呪術師と預言者の悪魔的恋愛   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 やっぱりゼタのアレには憧れる訳ですよ。

 悪魔なら出来るんじゃないか? という感じの話です。


第九話:新技開発! 凄い、今ので死なないのね♪

 魔界において、魔物の出現を抑えるのは宇宙法則的に無理。

 

 だから少しくらい魔物が大量発生しても、魔神どもが群れをなして暴れ回っても、それは仕方のないことなのよ。

うん、仕方ない、仕方ない。

 

 

「くっくっくっ……、今の状況を仕方がないの一言で済ませてしまうとは流石はオレの主だな。

 まぁ、そうでもないとシュナムクル様への忠誠心という『呪い』なんて、とっくに力づくで解いているんだろうがな」

 

 

「あたしが無茶するなんて今更でしょ?

 それにシードル程度に解けるほど、あたしの呪いはチャチじゃないわよ」

 

 

 説明してあげるから聞きなさい!(何となく命令口調が今のマイブームだから、そこは流してね♪)

 

 あたしの家来は未だにプリニー隊とシードルだけなのよ。

 

 勿論、掃除はプリニー隊がしてくれるし、シードルは家事も出来るから料理をしたり、雑魚侵略者を追い返したりといった仕事には困らないけど、やっぱりそれなりに有能な家来がそこそこの数欲しいじゃない?

 

 だから、家来を求めて、このあたしが治める『シュナムクル魔界』の見回りをしていたの。

 

 だって、適度に見回っておかないと、今回の話の最初で言ったみたいに、宇宙法則的に(意味は分からないけど)魔物が暴れ回ってあたしの美しい魔界が台無しになっちゃうじゃない。

 

 そんなのイヤ!

 

 

「以上、説明終了!」

 

 

「いやいや、説明の半分しか出来てないだろう?」

 

 

「悪魔の話を全部信じる人がいるとは思えないしね。

 続きはあんたがやりなさいよ、シードル」

 

 

「はぁ……、では仕方がない、まぁ、続けて言うほどでもないんだがな。

 オレたちは今魔物の群れに囲まれているという状況だ」

 

 

 それはそれで端折り過ぎだとも思うけど、まぁいいわ。

 

 そう、あたしたちが初めての魔界の見回りをしていたら、もう、そこらじゅうにゴワワワゾモモモーって魔物が大量発生していたの。

 

 魔王クラスが二人も揃っているから、レベルで言うなら相手じゃないんだけどね。

 

 でもこいつら、あったま悪いから逃げるってことをしないのよ。

 

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」

 

 

「あーもう、面倒くさいなぁ~。

 脅威の大呪術パワー全開! 『なんか凄いビィィィーーーーーーーィィム』!!!」

 

 

 殲滅終了。

 

 襲い来る魔物の群れを、なんか適当に魔力を目に集め、ビームとして魔物の群れを一掃。

 

 全滅させちゃいました。てへっ♪

 

 ゼタのビームがカッコいいから目から出してみたんだけど、語呂が悪いから技名は『シュナムクルビーム』じゃないわよ。

 

 ……って。

 

 

「ありゃ? シードルがどっか行っちゃったわね」

 

 

「……くっくっくっ……」

 

 

 ……あ、何だかさっきの『なんか凄いビィィィーーーーーーーィィム!!!』で舞い上がった土砂に埋もれたかのように、土の中からシードルの声が聞こえるわね。

 

 

「くっくっくっくっくっ……、く~っくっくっくっくっ!

 よくもやってくれたな、シュナムクル様!!」

 

 

「わぁ~ぉ、もともと強面のシードルだけど、いつも以上に恐そうな激しい怒りの表情を浮かべているように見えるのはあたしの気のせい……だったらいいんだけどなぁ~……」

 

 

「否、否否否っ!

 シュナムクル様は、演出ご苦労、とでも言いながら華麗に復活するのを期待しているのかもしれんが、オレまで巻き込むとはどういう了見だ!?」

 

 

「えーっと、何と言うかアイムソーリー大臣……みたいな?(笑顔笑顔。てへぺろ♪)」

 

 

 しかしシードルには効果が無かった。

 

 怒りを煽ったようだ…………ヤバい?

 

 

「シュナムクル様。あんたは今、魔物の群れを倒していい気になっている。

 いい気になっているってことは、ここから一気に突き落とされる覚悟は出来ているんだろうな?

 知っての通り、オレに掛けられたシュナムクル様の『呪い』とやらは、悪意や殺意を持たないようにするもの。

 別に逆らおうと思えば逆らえるし、殺意を持つことは出来ずとも怒りはするのだぞ?」

 

 

「だぁ~からゴメンってば~。

 ほら、あたしの今日のおやつの<生肉チョコバー>あげるから機嫌直して? ね?」

 

 

「……二つだ。二つ寄こすというのなら手を打とう」

 

 

「二つどころか三つだってあげちゃうわよ。

 今朝届いたんだけど、ゼタっちがこの間のプリニー隊を送ってくれたお礼として自分の魔界にあるコンビニで買ったものをダンボールで送ってくれたから沢山あるわよ♪

 何でも、あたしのプリニー隊は全員、超合金ロボスーツを装備してたからそれなりに楽しめたらしいわ」

 

 

 ロボの性能に頼っただけで、プリニー達のレベルは低かったんだけどね。

 

 

「おぉ! ゼタの奴、意外といい奴なのだな。

 シュナムクル様、もう魔界の見回りなんてどうでもいいのではないか?

 早く帰っておやつにしようじゃないか」

 

 

「合点承知の助よ♪」

 

 

 そうして何の収穫も得られぬまま初めての魔界見回りの仕事を終え、魔王城へと戻ったあたしとシードル。

 

 ダンボール一杯に入った生肉チョコバーの山から真剣に三つを選んだシードルのには、プレネールさんのサイン入りシールがついてたの。

 

 あたしも本気でどれにするか迷いながら選んだんだけど当たりは引けなかったわ。

 

 シードルったら、本気で狂喜乱舞してたけど、悔しくなんかないんだから。

 

 きっとまだ開封していない生肉チョコバーの中にもおまけ付きはあるはず!

 

 明日のおやつの時間が楽しみになったシュナムクルちゃんなのでした。

 

 

 

 ……シードルだけずるい。




 シードルってあまり口数多くないですし、性格的にも人を雇う感じでもないから一人で何でもこなせそうですよね。

 たぶん、サロメが自分になびいてくれたときを想像して、家事全般は極めているのだと思います。
 だから、もしもサロメが料理で鍋を爆発させてしまうタイプのヒロインだった時を想定して爆発だのビームだのの耐性は高いのだと思います。

 シュナムクルのビームで攻撃されても大丈夫!
 振り回されるのも大丈夫な苦労人シードル。
 彼の努力が報われる日は来るのだろうか……。

 そういえば家来の一人に極上のサルバトーレでも呼ぼうかな。詰襟の女性ってカッコいいですし、と考えていましたが結局出さずじまいで完結したので今後サルバトーレが出てくることはないんですよね。

 シュナムクルハーレムの一人にしたいですが、ハーレム作品じゃないうえにライバル関係とはいえ、ビッグスター様といい感じだったから原作のカップリングを壊すのは好きじゃありませんからねぇ~。

 男嫌いではないとはいえ、シュナムクルの性格的にはビッグスター様はあまり好きなタイプじゃないでしょうし。
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