ナイスな朝日!
あたしの部屋はカーテンを開けたまま寝てるから、基本的に太陽の光が差し込んできたら目が覚めるのよね。
たまに子ども部屋で娘たち三人と一緒に寝たり、リビングでシードルやトコナっちゃんと一緒にゲームしながら寝たりもするから一概に太陽と同時に活動を始めてるぜ! な~んてカッコつけたことは言えないけど、それでも健康的な生活は送っているのよ。
だからすぐに気付いたわ。
朝一であたし宛てに送られてきた一通の手紙に。
「ねぇ、シードル。この手紙どうしたの?」
「ん? あぁ、それは今朝郵便受けに入っていたのだ。
差出人はプラムかららしいぞ」
「マジで!?」
気付いたと言いつつ、最初に見つけたのはみんなの朝ごはんの支度をするために早起きしたシードルだったりするんだけどね。
だけどこれはもしかして、あたしの愛が引き籠っていたプラムちゃんについに届いたのかしら♪♪
それだったら嬉しいなぁ~♪
手紙の内容:『本日正午に私の魔界に来なさい』の一文のみ。
「……」
「……」
「……あー、シューちゃんラブレターもらってるぅ~♪」
少し遅れて起きてきたシードルの奥さんにして、あたしの友人でもあるトコナっちゃんはマイペース。
そんな寝ぼけて間延びした口調のトコナっちゃんがあたしをうりうりするのも特に気にならなかった。
この手紙って……。
「……もしかしてプラムちゃん怒ってるのかな?」
「くっくっくっ……、文面だけなら、向こうにもその気があるから告白しに来いという意味に取れなくはないがな」
「いやいや、明らかにそれはないと思うわよ。
短いながらも、怒気がにじんだ文章に見えるけど……あたし何かしたっけ?」
特にこれと言って怒らせることをした覚えはないんだけど。
せいぜい、草の根活動として親しくしている周辺魔王たちに、あたしとプラムちゃんの間を過剰に盛り上げてくれるように頼んだだけ……ってコレかな?
「くっくっくっ……、すばりソレ、だろうな。
あぁ、それと今日の朝食は麻婆豆腐だ。昨夜は妻が元気だったのでな。
パワーが溢れるものにした」
「うふふ~♪ でもノリノリだったのはあなたも同じじゃないの~♪
あ、子どもが出来たらシューちゃんに名前付けてもらうからよろしくね~♪」
「まぁ、いいけどね。
なんかあんたら二人の元気でお盛んな会話を聞いてたらあたしもムラムラしてきちゃったし、とりあえずプラムちゃんには会いに行ってくるわ。
もしかしたら話し合いで解決から結婚までの流れに持ち込めるかもしれないし」
「くっくっくっ……、その可能性は低いがな。
あれでも魔王の中ではかなりの力を持っているし、正直に言えば現・魔神とはいえ、元・魔王のオレよりも強いぞ。あの女は。
まぁ、引き籠る少し前から何かを求めていたようだから、物で釣ることは出来るかもしれんが」
「シューちゃんシューちゃん。
生きて帰って来さえすれば、たとえ手足が吹き飛んでも、頭が弾けても、内臓全てが破裂しても治してあげるから、必ず生きて帰ってきてね!」
なんだか応援なのかどうかよく分からない声援を受けながら、とりあえず朝ごはんをしっかりと食べて元気をつけるあたしなのであった。
◆ ◆ ◆
「で、来たわけだけど、どうしよっかな~。
プラムちゃんってば魔術研究だか何だかで引き籠っているって聞いてたし、出てくるのはもう少し先かと思ってたんだけどねぇ~。
まぁ、シードルも無事に結婚したことだし、出たとこ勝負であたしもぶつかっていこうかな。
頑張れあたし!!」
プラムちゃんが治める<プラム魔界>ってのも、彼女の美しさが一目で分かる乙女チックな外観をしているのよね。
でも魔界の外観は中身とは関係ないから行くのが恐ろしい気もするけど……なんとかなるでしょ。
で、軽い気持ちで侵入して言ったんだけど、早速見つかった訳。
「侵入者だー!」
「武器を取れー! 生かして返すなー!」
「プラム様をお守りしろー!」
「……いきなり敵扱いとはなんとまぁ、不幸な展開……なんてこのあたしが言うわけないじゃないの♪」
幸運だったのは襲ってくるのは雑魚ばかりであったこと。
流石に襲われたからと言って、愛しい女性の家来を殺戮するってのも気が引けるし、殺さずに適当にあしらっておくだけにする。
「あんたらはジッとしてなさい! 『炎の渦』」
襲い来る悪魔の群れを炎によって四方八方を囲んで身動きできなくさせる。
火力も大したことないし、プラムちゃんと会って話をする位の時間は稼げるでしょ。
「ったく、雑魚を寄こすってのは良く分からないわね。
殺す気なのか本当に話がしたいのか……でもまっ、この先に本人がいるなら考える必要はないわよね。
女は行動力!!!」
魔界の外観こそは違えど、基本的に魔王の住む魔王城の外観は似ているし、中の構造も似たようなもんかな?
目指すは最上階『魔王の間』。レッツゴー♪