紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
座布団と幸せ運ぶ露草です(*^^*)
今更気付いたのですが、30話突破してました 笑
いやいや、作者がいまさら気付くのもどうかと思いますが、ホントに気付いてなかったんですよね~。
そんな作者なぼくです(^^;)
ではどうぞ!
バイブレーションが鳴った。
時間は昨日と同じく1時過ぎ。
何となく電話が来ることを予想していた仔犬はすでに部屋を抜け出し休憩所にいた。
「あれ?」
表示されている番号は知らない番号だった。
しかし、相手は予想がついている。
「はい、もしもし。」
「……」
電話の向こうから聞こえてくるのは息遣いだけ。
ここも昨日と同じ。
「……君の妹を誘拐した。返して欲しかったら君の好きな女の子の名前を叫びたまえ。」
「ウチの妹はこの時間とっくに寝てますし、好きな女の子はいませんよ御籤さん。」
相手は一瞬ビクッとした後、負けを認めるようにため息をついた。
「むう、よくわかったね。」
「御籤さんの声は大好きですから。」
「ふふっ。私も君の声は好きだよ。」
常識人の会話は冗談も結構真面目。
もしもこんなこと風鈴や希に言おうものならめちゃくちゃ怒られ、しばらくは口をきいてくれないだろう。
「というか、御籤さんケータイ持ってましたっけ?」
仔犬が思い返す限り御籤がケータイを持っていたのを見たことがない。
番号も教えてもらってないからてっきりケータイを持ってないと思っていた。
「実は今日風鈴に付いてもらってケータイを買ってきたんだ。」
「ああ、そう言えば今日は土曜日でしたねー。忘れてました。」
「うむ、私もついにケータイデビューだ。」
「じゃあ、この番号後で登録しておきますね。」
仔犬のスマホには類斗やクラスメートなど30人ほどが登録されている。
少し前まではアドレス帳に他のクラスの女の子など数10人の番号が載っていたはずなのだが、この前実家に帰って妹と一緒に寝た時、朝起きたらなぜか消えていたのだ。
あれは仔犬の中でも不思議な事件な事件の1つだ。
「名前もかっこいいんだ。銀色のケータイっていうらしい。」
「銀色?」
一瞬意味が分からず考えるが、すぐに「ああ、なるほど」と納得する。
銀色=シルバー、つまりシルバーケータイだ。
実はこう見えても御籤はすごく機械音痴だ。
恐らく一緒に行った風鈴がわざと言ったに違いない。
風鈴のことだから優しさ2割、いたずら心8割だろう。
「すごいんだよ、これは。何と2つに折れて小さくすることができるんだ。これならポケットにも入れられる。」
「ああ、なるほど……。うん、それはすごいですねー。」
一瞬ホントのことを言おうかと迷ったが、言わなかった。
今のうちにホントのことを言った方がいいのはわかっている。
でも、電話の向こうでものすごく嬉しそうにしているであろう御籤ががっかりする顔が見たくなかったのだ。
「それにどうやらカメラも撮れるらしい。まだ私にはその資格がないのか使うことができないのだが。」
「あー、じゃあ帰ったら教えますよ。他にも使ってみたい機能あります。」
「どうやらお財布の代わりにもなるらしい。それも使ってみたい。」
「わかりましたー。でも御籤さんのケータイってその機能付いているんですかね?」
御籤との楽しい会話は御籤のケータイの電池が切れる朝まで続いた。
翌日はホントに眠くて、朝食や朝の先生の話の間とか完全にぐーすか寝てしまった。