そしてシュナムクルは可愛い女の子が大好きです。そんな感じのお話。
魔王ってのも忙しいものなのよ。
それは下からの反乱を力で防いだり、余所の魔界からの侵略者を追い返したりっていう暴力に頼った仕事だけでなく、治めるっていう頭脳を用いた戦いもあるの。
そして頭脳でも暴力でもなく、精神力がものを言う戦いってのは、飽きっぽいあたしにゃ向かない訳なのよねぇ~……。
なんでこんなセリフからはじまるかというと、今回の出来事が、あたしが魔王であるが故にえらい目にあっちゃったからなわけ。
まぁ、悪いことじゃあないんだけどね。
それじゃ、そろそろ始めようと思うわ。
あたしの魔王としてのお仕事風景の一端を、どうぞご覧あれ♪
◆ ◆ ◆
「ふわぁ~あ……ったくシードルのやつ、たまには魔王らしい仕事をしてこいだなんて何様のつもりよ。
まるで普段は、あたしが魔王としての仕事をしていないみたいじゃないの」
シードルによって城から追い出されたあたしは、自分の治めるシュナムクル魔界をふよふよと散策中なの。
自然発生する魔物の群れなんかは、超合金ロボスーツを着せたプリニー隊に相手させてるから、以前シードルと二人で見回った時よりは減っているけど、それでもたま~に襲ってくるアホな魔物はいるのよね~。
ちょっと鬱陶しいわよ。
「でもまっ、プリニー隊には『魔物退治で得た報酬の1割あげる』って言っただけで張り切っちゃってるからね。
そんなに魔物の数もいないから適度な刺激って感じで楽しいんだけど、何か素敵な出会いがほしいのよねぇ~……」
と、考えていると、遠くに見えていた沼地に人影を発見。
はて? こんな場所に誰か住んでるのかしら?
「オ姉チャン オ腹空イタ」
「コレ 食エ ダー」
「オ姉チャン オレモ 欲シイ」
あたしと同じ汎用キャラ<呪術師>が三人。
段ボールで出来た家? に寄り添うようにして座り込んでるけど、もしかしてあの子らって、ゲームの『プリニー2』で出てきた三姉妹かしら?
あの子たちが住んでいるのはラハールが治める魔界だと思ってたけど引っ越してきたのかな?
ちょっと近づいてみましょう。
「やっほー、あんた達こんなところで何してんの?」
爽やかな挨拶は礼儀の基本。
ただし悪魔が丁寧なあいさつをする時は裏があると考えろ。
だけど、あたしが可愛らしい女の子に言う時は信じてくれていいのよ♪(裏の目的を隠しはしないから)
「オマエ ダレ?」
「オレ達 コロシニキタ?」
「オレ 知ッテル コノ魔界ノ 魔王 シュナムクル」
「チリ 物知リ♪」
「オ腹減ッタ」
やっぱりこの子らは呪術師三姉妹で間違いなさそうね。
でも全員、動物の頭骨カブトを被っているのよね。
確か長女のチリちゃんは、カブトを無くした妹のために自分のをあげて、黄色いリボンをつけていたと思ったけど……。
というか普通の<呪術師>よりもずっとちんまいんですけど。
もしかして生まれたばかり的な? 魔物みたいに自然発生的に。
「……あー、とりあえず、お腹が減ってるならあたしの魔王城に来なさいよ。
あたしもここら一帯ではゼタの次くらいには強いから貯えもあるし、子ども三人なら面倒見てあげるわよ?」
「オマエ 優シイ♪」
「オ腹イッパイ ゴハン 食ベタイ♪」
「デモ オレ達 オ金 ナイ」
ん? 悪魔なのにお金の心配してるの?
……あたしって、こんな小さい子たちからお金を巻き上げるように見えるのかしらねぇ?
「お金なんていらないわよ。
さっきも言ったけど貯えは沢山あるの。
それに、この魔界を統治する魔王としても飢えた子どもを見捨てるわけにゃイカンでしょ」
本音を言えば、この子たちが可愛いからってだけの理由だけどね。
これが悪魔らしい悪魔、大人だったら見捨ててるでしょうけど、子どもを見捨てるような奴は悪魔ではなく外道だからね。
可愛いは正義よ!
「オレ オマエ スキ オカーサン♪」
「オレモ オカーサン スキ♪」
「オカーサン オカーサン♪」
「え? ちょっと待って?
お母さん?」
この子たちのお母さんってあたしのこと?
何か出会って間もないのに物凄い懐かれてるんですけど。
「うーん……でもまぁ、可愛いし、いっか♪」
こうしてあたしは三人の子どもができましたとさ。
…………子育てってどうすればいいんだろ?
呪術師って可愛いですよね。チリ、パウ、ダーの三姉妹は特に。
ディスガイア3の設定本のイラストでは、なんかジョジョ立ちっぽいのがカッコイイですし、あの革ひもの服もボンテージみたいじゃないですか♪
この三姉妹を養子に迎えたとなると、邪神ドゥルバルキーも今後出そうかな。
あの“不幸を司る邪神”という称号と<ランチ・オブ・ライジングサン>(日の丸弁当)の組み合わせは素晴らしい♪
どんどん話の本筋からは外れて行ってますけど、少し今後に予定している話につながるのですよ。