ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 さぁいよいよラストバトル!

 ハターン達四人はついに一つにまとまり光黒龍ギーラを倒すために手を取り合う。

 それではご覧ください。




これもまた一つの幸せなのか?

 前回の流れから今回の話は物語のラスボス的モンスター光黒龍ギーラと俺達の熱いバトルが繰り広げられる思っている人が多いと思う。

 

 俺だってそうさ。

 

 だがそんないいムードでは始まらない。

 

 何故なら……

 

 

「父さん秘術:『帰ったように見せかけて実は帰っておらずラスボス討伐という美味しい所を持っていく』の術~♪」

 

 

プスッ♪

 

 

「ギャォォォォォーン」

 

 

 光黒龍ギーラは帰ったはずの俺の父さんに狩られてしまった。

 

 

 

 ……この展開には俺も驚いた。

 

 だってそうだろ?

 

 ここは過去のトラウマを乗り越えたイトラが俺やサラやディオシキと手を取り合って熱いバトルをするのが必然だろ?

 

 それが父さんの黒滅龍槍の一撃で終わるだなんて。

 

 

「いやー、私もハンターとしてこれほどの大物は自分で狩りたかったんだよ。

 めんごめんご♪」

 

 

「気持ちのいい笑顔をありがとう父さん……なんて言うかボケェー!

 せっかくたぎってきた俺の熱情(パトス)をどうすればいいんだよ!?」

 

 

「それなら私と愛を営みませんか?」

 

 

 気づけば俺の手を先ほどから握ったままのイトラがそんな事を言ってきた。

 

 てゆーかさっきまで傍にいたサラとディオシキはいつの間にやら気を利かせてくれたのかすでに消えてるし!

 

 

「私はもう師匠の手を離さないと決めたのでこれからはずっと一緒ですよ♪

 あんなに熱いプロポーズをしてくれたんですもの、離れられっこないです」

 

 

「いやぁ~、ようやく孫の顔が見れそうだね。

 それじゃ父さんもこの島での仕事は終わったし一旦家に帰るよ。

 式の日取りが決まったら連絡してくれよ」

 

 

 そう言って母さんと同様にありえない早さで荷物をまとめて走り出した父さんは去って行った。

 

 

「……なんかもう疲れた」

 

 

 しかしまぁ、イトラも人を頼ることを覚えたし、これで弟子は卒業だ。

 

 俺もようやく久し振りに寡黙で渋い一人暮らし生活が送れそうだぜ。

 

 

「師匠、弟子卒業ってどういうことですか?」

 

 

 ん? 心を読まれたか?

 

 

「まぁ、言葉通りだ。

 俺の教えることはもうないから一人立ちしてもらおうと思ってな。

 今回の狩りもイトラの卒業試験という目的があって受けたんだ」

 

 

「でも私は師匠と離れたくはありません!

 私のこの熱情(パトス)はどうすればいいんですか!?」

 

 

 うぉう、さすがは俺の弟子。

 

 俺と同じような反応で返してきた。

 

 

「大丈夫さ。

 イトラならもう一人でやっていける。

 だからこれからは一人でハンターとして頑張って行け。

 なぁにたまになら俺も手伝ってやるからさ」

 

 

 そう言って繋いでいた手を離し、イトラに師匠としての最後の言葉を放つ。

 

 

「お前は一人前だ!

 それじゃあ元気でやれよ」

 

 

 それだけ言うと俺は走り出し、島から勢いよく飛び出した。

 

 愛ゆえに弟子を一人にする。

 

 これも俺の愛だぜイトラ。

 

 さらに強くなれよ。

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

 島から海を走ることでトイダーヴァの街に帰ってきた俺はまず最初にギルドに向かった。

 

 

「よう、マル。

 帰って来たぜ」

 

 

 いつも通りカウンターの上でだらだらしているマルに、珍しく自分から話しかけた。

 

 

「あらぁ~、その様子だとイトラちゃんも弟子卒業したみたいねぇ~♪」

 

 

「さすがはマルだな。

 その事もすでにお見通しか」

 

 

 挨拶はその辺にして、俺はいつもの指定席ではなくカウンター席に腰掛けた。

 

 

「ところでマル。

 狩りに行く前に頼んでいたものは出来ているか?」

 

 

「あらあらぁ~、私を誰だと思ってるのぉ~?

 すでにギルドが総力をあげて完成させてるわよぉ~♪」

 

 

「さすがだな。

 いつもこれ位に仕事が早ければいいのにな」

 

 

「それよりもぉ~、本当に行っちゃうのぉ~?」

 

 

 普段笑顔しか見せることのないマルにしては珍しく寂しげな表情を浮かべる。

 

 

「あぁ、俺はこの街を出る」

 

 

 俺が町に帰ってきたのはこのためだ。

 

 家も全焼しちまったし、最低限の荷物を持って旅に出ようと考えていたんだ。

 

 そうしてマルとの短い会話を終わって席を立つ。

 

 マルはそれを引き留める様子はないが視線はこちらに向いたままだ。

 

 

「最後だから言っておくけど、お前との付き合いも長かったが楽しかった。

 イトラのこともよろしく頼む」

 

 

「じゃあ最後だからぁ~、私も言っちゃうけどぉ~♪」

 

 

 この間延びした口調もしばらくは聞けなくなると思うと寂しいものもあるな。

 

 

「ハターン君が狩りのあとに街を出て旅に出ることサラちゃん達に喋っちゃったから♪」

 

 

「そうか……って何ぃー!?」

 

 

「家を見てきたらぁ~?

 私からのぉ~、サプライズプレゼントも置いてあるからぁ~♪」

 

 

 マルはまだ何か言いたそうだったが無視して急いで俺の家があった場所に向かう。

 

 俺は今回の計画のために家が全焼したのをこれ幸いと、俺による俺のための大陸中を旅するための一人用の馬車を注文しておいたのにその計画に歪みが生じてしまったのかもしれない。

 

 そして俺の家があった場所に待ち構えていたのは……

 

 

「こんなの頼んでないぜマル……」

 

 

 それは巨大な家だった。

 

 否、屋根には古龍観測所がよく使う飛行船のような気球が付いている。

 

 ってことはこれは空を飛べるのか?

 

 

「あ! や~っと帰ってきたのねん♪」

 

 

「待ちくたびれたぞハターン」

 

 

「お帰りなさいませ師匠♪」

 

 

 家の窓から顔を出してきたのはメラナト島に置いてきたはずの弟子三人娘の姿だった。

 

 

「なんで島に置いてきたお前らがここにいるんだ!?

 先に島を出た俺よりも早く帰ってくるなんてどうやったんだよ!?」

 

 

「それは私が師匠をついに越えたからです♪」

 

 

 イトラだったようだ。

 

 

「私はどうやら師匠の海の上を走る技術を身につけるだけでなく、師匠以上にその技術を使いこなすことに成功したみたいなのです。

 なのでサラさんとディオシキさんを担いで師匠よりも早く海を走って先回りしていたんです♪」

 

 

 なんか満面の笑顔で自信満々に言うイトラ。

 

 

「こりゃもう名実ともにイトラがハターンの一番弟子だな。

 あたしもここまで早くイトラが成長するとは思ってなかったぜ」

 

 

「それとハタっちが旅に出ようとしていることもすでに聞いていたから注文していた馬車も僕様ちゃん達も乗れるものに改良してもらったから」

 

 

 妹弟子の成長が嬉しいのか、サラとディオシキも最高に楽しそうな顔をしているが俺の気持ちなんて今回も考えていないんだろうな……

 

 俺が最初にギルドに注文していた一人乗りの馬車だってのに、それをこんなバカでかい飛行船に注文内容を変えたってことは、三人揃って付いてくる気満々なんだろうな。

 

 

「と、言う訳でこれからも一緒に大陸中のモンスターを狩りに行きましょうね♪」

 

 

 眩しいくらいの笑顔のイトラを前に俺は駄目とは言えなかった。

 

 これも俺の甘さゆえなのだろうか。

 

 

「知ってましたか? 女の子はある日突然女になるものなんですよ♪」

 

 

 いや、そんなハナマル笑顔で言われても……

 

 まぁ、可愛いけど俺のソロ狩りライフという夢ががまたもガラガラと音を立てて崩れてしまった。

 

 

「……はぁ、仕方がない。

 それじゃ全員で旅に出るぞ!」

 

 

 悩んでも仕方がない。

 

 どうせ俺はこいつらを断ることなんてできない運命だったんだろうしな。

 

 それならせめてその運命を楽しむまでだ。

 

 そんな覚悟を決めていたところでイトラが最後の最後に最後の爆弾発言をしてきた。

 

 

「あ、それと師匠と私の婚姻届をギルドの方に提出しておきましたので私と師匠の関係は師弟関係から夫婦関係へと進んでおきましたので♪

 これからよろしくお願いしおますね。あ・な・た♪」

 

 

「ノォォォォォォォォォー!」

 

 

 俺のこの絶叫はトイダーヴァの街によく響いたそうな……

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

 ……この世にはまだまだ俺の想像を越えるようなモンスターがいるのかもしれない。

 

 いつかは俺の最強伝説にも終止符が打つたれるかもしれない。

 

 だがそんなことはどうでもいい。

 

 俺には何だかんだあったが一応愛する弟子であり、仲間である三人がいるのだから。

 

 

 

 こうしてトイダーヴァの街を拠点としていた最強のハンター、ハターン・モンスータは最強の妻と最強の弟子二人と一緒に大陸中を飛行船で旅しながらさらに伝説を作っていくのだった……

 

 

「そういや、イトラがハターンの妻なら、あたしとディーちゃんはハターンの愛人ってことになるのか?」

 

 

「いっえーい、僕様ちゃん達も既婚者であるハタっちと、妻のイトラちゃん公認の不倫関係ってのも悪くないかもね♪

 背徳感が堪らないのよん。ぎゃははははッ!」

 

 

「私は師匠が私を一番愛してくれるのなら愛人が何人いても構いませんよ♪

 昔と違って師匠ほど素敵な人を自分一人で独占しようとはしませんのでサラさんやディオシキさんなら歓迎です♪」

 

 

「さすがにそれは勘弁してくれ……」

 

 

 やれやれ、こんな幸せも、俺の狩りと愛の日々なんだろうな。

 

 

 

 

 ~おわり~

 

 




 前話の雰囲気から、この最終話もシリアスなラストになると思っていた人の期待を裏切るためにもこれ位しなくてはいけませんねw

 ギャグこそ至高、これぞヨイヤサクオリティなり!


 ……さて、これにて『ハターン・モンスータの狩りと愛の日々』は終了です。

 目標であったこれまでに書いた作品を超えるという目標は大体達成できました。
 と言いますか、「にじファン」の時でさえ結構評価されていましたが、ハーメルンに来たら評価ポイントは倍以上もらっていました。ありがとうございます♪


 ではこれまでご愛読いただきありがとうございました!

 この物語の感想、評価、お待ちしております。

 読みやすさを優先して書いていたので文章のルールを無視して読みやすさとギャグを追及しましたので嫌いな人は嫌いかもしれませんが、わかりやすさと読みやすさは重要ですからね。

 何か読みにくかったり、描写がわかりにくいところや直すべきところがあればドシドシ言ってきてください。

 それでは、これまでお付き合いいただきありがとうございました。

 キャラ総入れ替えで、世界観だけ引き継いだモンハン二次創作をもう一つ書いているので、また近々そっちも投稿しようと思います。

 立て、目覚めよ! 私の最初の百合小説にして、狩り描写が一切ないモンハン小説。『しょしたい!』。

 ……いや、アニメの「モンスターファーム」の魔将軍デュラハン的な次回作予告です。
 そっちも良ければ読んでください♪

 久し振りに自分の小説を振り返ることが出来て私自身楽しかったです♪
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