いわゆる第二部ってやつですね。
大して内容も濃くないですし、第1部同様まったりと短い期間で完結を目指していきますのでゆるりとしていってください♪
第1話:第二部スタートでござる
久方ぶりに感じる故郷の風が頬を撫でる感触には懐かしさがこみ上げる。
子どもの頃、長い間過ごした場所であると同時に、長い間離れていたためだろう。
その両方が懐かしさを一層際立たせてくれている。
腰の刀と背の槍。それに己自身を極める旅に出て早1000年。
如何に悪魔が長命とはいえ、それだけの時間が過ぎれば多少は変化があると思ったのだが、母上の治める魔界は相変わらず平穏のようだ。
……まぁ、駅から城までの道中に飾られた、母上がこれまでに倒してきた侵略者共の骸の数は年月に比例して増えているようだが。
「おや、久し振りです王女様。
随分と長い旅でしたが今お帰りですか?」
「あぁ、ようやく自分の腕に自信が持てるようにはなったからな」
顔馴染みの商人に声をかけられる。
拙者がここを離れていた間に色々とあったのだが、それでも忘れていないのは悪魔とは言え、母上の影響力は流石と言うべきか。
……ここらで拙者のことを説明しておこう。
拙者の名は「チリパウダー」。
ここ<シュナムクル魔界>の魔王“呪術王”シュナムクルの娘でござる。
かつては「チリ」、「パウ」、「ダー」の3姉妹として知られていたが、修行の旅の途中でちょっとあってな。
今では3姉妹合体悪魔ということで「チリパウダー」と名乗っている。
かつては童子と見まがうほどに小柄な母上よりも小さかったのだが、すでに背は抜いているでござろう。
本当に色々あって心身ともにだいぶ成長したからな。うん、色々あった。
まぁ、長い話もつまらんし、とりあえずは母上に会うところから始めよう。
……
…………
………………
「あら、おかえりチリパウダー。元気してたぁ~ん?♪(抱きしめ)」
「ちょっ、母上!」
城の門をくぐり抜け、母上の部屋に直行したわけだが、部屋に入った拙者に熱烈な抱擁で出迎えたのが拙者の母上だ。
まったく、昔から変わってござらんな。
「それにしてもあんた。手紙の一つくらい寄越しなさいよ。
あたしゃあんたの噂を聞く場所や、行きそうな場所には手当たり次第に手紙送ったけど、どれか一通くらい見なかったの?」
「ええ、母上からの手紙は何通か旅先で見ることもありましたが、返事はあえて書きませんでした。
母上が側にいると……こうして甘えたくなってしまい、修行の妨げになるでしょうから」
久し振りの母上の温もりに顔を埋め、甘える。
母上を愛して居らん訳ではござらんよ。
「ほら、目一杯甘えなさいな。
今日はあんたの歓迎パーチーを開かせるから♪」
「それはありがたいでござる。
ところで母上……拙者の様子に何も感じないでござるか?」
「チリパウダーの様子?」
拙者が3姉妹だったのに一人娘となって帰ってきたことについて。
拙者が一人に融合したのは旅に出てからだと言うのに、母上からはその事に関する質問がないのでござる。
「あ~、そういえば背ぇ伸びたねぇ~。
昔はあたしよりも小さかったのに、今じゃ170センチ超えてんじゃないの?」
「正確には175センチ。今も成長中ででござる……ってそうじゃなくて、3人が一人になって帰ってきたことについてでござるよ!」
「あ~、それならあんたの旅先で立ち寄った、魔立邪悪学院凶師のチャンプルちゃんからお便りもらってるからね。
別に驚きゃしないわよ」
「母上はチャンプル師匠とも知り合いでござったか。
師匠は何も言っておらなんだでござるが……」
そう、拙者が3人から1人になったのはチャンプル師匠との修行中のこと。
煮えたぎる鍋の中に落ちそうになった末っ子のダーを助けるために3姉妹が手を取り合って姉妹愛パワーを発揮したら、次の瞬間にはこうなっていたという、まさに人体の不思議なのでござる。
「チャンプルちゃん(以前「チャンちゃん」と呼んだら怒られて妥協した呼び方)もあんたの事を気に入ってたわよ。
稀に見る精神力だって」
「師匠には特に世話になったでござるからな。
……ところで母上、お腹が減ったでござる♪」
「あいよ、すぐにシードルに作らすから待ってなさいな。
それから、おかえり。あたしの愛しい娘」
「ただいまでござる。拙者の愛しい母上」
こうして帰ってきた拙者の物語はこうして幕を開けたのでござった。
いやぁ、武士語のキャラってあんまり書いたこと無いんで書いてみたくなったんですよw
ぶっちゃけこのためだけに書いているようなものですしww
チリパウダーに関しましては……まぁ、三位一体ってなキャラが書きたくて始めたってのもありますが。キングギドラ的な。
今回は『呪術師と預言者の悪魔的恋愛』の第二部『武芸者と暗黒姫の悪魔的恋愛』となります。
この第二部の主人公は第1部の主人公シュナムクルの娘チリパウダーが織りなす愛と青春の物語です。
まぁ、本編のオマケと言うには長すぎたので二部扱いにしていますけど、そこまで内容もないんですけどねw