけあってその威力には驚きを隠せないがイトラの眼は憎しみで曇っている。

 

 イトラはボウガンの引き金を引くとき、考えて引いてしまったのだ。

 

 普段のイトラなら考えるよりも先に体が勝手に照準を合わせて引き金を引くことで誰よりも早い正確無比な狙撃を可能としているというのに、考えて引き金を引いてしまったがために隙が生まれた。

 

 そしてそれは光黒龍ギーラが攻撃を攻撃として認識し、ガードする心構えを持つのに十分な時間だった。

 

 ここまでかなのかイトラ?

 

 お前はまだまだこんなもんじゃないはずだ。

 

 さぁ、ここでお前がするべきことはこれまでに教えてきただろう。

 

 考えるんだ! 俺の一番弟子!!




 イトラは才能だけはハターン以上なのですが、如何せん人生経験が足りず、感情のままに暴れてしまう点があるためにこうなってしまったわけです。

 落ち着きを取り戻したイトラなら『気』やら何やらをボウガンに込めればギーラだけでなくデモンズソウルのデーモンすら一撃で仕留めることが出来るくらいの能力は最初から備わっています。

 なのでギーラが強すぎるのではなくイトラが憎しみに目を曇らせているだけなのです。

 と、考えるとどうなるか……次話をお楽しみに♪
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