紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
くーさんこと露草です。
今更ですが、あおこそですっ!(≧ω≦)
あおこそは、あけおめことよろをさらに略した画期的な挨拶です(笑)
今年も紅茶含め、橘田の小説をよろっ!です。
前回8月の話が1話足りないと言いましたが、なかなか難産でして……。
まあ、すぐには本編にも絡まないというわけで書けるまではちょっと待ってお兄さん状態です。
8.6秒バズーカーには今年も頑張って生き残って欲しいなと思います(笑)
では、紅茶51話どうぞ!(^^)
ある日の夕方。
風鈴はソファに座って漫画を読んでいた。
だが、さっきから10分近く以上たつのに1ページも進んでいない。
風鈴の視線は台所にいる仔犬に向いていた。
「おい、ワンコ。」
風鈴がそう声をかける。
仔犬は一瞬反応をし、こっちを向いたがすぐに顔を戻してしまう。
さっきからこの繰り返しだ。
風鈴がいつものように「ただいま」と声を掛けた時も、さっきのように呼んだ時も一瞬風鈴の方を見るもののなぜか無視されてしまう。
風鈴は集中できなくなった漫画を閉じ、台所にいる仔犬のもとに向かった。
「なぁ、ワンコ。」
また無視。
一瞬反応するので聞こえてないわけではないだろう。
何かしてしまったのかと思ったが、そもそも朝いつも通り朝食を食べ登校した後はさっきまで会っていなかったのだ。
「おい、なんで無視してんだよ。私が何かしたか?」
理由がわからず思わず語気を荒げてしまう。
仔犬はさっきよりも大きくビクッとしたが、やはり無視だ。
と、コンロの火を止め、仔犬がこちらを向いた。
「……寮長にはわかりませんよ。」
そう呟き仔犬は行ってしまった。
明らかな拒否反応に「どういう意味だよ」と聞くこともできず風鈴は固まってしまった。
「ただいま、ワンコくん頼まれたものを買ってきたよ。」
「ただいま帰りました~。」
と、リビングに買い物袋を提げた御籤と風羽が入ってきた。
どうやら仔犬から買い物を頼まれたようだ。
「ん?どうしたんだい風鈴?」
反応のない風鈴に怪訝な顔をする御籤。
「かざ………泣いているのかい?」
「み、ミク……。」
泣きながら風鈴は御籤に抱き着いてきた。
「ね、姉さまどうしたんですか~!?どこか痛いんですか~?」
いきなり泣き出した風鈴に慌てる風羽。
御籤は風鈴の背中を優しく撫でる。
「何があったのかな?」
「うっうっ……ワンコのやつがわたしを無視した……わたしアイツに嫌われたのかも……。」
御籤の優しい言葉に泣きながら答える風鈴。
「落ち着いて。ゆっくりでいいから何があったのか話してごらん。」
風鈴は時々嗚咽を混ぜながらさっきまでのことを話した。
聞き終えた後、御籤は小さくため息をついた。
「なるほど……。状況は呑み込めたよ。そして原因もね。」
「えっ、御籤さん何でワンちゃんが怒っているのかわかったんですか~?」
もしものためと救急箱を持ってきた風羽が御籤に尋ねる。
御籤は困ったように小さく笑った。
「この間似たようなことがあっただろう?」
「似たようなこと……ですか~?」
「ほら、この前風羽くんが大号泣した。」
「あっ!ということは……。」
「おそらく間違いないだろう。急なワンコくんの態度の豹変にも頷ける。実際に私も受けたしね。」
御籤の話で風羽にも心当たりがあったのか、御籤と同じように困った笑顔をした。
「……ミク、原因ってなんだよ?やっぱりアイツ私が嫌いになったのか?」
少し落ち着いたのかいつもの様子に少しだけ戻った風鈴が尋ねる。
だが、嫌いという言葉でさっきまでのことを思い出しまた涙腺が潤みそうになる。
「ん、それは違うよ。原因はワンコくん……っていうのも少し違うかもしれないね。でも少なくともワンコくんは風鈴を嫌ってはいないよ。」
「ほ、ホントか?」
まだ不安そうな顔でそう言う風鈴。
「ワンコくんの部屋に行ってみたらどうかな?きっと彼も事情を話してくれると思うよ。」
「……うん。」
御籤から離れて廊下につながるドアを開ける。
部屋のある2階へ上ったその時。
「あっ。」
部屋から仔犬が出てきた。
ゆっくり風鈴の方へ向かってくる。
「ワン「寮長、ごめんなさい!」」
風鈴が何か言おうとした途端、仔犬が勢いよく頭を下げそれを遮った。
「無視してごめんなさい!なかなか心の整理がつかなくて……。」
必死に謝る仔犬。
なぜ無視されたのか、そして謝っているのかわからないが、嫌われてはいないようだ。
と、その瞬間さっきまで止まっていた涙があふれ出す。
「……バカワンコ。私嫌われたのかと思ったんだぞ……。」
「寮長を嫌いになることなんてありませんよ。そりゃグリグリとかはやめて欲しいですけど……。」
「うるさいっ!おまえは100グリグリの刑だ!」
仔犬に飛び掛かる風鈴。
「え、ちょ、やめ!痛い痛い!寮長やめてください。」
そして5分後、100グリグリの刑を終えた風鈴はいつもの姿に完全に戻っていた。
頭を押さえてうずくまる仔犬をジト目で睨む。
「で、何で無視してたんだよ。」
「痛た……。実は今日生徒会の用事で高等部に用があって行ったんです。」
若干涙目になりながら仔犬が話す。
「2年生の教室のところを通った時、寮長の姿が見えたんですよ。」
「そりゃ私は高等部2年だからな。」
「その時、クラスの男子の先輩と話しているのを見て……その何か嫌な気持ちになっちゃって。」
「嫌な気持ち?」
よく意味がわからず尋ねる風鈴に、言いにくそうに仔犬が言う。
「僕の知らない高等部での姿をクラスの人たちは知っているんだなぁって思って。そしたら寮長と話しづらくなってしまったんです。」
「はぁ?全然わかんねーよ。どういう意味だよ?」
「僕だってわかりませんよー。この前、御籤さんが告白されていたのを見ちゃったり、風羽ちゃんが男の子たちと遊んでいる時にも同じ気持ちになって。2人に聞いてみたんですけど、御籤さんにははぐらかされてしまいましたし、風羽ちゃんはわかんないみたいで。」
話はわかったものの風鈴も仔犬自身も意味が分からなければ意味がない。
ふと、風鈴が気付く。
「ていうか、その理屈だとおまえもこの寮での私の姿を知ってるんじゃないか?」
「あっ。」
今更気付いたようで、困ったように笑う仔犬。
風鈴も呆れた顔をするが、ばからしくなって笑えてきた。
「あーもうやめだ。ほらメシにするぞ!」
「あ、寮長。さっきのことホントに……。」
「いいから忘れろ!……泣いたの恥ずかしいし、私も忘れるから。」
「ご、ごめんなさい……。」
「もういいって言ってるだろ。しつこいからおまえ今日ごはんだけな。」
「え!?ちょっと待ってくださいよ、寮長!?」
階段を下りていく仔犬と風鈴。
仔犬が気付くのはまだまだ先。
宣伝ですが、最近新作の「神戸蛍の日常的すぎる毎日」の投稿を始めました。
定期試験が近くなかなか更新できないかもしれませんが、読んでいただけたらと思います。
他の2つもちゃんと更新する気はあるので、大丈夫ですよ~(笑)