まぁ、その現状を放置しておくほどプラムはのほほんとしていないでしょうが、とりあえず今回は語られないのでスルーしましょう。
そんな感じで最終話。恋愛作品としては、ありきたりなラストかもしれませんが、一応後日談的なものも用意していますのでこれで最終話です!
最後までお楽しみください♪
プラムside
初めてだった……こんなにも誰かに愛されていると感じたのは。
嬉しかった……人と触れ合う温もりがこんなに気持ちがいいと知れたことが。
最初は勝手に人のことを恋人宣言する馬鹿な魔王だと思ったから、ちょっと痛めつけてやるつもりで呼び出したけど……彼女、とても暖かかった。
ふふ、“預言者”プラムともあろうこの私が随分とふ抜けたものね。
だけど、それこそがずっと私の求めていたものだったのよ。
父親から魔界を奪ってから今日まで、私はずっと一人だった。
ずっと……寂しかった。
預言者としての予知能力も、<全知全能の書>を盗み見ていただけで私自身には膨大な魔力しかなかったけど、彼女はそれを寂しいと気がつかせてくれた。
魔王同士、女同士、問題はあると思う。
けど、私はシュナムクルと出会うために『出会いの魔術』を研究していたんじゃないかしら?
自分の心を満たしたくて、自分の足りないものを補ってくれる同じ目線から語り合える人を求めて、それこそが私の本当に求めていたものなんじゃないかしら?
私は自分の人生を彼女に添い遂げて行こうと思うわ。
ふふふ、最初は殺そうとしていたのに急な変わりようかもしれないわね。
でも初めて女としての喜びを教えてくれた彼女の存在は欠かせないものになっているのよ。
愛しているわよ、シュナムクル。
シュナムクルside
いやぁ~、プラムちゃんと正式に恋人になれました♪
やっぱ初心(うぶ)な女の子ってのは一度落とすと最後まで行っちゃうもんね。
プラムちゃんの家来からは、「昨夜はお楽しみでしたね」とかなんとか言われながら<プラム魔界>をあとにした私だけど、お土産がプラムちゃん自身ってのは最高の報酬だもんね。
「それじゃシュナムクル。
私はあなたの恋人としてあなたの魔界に行くわけだけど、その……結婚式とか考えてるの?」
「勿論♪ 最高の結婚式にするべく、あっちこっちで仲良くなった友人を集めてわいわい楽しく遊びまくる式にするわよ♪」
はい、それじゃ過程を省略して(毎度おなじみ、シードルをこき使って)、いざ結婚式へ。
勿論、式の準備をしている間も、しっかりにゃんにゃんしていたわよ♪
プラムちゃんったら、一緒に寝て以来、すっかりご執心みたいでね。
普段から子ども達の世話や魔王としての仕事は、シードルやトコナっちゃんが「オレがオレが」、「わたしがわたしが」ってな感じでやってくれるからその分、昼もなく夜もなく肌を重ね合ってるからもう寝不足なのよね。
ふわぁ~ぁ。
あ、またプラムちゃんが誘ってるわ。
まったくも~う、しょうがないんだからぁ~♪
甘えん坊なプラムちゃんにはおしおきをしてあげないと♪
◆ ◆ ◆
「……それにしても集まったものねぇ~。あたしとプラムちゃんって、こんなに慕われてたんだ」
会場は式場を借りるのは勿体ないってのもあって、あたしの魔界の魔王城の広間を一つまるまる使ってるんだけど、それでも許容量オーバーなお客さんなのよね。
入れない連中は庭で立食パーティーにしているわ。
そもそも、騒ぐ口実としてきたような連中だから、御馳走を食いに来ただけの連中以外はあんまり城の中にまで入ろうともしないし。
「くっくっくっ……、普段、城から出ることの少ないシュナムクル様は知らないかもしれんが、意外と地元住民には慕われているのだぞ。
具体的にはオレが語り部をやった『第二十一話』を読めば分かるはずだ」
「……なるほど(読んできた)」
貢物として結婚式を開くことを発表したらすぐに<シュナムクル魔界>で一番の洋裁店からウェディングドレスを二着(あたしとプラムちゃん用)送られてきてたしね。
それにしても流石は魔界、流石は悪魔。
同性婚について誰も疑問に思わないってのは都合がいいわね。
で、いざ結婚へってな流れになったんだけどね……。
「はははははっ! なぁゼタ。
オレ様は考えたんだが、やっぱてめぇとサロメのガキのお祝いってのは、てめぇの命こそが相応しいと思うのさ。
そう言う訳で死ねぇぇぇー!」
「ふはははははっ! 貴様ごときが我に敵うとでも思っているのか!
今日はシュナムクルとプラムの結婚式だと言うが、その式の彩(いろどり)には貴様の血で赤く染め上げてくれるわ!」
「あぁ~んもうっ、ゼタったら折角のシュナムクルとプラムの結婚式だってのに何喧嘩なんてしてんのよ」
「おい、ロザリー、パピロン。やっぱこの辺は都会だけあって食いもんも美味いぞ。
ほら、持ってきてやったから沢山食えよ」
「この馬鹿アデル!
友の祝の席で恥をさらす出ない!
パピロンが真似をしたらどうする!!」
「あははー、パパ怒られてるー♪」
「ゴワワワワワワワ(ごちそうを頬張り中)」
誰一人として席には着かず、まだ開式もしていないのに食いまくり暴れまわりでこの騒ぎってわけよ。
料理はシードルとトコナっちゃんが作ってくれたのもあるけど、基本的には持ち込み式だからね。
ロザリンにはヴェルダイム名物の料理もいっぱい持ってきてもらったし、ゼタには生肉チョコバー1万本セットを持ってきてくれたからシードルと奪い合いになっちゃったわよ。
まぁ、シールはすでにシードルが抜き取っていたけど、せっかくのお祝いの席だし許してあげましょう
そんで、特に意外だったのはアレクなんだけど、彼ったらゲヘナの海限定プリンをゼタに対抗して1万+1個も持ってきてくれたのよね。
老若男女問わず大好きなスィーツをそんなにたくさん持ってきてくれるだなんて、一体どんな裏ワザを使ったのやら。
本人は「拾った」とか言ってるけど、あれはあたしやプラムちゃんへのテレ隠し兼ゼタとサロメへのお祝いみたいね。
そして上で一人騒ぎを無視してごちそうを口いっぱいに詰め込んでいるのは、招待もしていないプラムちゃんのお母さんの旦那さんであるロイヤルキングダーク三世。
プラムちゃんの意向で招待していないのにどうやって知ったんだか……。
「……ねぇプラムちゃん」
隣の席に座るプラムちゃんに声を掛ける。
「何? シュナムクル」
「この結婚式だけどさ、もうこのまま、ふけちゃわない?」
「……そうね、宴も開始からずっと纏まりなんて無いし。
というか初めの挨拶も何もしていないのに食べているアホもいるし」
静かに会場を後にするあたしら二人に気づく者は居らず、いかに魔界での結婚式ってのが人間の常識から外れているのが良く分かる1日なのでした。
「ん、ちゅ……いいわ、プラムちゃん。
やっぱ女の子は大きさよりも感度よね」
「だ、だめよシュナムクル……私もうイっちゃ……あぁ~ん」
楽しい一時でした♪
これにてあたしの悪魔的恋愛が終わった訳じゃないけど、目的が達成できた以上は次の目的よね。
さぁ、悪魔としての長い一生にどれだけ彩を加えられるかはあたしの努力次第!
がんばるぞぉぉぉー!!!
おわり
~オマケ~
「うぉ! ちょっと待てゼタ! 戦いは中止だ。サロメが……」
「何!?」
「う、決闘中に悪いわねゼタ。
なんか、破水……しちゃったみたいでさ」
「おい、誰か医者はいねぇのか!?
サロメが破水したぞ!
ってかゼタ! てめぇは慌て過ぎだ!!」
「うぉぉぉー! しっかりしろサロメェェェー!」
「くっくっくっ……、任せろゼタ、アレク。そしてサロメ。
オレはこんなこともあろうかと出産に関する本も読破している(無免許だが)。
見事オレが生まれてくる赤ん坊を取り上げてやろう。
トコナツ、回復援護を頼む」
「任せて、あなた。これでも回復魔法の管理人として必ず母子ともに救って見せるわ!」
◆ ◆ ◆
ん? 何だか広間の方が一段と騒がしくなったようだけど、シードルに任せておけば大丈夫よね。
「シュナムクル、もっと愛しなさいよ」
「あいあいプラムちゃん。
あたしの愛で昇天なさい♪」
「んぁぁあっはぁぁぁ~ん♪」
チャンチャン♪
これにて完結となりました。私の十一作目にして百合をさらに極めようとしながらもギャグメインとなった『呪術師と預言者の悪魔的恋愛』。
今回も色々と学ぶことがありましたし書いていてとても楽しかったです。
書き手としての楽しさが、この作品を読んでくださった全ての人の読む楽しさに繋がっているかは分かりませんが、それでも私が感じた楽しさの少しでも感じ取ってもらえたら幸いです♪
一応、この物語の第二部もすぐに書き始めて完結しているので、また後日こっちにも移転予定なので設定を完結にはしません。
次の投稿は同時移転していた『ハターン・モンスータの狩りと愛の日々』が終わってからですね。
なにはともあれ、これまでお読みいただきありがとうございました♪