無駄話ばっかり書いている気がするけどこういう日常的なものを書くのが好きなものでスミマセン
次の日、平和すぎて特にやることがなかった俺は幻想郷を散歩していた。
あんまり歩いたことのない方向へと行きたくないというヘタレ成分のせいで結局来た事のある場所へと行き着いた。
その場所の名前は『博麗神社』
この間戦闘演習などで世話になった巫女さんの住居である。
視界に入るお賽銭箱。
「…」
賽銭箱に近づいておもむろに箱の中を覗き込む。
どういう角度で見てもお金らしきものが見当たらない。
1銭も入っていないというのか。
霊夢さんはどういう生計でやっていっているのか。
まさかお賽銭だけで生きているわけじゃあるまいな?
もしかしたら速攻で回収している可能性もある。
せっかくだからお祈りしようかと思ったけど、この世界にお金を持ち込んでいなかったので入れるお金がない。
「やっと見つけた」
「っ!?」
突然賽銭箱の中から蓋?を頭で持ち上げながら現れる紫さん。
「ど、どういう登場の仕方してるんすか、めっちゃビックリしたんですが!」
さっき覗いた賽銭箱の中から突然人が出てきたら心臓が止まりそうになる。
それこそホラー番組で定評な展開の映像のような状況だ。
いやホラー映画でもこんな登場の仕方はしないよ。
「せっかくだから、私貴方の住居特定して大事そうなもの『こっち』に持ってきてあげたわよ?」
「な、なんと!」
紫さんに俺が最後に持っていたと思われる財布をもらった。
中身はうろ覚えだが中身がしっかり入っていたので多分そのままだろう。
中に入っていた学生証の自分の顔写真を見ると、我ながらひどい顔してると思った。
「って、俺の家特定したんすか」
「色々あって、ね♪」
「ということは俺の部屋物色した?」
「物色とは失礼ね♪」
紫さんに腕を引っ張られ、賽銭箱の中に引き込まれた。
スキマの中へと…。
謎の空間を紫さんに引っ張られて移動し、突然スキマ空間のとある裂け目の外へと落とされる。
落ちた先はユウさん宅、現状俺と彩月の家でもある場所だ。
「いだっ…!?」
低空で叩き落とされたせいで受身も取れずに絨毯の上に落ちた。
腰から落ちたせいで痛い。
「ら、乱暴にしないでくださいよ…」
スキマが無くなっていた。
逃げられた?ようだ。
痛む腰を持ち上げて立ち上がるとベッドの上に俺の私物諸々が転がっていた。
俺の衣類や下着とか貯金箱とかAVとかAVとかAVとか。
「ちょっ!?」
紫さん何こんなものまで持ってきてくれちゃってんの!
別にいらなかったんだけど!なんだか男心を察してくれる優しいお姉さん…じゃねえ!
隠し場所がなさすぎてどうすればいいか迷う。
あとで外で燃やそうそうしよう。
俺の私物の他に、おそらく彩月の私物も一緒に転がっていた。
衣類、下着…と昔からのお気に入りのぬいぐるみとか、地味にあいつが育ててた観葉植物。
ほぉ…彩月のやつ、割と大胆な下着を持っていたのか。
ふむ…こんなものまで…。
あいつ、いい趣味しているな?
ムフ…。
今は家に誰もいない?
ならば、男ならやるしかないだろう、あの技を!
男が誰もが憧れるあの技を!
「変化の術!」
俺はサっと彩月の一番大胆なパンツを頭からかぶる。
適当に印を結び、
「ニンニンwww」
やばい、楽しくなってきた。
ブラジャーを服の上から自分の胸に装着する。
これは見られたら人生終わるレベルなのに、なんでだろうやめられないこの気持ち。
もっと別の下着でもやr
ガチャっと部屋の扉が開く。
「」(俺)
部屋の前で俺の姿を見て立ち竦む家主のユウさん。
俺の顔を見るなり困惑した表情で口を開いた。
「あ、あれれ?その下着ってもしかして、光輝くんのだった?」
すっごく「あれ?私の思い違い?」みたいな顔しているユウさん。
「ち、違うんだ…」
どう違うのかわからないし、なんかこう、人生が終わったこの感じ。
でも彩月本人じゃないからある意味セーフ?天然な人に発見されたからある意味助かる道はあるかもしれない。
「俺は速攻で頭にかぶった下着を外した」
「知ってます」
何説明しながら下着を外してんだよ俺は。動揺しすぎて頭おかしくなったのかもしれないな?
「光輝くんってそんな趣味してたんだね」
「…」
何も言えない。
これが仮に俺の物だったとしてもアウトだし彩月の物だとしても人間的にアウトだし、どうあがいてもアウトなんだよなぁ。
「すみませんでした」
「なんで私に謝られたのかわからない」
ごもっともです。
どうしよう、ユウさんの誤解をどうすれば解けるのだろうか。
必死で頭を回転させているとユウさんが突然自分のスカートをたくし上げる。
子供っぽい白いパンツを俺に見せつけてくる。
「ハイ!?」
「もしかして私のもかぶりたかったりする?」
「ええ!もちろん!じゃない、そんな危ないことできませんって」
おもむろにパンツを脱ぎ出すユウさん。
そしてそれを俺に差し出す。
「被れよ」
「え?」
「被れよ。なんでもするって言ったよな?」
「言ってないっす、ってユウさんキャラが変わってますどうしたんすか」
「被んなかったら彩月に言いつけるよ」
「あ、はい、わかりました」
それで口止めできるなら逆に安いもんだ!
勢いよくパンツを手に取り、勢いよくかぶる!
すると突然そのパンツが俺の頭を締め付けてくる!
「ギャァァァ!!」
キツい!痛い!いやあああああ!!
死ぬ!死ぬ!!潰れるぅ!
ハッ!もしかしてこれは幻術!?
目の前のおいしいものに釣られた咎ァァァァ
しきりに痛い目にあった後、外で紫さんが持ってきたであろうエロ本やAVを自分の火遁で燃やしていた。
隣にいるユウさんが俺の隣に座って燃やされていくエロ本を眺めている。
「あ~あ、もったいない」
「勿体無いも何も保存場所に困りますって…」
「別に彩月ちゃんに黙って私が管理してあげても良かったんだよ?」
天使かな?
「いやいや申し訳ないですから…っていうかこの世界でエロ本なんて必要ない気がするんですが」
「…!まさか私達を襲って」
「待ってくださいやりませんって!そんなことしたら俺殺されますよ」
「ん?」
異様にニッコリしているユウさんの顔がこちらを向いていた。
ですよね。間違っても襲ってはダメだ。
しっかり灰になったことを確認して水掛けて適当に上から土を被せて完璧な処理をする。
そして家に戻ろうと振り向くと、燃やしたはずの1冊を手に取って中身を見ていた。
「…ちょちょちょユウさん見ちゃいけませんて」
本を取り上げようとしたが、本は俺の手をすり抜ける。
また幻か。
「これは私の能力で出したコピー品」
「ふぅん…じゃなくてなんか中身まで完璧なんですが」
「へぇ、光輝くんこんなのが…?」
一番やばそうなページを俺に開いて見せる。
「あ、あのですね…あーうーん…なんといえば良いものか」
「彩月ちゃんや霊夢とかにも見せていい?」
「良くない、彩月はもう俺がこういうの所持してるの知ってるからまだしも霊夢さんは」
「OK」
突然消えるユウさん。
「なっ!?」
嫌な予感がしたので急いで神社へと飛んだ。
博麗神社へと息を切らしてたどり着いて霊夢さんのいる場所へとダッシュ。
よく霊夢さんが居る茶の間へとダッシュ。
茶の間へたどり着くとそこには案の定霊夢さんとユウさんが。
耳を赤くしている霊夢さん。
遅かったか!
「…ぁ、エッチ変態」
「俺のことじゃないだろうな」
俺の顔を見るなり失礼な名前?で呼んできた。
本を取り上げようとズガズガと部屋の中に上がり込む。
「上がってくんじゃないわよ」
「上がりますよ何にもしないですとにかくその本を見るのをやめてください」
「もう見終わったわよ」
「は」
ユウさんの顔を半ば睨みつけるように見るとニコっと可愛い笑顔で返してきた。
この女め…。
「彩月のパンツも被ったんだって?」
「おい喋ったなユウ」
「呼び捨てにされたwww」
このまま変態パンツマンと言われてイジメの被害を受けてしまう。
なんとかしなければ。
「霊夢さん聞いてください。全部ユウの言ってることは嘘なんです」
「あんたこそ堂々と嘘ついてんじゃないわよ変態」
「すみません」
謝っちゃったよどうしよう。
思いっきりこの状況を、俺を困らせて楽しんでいるユウさんの目。
シバこうにもこの人を攻撃できる気がしない。
真正面から行けばすば騙されて逃げられてしまうのが目に見えている。
どうすればこの口を塞げるか。
こんなこともあろうかと予めセットしておいた印を発動させる。
瞬身の術
ユウさんの背後に瞬間移動する。
移動した瞬間その瞬間ユウさんの両腕を掴む。
掴むことができた。
「なぁっ!?」
「油断しましたね」
あっさり拘束できた?ので拍子抜けしたが、このまま口を塞いでしまいたい。
「ほぉ…ユウの捕まえ方…勉強になるわ」
霊夢さんなら行ける、印結ぶことなく瞬間移動できるから。
「ま、まさか私がこんなに簡単に捕まるなんて」
「と、思っていたのか?的な展開があるんですよね?」
ユウさんのことだし、これも多分幻術。茶番だってことは把握している。
「いや…あの、待って許して私が悪かったから」
「本物だとしても離しませんよ」
「…♡」
「そういう意味じゃないです」
「え?」
「え?」
ユウさんが掴まれたまま俺の顔を振り向いて見つめてくる。
「離してよぉ」
「嫌ですよぉ、これ以上俺の変な情報広げないでください」
「わ、わかった、話し合おう」
「何を話し合うんですか」
ユウさんと言い合っている内に空気になっている霊夢さんに気づく。
「あぁと、霊夢さん、今回のことは何卒秘密でお願いします」
「口止め料は?」
「い、今はちょっと両手が塞がってるから無理なんですがあとでお賽銭入れておきますから!」
「ならそれでいいわ。その危険ゴミ(ユウ)をしっかり持ち帰ってね」
話がわかるひとで助かった!なるべく多く入れてあげよう。
霊夢さんに感謝してユウさんを連れて家に戻る。忍者のように素早く。
背中に何故かだいしゅきホールドをされながら帰るハメになった。
「ゆ、ユウさん苦しいです」
「私こう見えても早いのは苦手なのー!!」
「マジですか?」
「早いのは苦手だから移動はみんなワープで済ませてるんだよ?」
「目で追うのは?」
「それはできるんだけど、自分自身の速度が速いとおっかない」
あぁ、この人ジェットコースターとか乗ったら死ぬタイプか。
「なにそれ?あぁわかった確かに死んじゃう」
そういえば触れている間心や記憶を読まれたりするんだった。
俺のジェットコースターに乗った記憶を覗かれたな。
あの時は俺が全力でビビって彩月がめっちゃ楽しんでた気がする。
気のせいかユウさんの抱きつく力が増している。
勝手に記憶覗いてビビってんなら自業自得ではないのか。
「お家まだ!?」
「もう少しですよ。通りで霊夢さんと魔理沙と弾幕ごっこするときはあんまり動かないわけだったんですね」
「そうだよ(迫真)、全部幻とワープで済ませていた理由がソレだよ」
「あはは、じゃあ魔理沙のホウキとか」
「絶対乗りたくない」
「ですよねー」
「お家まだ!?」
「見えてきましたから暴れないでください!」
そして無事到着。
何故か離れないユウさん。
「着きましたって」
「案外居心地が良い」
「降りろ」
「あのことみんなにバラまくぞ」
「なんでそのネタで脅迫されなきゃいかんのだ」
「なに、今日一日しがみつかせてくれればいいだけだ。簡単だろう?」
「何げに一日ってきついな。肩が凝りそうだよ」
家の中に入ろうと玄関を開けると、いつの間にか帰宅していた彩月が。
俺のこの状況を見て、口を開ける彩月。
「いつの間にそんな関係にまで上り詰めたのかしら?」
「違うこれはユウの嫌がらせだ」
「いつの間にか呼び捨てで」
「あー、これは色々あってな?」
なんでお前は不機嫌になる。
逆に笑えよ。ある意味笑うところだろこれ。
「じゃあ助けてくれ。離れてくれと言っても離れないんだ」
「じゃあ離れる」
ユウさんがそう言うと、俺の目の前に歩いてきた。
まだ背中には人をおぶっている感触があるのだが。
「あれ?」
「離れたよ」
「いやでも背中にまだユウさんの身体の感触が」
だんだん背中に乗っているソレが重くなってきているようだが?
「!? 重い重い!なんだかだんだん重くなってきてるぞ!?」
「そりゃ光輝の背中に石化しているユウちゃんが乗ってるからね」
彩月が言う。
ここでまさかの幻術!なんかこんなことしてくる妖怪俺知ってるよ!
「子泣き爺の術じゃ」
フォッフォッフォと笑うユウさん。
だよね!ガキの頃妖怪図鑑たるものを読んだ事あったから知ってた!
「私のパンツ被った罰よ、反省しなさい」
「な、なんでバレたし?」
ユウさんの方を見ると首をブンブン横に振っていた。
本当にチクっていないのか。
「だって私の下着に光輝の臭いが付いてたからすぐわかったわ」
「自分のパンツの臭いを嗅ぐのか…」
「未使用かどうか確かめただけよ…」
困惑している俺と少し焦った様子を見せる彩月。
でもまあよくパンツを被ったと的確に推測できたなと思う。
臭いをつけるだけなら他にも方法はいくらでもある。
「それに、あんた、前科あるんだから、被る以外に無いでしょ」
「ぐっ…」
そうだった、俺はここに来る前につい出来心で彩月のパンツをかぶったことがあるんだった。
そしておもむろに彩月のパンツを被りだすユウさん。
「ユウちゃん?何してるのかしら」
「楽天パンツマーンwww」
「殺すぞ」
多分俺の記憶から抜き取ってアレンジしたネタなのだろうがそれはネタとして使っていいのか。
アウトではないのか。ムムwww
おまけに彩月が殺気を放っているぞ。当たり前だろうがな。
「私のパンツ被っていいから」
「被らないわよ!」
「いいから子泣き爺の術を解いてくれ」
重くて動けなくて床にキスしそうだぞ。
ヒョロい俺の腕じゃ上がらん…!
「ふんんんんんんんんんん!!」
「光輝くんうるさい」
「うるさい」
「お前らあとで覚えてろよ…」
気合で、横に転がり、俺の背中の上に乗っかっていた重い石を落とそうとするが人型の石なだけに俺の方に石の指が食い込んで痛い。
「光遁・少塵照…」
ごくわずかな光の塵を手に纏わせ、俺の肩に食い込んでいる石の手の甲に光の塵をこすりつけ、爆発。
石が砕けてやっと体が軽くなる。
石の脚が俺の腰に絡みついているのでさっきと同じ要領で石を砕く。
そしてやっと自由の身になれた。
服にこびりついた石ころや煤を払い、立ち上がる。
「やれやれ…」
「おお、自力で解いた」
まだパンツ被っているユウさんが関心していらっしゃる。
この石自体が幻じゃなかったから助かっただけだ。
「あ、そうそう、ユウさんに言いたいことがあったんだ」
「?」
彩月がユウさんの被っているパンツを回収し、ベッドに座る。
「私、そろそろこの家を出るわ」
「えっ」
ユウさんではなく、俺が驚きの声を漏らす。
「いつまでもお世話になるわけにはいかないし、いつまでも勝手に心覗かれたんじゃたまったもんじゃないわ」
「なんだか最後の理由を聞いてすごく申し訳なった。…でも、そっか。自立するんだね♪」
彩月の決断の言葉を聞き、笑顔になるユウさん。
「えらいぞ♪」
「そろそろここの生活にも慣れてきたしね~、なんとか家の確保に成功したから」
自分の荷物を風呂敷に包みだす。
「光輝はどうするの?まだユウさんの世話になるつもり?」
「お、俺は…」
そういえば全く自分の家とか考えたことなかったわー…
忍術に夢中で。
彩月は先に家を出るのか、俺も考えないといけないな。
別に食料があればサバイバル生活でも構わないと思っているわけで。
「俺も近いうちにこの家を出ます。もう少し計画を立ててからね」
「そっかそっか。二人共自立するんだねー。偉いなー。でもちょっとさみしいかな…」
笑顔になりつつ少し残念そうなオーラを隠しきれないユウさん。
「まぁ、二人が決断したことだしね。私は止めないよ。私はゆかりんに頼まれて二人が自立するまで少しの間面倒を見るっていうお仕事をしているだけだったから。私のお仕事も終了かな?」
それでも笑顔を絶やさない。ちょっと寂しがっているクセに。
でも俺も自立しなきゃ。彩月が自分で決めて自立したように。
ユウさんは荷物をまとめている彩月の手伝いをする。
「場所はどこだ?荷物を運ぶだけなら俺も手伝うぞ。彩月」
「本当?じゃあこの荷物全部持ってね」
満面の笑みで重そうな風呂敷共を俺に持たせてくる。
「重ェ!」
「全部よ全部」
どんどん重い風呂敷を持たされる俺。全部で3つくらい。
さりげなく人間の背丈まで成長している観葉植物まで風呂敷にぶっ込まれてて重すぎる。
土って重い。
「あー、軽いわー」
「手ぶらの奴が言うことじゃねぇよ」
俺はドシドシと重い足取りで玄関を出た。
道中、あまりにも重い荷物に耐えかね、途中で休憩することに。
「5キロほどのダンベルも入ってるわ」
「お前筋トレでもしてんのかよ…」
散らかされてた物の中にダンベルなんてあったけ?
それはいいけど確かに重い。
「ユウさんに仕込んでもらったわ」
「やっぱり嫌がらせか!」
「今光輝が持ってる風呂敷、ひとつだけ全部ダンベルよ。死ぬがよいわ」
「まてまてひとつ必要ないじゃないか」
「必要よ。私だって鍛えたいんだから」
「だからって風呂敷一杯にダンベルなんて使わねえだろ!1セットにしなさい」
「1kg、5kg、7kg、10kgの4セットね」
「えー、いちごーななじゅう…23に1セット二つ…」
計46kg
「殺す気か!?」
「なによ。なんだかんだ持ってるじゃない」
「重さなんて聞きたくなかった」
「意外と腰は丈夫ね」
「うるせえ」
最終的にダンベル袋を引きずりながらNew彩月宅へと到着。
とかいいつつどこにも家らしき建物なんて見当たらないが。
人里に近く、そこそこ花々が生い茂って居て植物、特に花が好きな彩月には絶好な場所なのかもしれない。
場所的には人里方面の魔法の森の出口らへんで、変わった物を取り扱っている店へのアクセスもしやすい場所だ。
「ここには元々花なんて咲いてなかったわよ」
「…そうか。お前が予め花を撒いて咲かせておいたんだな」
こいつは植物を一瞬で成長させる能力を持っている。
「んまぁ、ありがとね。助かったわ」
風に乗って大量の花弁が飛んできて、彩月を覆うように包む。
「じゃあね。またいつか逢える時まで」
「え?」
花びらに包まれた彩月の姿が消える。
さっき持っていた荷物までもが消えていた。
彩月が作ったと思われる花畑の真ん中にぽつんっと、取り残されてしまう。
「え、おい、彩月?」
風に乗った花びらが天へと飛び立って消えた。
「あいつめ…どこいきやがった」
まぁ、あいつのことだからなんかの悪戯だろう。
きっと大丈夫だろうと思い、ひとまず帰ろうとした矢先、背後にユウさんが現れた。
「おっ!?ユウさん付いてきてたんですか?」
「光輝くん、彩月ちゃんがどこに行ったか気になるでしょ?」
ユウさんが指パッチンをした瞬間、視覚的に目の前の空間が歪みだす。
だんだんとフェードインしてきた樹木で出来た1階建ての家らしき建物。
「お…お?」
「ここに彩月ちゃんが住むことになるって。自分の能力で作ったんだって。すごいよね」
「な…そんなこともできるのですか、あいつ」
簡単に推測すると、樹をそのまま家に変化させているというところか。
花畑の真ん中にぽつんと。樹木の高所部分の小さいトンネル?から水が湧き出て小さい水車へと流れ落ち、花畑の裂け目に申し訳程度の大きさの小川?を流れて紅い館の見える方向の湖へと流れて行ってた。
なんとセンスのある家なのだろう。これあいつが全部自分で…。
素直に感心した。
「自立すると決めたのなら、私からのサービスの幻術でお家を提供できるけど、光輝くんはどうする?」
一瞬考えたが、こうみえて一応自立の計画は練っていた。
「いえ、結構です。俺は一人で全部なんとかします」
「おお、流石男の子だ」
そうして俺も彩月の流れで自立することにした。
【
樹木の家の中でユウと光輝の会話を聞く私。
「ふぅん…あいつも自立するんだ」
と、言うことはユウちゃんの家に行っても会えなくなるんだね…
少し残念な念を隠せず俯き自分の長い前髪をくるくるっと弄る。
ユウさんの読心癖に嫌気がさしたから自立した。
さんざん世話になった割には少し薄情な気もするがそれでもいいと思った。
アイツ、何処に住むんだろう
本当はユウさんから逃げて光輝と二人で暮らしたかった。
しかしそれを本人に言えなかった。
無論、恥ずかしかったわけで。
「どうにかアイツの住処を特定できれば…、誘えるのにな…」
鈍感な光輝が乗ってくれる保証もないが、誘えなかった事に後悔した。
もうそろそろ光輝くんのソロプレイが始まろうとしています。
わたくしもがんばる