この辺はシュナムクルが主人公では書けなかった感じですね♪
「それでは拙者は再び旅に出るでござる」
そう決意したのはプラム様との勝負が終わって目覚めてからすぐのこと。
怪我の治療を終えた拙者の新たな覚悟でござる。
「正直拙者は久しぶりに母上やプラム様、シードルおじさんの顔を見るために帰ってきたのでござるが、まだまだ未熟なことを今回の帰省で身に沁みたでござる。
故に、母上を越えて真の魔王になるためにも、もう一度修行の旅に出てくるでござる!」
「本当に行くのか?
お前が弱かろうとオレが一生面倒みてやるぞ?
いっそオレとトコナツの娘として三人で仲良く暮らさないか?(ある意味嫁が増えるようなものだしハーレムっぽいな)」
「いえ、シードルおじさん。
拙者はもっと強くなりたいのでござる。
そして何物にも負けない魔王になりたいのでござるよ(おじさんの内心は顔に出ているでござる)」
物凄くシードルおじさんに引きとめられたが、それでも拙者の意思は固い。
立派な魔王になるためにももっと精進せねば!
母上のような立派な魔王になるためにも!
そうした決意を持った拙者に母上が近づく。
「それじゃチリパウダー。
母として、魔王としてあんたに言葉を授けましょう。
いい? チリパウダー。魔王ってのも商売なのよ。
ただ強くなるだけなら修羅の道だし、いつかは同じ道を志す馬鹿に殺されるだけよ。
魔王を目指すってのは――魔王という商売に徹するっていうのは強さと同時に引き際が分からなきゃ駄目よ。
特に損をするようなことには基本関わッちゃ駄目。
面倒くさそうなことも駄目」
悪魔であろうと、常に自分を一番に考えられなければ魔王になんてなってはいけないとも付け加える母上。
確かにそうなのでござろう。母上の言うことはもっともでござる。
拙者よりもずっと長く魔王として強者との戦いや魔界の統治という仕事をこなしてきたのだからその名前の看板は伊達ではない。
自分から厄介事に首を突っ込むのは魔王以前に悪魔として間違っている。
「母上、その言葉の意味を理解するためにも拙者は旅に出たいのでござる。
やはり厄介事も含めて旅の楽しみなのだと思うのでござるよ」
「そう。……ならいいわ。
ただしあんたの生き死には全て自分のものだけど、仇打ちは残されたものの権利なんだから、もしあんたが死んだらあんたを殺した奴は一族郎党残さず殺しつくすから死んじゃ駄目よ。
面倒くさいし」
ふふふ、やはり母上も悪魔でござるな。
口でこそ面倒くさいと言いつつも、心配してくれるのが良く分かる母上の言葉には、帰ってきた実感がある。
正直、このまま母上の庇護の下にのんべんだらりとした生活も悪くはないと思うが、やはり母上と違って拙者は武芸者でござるよ。
「それじゃ最後は私ね、チリパウダー。
あなたの帰る場所はシードルが。
魔王を目指すあなたへの言葉はシュナムクルが。
私からあなたに贈るのは魔王を目指すあなたへのとっておきの武器よ」
プラム様はそういって二つの包みを渡してくる。包みを取ると中には槍と刀が。
「このまえシュナムクルが「異世界探訪だー」とか言って別の世界へのゲートを開いちゃってね。
その世界で買ってきた武器に、私とシュナムクルとシードルの魔力を越めて鍛えなおしたから、ちょっと凄い武器になってるわよ」
「い、いや、これは凄いどころではない気がするのでござるが……」
渡された武器から感じる魔力は三人分の魔王クラスの魔力が限界まで込められており、素材そのものが持っているのであろうもう一つの力が心に波紋を立てる感じがするでござる。
「くっくっく……その武器が使いこなせるようになればお前はオレ達を越えることになるだろうな」
「そゆこと♪ 大事な娘の旅立ちに何の手土産もあげないだなんて母親らしくないしね」
三人の愛を感じる……あぁ、拙者はここまで愛されていたのでござるか。
やはり帰ってきて良かった。
拙者はもっと腕を磨いて帰ってくるでござる。
「では母上、プラム様、シードルおじさん! 行ってきます!!」
これまでの集大成となる拙者の冒険。
それはこれからが本番でござる!
さて、武器を使うことが起こるのか。
戦闘描写はあまり好きではありませんが、今後のためにも勉強しておきたいものですし、頑張ってみようかな。
読んで戴き、ありがとうございます♪