この話はちょっとR15以上です
ユウさんを永遠亭というところに連れて行くと、お医者さんの永琳さんが、「ちょっと右目のダメージがでかいわね。1日入院してもらうわ」という話になったのでしょうがなく、一人でユウさんの家に帰ってきた。
自宅がない今は、この家が俺の家みたいなもんだしな…。
ちなみに、行く途中クソでっけえ竹林に遭遇したが親切な白髪ロングの女性に案内してもらったので迷子にならずにたどり着けてかつ帰って来れた。
感謝感謝。名前は確か…藤原のモコ?さん。よく覚えていなかった…。
家の玄関を開けて、寝室に入ったら、風呂上がりの彩月がベッドに仰向けに寝転がっていた。
まだ昼間なのにすでに怠けている。そしてパジャマ姿という。もう寝る気かい。
俺の帰宅に気づいた彩月は、上半身だけ起こし、話しかけてくる。
「おかえりー、ユウちゃんは?」
「ちょっと眼のダメージでけえから1日入院だって。明日には多分眼帯つけて帰ってくるだろ」
「ほーん」
そっからまたぐでん、と横になってしまった。
どうするか、朝から汗かいたから俺もシャワーでも浴びてくるか。
ユウさんの家は、まるで現代、俺が元居た世界によくありそうで同じような設計の家で、設備も現代っぽく、迷うことがないのがイイところだ。
シャワーを浴び終わり、新しい服を着る。
何故かある新しい服、どこから仕入れてるのかわからない。ユウさん宅にあったんだ。
間違いなく男物だったから紫さんとかその辺が仕入れてくれてるのかな?
あの人俺の元居た世界に行けるらしいし。
どっかの衣服専門店とかからこっそりパクってる代物じゃなければいいが…。
そのうち紫さんに出会ったらこの辺のことも訊いてみるか。
色々考えながらさっきの寝室へ。
「…すぅ…。ん…、すぅ…」
「寝てやがる…」
彩月のやつ、寝息をたてて気持ちよさそうに寝てやがる。
確かに霊夢さんと魔理沙と本格的な勝負をしたから疲れただろうが、今寝たら夜寝れなくなるぞー。
彩月の豊かな胸が呼吸によって上下に動いているこの姿、とってもいいもんだ。
はぁ、揉みたい。
「いやいやいや」
何を考えているんだ、そもそも朝(事故?で)揉んだだろうが。
しかし彩月の胸に目が行く。
「がー!」
変態変態やめろ俺。ここはさ、ゆっくり寝かせてやろ?ね?
俺も霊夢さん&魔理沙との勝負、その次にユウさん診療所に届けて結構疲れている。
眠くないと言えば嘘になるくらいには。
しかし、寝るところもない。
このベッド、ダブルベッドではあるが、俺が寝る場所ではない。
昨日はしょうがなくコイツとこのベッドで寝たけどね?
いやいやしょうがなかったんだ。悪意はあの時は全くなかったから。
まだ昼間だ。暖かいし、このままふかふかな絨毯の上で寝てしまおう。
いっそ外で寝てもいいな。
と、思った矢先、
「光輝…?」
「なんだよ」
起きたのか?
「zz…すぅ」
寝言かよ。
彩月が、ベッドの外へと寝相で転がる。
ドンッ
落ちた。
「いっ…!」
彩月の目が開く。
痛そうに頭をさすったがまた寝てしまった。
ベッドから落ちたのにお構いなしなのも寝相が悪すぎて慣れてしまっているのかな。
慣れってこわいね。
彩月がベッドから脱落したので俺がベッドで寝ますね!
やったぜ、クズとは言わせないお(^ω^)
ベッドに静かに乗り、横になる。
しばらくすると、彩月が寝言で何か言い始めた。
「光輝…」
彩月の寝言に耳を傾ける。
「一緒で…」
…。
「良かった…」
彩月の思いもよらぬ寝言を聞いて自然と笑みがこぼれる。
嫌がらせばっかりしてきてロクでもねえ女だと思ってるけど、
「俺もだよ」
確かに、俺の中からは失いたくなかったヤツには変わりなかった。
幼なじみで腐れ縁で、元居た世界でも、こっちの世界でも大して変わらない酷い待遇を受けてはいるが、
嫌いじゃないよ、お前のこと。
そう思いながらそのまま寝てしまったのだった。
素晴らしく寝相のいい俺は、そのままの体勢で夜になるまで寝てしまっていた。
「…う」
何故か横には寝ている彩月が。
なんだ?あんまり寝相が悪すぎてベッドの上に這い上がってきたか?
俺の胸の上に彩月が手を置いてるし、どんだけ寝相悪いんだよコイツは。
俺なんか、最初寝た格好から少しも変わってないのに。
彩月のやつ、たった3時間の間でどんだけ動いたんだか気になるね。
カメラ設置してあったら見てみたいわ。
起きたいので、彩月の手を握り、俺の胸からどかそうとする。
「…」
暖かく、スベスベしていて柔らかい感触に触れ一瞬ボーっとしてしまった。
女性の手って柔らかいよね、なんか。
こいつの手は取っ組み合いをするたびにいつも触ってるけど、こう、一方的に触れてると、案外悪くない気もする。
「さて」
起きるか。
何か晩飯を作ろうとして、リビングへと向かうべく、寝室から出た。
【
光輝が部屋から出たあと、おもむろに起き上がる私。
光輝が出て行ったドアを見つめる。
「…。…今日は二人きり」
熱くなった顔に気にもとめず光輝に握られた手を胸に当てる。
「はぁ…」
光輝が使っていた枕を顔に埋め、寝転がる。
「すんすん…」
…。
「あんなにアタックしてるのに、まるで嫌がらせのように捉えやがって…」
今朝光輝に揉まれた時の感触を思い出し、自分で揉んでみる。
「はぅ…」
「んん…」
「んぅ…」
「い、いやいや、やってる場合じゃないわ」
これ以上はイケナイ。どうにか気を紛らわそうと頭をブンブンしていると晩ご飯の美味しそうな匂いが寝室にまでやってくる。
そうだ、光輝、ご飯作りに行ってるんだった。
そう思い出した彩月は、寝室から出て、光輝の居るリビングへと向かった。
部屋から出る瞬間、ドアノブに手をかけ、
神様、私にチャンスを与えてくれたのですか?
そう呟いて部屋を出た。
【
俺はさっき、エプロンを羽織り、気合を入れて料理を作っていた。
冷蔵庫に入っていたものでしか作ることができないが、今日の献立は、
適当に野菜を盛り合わせてドレッシングドバったサラダと、少量ではあるが麻婆豆腐。
それに生姜焼きだ。ゼリーがあったからデザートとして勝手に食べちゃおw
うむ。我ながら美味しそうなのができたぞ!俺の完璧な好みだけどな。
彩月の好物のサラダあるからあとは大丈夫だろ。
アイツ基本なんでも食うし、脂っこいものとかうんたら文句言わないから多分大丈夫。
アイツ、栄養胸に行ってるから。牛乳大好きな彩月の為に牛乳も出しとくか。
さて、彩月でも起こしてくるかな。
ガチャッ
リビングの扉が開く。
部屋に入ってきたのはさっきまで寝ていた彩月。
目を擦りながら匂いに釣られて入ってきたようだ。
「お、ちょうどよかった、今起こそうとしたところなんd」
よく見ると顔が赤い。おまけになんか顔がとろんとしている。
体調が悪いなら色々と宜しくない。おかずを変えてあげるべきか。
その前に軽い問診といこう。
「彩月、なんか顔色が悪そうだぞ?大丈夫か?」
「えっ、う、うん、大丈夫」
彩月のおでこに掌を当ててみる。
「!」
なぜかビクっとする彩月。
ビクっとすんなや俺もビクっとするだろ。
「少し熱いな。風邪ひいたか?」
「わ、わかんない…」
「まったく、風呂に上がってすぐ毛布にも入らずに寝てベッドから落ちて尚寝てるから風邪ひいたんじゃないか?」
うーん、クズやってないであの時毛布の一枚でもかけてあげれば良かったと後悔する俺。
でもあの寝相の悪さじゃ大して変わらん?
ぼーっと顔を赤らめて俺の顔を見る彩月。
あー…えーと…、
「飯、食えるか?食えるなら食ったほうがいいぞ。そしてあったかくして寝るんだ」
まるで父親のように体調の悪い彩月と接する。
「う…」
クラっと彩月の身体が力が抜けてしまったかのようにこちらに倒れてくる。
「おっと」
彩月の身体を正面から支えてあげる。支える流れで手も一緒に握った。
その瞬間、彩月が電車に轢かれかけるあの記憶をまた思い出してしまった。
フラッシュバックっていう奴。
思わず強く彩月の手を握ってしまう。
「…、光輝?」
「あ、あぁ、悪い」
彩月が俺の手を優しく握り返してきた。
彩月の熱くなった体温を感じる。
気づくと、俺と彩月は抱き合った状態になっていた。
前居た世界では、こんなことしたことなかったけど。
胸がドキドキする。何故か張り裂けそうだ。
こいつ相手にこんな思いするをすることなんて今まであんまりなかったけど…。
「さ、彩月?」
「…何?」
まんざらでもないような笑みを浮かべ、俺の顔を見上げる。
「飯、食べね?冷めちゃうよ」
「ふふ、いいわね。さっきより体調良くなったから、食べてあげてもいいわ♪」
「それはよかった」
特に何もしてない気がするけど、楽にしてあげられたなら良かった。
しかし食事中やたらと俺の顔をジロジロ見てくる…。
なんか不安になってくるぜ…。明日を無事に迎えられるかな…。
飯を食って、後片付けをしてたらまた眠くなってきたので、さっさと寝る支度を済ませ、さきにベッドにダイブ!
でっかいベッドに寝転がり優越感に浸っているところ、ベッドの横に彩月がやってくる。
「…」
無言で俺のことを見下ろす。
無言の圧力。
なんか、すまなかった。
「…、私も、寝ていい?」
「あ、あぁ、構わないが」
怒ってそうな雰囲気醸し出してた割には思っていたこととは全く正反対なことを言われて一瞬うろたえた。
なんかイタズラされそうだけどなーと思ったけどコイツ今日そんなに元気ないから大丈夫かな。
「寝相悪いのはほどほどにしとけよ…?」
「寝てる私に言ってくれ…」
しょうがないでしょ!みたいな顔をしている彩月が布団に潜ってくる。
このようにあの寝相はわざとじゃなくて完璧に天然物らしい。いや知ってるよ?幼馴染だし。
それにしても一緒に同じベッドで寝るには色々と厄介な気もするけど。
それはそうと、まさかまたこいつと同じベッドで寝るなんて思わなかった。
昨日ユウさんが幻術で召喚したシングルベッド、どうやら片付けられてるし、もうしょうがない。
なに、幼なじみと一緒に寝るんだ。大したことないない。
昨日はやばかったけど。
「こ、光輝…」
「ん?」
彩月が珍しく弱々しく俺の名前を呼ぶ。
どうしたんだ、やっぱり風邪でもひいたか?
「さっき、怖い夢を見たの。…居なくなるのが怖いの」
彩月が弱々しく俺の腕を小さい手で握る。
同い年なのに、可愛い手だ。
こんな性格だがこいつは寂しがり屋だってことを思い出す。
そうだ、きっと家族、親戚、友達、先生、色々な人を同時に失ったから、怖くなっちゃったんだ。
あの事故で、あの世界とは完璧に隔離されてしまった。
紫さんに助けられて第二の人生を共に歩んでいるが、やっぱり彩月にとっては死んでしまったのと同然。
あっちの世界では死んでいることになっている。二度と会えない大切な人たちに切なさを感じてしまったのか。
かく言う俺も全く同じだけど…、俺も寂しくないと思ってはいない。だけどコイツだけ居てくれて良かったと思っている。
もしかして、コイツも、俺がいてくれて良かったのかもしれない。
コイツが見た夢がどんな夢かは知らないが、仮に俺までもが居なくなった夢を見ていたとしたら…。
「大丈夫、俺は居なくならないよ。あの時、お前を見捨てなかったろ?だからこうやって別の世界に来た今だって一緒にいるんだ」
彩月の頭を優しく撫でる。
「安心しろ。な?」
まったく、ガラでもねえやりとりだ。
普段はイガミあったり喧嘩したり嫌がらせさせられたりするばっかりの毎日だったのに、突然こんな姿を見せられたら…
心配するだろうが。
彩月が大きい胸が当たるくらいに俺の腕に密着してくる。
や、柔らかい…。
「今日だけ…こうやって寝させて。安心したいから」
「…好きにしろよ」
彩月のおっぱいの感触を内心楽しんでいるがクールに接する。
「あ、悪い…明かり消してくれないか?」
照明の位置が俺の位置からだと遠くてな…。
彩月は無言で電気を消して、俺の腕に自分の腕を絡めて寝る。
「おやすみ。光輝」
今まででほとんど聞いたことのないくらい優しい彩月ボイス。
「あぁ…、おやすみ。彩月」
そして、思っていたよりぐっすりと、眠りに就けたのであった。
不思議と俺も、安心したのだ。
大切な幼馴染の温もりに。
朝になると、ふと目を覚ました。
鳥のさえずりが、聞こえてきて部屋も少し冷えている。
東北地方のどこぞの田舎の朝のような清々しさを体で感じる。
彩月はまだ寝ている。
俺の腕を両手で包み込むように。
珍しく寝相が悪くないな?
彩月に布団をかけたまま、自分だけ起き上がる。
「おはよう」
「ん?」
寝ているはずの彩月の声が聞こえた。
振り向くと目を開いて俺の顔を見ている彩月が。
「あれ、起きてたか。おはよう」
「多分あんたより先に起きてたわ」
「そうかい」
「どうだ?少しは楽になったか?」
出来るだけ笑顔で問いかけた。
「…」
なんか不満そうな顔しているが、何か言いたそうで言えなさそうな。
「あのね」
「ん?」
ガチャッ
寝室の戸が開く。
「ただいまー!」
「あっ、ユウさん、おかえりなさい」
「…。おかえり」
右目に眼帯をしたユウさんがまさかの早朝帰宅。
右眼を自滅ダメージで負傷した割には相変わらず元気そうである。
何故か彩月が面白くなさそうな顔をしているが…。
「もう大丈夫なんですか?右目」
「大丈夫だよ。この眼帯もあと1日で外せるって」
「そりゃよかった」
回復早いな。
もう常識にとらわれてないよこの幻想郷。
「さーつーきーちゃんっ」
ユウさんが、リズムに乗ってまだベッドに横になっている彩月へとスキップして寄って行く。
そして、おでこに掌をポンっと当てる。
「!」
ユウさんが、スッと手を離し、俺と彩月の交互をキョロキョロした挙動で見てくる。
するとおこ顔の彩月がユウさんの額からガシっと握るように掴む。
「ギャッ!?」
「人の記憶を一々覗くんじゃないわよ…╬」
「痛い痛いごめんなさいごめんなさい!」
おお、彩月が無敵で定評のあるユウさんにダメージを与えているぞ!
いいぞもっとやれ。
「飯、作ってきますね、二人はできるまで待っててください」
笑顔で二人に告げ、寝室から出ようとする。
「そ、そんな、悪いよ私が作るってあいだだだだだだ」
「光輝がそういうんだから私達は待ってましょ♡ゆっくりお話しよっかユウちゃん♡」
「いだいいだい彩月ちゃんこわいよまぢこわい」
以外と握力の強い彩月はユウさんの動きを片手で封じていた。
女の子同士で語りたいことがあるらしい。
冷蔵庫の食材は把握している。さて、腕を振るって来ますかね。