紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
くーさんこと露草です。
さて、今回は特別回「あるかもしれない未来」を書かせていただきました~。
ヒロインは御籤です。
ちなみに英語の意味は「いたずらなメッセージ」です(*^^*)
まあ、今回はよけいな前書き無しにして、ちゃっちゃと行きましょうか(笑)
では、「紅茶」60話どうぞ! (*ゝω・*)
あ、ついでに7000UA突破記念です。
夏休みのある日。
仔犬と御籤は町の図書館に来ていた。
仔犬は、奥の方に置かれたテーブルで参考書とノートを広げている。
「あ、御籤さんこの問題って……。」
「ん?ああ、これはここに代入して……。」
仔犬が聞くと、隣に座った御籤は読んでいた本から顔を上げノートを見る。
暑い中歩いてきたも関わらず、御籤は汗1つ書いていなかった。
「結構難しいですよねー。」
「まあ、風鈴でも入れた大学だし、そこまでじゃないかな?」
「だってあの時は、寮長……じゃなくて風鈴さんめちゃくちゃ勉強してたじゃないですかー。」
「随分不満が多いね。……もしかして、私と同じ大学に行きたくないのかな?」
「そ、そんなことないですよ!風鈴さんと御籤さんと希さんと同じ大学に行きたいです!」
「……ふふっ、君はずるいね。」
小声でそんな談笑しながら勉強を進める。
図書館で勉強することと決めたのは昨日の夜。
高校3年生で今年大学受験の仔犬は、御籤たちのいる大学を目指して勉強中だった。
御籤は風鈴のレベルに合わせた大学と言っていたため、そこそこ成績優秀の仔犬ならそこまで大変ではないが、油断は禁物だ。
というか、成績が壊滅的だった希をどうやって合格させたのかが気になって仕方ない。
希に聞こうとすると、「思い出したくない」と言ってぶるぶる震えるのだ。
「それにしてもデートがここでよかったんですか?」
昨日の夜も本当はデートの行き先の話をするつもりだった。
だが、御籤の提案で図書館になったのだ。
「受験生の君を遊ばせるわけにはいかないからね。それにここなら私は私で楽しめるから。」
そう言って、どこにあったのか見たこともない言語で書かれた本を読む御籤。
彼女もまた、大学4年生で就活中のはずなのだが、実家の会社に入社を決め、すでに会計などを手伝っているらしい。
と、仔犬の隣のテーブルに4人組の男女が来た。
彼らも受験生らしく、参考書を広げ難しい顔で見ている。
迷惑にならないようあまり話さない方がいいだろう。
そう思い、目の前の参考書に集中する。
1時間ほど経っただろうか、仔犬がうーんと伸びをする。
すると、横から小さなメモ用紙が置かれた。
首を傾げ、メモを読んでみる。
『全然構ってくれないね。』
驚いてメモを置いた張本人を見る。
彼女はしーっと口に指を当てる。
やむなく仔犬もメモに書く。
『ごめんなさい。集中してました。』
そして、隣に渡す。
すると、すぐに返ってくる。
『別にいいよ。君が恋人をほったらかすような人だとは知らなかったけど。』
また、隣の彼女を見る。
本の陰に隠れて顔は見えないが、メッセージを見るに拗ねてしまったようだ。
慌てて書いて渡す。
『ほったらかすつもりはなかったんです。本当にごめんなさい。』
『本当に反省しているかい?』
『してます!すごくしています!』
しゃべれないので、お互い声に出した会話はない。
怒ってはいないようだが、逆にこの沈黙が怖い。
『言葉だけでは信用ができないね。』
『ごめんなさい!何でもしますから!』
そう書いてメモを渡す。
すると、それを読んだ御籤が固まった。
そして、迷ったように逡巡すると何かを書いた。
と思ったら慌ててそれを消し、下に違う言葉を書く。
そしてそれを仔犬に渡した。
『後で、ケーキでもごちそうしてくれたまえ。』
そう書いてあったが、むしろ仔犬は最初に書いてあった言葉が気になった。
残念ながらボールペンでぐしゃぐしゃになっており、読むことはできない。
チラッと御籤を見ると、わずかに顔が見える。
その頬は少しだけ赤くなっているように見えた。
少し迷い、言葉を書く。
『わかりました。お詫びに2つ叶えますのでさっきのことも叶えますよ。』
本の隙間からちらっとそのメモを見た御籤は、今度こそ本当に固まった。
手から滑り落ちた本が鈍い音を立てる。
隣の男性が眉をひそめて彼女をにらんだが、御籤はそれすらも気づいていないようだ。
真っ赤になった顔でメモを見ている。
一体さっきなんて書いたのだろう。
やがて彼女は恐る恐るペンを持った。
そして、何かを書こうとする。
だが、震えるペンはまともに文字が書けない。
すると、彼女はペンを置いた。
「来たまえ!」
「うわっ!」
突如、鞄を持ち、立ち上がった彼女に腕を持って引っ張られる。
周辺にいた人たちが驚いたように見るが、御籤は構うことなく歩き出す。
仔犬は慌てて鞄だけ掴む。
「み、御籤さん!?」
仔犬が神籤を呼ぶが、彼女は全く止まらない。
そして、自動ドアを抜け外に出た時ようやく彼女は止まった。
「はぁはぁ……。み、御籤さんどうしたのですか?」
引っ張られ息を乱した仔犬が問う。
すると、御籤がこっちを向いた。
ただでさえ赤かった顔がさらに真っ赤になる。
「……本当に」
「はい?」
御籤が小さく呟く。
そして、伏せた顔を上げる。
「本当に何でもしてくれるんだね?」
「え、ええ。僕にできることならば。」
一体何を言われるのだろうと仔犬が思っていると、御籤は鞄からクリアファイルを出した。
そして、中の折りたたまれた紙を渡した。
何だろうと仔犬がそれを開くと。
「これ……婚姻届ですか?」
それは婚姻届だった。
よく見ると、御籤の名前含め必要な部分は全部書いてある。
後は、夫になるものを書くだけだ。
「君が卒業したら渡そうと思っていたのだが……もし構わなければ預かっていてくれないか?」
「これ……僕にですか?」
「全部私に言わせるつもりかな?」
真っ赤な顔でにらんでくる御籤。
御籤に珍しいその表情に思わず写真が撮りたくなるが、そこは自制する。
「あの、僕からも御籤さんに渡したいものがあるんです。」
そして、鞄からリボンと包装に包まれた小さな箱を取り出した。
それを御籤に渡す。
「本当は夜渡そうと思ったんですけど、受け取ってください。」
御籤は恐る恐るそれを受け取る。
「……開けていいかな?」
仔犬は頷きだけ返す。
御籤がゆっくりとリボンを解き包装を開けると、小さな白い箱が出てきた。
そして、それを開ける。
「……きれいだ。」
御籤は思わず呟いた。
中に入っていたのは、2つの指輪だった。
「誕生日おめでとうございます、御籤さん。」
「そうか……今日は私の誕生日だったか。」
自分の誕生日にも関わらずすっかり忘れていた。
通りで昨日使用人たちが慌ただしかったはずだ。
仔犬が指輪を取り出す。
「手を貸してください、御籤さん。」
「ん。」
手を差し出すと、御籤の薬指にはめた。
「御籤さんには相応しくない安物で申し訳ないですけど。」
「いや……すごく嬉しいよ。」
いつの間にか、涙が頬を伝っていた。
確かに高いものではないだろう。
だが、金額ではなく、それをくれた仔犬の気持ちが嬉しかった。
それを聞いてにっこりと仔犬は笑った。
「御籤さん。」
「……はい。」
「こんな僕ですけど、もしよかったらずっと一緒にいてくれませんか?」
彼が差し出したのは、いつの間したのか、すべてサインされた婚姻届だった。
御籤の答えは決まっている。
「……私の方こそお願いします。」
そして、2人は仔犬の誕生日を待って入籍した。
その後、風鈴、風羽、希の3人や元生徒会に元同級生、さらには元後輩に彼らの姉妹までも巻き込んだ仔犬争奪戦が始まるのだが、それはまたいつか。
というわけでいかがでしたでしょうか?(^◇^)
王道中の王道でいってみましたが、これはこれでアリじゃないです?(笑)
タイトルの「いたずらなメッセージ」は、御籤かと思いきや仔犬というミスリードでした。
いや、こんなのミスリードじゃねーよというツッコミはなしでお願いしますね~。
多分マジ泣きするので(笑)
ちなみに手紙の部分は実話です。
といっても内容は全く違い、勉強中の男の子の友人を邪魔するいたずらだったのですが(笑)
なぜか「露草:」みたいにチャット形式で書いていたあの頃の僕が不思議過ぎます(^^;
次回からは10月編となります。
ある意味節目なので、もしかしたら連続投稿途切れるかもしれません。
まあ、頑張りますけどね(笑)
では、また次回お会いしましょう<(_ _)>
感想&お気に入り&評価お待ちしています(≧ω≦)