ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 どうもここ最近のハターンは子どもっぽさが目立ってましたが大人の包容力といいますか、優しさを上手く表現できていればと思います。

 今日で最終回ですがどうぞ最後までお楽しみください。


俺の手をとれ

イトラside

 

 

 もう死んだっていいや。

 

 師匠には迷惑かけちゃうけど仕方ないよね。

 

 ここが私の限界だったんだよ。

 

 こんなに強いんだからパパやママが殺されたのも仕方がないし私がここで死ぬのも仕方がないことなんだよ。

 

 だから受け入れた。

 

 眼の前の正体不明の圧倒的なまでに強い龍の一撃を。

 

 

 ……だけどその攻撃は私に当たることがなかった。

 

 

「我が弟子イトラ。

 ハンターとしての使命とはなんだ?」

 

 

 光黒龍ギーラの攻撃を防いだのは、いつの間にか駆けつけてくれた師匠だった。

 

 だけど師匠の顔はいつもとは違って初めて見る顔だった。

 

 情けない弟子の私に失望しているのか、それとも怒っているのかわからないような顔。

 

 

「お前の過去は知っている。

 だから復讐をするのは家族を殺され、一人残されてしまったお前にとって当然の権利だと思っている。

 だがな……お前は両親を失ってからの今日まで、俺の弟子として過ごした日々を楽しいと感じていただろう?」

 

 

 私を見つめる師匠の眼には失望や哀しみなどではなく、私を想う愛があった。

 

 師匠はいつも感情を表に出すことはないのに今ははっきりと私に対する包み込むような優しさを感じさせた。

 

 それを見て胸が苦しくなる自分がいることにも気づく。

 

 愛されていたのに拒絶していたのは私の方だったのかもしれない、と。

 

「だったら過去を捨てるな!

 俺の弟子を名乗るのなら何も捨てることなく強欲に全てを手にして見せろ!

 俺はそう教えてきたはずだ!」

 

 

 そうだった……

 

 師匠はいつも私を怒ることはなかったけど愛してくれていた。

 

 普段は無愛想に装っても師匠はいつも周りのみんなを愛していた。

 

 サラさんやディオシキさんが迷惑をかけてもいつも仕方がなさそうにしながらも受け入れていた。

 

 私とは違う。

 

 死を受け入れるのではなく、幸せを受け入れる覚悟。

 

 それが師匠から常々習っていたことだった。

 

 

「だからなイトラ、お前は俺達を頼れ。

 約束しただろ?」

 

 

 静かにそう言っかてくれる師匠の、これまで何度も見てきた優しさに溢れる目を……私はようやく真っ直ぐに見ることが出来た気がする。

 

 

「さぁてサラ! ディオシキ! お前らの妹弟子のピンチだぜ!

 ここらで全員揃って最高の狩りをしようじゃねえか!!」

 

 

 いつの間にか私の後ろに来ていたサラさんとディオシキさんとも目が合う。

 

 

「なんかわりーなイトラ。

 お前の気持ちを汲んで最後まで観戦に徹しようと思ってたけどやっぱ無理だわ。

 お前が死んだらあたしが悲しーんだよ」

 

 普段は大雑把で何も考えていないことを逆に誇っている能天気なサラさん。

 

 

「僕様ちゃんは最初からイトラちゃんがピンチになったら助ける気でいたからお礼なんていらないよ。

 最初からこうするつもりだったってだけの話だからね♪」

 

 

 ちょっと危ない言動が多いけど師匠との関係を進展させるために協力してくれてたディオシキさん。

 

 

「ここまで来たらチームハターンでの狩りは止まらないぜイトラ。

 お前も参加するんだろ?」

 

 

 そう言って差しのべられた師匠の手。

 

 大きくて暖かい私の大切な人。

 

 

「はい! 私はハターン・モンスータの弟子にしてサラ・ムーイ、ディオシキ・ブラザキの妹弟子、イトラ・ウボンガ!

 私と一緒にこの狩りを手伝ってください!」

 

 

 しっかりと肯いて師匠の手をとる。

 

 もう離さない、もう忘れない。

 

 私の今の幸せの場所。

 

 

「そうこなくっちゃな、我が弟子よ。

 それじゃあ覚悟しろよ光黒龍ギーラ。

 俺らの本気はちっときついぜ」

 

 

 振り返って光黒龍ギーラを睨む師匠。

 

 その圧倒的なまでの迫力でギーラを後ずらさせる。

 

 これが師匠の心の強さ。 私の愛する人。

 

 

 共に狩る。

 

 私は狩人。 ハンターのイトラ・ウボンガです!

 

 

 

 

 

ハターンside

 

 

 イトラの奴さっきまで死ぬ気だったってのに気持ちのベクトルが百八十度変わって生きるために狩る決意をしたようだな。

 

 これまで苦戦を強いられることが極端に少なかったから分からなかったんだろうが俺の弟子である以前にハンターとして、生きることを諦めるのはこれまでに奪ってきた命に対する冒涜にすらなりかねん。

 

 決して死なず、常に狩る側で居続ける覚悟を持てたようだ。

 

 

「俺の弟子を殺そうとした報いは受けてもらうぞギーラ!」

 

 

 光黒龍ギーラはまるで待っていてくれたかのように咆哮を響かせ俺らに向かってきた。

 

 そしてそれに応えるように俺達も同時に飛びかかった。

 




 なんからしくない位にシリアスになってしまったかも。
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