紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
くーさんこと露草です。
ホントに話すことがないです……(^^;)
あ、他の小説更新こそしていませんが、ほぼ書いてあるのでそのうち投稿します。
では、どうぞ!(^^)/
5月も終わりに差し掛かったある日の夕方。
仔犬は、学校の帰りに買い物に行っていた。
買い物を終え、寮の近くの公園に着いた時、見知った姿を見かけた。
「あれ、寮長?」
一瞬だけだが、ベンチのあたりにくせっ毛の長い髪が見えた。
妹の風羽と同じ桃色の髪。
「そう言えば、今日高等部は午前までって御籤さんが言ってたっけ。」
それなら公園にいるのも頷ける。
風鈴は休みの日はよく外で遊んでいるからだ。
たまに髪に木の枝や葉っぱがつけてくる時もある。
いつもきれいにするのは仔犬の仕事である。
「寮長ーっ!」
呼びかけてみるが、聞こえなかったようだ。
公園の入り口まで戻り、敷地中に入る。
家からは遠いし、寮に入ってからは忙しかったのもあって、この公園に入るのは初めてだ。
アスファルトの道から葉桜が沢山生えている涼しい緑地に入っていき、てくてく歩く。
だだっ広い公園を横断しているうちに、仔犬はふと、風鈴の座るベンチの近くに2匹の犬がいるのが分かった。
大きい犬と小さな子犬だった。
「ゔー!わんわん!」
大きい犬が吠える。
雑種だろうか、遠くから見てる仔犬ですら恐くなってくる。
「わ……わんわん……。」
子犬は怯えているのか小さく吠える。
風鈴は何も言わない。
じっと目を閉じている。
「わんわん!がるるる!!」
「わ、わんわん!」
2匹の犬が吠える。
もしかして風鈴は襲われているのか。
一瞬慌てるも、仔犬は気づいた。
2匹の犬は、お互いと風鈴を見ながら吠えているような。
まるで風鈴に何か訴えかけるような。
と、風鈴が目を開けた。
「わんわわん!わん!」
そして吠えた。
「わ、わん!わんわん!」
「わん!」
なぜか焦っているように見える大きい犬が再び吠えるも風鈴が一喝するように吠えた。
「わん!」
「く、くぅ~ん。」
風鈴に吠えられた大きな犬は、子犬の方を向いて首を下げる。
まるで謝ってるかのように。
「わん!」
そして、風鈴が吠えた途端、犬はどこかに走り去っていった。
と、子犬が風鈴に近づき足をなめた。
「くぅ~ん。」
「わんわん。」
風鈴と子犬がじゃれあう。
それはまるで1人と1匹が、犬語で本当に会話しているように思ってしまいそうだった。
「ま、まさかね。」
仔犬はぶんぶんと首を振った。
と、風鈴が顔をすいっと、いきなり仔犬に向けてきた。
「おい、ワンコ。なにやってんだおまえ。」
そして、立ち上がった風鈴が子犬を持って仔犬に近づいてくる。
腕に抱かれた子犬は小さく舌を出している。
近くで見ると、子犬はまだ産まれて数か月くらいの小さな犬だった。
「き、気づいていたんですか……。い、いつから?」
「最初からだよ。おまえの犬耳みてーな茶髪は目立つんだよ。」
仔犬が風鈴を気づいた理由と似た理由だった。
というか、最初からってどのあたりだろう、と思うが、それはそれとして別のことを訊いてみる。
「あの、さっき話していたんですか?」
何だか自分の中では犬と話していたのだと決定している感じで、仔犬はそう聞いた。
「ん、あのバカがコイツをいじめてたから怒ったんだよ。まー、コイツがアイツの餌を盗ったのも悪いんだけどな。」
そう言って子犬に小さくデコピンをする。
子犬は「きゃん!」と小さく鳴く。
「痛いじゃない。反省しろ。」
風鈴の方も、本当に話しているようにそう言ってくる。
「……寮長は犬語話せたんですねー。」
「おう。」
さも当たり前のようにそう言ってくる。
冗談だったのに肯定されてしまったようで、とても変な気分だった。
「なあ、ワンコ。」
「なんですかー?」
「コイツ連れて帰ってもいい?」
「ちゃんと世話してくださいねー。」
まあ、いいか。
考えることを諦めた仔犬は、頭の上に子犬を乗せた風鈴と一緒に寮への帰り道を歩いた。
次回!「母の日」
お楽しみに!(^◇^)