霊夢と魔理沙には犠牲になってもらいました。
「ところで、ユウさんが真面目に戦ったら霊夢や魔理沙に勝てるの?」
正座をしているところに彩月がぽつりと呟く。
「えっ?」
ニコッとしながらこちらを向くユウさん。
すごい嫌そうな顔をして彩月の顔を見る霊夢さんと魔理沙。
「そういえばあのスタイルのユウさんとこの二人、戦わせてみたい気もする」
思ったことをそのままつぶやいた。
「そ、そういえば用事思い出したぜ」
「私も紫に呼ばれてたんだったー」
そう言い訳しながら二人は背中を向けると、
「大丈夫だよー、一戦やろーどちらにしろ幻術にハマってキミ達ここから出られないしー」
仕事が早いな。
魔理沙と霊夢さんがサビついてどうにもこうにも動かしにくい関節を無理に動かそうとしているロボットのような挙動でこちらを振り向く。
ユウさんは相変わらずニコニコしていらっしゃる。
この強者共がこんな反応をするということはもっと強者なのではないかこの人は。
「ひっひっひ…ユウさんがんばれー!私たちの敵をとるのだー!」
彩月がアホみたいなことを叫ぶ。
へっぴり腰になってしまった霊夢さんと魔理沙が覚悟を決めたようだ。
さて、ふたりが震えるほどのこの人の実力はどんなものか。
「危ないから二人は屋根の上に逃げててね♪」
やる前から楽しそうなんですけどこの人。
「ユウちゃんの戦闘スタイルを見るといいよ光輝」
「お前ユウさんの実力知ってるのか?」
「私とユウちゃんが組んであんたを襲ったことを思い出してみ?」
「あー…」
うん、きっとメンドクサイ。でも気になる。
そして試合開始のコングが鳴る。
霊夢さんと魔理沙が空中に飛び上がり、ユウさんの動きをガン見している。
「あそこにいるのはおそらく偽物だ霊夢」
「どこから攻めて来るかわかったもんじゃないわ」
二人は背中を合わせて、辺りを見回してる。
ユウさんの姿はあそこにあるが、二人はそれを見向きもしない。
ユウさんはその二人のところまでふよふよ飛ぶ。
「騙されるな霊夢」
「うるさいわね」
「もう二人とも怖がりすぎ。私はここにいるよ!」
ユウさんが霊夢さんに廻し押し蹴りを腰に入れる。
「きゃあっ!!」
「ぐおっ!!」
なぜか魔理沙だけ霊夢さんとは反対方向に飛ぶ。
何故だ。ユウさんは霊夢さんにだけ蹴りを入れたはずなのに。
「くそっ!」
吹き飛びながらも体勢を立て直した魔理沙はユウさんにマスタースパーク略してマスパより少し小さいレーザーと撃つ。
霊夢さんの方を見ると、赤い座布団のような札の弾幕をユウさんに放つ。
弾幕の挟み撃ちだ。
しかしユウさんはその弾幕をすり抜ける。あの時俺もやられたぞあのすり抜け技。
「くそっ…!今度は偽物か!」
「本物はどこ!?」
「だから本物は私だって」
すり抜けをやっていたユウさんが喋る。
そして、どっからか2本のナイフを手元に空間外から出現させるように取り出してまっすぐ綺麗に二人に投げる。
当たり前のようにナイフを避ける二人。通り過ぎたナイフは花火のようにキレイに爆発。
と、同時にさっき飛んで行ったハズのナイフが途中半透明な状態で再び飛んで行く。
なんというか、投げたように幻術で見せかけて、本物が飛んで行ったって感じ?
花火に見とれ突然の2本目のナイフに反応できなかった二人は、ナイフに被弾したと思ったが、突然ナイフが大きいバランスボールに姿を変える。
「がっ!」(魔理沙)
「にっ!!」(霊夢)
あまり痛くなさそうなバランスボールが二人に直撃、そして地面に落ちていく。
見た目はナイフだから反応してからギリギリチョン避けしようとしていただろうが判定自体は大弾という良い判定詐欺トラップ弾だ。
視覚からの情報を逆に利用して相手を混乱させている。
「いっくよー」
魔理沙の技『マスタースパーク』
ユウさんのスペカ?らしきものが発動する。
あのぶっといレーザーがユウさんの手から魔理沙の方へと放たれる。
「くそっ、私の技をっ!」
魔理沙はマスパを避ける。
するとマスパの中から両手を広げたユウさんが。
「私はここだーい」
魔理沙に抱きつき、マスパの中へと引きずり込む。
「ぎゃああぁぁあ!」
魔理沙はどうやら焼かれたようだ。
「魔理沙…」
霊夢さんが大きな汗をかいている。
マスパを撃ったユウさんの姿が見当たらない。
「どこを見ているの?」
「きゃあああっ!!?」
急に背後から声がしたらしく、反射的に逃げる霊夢さん。
逃げた先にいなくなっていたはずの魔理沙が。
二人は正面衝突をする。
「なっ、霊夢!」
「魔理沙、あんたマスパに焼かれたハズじゃ」
「は?お前こそユウのパクーリ封印に倒されたはずじゃ」
二人の話が噛み合っていない。
まさに幻術?
「談笑終了!」
両足で二人の頭にかかと落としを入れるユウさん。
いやどっから現れたかわからなかったぞ。
そういえばさっき蹴った瞬間、打撃音じゃなくて大きな鐘の音だった気がする。
現景『デバックバグ』
ユウさんがスペカを唱えると、空中なのにかかわらず地面に叩きつけらる挙動をする二人。
次に世界が暗転したかと思ったら、なんと二人は地面に尻をついている状況に変わっていた。
見えていたものが今まで全てウソだったというのか?
「あーもう頭が痛くなるなぁ!」
霊夢さんがキレる。
そりゃ頭に蹴り入れられたら痛くもなるわ。
「さっきからバカにしやがって絶対に撃ち取ってやる!」
魔理沙がホウキで飛び上がり、ユウさんにそのまま突撃。
彗星『ブレイジングスター』
「ちょっ!魔理沙!」
「ぐほぉっ!!!」
魔理沙は木に激突。木の幹を真っ二つにへし折りつつぶっ飛んで行った。
威力はめちゃ高いが、思いっきり幻に騙されていてまるで意味を成してない。
ムキになればなるほど手がつけられないようだ。
俺が今やったら絶対勝てないなこりゃ。
あの時は運がよかっただけなんだほんと。
「だから言ったのに…」
霊夢さんが呆れていた。
立ち上がってスペカを宣言しようとした瞬間、
「千年殺し」
ブスリ
「にょぉぉっ!!???」
霊夢さんがお尻を抑えて倒れてしまう。
「さっきから私のこと見失いすぎじゃない?『別に』私は本物よ」
しゃがんで霊夢さんを眺めるユウさん。
容赦なくお尻を狙うとは恐ろしい。
「…絶対殺す」
神技『八方鬼縛陣』
お尻を抑えながらダダ漏れの殺意を込めスペカを発動。
広範囲の結界がユウさんを囲み襲う!
しかしユウさんは間一髪すり抜けをせずに結界の外から出て無傷だ。
「ふぅ、セーフ」
「さっきはよくもぉぉぉぉ」
さっき派手に木に激突していた魔理沙がユウさんに向かって思いっきり突っ込む。
たぶんブレイジングスター的な。
見た感じ、しっかりぶつかったように見えたが…?
「やったか!?」
手ごたえを感じたのか、魔理沙がそこから上昇して、ユウのいた場所を眺めるが、
「魔・理・沙♡」
「!!!??」
なんとユウさん、魔理沙のホウキに乗っている。
二人乗りってやつか。幻術使いらしい。
あんなふうに声かけられてもあんな状況じゃ冷や汗もんだ。
遊ばれるというのはああいうことを言うんだな…。
「ぎゅっ♡」
「ぎゃああああ離せええええ」
文字通り、魔理沙に抱きつくユウさん。
あんなに可愛いのに、あんなに怖いのはなんでだろう。
そして倒れている霊夢さんの目の前にユウさんがいる。
あれ?
ユウさんは確かに魔理沙のホウキに乗っていたはずじゃ。
そう思うのも束の間、魔理沙のホウキに乗っていた方のユウさんが、あの時俺にかましたように爆発をした。
分身爆破かあれは。怖い怖い…。
魔理沙は撃墜され地面に落ちる。
と思ったら何故か場所が変わって霊夢さんの上に落ちてくる。
「おえっ!?」(霊夢)
「がっ!!」(魔理沙)
もう色々とフリーダムすぎませんかね。
観客たる俺ですら目が追い付かない。
別に速度の速いゲームじゃないのに…。
「どう?動ける?」
ユウさんがしゃがみ、倒れている二人を見る。
「くっ!」
霊夢さんが消える。
その瞬間、ユウさんの背後から首根っこを狙った飛び蹴りをする霊夢さん。
この人もワープできるのかよ。幻想郷の人間ずるいわ。
しかし霊夢さんはしゃがんでいた“魔理沙”を蹴った。
倒れていた“ユウさん”はその光景に思わず吹き出してしまった。
「ぐはっ!」
「なっ!!?」
簡単に言うと、ユウさんと魔理沙の位置が入れ替わっていた。
一体何をしたのかよくわからない。いつ入れ替わった。
「慌てないのー。私はいつもここにいるから」
いやあなたが言ってるともう意味わかなんないっす。
見てる方も幻術にかけられているようだ。
「おおー、すごいユウさんあのふたりを押してるよ」
「何だあの戦闘力…」
相手騙しまくりじゃないか。彩月も感心しておる。
戦ってるというか遊んでる。どんな状況にも幻術で対応している。
まるで幻術という概念を超越してる立ち回りをしているが。
本当にこれは幻術という表現でまとめてよいのだろうか。
「しむらー、後ろー」
ユウさんが二人の背後へ指をさす。
騙されまいと霊夢さんが無視をする中、魔理沙が素直に後ろを向き、光景に驚いた魔理沙が霊夢さんを引きずって上空へと飛ぶ。
二人がいたところにはハンマーを持っていた鎧のオバケ?の叩き下ろす攻撃跡とかいうそんなの。
よく見ると鎧おばけの持ってたハンマー、赤いピコピコハンマーだった。
でもあの大きさじゃ殴られたら痛そう。
「危なかったー…危うくやられるところだったぜ…」
「くっそ…」
霊夢さんマジで悔しそう。
ユウさんは相変わらずさっきの場所から動いてない。
動いていないように見えていただけだった。
「よいしょ」
「!?」
「!?」
ふたりの背後にどうみても大タ〇爆弾Gを抱えたユウさんが。
ユウさんの姿を見た瞬間逃げようとするふたり。
しかし背後にも大タ〇爆弾Gを抱えたユウさん。
いつの間にか大タ〇爆弾Gを抱えた大量のユウさんに二人は囲まれてしまっていた。
「なにあれこわ」(彩月)
「わかるそれな」(光輝)
わかった、あの弾幕は刺激したらアカンタイプだ。
霊夢と魔理沙は大タル爆弾の壁に触れないように結界のような爆弾弾幕から高速で抜け出す。
よーし、いいぞ、刺激したら終わりだからな。
「その綺麗な顔を吹き飛ばしてやるよ!」
「うおおっ!?」
「きゃぁっ!?」
俺と彩月の間に伏せ、ライフルを構えているユウさん。
「びっくりしたァ!」(光輝)
心臓に悪いですユウさん、突然真近くに現れるのは勘弁してください!
なんの躊躇いもなくライフルで大タ〇爆弾をぶち抜く。
まるで太陽のように大爆発する弾幕。えぐい。
この人はどんなアイテムもその場に出せるのか?
まさかとは思うけど、幻術使いだけに、使いたいアイテムを想像して幻術で召喚している?
「察しがいいじゃない光輝くん♡」
突然頬にキスをされた。
「!?」(光輝)
「は!?」(彩月)
なぜか一番嫌な顔してるのは彩月であった。
「心を読まれていた!?」
「気づかなかったの?伏せていた時にとき二人に触れていたの」
さっき紫さんとのやりとりである光景を思い出した。
紫さんの記憶をコピーし、俺らにペーストしたということは記憶を経由できるということ。
記憶を経由できるということはその記憶も自分も覗けるということか。
そして記憶を覗く条件は、相手に触れていた時。
「んー、正確には術を発動させている間だけね。触れていれば読めるわけじゃないよ」
「そうなんですか…」
心を読まれながら会話するのもなかなかアレだな…。
「術を発動させていてかつ相手に触れているとき、それでいて脳に近い部位に触れていると見やすくなると?」
「彩月ちゃん頭いいね。そうだよ。まあ本当は脳に近かれ遠かれガッツリ触れさえすれば見えるんだけど」
「脳ということは、ユウさん、あなたの能力、相手の脳にかなり干渉することになりますね」
そうすると幻術を使うのがうまいのもわかる。
でも二人の位置が入れ替わる幻術についてはまだ原理が不明だ。
「っていうか、あの時言ったけどさ」
クスっと笑いながら言う。
あれ?いつ言ったっけな?
ぶっちゃけタネがわかった時点で何もできない気もするが。
それはいいけどあのふたり…。
「動くな。動くと撃つ。いや撃つと動く」
魔理沙が背後を取って八卦炉を構える。
おいおい俺らごと撃つ気か。
霊夢さんも俺らの前に現れて札を構える。
「あらら」
ユウさんピンチか!?
ってか俺らもピンチ!
「今のあんたは本物でしょ?本物でしょうね」
霊夢さんの構えがキツくなる。
「やれやれ…私のことをホンモノだニセモノだって言っている間は、まだまだ」
霊符『夢想封印』
ちょっ、俺らいるのにお構いなしですか!
まだユウさんセリフの途中!
すかさず印を結ぶ。
ユウさんと彩月に触れる。
「瞬身の術!」
俺はふたりを担ぎ、夢想封印の範囲外にワープして逃げた。
「ふぅ…あぶねぇ…巻き添え喰らうところだった」
「た、助かった?」
彩月が冷や汗を流して安堵する。
「うーん、負けを悟ったのにまさか助けられちゃうなんて」
まるで読んでいたかのようにニコニコしているユウさん。
負けを悟るとか絶対嘘だ。しかし俺が触れるというのを分かっていたのか、すり抜けをしなかったなこの人。
自分の意志で自分を幻現化を操っている?
「コラァァァ!!何勝手な事してくれてんのよ!!」
おh、霊夢さんやっぱりご立腹のようです。
「あのさあ!観戦者を巻き添えにスペルカード撃ってくるんだもんそりゃ避けるわ!」
「何もユウまで連れて行かなくてもいいじゃん!」
「そうですねごめんなさい!!!」
距離があるので大声で会話する俺と霊夢さん。
いやぁ、ついつい。
なんとなく自分の能力がわかってきたぞ。
火遁、光遁、その他系の忍術は想像すれば発動できるらしい。
ある意味瞬身の術は光に近いかもしれん。
まさか、こんな便利な術をお手軽な印で出せるとは、面白い能力だ。
「観戦者に手を出したからには観戦者にも戦って欲しいのかな?」
彩月が言う。さっきまで大汗流していたヤツが何を偉そうに。
「いいよ、私が許可するー」
ユウさんが言う。
ニコっと。
「何?やるって言うの?かかってきなさいよさっき倒したふたりがかかってきても結果は同じ」
「今度は私もサポートするから♡」
「くっ…」
ユウさんももちろんやるらしい。
霊夢さん、ユウさんの実力分かってるから嫌そうな顔してる。
「あ~あ、あの場所からおびき出すだけのつもりだったのに、余計やっかいなことになっちゃったぜ」
魔理沙も頭を片手で抑えて呆れていた。
絶対そんなつもりじゃなかったんだろう。
「えい☆」
ユウさんが俺と彩月の頭を人差し指で押す。
「ん?ユウさん何を…。なんだ?頭の中がなんかすっきりしたような」
「頭の回転がなんか早くなった気がするわ!」
「頭の中をリフレッシュさせてあげたよ。気分転換にねっ」
す、すげぇ、仲間の強化もできるのかこの幻術使い。
脳に干渉する幻術だけに一時的であろうが、こういうこともできるんだ。
すごい人が仲間になったな。
「さあさあ光輝彩月ー、私のために死ねぇ☆」
ユウさんが二人に向かって指をさす。
私のために死ねって…。
「よおし、光輝、私の為に死ねぇ☆」
彩月までもユウさんと同じポーズで同じようなセリフを言う。
「お前らも戦うんだよ!俺だけ戦うとか無理すぎるから!!」
「だっせーがんばれよコイキング」(彩月)
「サツキングもがんばろー!」(ユウ)
「ユウキングもやるぞおら!」(光輝)
もう全員王様じゃねえか!つーかコイキングってなんじゃコラ。せめてコウキングって呼べよ!
そんなことはどうでもいいわさっさとやるぞこうなったからには!
印を結び…!
火遁『
俺の口からなんか今までとは比べ物にはならないほどのでっけえ炎の壁が出現、二人を丸呑みにしかねないほどの業火が辺りを焼き尽くす。
よく見えないが二人にはよけられたかもしれん。
彩月が今まで以上の火遁を目の前で見た衝撃?でポカンとしている。
「すっげぇ…頭の中がスッキリした…とうか血の巡りが良くなった感じがしてスケールのでかい術が出せたぞ!」
「わー」
ユウさんが拍手をしている。
「上よ!」
彩月の叫び声を聞き、上を見ると、魔理沙が八卦炉を構えている。
マズイ!どうせアレだろ!いちいちワンパターンな!
印を結ぶ!
星符『ドラゴンメテオ』
さっきのマスパのようなぶっといレーザーがこちらに放たれる!
「瞬身の術!」
二人を担ぎ、また瞬間移動してスペカ範囲外に逃げる。
「あ~、楽でいいわ~」(彩月)
「楽チン楽チン」(ユウ)
「お前ら…少しは術を使わされる身にもなれよ…」
夢符『二重結界』
その瞬間、正方形の形をした結界に閉じ込められてしまった。
「あんたらさっきから舐めた真似してくれて…絶対まとめてぶっ倒すわよぉぉ!」
宝具『陰陽鬼神玉』
ブチギレている霊夢さんからでっかい陰陽玉が俺ら3人に放たれる。
アカン。
結界の中で逃げ道がない。結界の中だからか瞬身の術も発動しなくなっている。
どうするか!?
水符『デブバブルシュート』
彩月が両手を突き出し、巨大な陰陽玉を飲み込まんほどの大きさの水の塊を作る。
「おりゃー!」
そして放つ。大きな水の泡が大きな陰陽玉を飲み込む。
しかし動きを完璧に止めることは出来ず、ただ勢いを弱める程度のことしかできなかった。
「どうしよwww」
「おい!あれで終わりかい!」
陰陽玉は水の塊をメリメリと抵抗しながら強引に進んでくる。
破壊や食い止め出来ないか…!
結界の隅に札があることに気づく。
「!」
光遁『
光瞬く非物理の手裏剣を手元に出現させ、結界の隅の一つの札に向かって投げる。
「破ァ!!」
光の手裏剣が札に刺さった瞬間、片手で起爆の印を結ぶ。
俺の光遁は爆破属性付きだ。何げに使い勝手がいい。
すると俺らを悩ませていた結界が消える。
どうやら四隅の札を一枚でも破壊されると結界は消えるらしい。
これがこのスペルカードのリスクか?
「なっ!やってくれたわね!」
霊夢さんがスペルカードをまた宣言しようとしている。
「逃げるぞ!」
「流石コイキング」(彩月)
「だからコイキングはやめろ」
魔符『スターダストレヴァリエ』
結界から出た瞬間大量の星屑弾幕が俺らを囲む。
「なんだこりゃっ!」
「お前たちはこの弾幕からは逃げることはできないぜ!」
すげぇ!キレイ!だけど痛そう!
そして何より弾幕が濃い!一番最初に戦った時よりスケールもでかいわ。
光擊『シュート・ザ・ムーン』
地上からもレーザーが放たれた。
スペルカードを複数宣言もアリなんですかね!?
何よりこの弾幕の中、地上からいやらしく俺らを狙ってくるこのレーザー…!
うざいわ!
樹壁『プランティックウォーラ』
彩月が手に隠し持っていたなんかの植物の種が一瞬にして成長、木のように固く成長したツタが星屑弾幕から身を守る。
足元にも生やして下からのレーザーからも身を守っている。
俺のことは守ってはくれないが。だけどユウさんは守っているようだ。
はいはい自分の身は自分で守れってか!
俺はミジメにクナイ二刀流で弾幕を避けるなり弾くなりして耐えていた。
神霊『夢想封印』
目が痛くなるような濃い弾幕を一生懸命避けてやり過ごしてると霊夢さんの容赦ないスペルカード宣言。
次から次へとキリがねえ!
霊夢さんの放つ光の弾が大量に飛んでくるが、
俺のことを守らなかった奴らのことを置き去りに、弾幕を縫いつつ脱出。
おもいっきり彩月の作った植物の壁にぶち当たってた。
あの量と威力じゃあの守り崩れただろうな。ざまあwww
火遁『
俺の口から細かい火の鳥が霊夢さんと魔理沙の方向へとワイドランダム弾のように放つ。
印を成した瞬間、さっき放った炎弾達がレーザーのような光を放ち、近くにある火炎弾同士が光で繋がる。
「うおっ!?なんだか急に弾幕らしいことをしてきたぜ!?」
「だけど当たらなければどうということはないわ!」
どうかな!?
火遁『
追加で烈火(仕上げ)の印を結んだ瞬間、さっき光で繋いだ火炎弾達が光りだし、繋いだレーザーのレールに高火力の業火が走る!
言っている意味がわかるだろうか?
「キャッ!?」(霊夢)
「熱っ!!」(魔理沙)
火炎弾に寄っていた二人はギリギリ喰らわなかったが熱は食らったようだ。
体勢が崩れた。
そのチャンスタイムに彩月が背後から霊夢さんに突っ込む!
お前生きてたんか、死んでたかと思ったぜ!
しかし百戦錬磨の霊夢さん、その状況からまさかの彩月にカウンターサマーソルトキック!
しかしアゴを蹴られた彩月の身体が水化して粘着性のある液体が霊夢さんの足を掴む!(?)
「かかったわね!」
その後ろからユウさんに姿を消してもらっていたと思われる彩月の体当たりが!
「ぐっ…!」
彩月が霊夢さんにやっとダメージを与えたぞ!
ユウさんのサポートがあってこそだな。
彩月が水分身を作れるだなんて信じないぞ。
あいつ水操れたっけ。クソが。
「カウンターはさせない!」
水牢『プリズムウォーター』
彩月の片手から大きな水の弾が。
体当たりの衝撃と一緒に霊夢さんを巨大な泡の玉の中に閉じ込める!
霊夢さんの動きを一時的に封じた!
「死ねェ!」
「おおっ!?」
彩月に気を取られていると魔理沙がホウキにのって体当たりを仕掛けてきた。
あぶねえ危うく当たるところだったけど避けた!
「そこだァ!」
避けたと思ったらホウキに乗ったまま器用に俺の背中を地面に向かって蹴ってくる魔理沙。
「いっ…!」
空中で体勢を直し、魔理沙の姿だけでも確認しようと上空を見ながら落下していると八卦炉を構えている魔理沙。
「またそれか…!」
印を結ぶ。
恋符『マスタースパーク』
「瞬身の術!」
こうしないと避けられなかった。吹き飛んでいるときに他に回避手段がなかったんだ。
だけど、おかげで魔理沙の背後を取れた!
撃ち終わってスキだらけの魔理沙から背後から八卦炉を奪い取って、地面に向かって蹴る!
さっきのお返しだ!
「なんだとぉ!?」
「あばよお嬢さん!」
俺も撃てるかな!?同じ光属性だからいけるかもしれない!
なんかすっごいむっさいスペルカードになったけどいいや撃てェ!
意外と極太なレーザーが吹き飛ばされている魔理沙に放たれる!
しかし魔理沙は吹き飛ばされながらもホウキのコントロールは失っておらず、ホウキに捕まってマスパを回避する。
「くそっ、やるな」
「人のモノを勝手に使うなー!」
魔理沙怒っております。そりゃそうだろうな。
取り返さんばかりにストレートにこっちに向かってくる魔理沙。
またまた出してみるもギリギリのところを避けられる。
奪って使ってみたけど案外使い勝手いいなこれ欲しいわ。
人の道具でオリジナルスペルカードを宣言する忍者のクズ。
汚い流石忍者汚い。
八卦炉から光の針の嵐の弾幕を放つ。
「うっ!?くそっ…私の道具でこの私を…!」
魔理沙は高速で放たれる光の針によって俺に近づけなくなっている。
自分の道具で攻撃されるってどんな気持ち?
印を結ぶ。すると光の針弾がその場で静止、次の瞬間光の手裏剣に形を変え、いろんな方向に飛び交う。
光遁『
魔理沙の顔が赤くなっている。やたら必死に八卦炉を取り返そうとしてくるな。
あぁ、いいことを思いついた。
更に別の印を結んだ後、八卦炉をどこかあさっての方向にぶん投げる。
「!」
投げられた八卦炉に反応して取りに行こうとする魔理沙。
横に気配がしたので振り向くと、顔面を思いっきり狙った霊夢さんの回し蹴りが。
俺は瞬間的に右手でキックを掴む。
「くっ…」
「チッ」
舌打ちする霊夢さん。危なかった忍者じゃなかったら食らってたわ。
悪いけど、霊夢さんも投げさせてもらう!今は構ってる場合じゃねえんだ!
「うわっ、ちょっ!」
俺の腕力が無いからかすぐ近くで体勢を戻す霊夢さん。
魔理沙は!?
魔理沙の方を見るとちょうど八卦炉の真近くに居る。
八卦炉の魔力吹き出し口はちょうど魔理沙の方を向いている。
チャンスだ!
作動の印を結ぶ!
魔理沙に向かってマスパを放つ無人の八卦炉。
予想をしなかった八卦炉の挙動に驚く暇もなくマスパに直撃した魔理沙。
「よしっ!」
ユウさんのおかげで頭の回転が早くなったおかげかな。
それに光遁使えなかったらできなかったと思う。
属性さえ合っていれば道具に仕込みも出来ると…!
だんだん自分の出来ることが分かってきたぞ!
紫さんありがとう。
霊夢さんはマスパに直撃した魔理沙を見るなり、
「なにやられてんのよあのバカ…」
ごもっともである。
八卦炉を奪われるとそれに目がくらんでしまうのが彼女の敗因だったということで!
「光輝くん逃げてー!」
ユウさんの声がしたので上を見ると大きい黒い鳥に乗った彩月とユウさんが見える。
そしてユウさん何かを担いでる…あれは…。
「撃つよー!」
あの弾頭に大きくわかりやすくついている弾薬、まさに
マジかよ、弾幕ごっこってもはやなんなのよこれ。
そういえばさっきもライフル出してたね。
霊夢さんはユウさんに気づくと俺を無視して一直線に飛んでいった。
「!」
驚くユウさん。あの人が珍しく真面目に驚いてる顔していた。
今はすり抜けも何もできなかったりするのかな!?
いや知らんけどこういうときこそ俺が何とかしなければ!(使命感)
光のクナイを霊夢さんに直撃しないようにギリギリのところにぶん投げる!
クナイが霊夢さんを通り過ぎてった瞬間、
光遁『瞬身の術・閃光』
俺は光のクナイのところに一瞬でワープ。座標指定型の瞬身の術だ!
「!!」
霊夢さんの目の前に現れた俺は突っ込んできた霊夢さんの両肩を掴む。
「痛っ!」
突っ込んで肩を掴まれたらそりゃ痛いだろう。
この後の展開を特に考えていなかった俺は、何を思ったのか、そのまま霊夢さんに頭突きをした。
それにしても痛い!頭突きとか人にやったことないからわかんなかったけど意外とこれ痛い!
だけど霊夢さんにも効いたのか落ちていってしまった。
男がなに女に頭突きしてんだよとか言わないでお願い!
筋力が女子以下だから許して。
安堵の表情を浮かべたユウさんは遠慮なく
俺の後ろで放たれた
忍法『手裏剣分身』
だけど分身させるのは手裏剣じゃないぜ!
見事に分身した
まるで戦争のようだ!
夢符『封魔陣』
霊夢さんを中心に結界が出現、
「さすがにそうはいかないか」
「光輝くん上手かったのにねー」
巨大な鳥に乗ったユウさんが俺のことを掴んで、上空へと高速で飛ぶ。
「はっはー!芸術は爆発だー!」
ユウさんが何かトチでも狂ってしまったかのように叫ぶ。
どっかの誰かの技『C3』
デブい鳩の形をした巨大な粘土?がユウさんの手から投下される。
「!?」
「!?」
「!?」
「!?」
初めて見るような反応している霊夢さんとさっき焼かれた魔理沙。
知っている形をしているものが投下されたので、俺と彩月も驚いた。
「オイラの
おいユウさんどっかでそのセリフを聞いたぞ。
まさか、俺に触れて心を読まれていたとき一緒に記憶までコピったか!?
この人は想像したものを具現化させる幻術?を使う。
ということはもうアレしかない。俺が元の世界で好きだったマンガに出てきたキャラの技だ!
「喝!!」
霊夢さんと魔理沙のいる位置の高さまで落下した瞬間、C3を起爆。
アニメで見たときのようなスケールの爆発だ。
まさか俺の記憶がそのまま武器になるなんて思わなんだ。
それより家とか大丈夫なのかな。そういやさっき俺の火遁が直撃してたけどスルーしてたわ。
「やった!?」(彩月)
「多分倒した!」(ユウ)
次の瞬間、足元の鳥が消える。
「おおっ!?」(光輝)
「さぁ、勝負は私たちの勝ち!帰ろっ」(ユウ)
「やったぜ」(彩月)
下降する為に鳥を消したところか。
あんなものを容赦なく落とすこの人は鬼そのものかもしれない。
魔理沙はきっと二度死んだ。勝負が終わって安心していたのだが、
背後に気配を感じたので背後を向くと、いつの間にか瞬間移動していた霊夢さんが。
完璧に油断していたのでかかと落としを肩に食らってしまう。
「痛っ!?」
よく見ると霊夢さんの周りに七つの陰陽玉が囲むように浮いている。
俺に攻撃を与えたとき、一つの陰陽玉が光を灯す。
「あれー!?まだ倒してなかったの!?」
彩月が驚いていた。
魔理沙は居ないから多分魔理沙は倒したのだろう。
「やばっ、夢想転生してる」
「「夢想転生!?」」
「霊夢の切り札だ、とにかく逃げてwww」
ユウさんが爆笑しながら俺らと共に落下していく。
霊夢さんの切り札?一体どんな弾幕が。
ユウさんが霊夢さんの殴り攻撃をすり抜ける。
「もう!まだお話の途中よ!」
「知らないわよ絶対倒す絶対にだ」
瞬間移動して彩月の背中にエルボゥをかまし吹き飛ばす。
「きゃっ!?」
二つ目の陰陽玉に灯される光。
瞬間移動しまくりじゃないかまるで動きが見えない!
「この陰陽玉全てに光が灯ったとき、貴様らは死ぬ」
「そう、霊夢が無敵になり回避不能の弾幕が放たれる」
ユウさんもしれっとスペカの解説をしてる。
何だよ無敵になって回避不能の弾幕が放たれるってそりゃもう逃げるしかないだろ!
そんなのアリか!
「発動させなきゃ攻撃はまだ通るよ!多分!」(ユウ)
多分って…でもやらねばやられる。
「近づけさせなきゃいいんだろ!?」(光輝)
「光輝、うしろ!」(彩月)
「はっ!?」
振り向いた瞬間、頭にかかと落としを食らわす霊夢さん。
さっきまで突っ込みたかったけどもう弾幕ごっこじゃない!
なんかやたらと殴ったり蹴ったりしてくるね!霊夢さんや魔理沙とか!
そして瞬間移動ずるい!俺の瞬身の術より使い勝手良さそう!
印結ぶ必要ないから!
三つ目の陰陽玉に光が灯る。
あと四つかよ!
「ユウに攻撃が通らなきゃ後の二人で十分よ!」
さらに霊夢さんが落下している俺に追撃の殴りを入れようとしてくる。
顔面狙いだな?
霊夢さんの顔面パンチを手でキャッチする。
四つ目の陰陽玉に光が灯る。
光ってんじゃねえよ!ガードしてもお構いなしかい!
ズルい、ズルすぎるぞこの巫女!
片手で、かつ身体の裏で印を結ぶ。
瞬身の術!
霊夢さんの腕を振り払い、触れないよう、霊夢さんの背後に瞬間移動する。
俺の居場所に人間とは思えない感知能力で気づき、そのままラリアットをかまそうとする。
クナイを取り出す。
霊夢さんのラリアットをクナイでガード、うまく刃に当たらないように殴ってきたぞこの巫女。
だけど陰陽玉に光は灯らない。
直接肉体を殴られなきゃ大丈夫と見た!
もう片方の手で印を結ぶ。
光遁『
持っている自分の忍具を光属性のアイテムにして、そのまま爆破する変化忍術だ。
それは予測していなかったのか霊夢さんはこの爆破を腕に喰らう。
かく言う俺も自分の術を完璧に理解していなく、自分自身の腕にも爆破を食らう。
「うわ痛ったなんだこの術」
自分で発動させておいて何言ってんだかわからない。
爆破を食らって飛んだ霊夢さんに彩月が植物のツルを掴ませて動きを封印する。
「よし、ナイス光輝!」
「離れてて光輝くん!」
俺はユウさんに言われたとおり、その場を離れる。
ユウさんの右目を見ると、何故か血の涙を流していた。
「ぐっ…!」
ユウさんが目を痛がっている。
一体次はどんな技を!?
どっかの誰かの技『
!?
「ちょ、ユウさんそれはあかんて。霊夢さん燃やしちゃダメだって!」
しかしユウさんは霊夢さんではなく、夢想転生のカギとなる陰陽玉に視界のピントを合わせる。
陰陽玉に黒い火が点き、次々に陰陽玉が砕けていった。
…。
……。
どうやら夢想転生は防げたようだ。
霊夢さんは全ての霊力を使い果たしたのか、疲れたのか、気を失った。
「あぁぁあああああ!!!」
ユウさんが右目を抑えて耳に
「ユウさん!?」
急いでユウさんの元へと飛び寄る。
ユウさんが右目から血を流していて、その目を抑えていた。
「痛い、痛いよ天照《アマテラス》ぅ…」
使っていない左目の方ははぽろぽろと涙を流していた。
「ユウさんなんでよりにも寄ってあの術を想起しちゃったんすか!」
まさか、この人、人の記憶から幻術で具現する際、リスクも一緒に具現しちゃうのか!?
そりゃこうなるもん原作では天照はその術を発動する目から血を流すもの!そんな設定だった!
「あ、あのさ、まさかこの設定ごと再現するなんて思わなくてね?」
彩月ェ…
ちゃんとこうなるって教えてあげろよ…
ただでさえ危ない術なのに。二つの意味で。
「だってだって、光輝くんの記憶から面白い技がぽんぽん出てくるから、試したくなっちゃって…」
「だめですよ無闇に人の記憶から他人の技を盗んじゃ。どうやら術のリスクも引き継いじゃうんですね。次からだしちゃダメですよ?」
「は、はぁい…」
一応二人は倒したらしい、この勝負、どうやら勝ったようだが、ギリギリだった。
やっぱり強い人にも弱点というのはあるんだっていうことを認識させられた弾幕ごっこだった。
その後ユウさんは永遠亭という診療所に行ったらしい。
さて、お気づきの方はいるかどうかわかりませんが、光輝の使う術、NARUTOで出てくる術達がベースになっております。全部当ててみてください嘘です
霊夢と魔理沙が異様にワンパターンに感じた方、ユウが二人に踵落とし入れた時に鐘がなったので別におかしくないですよ!