呪術師と預言者の悪魔的恋愛   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 プリニーは家来と言うよりは、消耗品なのであれが最初の家来ってのもどうかと思うのですよ。


 


第三話:第一家来襲来

「はぁい、ようこそお客さん。

 あたしが、この魔界の魔王。

 “呪術王”シュナムクルだけど、別に自己紹介はいらないわよね?」

 

 

「くっくっくっ……。

 なるほど、噂以上に膨大な魔力を持った魔王のようだな。

 それでこそオレが出向いた甲斐があるというものだろう」

 

 

 あれあれ~? あたしの話は無視ですか~?

 

 って、こいつってば何か見覚えがあるような……。

 

 

「オレは冥界の王、“冥王”シードル。

 最近噂の“呪術王”とやらが、どれほどのものか腕試しに来ただけだ。

 が、お前の実力はオレの予想以上だ。

 久方ぶりに楽しめそうだな」

 

 

「……あんた一人? あたしとしちゃあ、“預言者”プラムちゃんあたりに来てほしかったんだけどな~。

 まぁ、いいや。シードルも名前は聞いているし、魔界を守るって大義名分があるなら侵略者の一人としてブチっ殺しちゃってもいいよね?」

 

 

 うふふふふ♪ 元人間の勇者でありながら魔王へと堕ちたサムライ、“冥王”シードルとなら楽しいバトルが出来るわよね。

 

 あたしもバトルはウェルカムなんだから♪

 

 

「くっくっく……、殺せるものならな。

 それでは勝負と行こうか、シュナムクルとやら。

 せいぜいオレを楽しませてくれよ?」

 

 

「安心なさい。

 あたしゃ宇宙最強の魔王を目指しているわけなじゃないけど、欲望に正直な生き方が出来る程度には鍛えているもの♪」

 

 

 そして、あたしの言葉は言い終わる前に勝負は始まった。

 

 どちらからともなくぶつかり合う魔力、剣、拳。

 

 シードルは剣を使うけど、あたしは武器らしい武器は用いない。

 

 呪術以外は体術のみ!

 ゲーマーだった前世で、『ダークソウル』の拳武器<セスタス>を炎強化と混沌強化で両拳に装備した上で、呪術師プレイもしていたという炎の使い手をなめるんじゃないわよ!

 

 言うなれば、生まれる前から炎の申し子なんだからね!

 

 ちなみに『デモンズソウル』ではゴッドハンド用キャラも作成して遊んでたくらいよ♪

 使いづらかったけど。

 

 

「冥王剣無明返しぃぃぃー!」

 

 

「溜め無し霊体撃滅波ぁぁぁー!」

 

 

 シードルってば、冥界の魔王ってんだから霊体に対して効果的な呪術を用いてみたけど、私もシードルも紙一重でかわし続けるから決定打が出ないみたいなのよね。

 

 しかも魔王同士だから体力も半端ないし、いつまで経っても同じことの繰り返し。

 

 流石にこれじゃあね~。ちょっと飽きてきちゃったわ。

 

 

「どうした? もうおしまいか?」

 

 

「なぁ~に言っちゃってるのよ。

 それよりも、こっから本気出すけど、死ぬんじゃないわよ? 『炎の大嵐』三倍!」

 

 

「なにッ!?」

 

 

 これまた溜めも無く展開された、あたしの現在最強の呪術はシードルを驚かせる。

 

 そしてそれだけに止まらない。

 一瞬でも驚いて隙を作ったシードルは、あっという間に四方を炎に囲まれ逃げることもあたわずにその身を炎に包まれる。

 

 魔王としてのあたしには攻撃に溜めが必要ない。

 

 自らの魔力を種火に燃え上がった炎は出現すると同時に巨大に膨れ上がる。

 

 その炎は視界に映る全てを燃やすことが出来るからこそ“呪術王”と名乗っているんだから♪

 

 (呪術王と言えばザラマンではって? は? 誰それ?

  あたしの他に『ファントムキングダム』の世界には呪術王を名乗る人物なんていないんだから別に問題ないわよ)

 

 

「ふぅ……、流石は“冥王”シードルってところね。

 死んじゃいないみたいだけど、もう動けないでしょ?」

 

 

「くっ、まさか新参者の魔王の癖にここまで強いとはな……だが、楽しい一時だったぞ。

 あの腹立たしいサロメのふ抜けた姿を見た後だからか、苛立っていたオレの怒りも発散出来た」

 

 

「そういえばシードルって、サロメとは昔馴染みなんだっけ?

 

 (正確には裏切られて犬猿の仲だけど、未だに思いは捨てきれずに怒りや憎しみでもいいから構ってほしいという子どもみたいな恋愛感情を一方的に持ち続けているのよね)

 

 それよりも、ふ抜けた姿ってどういうこと?」

 

 

「? なんだ、知らないのか?

 新参者が一番にするのは情報収集だから、サロメや他の魔王の動向には聡いと思っていたんだがな。

 シュナムクルも随分とお気楽な魔王のようだ」

 

 

「悪魔なんだから時間の概念に疎くなるのは仕方ないでしょ。

 いつかは他の魔王についても調べるつもりだったわよ……100年単位で先になったでしょうけど(ボソッ)」

 

 

 なんかあらゆる出会いを天に任すってカッコいいじゃん!

 

 別に今その理由を思いついた訳じゃないわよ!

 

 

「まぁいい、サロメの奴は、少し前……と言っても100年ほど前になるんだがな。

 魔王を辞めてゼタと結婚していたんだが、どうにも最近妊娠が分かったようでな。

 それでお祝いを寄こせなどと、のたまってきたから、ここに来る前にオレの最強の一撃をゼタの魔界にぶち込んだら、えらく揉めて色々あって……まぁ、苛立っていたのさ」

 

 

 なんとゼタとサロメが結婚!? しかも妊娠!?

 

 あの「愛など要らぬ」なんて言って強さのみを求めていたゼタが、ついにサロメと結婚していただなんて喜ばしいことじゃないの♪

 

 まぁ、ゲームのグッドエンドでは、死んだサロメを生き返らせるために、『全知全能の書』に「我、魔王ゼタの愛するサロメを生き返らせろ~、サロメ愛してる~ん♪(ん、少し違うかな?)」とか書いてたし、ありえるかもね。

 

 ……ってか時間軸どうなってるんだろ?

 

 

「とりあえずオレは楽しめたからそろそろ帰るとしよう。

 これからも長い生の楽しみの一つとしてお前の命を狙わせてもらうだろうがな」

 

 

「あ、ちょっと待ってシードル」

 

 

 莫大な魔力と、呪術に関してはチート級のあたしは、この世界に転生してから、ずっとある呪術を試す相手を探していたのよ。

 

 

「えいっ、『不死の魅了』♪」

 

 

 『不死の魅了』とは、炎に惹かれる羽虫がその身を焼かれると知っても吸い寄せられるように、あらゆる命を虜にする呪術。

 

 これまで相手にしてきた悪魔たちは、この呪術を使う前に腕試しをしたら、あっさり死んじゃう雑魚ばかりだったけど、シードルくらいの実力者ならあたしの家来にちょうどいいわ。

 

 本来この呪術には時間制限があるけど、あたしの場合は同じ術式を元にしているだけで、使う魔力量が多いから永続的にかけれるようになってるわよ。

 

 

「“冥王”シードル。

 あんたはこれから魔王補佐、まぁ魔神としてあたしの魔界の統治に尽力なさい」

 

 

「御意に、我が主シュナムクル様」

 

 

 ふふふ、人権侵害なんて人間の決まりは知らないわ。

 

 本人が幸せならそれでいいじゃない。あたしに付いて来れるような悪魔はそうそういないんだし。

 

 

「それじゃ、サロメっち達には会ったこと無いけど、同じ魔王同士お祝いにでも行こうかな~♪」

 




 『魔界戦記ディスガイア』などの世界では、悪魔の役職として一番偉いのが魔王で、魔神はナンバー2となっています。
 ディスガイアのエトナも強さは魔王クラスですがラハールが強すぎるので地位は魔神です。
 正式に名乗るようになったのは2からですが。

 魔王や魔神の役職に就く方法は、へかとんさんの『魔界戦記ディスガイア2』のマンガにて詳しく載っていますよ~。

 そして、他にも爵位持ちの貴族悪魔はいますが、基本的に実力主義で力があれば何をしても許される世界なので、今作の主人公はあまり道徳的ではありません。

 ただ、一番肝心なのは、悪逆非道な行いをしても、何となく許せてしまう空気を作り出すことですね。

 買い物するのにも、力があれば脅しつけたり、カツアゲ、万引き、何でもござれですが「まぁ、いっか」の空気こそ大切なのです。

 それに、シードル自身もかなりの外道ですし、良い奴にするならこうした方が私の好みなんですよ。

 今後の流れとしては、
 魔王:呪術の達人、魔神:シードル?(誰かディスガイアからスカウトしてこようかな……)
 家来:最強のプリニー隊(超合金ロボスーツを人数分支給……の予定。まぁ、使い捨てですがw)

 あとは執事とメイドとコックに庭師あたりが欲しいですけど、誰にしようかな……音楽家もいるかな?

 ファントムキングダム原作ですし、商人や博士は必要ですよね。
 私はゲームでは<戦車>を全然使いませんでしたが、町民Aとか、村民Bとかでなら登場させようかな。

 2012年4月1日:二次創作禁止一覧に含まれる「技」を使うのも禁止になったので一部修正しました。
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