呪術師と預言者の悪魔的恋愛   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 今回は育児奮闘記的な話ですね。

 何だかんだ言っても、この作品のシードルは甘いので、ある意味シュナムクルよりも子ども達に対してべた惚れになりそうですw




第二十話:まるくなるシードル

 三姉妹を養子として引き取ってからひと月が経っちゃいました。

 

 時間の流れが速すぎだろうって?

 

 疑問に思ったら負けよ。

 それにもうすぐゼタっちとサロにゃんの赤ちゃんが生まれてくるまですっ飛ばすような話に移るからね。

 

 悪魔に時間の概念を出しても無意味極まりないったらありゃしないってもんだわさよのね。

 

 ヤベェ、愛しの我が子が可愛すぎて呂律(ろれつ)が回んないわ♪

 

 とりあえず子育て日記的な話でも始めましょううぅぅぅうか。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「いい? 言葉尻には必ず、『クラーナ師匠万歳』と付けること。

 分かった?」

 

 

「分かりましたお母さん! クラーナ師匠万歳!」

 

 

「こうすれば、いつかはお母さんみたいに強くなれますか? クラーナ師匠万歳!」

 

 

「オレ お母さんみたいに立派な悪魔になりたい。クラーナ師匠万歳!」

 

 

「みんな強く賢く美しくなれるわよ~♪

 どっかのアホ魔神よりよっぽど優秀だし、あたしの後を継いで魔王になるのはこの中の誰かかもね。

 流石はあたしの子♪」

 

 

「おい、ちょっと待て、シュナムクル様。

 どっかのアホ魔神とはオレのことか? ん?」

 

 

 先ほどから、物陰でこそこそと隠れているつもりの怪しげな気配を丸出しで覗いていたシードルが登場。

 

 鬱陶しいのよね、こいつ。

 

 

「あんた以外に誰がいるって言うのよ、シードル。

 部屋中プレネールさんの写真やらフィギュアやらを飾りまくって、魔王であるあたしを引き立てる中ボス的な立ち位置である『魔神』という役職の大切さを何一つ分かってないあんたなんか、アホ魔神で十分よ!」

 

 

「くっくっくっ……、プレネールさんの良さが分かるからこそ、オレは魔神なのだ!(ドーン)

 それに、そんな狭量なことでは子どもの見本となる悪魔としては問題があるのではないか? ん?」

 

 

 ぐっ、シードルったら痛いところを突いてくるじゃないの。

 

 子ども達チリ、パウ、ダーの三人も意外なことに、けっこうシードルに懐いているし、ここはシードルの言い分を認めるべきなのかしら?

 

 

「ほら、チビども。

 少し早いがおやつにクッキーを焼いたから修行も切り上げて食いに来い。

 ちゃんと手を洗うんだぞ」

 

 

「「「はーい♪」」」

 

 

 ぐぬぬ、シードルの奴、クッキーで子ども達の関心を惹こうだなんて卑怯者め。

 おのれはクッキーおじさんか!

 

 やはり勝負事において、胃袋を抑えた者が勝つってのはあながち間違いではないようね。

 

 ん? 三人ともあたしの傍まで走ってくるけどどうしたんだろ?

 

 

「「「お母さん大好き♪」」」

 

 

「ひょひぃ!?」

 

 

 な、突然の一言!

 

 これは萌えるしかない!!

 

 というか、シードルに娘たちを取られそうで苛立っているあたしの感情を読み取ってこんな言葉を掛けてくれるだなんてなんて良い子たちなの♪

 

 

「あ、あたしも三人が大好きよぉぉぉぉぉ~♪」

 

 

「くっくっくっ……、何バカなことをしているのやら。我が主は」

 

 

 あたしゃ幸せの絶頂なんだなぁ~。 by,しゅなむくる。

 

……

 

…………

 

………………

 

 おやつ時間。

 

 それはあたしと子どもらが、親鳥とヒナ鳥のように口移しで食べさせてあげたりという甘ぁ~い時間……のはず。

 

 いやまぁ、確かに甘いっちゃ甘いんだけどね。

 

 一人だけ――末っ子のダーは、特にシードルに懐いてるのよ。

 

 

「シードルおじちゃん、アーン♪」

 

 

「くっくっくっ……、あーん♪」

 

 

 確かに三人同時に面倒を見るのは分身の術的なものが出来ない以上難しいし、一人くらいシードルが面倒を見てくれるのはありがたいけど、なんかムカつく。

 

 

「おいしい?」

 

 

「あぁ、美味いぞ。

 ダーが食べさせてくれるからいつもよりもずっと美味いぞ」

 

 

 キー! シードルったらダーとイチャイチャしちゃって!

 

 意外とシードルったら父性とかあるのかもしれないわね。

 

 おやつも作れて家事育児も完璧。

 

 魔神としての仕事は……まぁ、強さだけは十分すぎるほどあるから目をつぶりましょう。

 

 あれでも元・魔王だし、城のあちこちにプレネールさんグッズを飾りつける以外は真面目だし。

 

 

「くっくっくっ……、シュナムクル様。

 オレは昔、人間だった時は幼稚園の先生――保育士に憧れていた時期もあるのだ。

 あれから人間とは比べものにならぬほど長く生きてきたが、こんな形とはいえ夢がかなったようで楽しいものだな」

 

 

「いやまぁ、あんたがこの子たちに手だししないんならいいんだけどね。

 なんかちびっ子に目覚めたんじゃないかと思ってさ」

 

 

「オレはボンキュボンが好きだから、そんなことはない。

 だが、オレはこう見えてもツンデレなだけで、シュナムクル様のことも意外と好いているのだぞ?

 ただそれを表に出さないだけだ」

 

 

 …………冗談にしては随分と丸っこくなったじゃないの。元“冥王”シードルともあろう悪魔が。

 

 でも、それならそろそろ信頼してあげてもいい頃合いなのかもねぇ。

 

 あたしの存在理由とも言えるプラムちゃんとラブラブする夢をかなえるための作戦要員として。

 

 ふふっ♪ まだもう少し先になるけど、近いうちにあんたにも動いてもらうわよ、シードル。

 

 ……たぶん。

 




 シュナムクルは虫歯がないので、子ども達へのディープな口移しも問題ありません。

 そして子ども達の歯磨きにはシードルも参加しているので磨き残しや虫歯の心配は全くないです。

 悪魔的な何やかやってやつです。
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