紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
くーさんこと露草です(*^^*)
さて、今回から作中も8月に入っていくわけですが、8月編は全部個別(もしくは2人)のデート回にしようかなと思ってます。
いちゃほのを名乗る以上、そこは頑張りますよ~(^◇^)
それから新作ですが、もう一度書き直しをしようと思い削除しました。
なので未定にしておきます。
では、どうぞ!(≧▽≦)
8月に入り、ますます暑くなったある日。
仔犬は学校のある町ではなく、新幹線の中にいた。
「あの、本当に僕までついてきちゃってもよかったのでしょうか?」
もう何度目かわからない質問をしてしまう。
そうじゃないと話が持たない。
「構いませんよ。仔犬くんも生徒会なんですから。」
向かいの席で雑誌を読んでいた向日葵がそう答える。
水色のワンピースに白い帽子がとても似合っている。
まるで避暑地のお嬢様という感じだ。
「当たり前でしょ!アンタも花沢みたいにさぼるつもり?」
向日葵の隣の席で窓にかじりついて外を見ていた桜花が答える。
服装は向日葵と同じだが感じる印象が全く違う。
向日葵の印象が避暑地のお嬢様なら、桜花の印象は元気溌剌な子供という感じだ。
仔犬としてはちょっぴり風鈴に似ている気がする。
なぜ仔犬がこの双子の姉妹と新幹線に乗ってるのか、簡単にいうなら3年生の修学旅行の下見だ。
桜花たち曰く、生徒会の仕事には3年生が修学旅行を充実できるように下見をすることが仕事の一つらしい。
そこで半ば幽霊化しているものの生徒会書記である仔犬にも召集がかかったのだ。
「そう言えばなんで類斗はいないんでしょうか?」
これも何度目かの質問。
仔犬がOKなら類斗も庶務なので参加する資格は十分にあると思うのだが。
「生徒会の経費ですから3人が限界なんですよ。」
向日葵がそう答える。
修学旅行先の京都まではそれなりにお金がかかる。
だがら人数は最小限で行かざるを得ない。
「それに4人で同じ部屋はさすがに狭いわよ。」
桜花がそう答える。
さっき新幹線に乗る前に聞いたのだが、どうやら宿泊先は1部屋しかとってないらしい。
仔犬は必死に説得したのだが、経費削減を突き付けられたのと2人が全く意識していないのに気付いて仕方なく折れたのだ。
「後、もう1つなんですけど。」
「しつこいわね。何よ?」
「どうしたんですか?」
桜花がいらいらしたようにそう言う。
もっとも、同じ質問を何度も繰り返している仔犬が悪いのだが。
「お2人のその話し方なんですか?」
これは初めての質問。
そうしたら、桜花も向日葵も初めて固まった。
そして数秒後、大きくため息をついた。
「アンタの前で取り繕ってもしょうがないでしょ。なぜかアンタだけはあたしたちのこと見分けられるんだから。」
「普通にわかりますよー?」
「14年間親ですら見分けられなかったのになんでわかるのよ!」
今日の集合場所でもいたずらした2人だったが、仔犬にはあっさりばれてしまったのだった。
それから桜花はこの話し方でしゃべっている。
「え、じゃあいつもの話し方は?」
「ひまの真似よ。私のしゃべり方だと会長っぽくないし。」
「あら?私は別に桜花の真似できますよ?」
「しなくていいわよ。」
クスクスと笑う向日葵を軽く睨む桜花。
そういう様子を見てやっとこの2人の違いに分かるくらいだ。
「本当になんでわかるのでしょうね~?仔犬くんは不思議な人です。」
「絶っっっっっっっ対、旅行中にだましてやるんだからね!」
向日葵は別に気にしていないようだが、桜花からはライバル認定されてしまったようだ。
なのに、ちゃんと見分けられると嬉しそうな顔をするのだから女の子は不思議だ。
「旅行じゃなくて下見でしょう?」
「同じよ。生徒会のお金で遊びほうけるの去年から楽しみにしていたんだから。」
「去年も生徒会にこそ所属していましたが行けませんでしたからね~。さすがにじっくりと観光するのは無理ですが、色々なところに行けますからそれなりに楽しめると思いますよ。」
去年も生徒会に所属していた桜花と向日葵は内容こそ知っているようだが、行ったことはなかったらしい。
仔犬は今年から中等部に入ったのでもちろん初めてだ。
「2泊3日なんてなかなか奮発しましたね。」
「修学旅行に行く人数とコースを考えたら3日は必要ですから。」
この学園は生徒数も多いため、1か所に固まりすぎないようにそれぞれのコースごとで動くのだ。
金閣寺など定番のものは被ってはいるが、それでも数が多く3日でもかなりギリギリらしい。
「ねー、仔犬。」
「はい、なんですか桜花さん?」
向日葵と話していると不意に桜花から話しかけられた。
そちらを向くとなぜか桜花がジト目でにらんでいた。
「な、なんですか桜花さん?」
「……それ。」
「それ?」
このバージョンの桜花は指示語ばかり使うからわからないことが多い。
こんなところも風鈴に似ているなと思ってしまう。
「桜花さんっていうの。学校じゃなんだからそれやめなさい。」
「え、でも、この方が話しやすいですし。」
「じゃあさん付け禁止。生徒会長命令。」
まさかの権力行使だった。
そうなったら仔犬には白旗を振るしかない。
「じゃあ、なんて呼べばいいですか?」
「桜花様か桜花姫様で。」
「拒否します。」
「何でよ!!」
さすがにその呼び方は恥ずかしい。
桜花も外で「桜花姫様~!」とか呼ばれたら絶対恥ずかしいと思うが。
「いいですね。じゃあ、私もお願いします。」
雑誌をほっぽり出して向日葵も加わる。
ぽわぽわした感じをしているが、根は姉と同じくいたずら好きなんだろう。
「じゃあ、私はひまちゃんでお願いします。」
「ひ、ひまちゃんですか?」
「ひ、ひまちゃんじゃなくてひまちゃんですよ。子供の頃そう呼ばれてましたので。」
「……どうしても?」
「どうしても♪」
そう言ってにっこり笑う向日葵。
ここまで期待されたら仔犬も断れない。
「えっと、じゃあ言いますね。」
「はい。」
「ひ、ひまちゃん!」
「はい♪なんですか仔犬くん?」
にこにこと笑う向日葵。
名前の通り向日葵の大輪のような笑顔だ。
と、そでをだれかにくいくいっと引っ張られた。
「どうしました桜花さん?」
「……呼びなさいよ。」
「はい?」
小さく桜花が呟いたが聞き取れない。
「私のことおーちゃんって呼びなさい!」
「は、はい。えっと、おーちゃん?」
「っ!?」
さっきの向日葵とは違い、緊張もへったくれもない呼び方。
だが、桜花は真っ赤になっていた。
「も、もう着くわよ!早く降りる支度しなさい!」
「ふふっ、桜花かわいい。」
「ひま後で覚えてなさいよ!ほら、仔犬!アンタもぼーっとしてないで慌てて支度しなさい!」
「はい、おーちゃん。」
「っ!?か、からかうなぁー!!」
新幹線はもうすぐ京都につく。
仔犬たちの旅行はまだはじまったばかりだ。
次回は誰でしょう? 笑
お楽しみに!(≧▽≦)