紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
くーさんこと露草です(*^^*)
お久しぶりです!
今日は前書きは無しな感じで(笑)
はい、じゃあ久しぶりの「紅茶」をどうぞ!(≧▽≦)
夏休みのある日の朝。
中等部女子寮の紗南と莉乃の部屋。
「37.5……。うん、大分下がってきたね。」
「すいません、莉乃……。部活も大会があって忙しいのに。」
申し訳なさそうに言う紗南。
「気にしない気にしない!熱を出したら助けるのが親友だよ!」
気にしてないというように快活に笑う莉乃。
風邪を引いたのか昨日から熱で寝込んでいた紗南だったが、陸上部の練習を休んで1日中看病してくれたおかげで熱は大分下がった。
これなら明日には自分の茶道部にも顔を出せそうだ。
「でも今日はさすがに出なくちゃいけなくて!ぶちょーから昨日怒られちゃって。」
申し訳ない!と手を合わせて謝る莉乃。
紗南のせいで怒られたのに全く気にしてないあたり本当に優しい幼なじみだ。
「大丈夫ですよ。もう熱も下がりましたし自分のことは自分でできます。」
「そっか~。なら大丈夫かな?」
安心したのかにっこり笑う莉乃。
「あっそうだ!代わりに助っ人頼んでおいたからお昼前にはくると思うよ。」
「そんな気にしなくていいのに。」
「大丈夫!あの子も快く受けてくれたし、お世話には実績があるから。」
それから10分後、莉乃は部活へと出かけて行った。
「ふう、汗もかいてしまいましたしシャワーでも浴びましょうか。」
無駄にお金のあるこの学園では部屋それぞれに浴室やトイレがある。
紗南は服を脱いでシャワーを浴びる。
熱と暑さで寝汗をかいていた体にシャワーのぬるいお湯が気もちいい。
そして、シャワーを堪能した紗南が浴室から出るとピンポーンとドアのチャイムが鳴った。
「もしかして莉乃の言っていた助っ人でしょうか?」
わざわざ来てもらったのに申し訳ないと体を拭くのもそこそこに玄関に行く。
女子寮は男子禁制なので、女子生徒だろうとバスタオルを巻いただけの姿だ。
昔は礼儀作法に厳しい紗南だったが、お堅いこと大嫌いの莉乃と何年もいたからか大分緩和されていたのだった。
もっとも。
「いらっしゃ……!?」
「こんにちは莉乃さ……!?」
そういう油断がこういう失敗を招くのだが。
扉の前にいたのは
「きゃああああああああああああ!!!」
「ご、ごめんなさい!!!」
慌てて扉を閉める仔犬。
叫び声を聞いて寮監が飛んできたのは言うまでもない。
「ご、ごめんなさい……。」
「いえ、こちらこそ叫んでしまって申し訳ありません……。」
寮監にたっぷり怒られた2人はお互いに謝っていた。
まださっきのショックからか顔をそらしたままだが。
「え、えっと、ヒナさんが助っ人さんってことでよろしいですか?」
「う、うんそうだよ。莉乃さんに頼まれたんだ。」
少し落ち着いた2人はようやく話ができるほどになった。
「よかった、結構元気そうだね。」
「ええ、莉乃のおかげです。」
と、莉乃は仔犬が持ってきた袋に気付いた。
「ヒナさんそれって……。」
「あ、うん。もしお腹すいていたらおかゆでも作ろうかと思って。でも考えてみたら食堂でよかったね。」
この学園では帰省しない生徒や仕事のある教師のために休み中でも食堂が開いている。
部屋にも簡単な台所があるので紗南や莉乃はいつもはお弁当を作るために使っているが、休みに入ってからは主に食堂を利用している。
彼女たちがお弁当を作ってあげたい想い人も休みだからだ。
「その……もしご迷惑でなければヒナさんに作っていただいてもいいですか?」
「え?別にいいけど……。食堂の方が手っ取り早くない?」
「い、いえ食堂はこの時間はかなり混んでますし、暑いですし……。それにヒナさんのご飯はおいしいですから。」
紗南の言っていることは嘘ではない。
さすがに全部の寮の食堂を開くわけにはいかないため、一番広い高等部男子寮の食堂だけが開かれているのだ。
だが、広いと言ってもかなりの人数がいるのでかなり混雑している。
そのため、人口密度も高く、クーラーが効いている食堂でもめちゃくちゃ暑い。
仔犬が料理上手なのは言うまでもない。
「じゃあ、台所借りるね。」
「ええどうぞ。調味料も自由に使ってください。」
そして料理を始める仔犬。
暑いし、自分の寮のもあるというのに全くめんどくさいという顔を見せない仔犬。
「結婚したらこんな感じなのでしょうか……。」
思わず呟いてしまう。
紗南のために料理を作る仔犬。
「おいしい?」って聞かれおいしいと答えるとすごく嬉しそうな仔犬。
あーんしてくれる仔犬。
そして、そして、そして、一緒にお風呂に入ったり、一緒に同じベッドで……。
「って私はなんて想像をしているんですか!」
クラスではお堅い委員長をしている自分があまりに恥ずかしい妄想をしていることに顔が赤くなる。
思わず布団をゴロゴロ転がって悶えてしまう。
だが――――――――悪くない、いや素晴らしい妄想だった。
「えっと、どうかした?紗南さん。」
いつの間にか料理を終えた仔犬が紗南を見て首を傾げていた。
手には湯気が立つ土鍋を乗せたお盆を持っている。
「な、何でもないですよ!それよりできました?」
「うん、ありあわせでごめんだけど。」
そう言って土鍋をテーブルに置く仔犬。
「じゃ~ん!雛森特製柚子みかんがゆです!」
元気づけようとしているのか仔犬はいつもよりテンション高い。
そういう仔犬の優しさが紗南は好きなところだ。
「ふふっ、じゃあいただきます。」
「どうぞー。」
ふーふーと軽く冷まして一口食べる。
「すごくおいしいです!ありがとうございますヒナさん。」
「よかった。いっぱい食べてね。」
布団の周囲を片づけていた仔犬が嬉しそうに喜ぶ。
ふと、さっきの妄想を思い出した。
「あ、あのヒナさん……。」
「ん?どうかした?」
恥ずかしいが、勇気を出して言ってみる。
「あーん……してくれませんか?」
もしかしたら断られるかもしれない。
いや多分断られるだろう。
だが、仔犬の答えは意外だった。
「ん、いいよ。はい、あーん。」
ためらうこともなくふーふーと冷まし口にスプーンを紗南に向ける。
断られなかったのは嬉しいが、まさかやってくれるとは思わなくて真っ赤になってしまう。
「あ、あーん。」
真っ赤になりながらパクッと食べる。
「お、おいしいです……。」
味なんて全くわからない。
だが、気づいていない仔犬は普通に喜ぶ。
「そっか。もう一回する?」
そう言われるが、慌てて首を横に振る。
一回でも心臓が爆発しそうなのにこれ以上されたらホントに死んでしまうかもしれない。
「じゃあ、僕は片づけに戻るね。」
そう言ってスプーンを紗南に渡す仔犬。
だが、紗南は全く聞いてなかった。
ライバルの莉乃がくれたチャンス。
もしかしたらこんなチャンスは二度とないかもしれない。
――――伝えるなら今かもしれない。
「あ、あのヒナさん。実は私……貴方のことが「あ、紗南さん。」……ってはい?」
急に口を出した仔犬が紗南の布団を指差す。
正確には枕の下を。
「本を下敷きにしちゃってるよ。」
そう言って布団に近づく仔犬。
「え?あ……ああ、ダメですヒナさん!!」
「へ?」
だが、時は既に遅し。
仔犬は本を既に取り出していた。
「……え?『拓哉と正広の禁じられた一夜』?こ、これって……。」
仔犬がタイトルを読み上げた瞬間。
羞恥心がマックスに達した紗南は気絶した。
「……ん。」
気絶した紗南が目覚めた時にはすでに夕方だった。
異様にきれいになった部屋を見るに仔犬が掃除までしてくれたのだろう。
テーブルの上を見ると、帰る旨を書いた仔犬の手紙と夕食の分だと思われる煮物や焼き魚が並べられてあった。
そして。
「な……なな……ななな……!」
テーブルの上にきれいに整頓された最近買った大量のBでLな本で。
「ヒナさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん~!!!!」
この後、ショックで熱の上がった紗南は3日間寝込んだ。
はい、というわけで次回予告!
と言っても①って書いたから次回はわかりますよね!
次回は残りの幼なじみのどっちでしょう? 笑
嘘です、2回連続でBなLを書いたらソッチの小説になっちゃいます(^^;
では、おまけをどうぞ!
次回もよろ!
~おまけ~
〇1年前の仔犬(小6)と妹(小5)
「にーたん、あーんして食べさせて。」
「はいはい。」
「にーたん、汗かいちゃったから拭いて。」
「はいはい。」
「にーたん、眠れないから一緒に寝て。」
「はいはい。」
――――こうして仔犬は女の子の看病に慣れたのだった。