紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
こんばんは、露草です(*^^*)
某番組で家を建てるコーナーをやってますが、まだ21のぼくにはイマイチ家が欲しいなぁって感覚が湧かないんですよね~。
彼女か奥さんでもできればそんな気持ちが湧くんですかね~?
そしたら、ぼくのスペック的に後数十年は無理なんですが(^^;)
あ、でも料理はするので大きなキッチンは欲しいなと思ったり 笑
ではどうぞ!(≧▽≦)
バイブレーションが鳴った。
休憩所でスマホを握りしめたままうとうとしていた仔犬は、目をこすって電話に出た。
もちろん相手はわかっている。
「こんばんは、風羽ちゃん。」
「こんばんは~、ワンちゃん!何でわたしだとわかったんですか~?」
「あはは、何となくかな?」
仔犬は適当にごまかす。
正直に言うならおとといが風鈴、昨日が御籤だったから、次は風羽だろうと確信していたのだが。
「姉さまがワンちゃんに電話しろって言ってたんですけど、何ででしょう~?」
「さあなんでだろうねー?僕もわからない。」
これはホント。
何たった4日留守にしているだけなのにわざわざ電話する理由がわからない。
「あっ!でもわたしワンちゃんとお話したかったことがあるんですよ~。」
「お話?何?」
「ほら、この前わたしワンちゃんからプレゼントもらったじゃないですか?」
「プレゼント?」
一瞬何のことだろうと思ったが、すぐに思い出した。
「もしかしてブレスレットのこと?」
「そうです!それです~!」
2か月前のゴールデンウィークに仔犬が風羽にブレスレットをプレゼントしたのだ。
女の子にアクセサリーをあげるのは妹以外初めてだったからものすごく緊張したのを覚えている。
「あれすっごく大事にしているんですよ~。大切に大切にしまってます。」
「そう?よかった。」
あの日以来つけてくれてなかったからてっきり気に入らなかったのかと思っていた。
大事にしてくれていたと知って、嬉しいけどちょっと照れくさい。
「で、そのお礼をしたいなぁって思って。」
「お礼なんていいよ。風羽ちゃんが大事にしてくれてたってだけで僕は満足だよ。」
「ダメです~!わたしがお礼したいからワンちゃんに拒否権はありません~♪」
楽しそうに言う風羽。
恐らく、仔犬が一度断るといるのは予想していたのだろう。
なら仔犬にできるのは白旗を振るだけだ。
「わかった、わかった。で、お礼って何するの?」
「あっ、そうです。あの、今度一緒にお出かけしませんか?」
「お出かけ?」
「はい!ワンちゃんの行きたいところどこでもいいですよ!もちろんわたしがおごっちゃいます!」
「あはは……、おごり……ねぇ。」
一緒にお出かけしようというだけならすぐOK出すところだが、おごられるというのは苦笑せざるを得ない。
小学生女子におごられる中学生男子。
うん、完全にアウトだ。
「そもそもお金あるの、風羽ちゃん?」
「はい!お小遣いを貯めた分が、えっと、ひいふうみい……3000円あります!」
「3000円かー。」
恐らく、100円玉と10円玉ばかりの風羽が必死に貯めた分だろう。
彼女の家はお金持ちだが、父親がしっかりしている人でお小遣いは常識の範囲内にされているらしい。
風鈴はたまに「高校生のお小遣いにしては少ない」とよく文句を言っているが。
「うーん。じゃあどうしようかな?」
仔犬は少し考える。
もちろん風羽のお小遣いを使う気なんてさらさら無い。
仔犬は母親が送ってくれたお小遣いと貯金を頭の中で計算する。
「じゃあ、遊園地行こうか。」
「遊園地です?」
「うん、ちょっと行ったとこにある小さな遊園地。どうかな?」
「……。」
風羽はなぜか何も答えない。
やっぱり子供扱いし過ぎたかと仔犬が反省する。
「あの……。」
「うん?何?」
小さく呟くように言う風羽。
「ワンちゃんわたしのために遊園地って言ったんですよね?」
「うっ!?」
「やっぱり……。」
どうやらバレていたらしい。
この分では、風羽に払わせる気がないのもバレているだろう。
「どうしてですか?わたしがおごっちゃいますって言いましたよね~?」
何やら怒っている気がする。
いや、確実に怒っている。
頬を膨らめ、「怒ってますよアピール」をする風羽が想像できる。
そしてそれがめちゃくちゃ可愛いのも想像できる。
「い、いや風羽ちゃんこの前テレビやってた遊園地特集すごく楽しそうに観てたよね?だからいいかなと思って。」
「ワンちゃんへのお礼なんですよ~!」
「だからだよ。」
ここで言葉を切る。
「風羽ちゃんが楽しそうにしているのが僕が一番嬉しいことだから。だから遊園地一緒に行きたいんだ。」
「ワンちゃん……。」
怒りから一転、感極まった声を出す風羽に途端に恥ずかしくなる仔犬。
「そ、そういうわけで、一緒に遊園地行ってくれるかな?」
「……もう、それはわたしのセリフですよ~。ワンちゃんわたしと遊園地行ってくれますか?」
「あはは、よろこんで。」
「えへへ♪」
電話だから顔は見えないが、絶対風羽が笑顔なのがわかる。
それだけで仔犬はもうお腹いっぱいだ。
「っと、風羽ちゃん。そろそろ寝た方がいいよ。」
時刻はもうすぐ日が変わる頃だ。
妹分に夜更かしをさせるわけにはいかない。
「そうですね。電話する前はあんなに緊張していたのに、ワンちゃんと話してたら眠くなってきちゃいました~。」
「じゃあ、お休み。」
そう言って電話を切ろうとする。
「あっ、待ってくださいワンちゃん!」
風羽の慌てたような声が飛び込んできた。
「うん?」
「ワンちゃんわたしがお礼するって言ったのにさせてくれませんでしたよね?」
「へ?あ、うん。」
「だから~。」
なぜか仔犬の頬に汗が伝う。
「デートの日、罰をしますね♪」
「……へ?」
何を言っているかわからなかった。
でも少なくともこれはわかる。
今の風羽はさっき以上の笑顔のはずだ。
「じゃあ、おやすみなさい~。」
そしてプツッと電話が切れる。
何か最後不穏な言葉が聞こえたような。
ていうか、お出かけじゃなくて、デートって聞こえたような。
色々な意味で今日も眠れなそうだなと仔犬は思った。