呪術師と預言者の悪魔的恋愛   作:ヨイヤサ・リングマスター

23 / 43
 相変わらずまったりのんびりした雰囲気です。
 あとサブタイはラズベリルっぽくしてみました。

 


第二十三話:悪魔の教育その1・眼離剣刺通苦

 このあたし、“呪術王”シュナムクルの強さの秘訣はその呪術にこそある……訳じゃあない。

 

 かと言って強さの理由は、そんじょそこらの魔王とは比べものにならないほど巨大な魔力でもなく、鍛え抜いた拳技でもない。

 

 あたしの強さの一番の理由、それは応用力にこそある!

 

 そんなあたしの育児日記風ラブコメディー『呪術師と預言者の悪魔的恋愛』、スタート♪

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「メリケン粉を上位に、シードルを下位に」

 

 

 あたしの特技は<拳>。つまりは殴る蹴るの徒手格闘こそが真髄。

 

 それを活かす最大の武器となる拳を保護するメリケンサックを、メリケン粉に魔力を込めて作成するという応用力。

 

 するとどうでしょう。

 今回、攻撃対象となってくれたシードルの体は、まるでゴム毬の如くあたしの拳によって吹き飛んで行きました。

 

 

「見た? 愛しの娘たち。

 これがメリケンサックの力よ!

 どんな武器にも言えることだけど、一つのことを極めるってのはこういうのを言うのよ」

 

 

 ちなみにこの拳技は<魔法>でも<呪術>でもなく、<応用力>よ!

 

 メリケン粉をメリケンサックの形に固めるのには魔力を使ったけど、同じ<メリケン>がつく言葉同士ということで応用した結果がメリケン粉で出来たメリケンサックなのよ。

 

 ちなみに台詞はノリで言っただけで、メリケン粉とシードルに上下関係を作ったから飛んだのではなく、普通に腕力で殴ったから吹き飛んだだけよ。

 

 優先順位で言うなら料理も完璧にこなすシードルにとって、メリケン粉は下位でしょうからね。

 

 

「お母さん凄い♪」

 

「凄い凄い♪」

 

「オレもお母さんみたいに強くなる!」

 

 

「三人ともきっと強くなれるわよ~。

 なんてったってあたしの可愛い子達なんだから♪」

 

 

 あ~んもうキャワイィー♪

 

 子どもってば可愛いすぎるわよ。いつまでも抱きしめていたくなる可愛さだわ♪

 

 しかもまだ見た目が5,6歳……実際年齢は分からないけど生まれたばかりっぽいけど、あたしが鍛え始めてからはあっさりと強くなってるし。経験値ボーナスでもついているのかしら?

 

 

「ぐっ……、ノリで殴るのは勘弁してもらいたいのだがな、シュナムクル様」

 

 

「あら、死んじゃいないと思ってたけど回復早いわね、シードル。

 まぁ、これもノリっちゃノリだけどさ。

 子ども達の教育のためだと思って諦めなさいよ。

 ほら、みんなも呪術と体術の向上のために、お母さんに殴られてくれたシードルにお礼を言いましょう」

 

 

「「「ありがとーシードルおじちゃん♪」」」

 

 

 子ども達の純粋なまなざし攻撃。

 

 シードルに一兆ダメージ。

 

 

「い、いや……まぁ、そんなに気にするなチビども。

 オレは慣れているからな。

 それよりもお前達が強くなってくれるのならオレとしても本望だ」

 

 

 あ~あ、シードルったら耳まで真っ赤になっちゃって可愛い♪

 

 子ども達との仲も良いみたいだし、これからも「子どものため」という名目で殴っても怒らなかったりして。

 

 今回殴ったのは子ども達の修行というよりは、さっきお昼ご飯を食べ終わったばかりだから食後の腹ごなし感覚だったんだけどね。

 

 

「くっくっくっ……、久し振りにこの『くっくっくっ笑い』をしてみたが、シュナムクル様。

 今日は<ヴェルダイム>からロザリンドらが来る日ではなかったか?」

 

 

「…………え?」

 

 

「『え?』じゃないだろう。

 前回の話で、色々と準備をしなければ! などと言っていたのをもう忘れたのか?

 今回の話では冒頭からオレを殴り飛ばすだけで、まだ前回の続き的な内容をしていないだろうに。

 そろそろ話しを進めないと、いつになってもこの物語は先へと進めないぞ?」

 

 

「…………忘れてたぁぁぁぁぁー!!!!!」

 

 

 どうしよう!? 前回の話で歓迎の準備をしなくちゃね♪ な~んて言っときながら、その事をすっかり忘れてた!

 

 え? でも今日? 何も準備してないんだけど。

 

 思い返すのは昨日の夜、娘三人にシードルとあたしを加えた五人でゲーム大会に興じお菓子の袋が散乱し、キッチンの流しにも洗い物が溜まっているという状況。

 

 これ見られたらロザリンだけでなく、パピロンちゃんにも幻滅されちゃうかもしれない!!

 

 

「くっくっくっ……、流石はシュナムクル様だ。

 こんな大事なことを忘れているのだから悪魔としての格はオレよりも上なのも肯けるものだ」

 

 

「勝手に肯くんじゃないわよ、このアホ魔神!

 ってかヤバいんじゃない?

 今日来るって、もうすぐ電車が到着する時間っぽいし……」

 

 

 ヴェルダイム発の電車が到着するのは午後二時の予定。

 

 現在午後一時四十五分……ヤヴェ。

 

 

「くっくっくっ……、こんなこともあろうかとつい先ほど片付けておいたぞ」

 

 

「ナイスよシードル!

 流石はあたしの腹心♪」

 

 

「くっくっくっ……シュナムクル様の腹心たる者、この位のこと出来なくてどうする。

 (ちび達にとっても、初めての同世代のお友達が出来るかもしれない重要イベントなのだからな)」

 

 

 内心が顔に書いているので丸分かりなシードルは置いといて、準備は完璧。あとは出迎えるだけ。

 

 パピロンちゃんも年の近いうちの娘たちと一緒に遊べばこの魔界に住みつきたくなるかもしれないし。

 

 そして、あわよくば娘の一人に加えてあたしの魔界で可愛く愛でていきたいなぁ~♪

 

 ついでにロザリンも一緒に暮らしてヴェルダイムの魔王はアデルに押し付けてもいいかも♪♪

 

 

「お母さん、おやつおやつ」

 

「お腹すいた」

 

「……(空腹を訴える可愛らしい眼差し)」

 

 

 おぉう、我が愛しの娘たちはさっきお昼ご飯を食べたばかりなのにもうお腹が減ったと言いますか。

 

 うむうむ、これは沢山食べさせて細胞のレベルを挙げないと燃費が悪いわね。

 

 

「シードル! ロザリン達の歓迎の前にこの子たちにおやつの用意を!」

 

 

「くっくっくっ……それもすでに作ってある。

 悪魔で魔神なのでな」

 

 

 ふっふっふっ……、では準備が既に済んでいるのならばシードルっぽく笑いながらロザリン達を待つとしましょうか。

 

 たまには魔王らしく振る舞って、ロザリン達をアッと驚かせてあげるんだから♪

 




 シュナムクルはすでにシードルに頼り切っていますね。

 悪魔なのですから自分のしたいことをするのは当然ですが、しなくちゃいけないことを忘れるのは駄目でしょうにw

 それとロザリンをヒロインの一人とすることはありませんので。
 相手がいるのに横槍を入れるのは私の美学に反しますからね。

 原作でカップリングが成立しているキャラは落とさないと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。