「旅に出るとは言ったものの、やはり一人は寂しいでござるなでござるな……」
これまでの旅では誰かしらに師事することで腕を磨き、母上達が先回りをして各地の有力者に助力してくれるように計らってくれていたので、一人旅と言う意味ではこれが初めてでござる。
まぁ、寂しいのは一週間もすれば慣れてくるでござろうし、適当にぶらついて騒がしい場所に首を突っ込めば自然と強者との出会いと経験が積めよう。
一人でも寂しくはないでござる!
「と、決意をしたところで、何でお主がいるのでござるか?」
何故か拙者が旅に出てすぐに背後から飛びついて来たかつての友人に声をかける。
「かかっ、相変わらず冷たい奴じゃ。
妾とお主の間には遮る壁などもなかろう?
昔のように名前で呼んでくれんか♪」
「……久し振りでござるな、パピロンちゃん」
「うむ、お久しぶりじゃな、チリパウダーちゃん」
いま拙者の前にいるのはかつての朋友パピロンちゃん。
辺境魔界ヴェルダイムの魔王ロザリンド様の一人娘にして次の魔王候補の悪魔でござる。
そして千年ぶりに会う。
「かかっ、お主はこの千年の間に堅苦しくなりすぎじゃ。
ほれ、妾のように軽ぅく話してみんか?」
「拙者は師匠の一人である、(魔王だった時の)シードルおじさんに憧れているのでござるよ。
そのためには武士語こそが最も強くなれそうなのでござる」
「ふむ、まぁ、妾もこのような口調は母上にあこがれた結果、少し別方向にずれたからじゃしのぅ。
チリパウダーちゃんが妾のことを愛してくていることが分かっただけで良しとするか」
「拙者はパピロンちゃんを口説いた事は一度もないでござるよ?(照)」
かつて子どもの時に共に立派な魔王になろうという約束をしたのは覚えているでござるが、それ以上の関係になろうなどとは言った覚えはない。
……まぁ、そういう関係に憧れない訳ではないが。
「そんな事よりもじゃ。
チリパウダーちゃんは、旅の共を探しておるのじゃろ?
寂しさに震えてウサギのように死んでしまいそうじゃったから付いていくのじゃ♪
(ちっ、徐々にしてもいない約束をしていたように思わせる作戦じゃったのに即行で否定しおって)」
「ウサギが寂しさで死ぬと言うのはガセでござろう。
別に……パピロンちゃんが共をしてくれなくとも拙者は平気でござる(照×2)」
これは嘘。本当は寂しいのでござるが、それを口で言うのが恥ずかしいからでござる。
ただし、パピロンちゃんだけには頼りたくない。
「かかっ、そうはいってもチリパウダーちゃんよ。
妾も修行の旅? というものを最近始めたばかりでのぅ。
お主さえ良ければ妾を一緒に連れて行ってほしいのじゃよ」
「ど……どうしてもと言うのなら」
「どうしても♪」
「そ、それなら一緒に行くのも吝(やぶさ)かではござらん。
ともに行くか、パピロンちゃん」
「行きましょうかチリパウダーちゃん。
それと、妾も母上から銃の扱いを習っておるから戦力として数えても良いぞ♪
武器の方は執事のタローに旅に出るに際して新調してもらったものじゃしのぅ」
パピロンが言うには、この千年、母であるロザリンド様より習った銃技は百発千中という明らかにおかしい位の腕前のようでござる。
タロー殿に貰ったという銃は、名を「ベルヴェルク」と言い、彼女の細腕には不釣り合いなほどに大きい双銃だが、そう言った拙者の言葉を彼女は行動で否定するのであった。
……具体的に言うなら、試し撃ちをした彼女の銃から放たれた銃弾は遠く離れた場所に浮かぶどこぞの魔界を一発で消し飛ばしたのでござるよ。
あの魔界の住人は全滅してしまったでござろうな。ナンマンダブ、ナンマンダブ。
「まぁ、パピロンちゃんの実力は分かったでござる。
拙者も最初の師匠は母上で、餞別に貰った武器も魔王クラス三人が鍛造したものらしいからな」
背中に背負う槍と刀を見せる。
槍はともかく、刀の方は何故か異様に長いので腰に差すことが出来ないのが不便でござるが。
「……ふ~ん、やっぱりチリパウダーちゃんも愛されてるのねぇ~。
前回の話で語られなかったのは、作者が今後出番が来た時にカッコ良く説明しようという考えからなんでしょうし、妾が説明しちゃお♪」
「この武器について分かるのでござるか?」
拙者はあまり詳しくない故、ただ並々ならぬ雰囲気を感じる武器にしか思えぬのだが。
「刀の方は『龍刀【朧火】』。龍を憎むことでまさに一撃必殺の切れ味を誇る刀ね。
槍の方は『削り取る槍』見て分かると思うけど、返しが付いているから相手の武器も防具も削り取るから実質防御無効化じゃの」
「うむむ、その名は旅の途中で立ち寄った異世界にて聞いたことがあるでござる。
まさか母上たちがそれほどの武器を拙者に渡してくれていたとは……」
ちなみにそれぞれの柄に『KABURA』と、メーカー名が彫られているがどこか有名な鍛造所なのだろうか?
「ね? だから愛されてるじゃろ?」
何となく未だに鞘からも抜いていない刀を抜いてみると激しい憎悪に囚われる。
うむむ、まさかこれほどまでとは……というか何故かパピロンちゃんを斬りたくなってしまうでござるな。
もっと心を鍛えるまで抜いてはならんという母上たちの親ごころというものでござろう。
改めて、今回の旅の目的であった「強くなる」ということの難しさを知る拙者なのであった。
「そんなことよりチリパウダーちゃん、ハグハグさせて~♪」
「うわ! ちょっ、パピロンちゃん舌が、んぐっ……」
前途多難でござりゅ。んぷっ
槍は「獣の槍」とかでも良かったんですけどね。
でもディスガイア3では「ビーストランス」という、見た目がまんま「獣の槍」の槍があるのですよ。それも店で買える中でも弱い部類。
あと、以前六作目の主人公を自作コラボの形で呼んだりはしましたが、今回の武器はモンハンの世界から輸入してきた技術で作られたわけじゃないですよ。
私の二作目に出てきたメイドイン「KABURA」です。
刀っぽさと槍っぽさを併せ持った武器として、「青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)」でも良かったかとも思いますが、「削り取る槍」は能力的にもいやらしい戦法に使えそうだったのでw
使うかどうかは気分次第なので今はまだ分かりませんが。
あと私は三国志では関羽が大好きです♪