紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
くーさんこと露草です。
というわけで今回は日常回です!
……うそです、これが日常回なら今までのは何だったんだという(笑)
じゃあ、逆に練習代わりに非日常回をやってみましょうか?(*^^*)
殺害された希。ダイイングメッセージは「葉っぱ男」。
探偵ワンコが事件に挑む!
「犯人はあなたですね――――くーさん!」
「しょ、しょしょしょしょしょしょ証拠はあるるるるるにょかね!?」
一体犯人は誰なのか!?そのうち公開!
はい、ウソ予告はここまでにしてそろそろいきましょうか?(笑)
では、紅茶63話スタートです(^ω^)
10月に入ったある日。
朝の中等部2年1組の前の廊下。
希は、一緒に登校してきた仔犬と別れ、自分の教室に来ていた。
「すーはーすーはー……。よし、今日こそ。」
気合を込め、教室の戸を開ける。
朝の騒がしい教室に入り、すうっと息を吸う。
そして。
「お、おは……ようございます。」
元気よく挨拶するつもりだったのだが、希の口から出てきたのは、「おは……」だけで後は口の中で小さくなってしまった。
その言葉は誰にも届くことなく消えてしまう。
しょぼーんとして自分の席に座ると、誰かが希の席に近づいてきた。
「おはようございます、波真野さん。」
「あっ!お、おはようございます副会長さん!」
にっこりと笑う少女は、中等部副会長の初島向日葵だった。
希と同じ1組のクラスメイトだ。
前は「初島さん」と呼んでいたのだが、隣のクラスの桜花会長とややこしいので副会長と呼ぶようになった。
「さっきの挨拶は仔犬くんとの約束ですか?」
「はい……。クラスに早く馴染めるようにって。」
「ふふっ、相変わらず仔犬くんは優しいですね。」
笑顔でそう言う向日葵。
仔犬とは同じ生徒会で仲がいいようで、希が孤立しないように積極的に話すようにお願いされたらしい。
2組の桜花もわざわざ隣の教室に来て話しに来てくれるのだ。
それだけ仔犬から信頼されているのだと羨ましくなる。
それに対して自分は、仔犬との約束1つ果たせないのだ。
情けないし、向日葵と仔犬の仲に嫉妬してしまう自分が恥ずかしい。
「雛森くんがせっかく言ってくれたのに……。」
「焦らずゆっくりとですよ、波真野さん。」
優しく微笑む向日葵。
そんな彼女に希も笑顔になってしまう。
と、そんな2人の様子に気付いた少女が1人。
「ねーねー、副会長と波真野さんってよく話しているよね?」
「ふぇ!?」
急に話しかけられビクッとなる希。
話しかけたのは希の隣の席の少女だった。
赤茶色の髪に制服を着崩した姿は、一見すると怖く見える。
「あっ、ごめん驚かしちゃった?」
「い、いえ……。」
その時、ベルが鳴った。
「それでは、波真野さんまた。」
「あ、はい!」
向日葵が席に戻ってすぐ担任が入ってくる。
そのままホームルームが始まった。
希が担任の話を聞いていると、トントンっと机を叩かれた。
驚いて隣を見ると、さっきの少女だった。
「さっき驚かしてごめんね。」
小さな声で呟く彼女。
「いえ気にしてませんから……。え、えっと……。」
「ん?ああ。」
彼女の名前がわからず、困ってしまう希。
彼女はそんな希を不思議そうに見ていたが、得心したのか頷いた。
「あたしは
「ご、ごめんなさい名前覚えていなくて……。えっと、金毘羅さん……?」
「あー、できれば名前で呼んでくれると嬉しいかな?」
「えっと、寧々さん。」
「さん付けは禁止で。あっ、もちろん君付けはもっとだめだよ。」
「じゃ、じゃあ、寧々ちゃん。」
「うんっ、合格!よろしくね!」
ニコッと笑い手を差し出してくる寧々に、一泊遅れて慌てて手を差し出す希。
見た目に反し、すごくいい人だ。
彼女の笑顔は、向日葵の清楚な笑顔と違い、風羽のような無邪気な笑顔だった。
「あたしも希ちゃんって呼んでいい?」
「う、うん。ね、寧々ちゃん。」
向日葵以外に初めてできた友達の名をかみしめるように呟く。
残念ながら自力で作ることはできなかったが、すごく嬉しい。
早く帰って今日のことを仔犬に話したい。
「おーい波真野、きんぴら!私語するなら廊下出すぞ!」
と、思ったよりも声が大きかったのか担任に怒られてしまった。
「ご、ごめんなさい!」
「ごめんって先生ー!てゆーか、きんぴらじゃなくて金毘羅だってば!」
慌てて謝る希と謝りながらも頬を膨らめる寧々。
そんな2人にクラスメートはくすくす笑う。
そして、ホームルームが終わると寧々の周りにクラスメートが集まってきた。
女子だけでなく、男子もいる。
「珍しく怒られていたじゃん、きんぴら~!」
「あんたまできんぴらいうな~!」
「でも寧々珍しく起きてたじゃん。」
「だよなー、金毘羅結構寝てるだろ?」
寧々を中心として話している様子を見て希は驚いた。
そして、同時に落ち込む。
寧々は自分とは違い、たくさんの友達がいる。
自分はその1人に過ぎないのだ。
と、寧々が希の手を引っ張った。
そしてみんなの前に押し出される。
「さっき友達になった希ちゃん!みんな仲良くしてあげてね!」
「ね、寧々ちゃん!?」
急にたくさんの視線を感じ焦る希。
だが、寧々は逃がしてくれない。
「ほら、希ちゃん!みんなに挨拶!」
「ふぇぇ~!?」
助けを求めようと、席で本を読んでいた向日葵に顔を向ける。
視線に気づいた彼女は、顔をあげ、そしてにっこり微笑んだ。
つまり、『頑張れ』ということだ。
仕方ないと覚悟を決める。
「な、波真野希です……。よ、よろしくお願い……します。」
何とか聞こえるような小さな声でそう呟く。
これが希の限界だった。
だが、周りの少女たちは沸き立った。
「よろしくね!波真野さん!」
「うわぁ、近くで見ると髪きれー!」
「ホントだ!ねぇ、波真野さんいつもどんなシャンプー使ってるの?」
元気な少女たちにもみくちゃにされる希。
戸惑いながらもきちんと返事をする。
「な、なあ。波真野って結構かわいいよな?」
「ああ、いつも暗いから気づかなかったけど。」
恥じらいながらの自己紹介に男子たちも沸き立つ。
男子たちの中で希は、暗い少女から恥ずかしがり屋のかわいい少女にランクアップした。
と、1人の男子が希に近づく。
「なあ、波……。」
「ひぃ!?」
だが、男子の苦手な希は小さな悲鳴を上げる。
名前すら呼ばせてもらえなかった。
「ちょっと!波真野さんが怖がるからあっち行きなさいよ!」
女子の1人が、その男子を輪から追い出す。
悲鳴を上げられ、女子から追い出された男子は完全に心が折れ、ずこずこと他の男子の元へ引き下がった。
女子から希への質問ラッシュはまだ続く。
「というか、波真野さんって女子寮にいたっけ?」
「あっ、私知ってる!波真野さんってくちなし寮にいるんでしょ!」
「くしなし寮って女子寮なのにイケメンの男子がいるってやつ?」
と、話題がくちなし寮、そして仔犬の話になる。
「へー、ねぇ希ちゃん。その男子ってどんな子?」
寧々が希に話を振る。
すると。
「雛森くんは、すごく優しくて、かっこよくて、かわいくて、料理が上手で……。後、近づくといい匂いがして……。」
真っ赤になった顔でそう呟く希。
心なしかだらしない笑顔になっている。
それは、周りの女子に希の気持ちを察しさせ、ついでに希が気になりだした男子を玉砕させるには十分だった。
「あ、後ね、この前のことなんだけどね……。」
「あー、うん……。」
完全に惚気になった甘々な話を聞きながら、寧々は少しだけ友達になったことを後悔したという。
というわけで、怖そうなのにもんげーいい子の寧々ちゃんでした。
いや~、この話考えた時には一切登場させるつもりがなかった子です(笑)
姉さん的な寧々と気弱な希は反対のようで意外と相性がいいのではないかと思います。
その内、うちのお母さん担当ワンコくんと勝負させてみようかな?(*^^*)
寧々について活動報告にキャラプロ追加しておきます。
では、感想・評価・お気に入りお待ちしています<(_ _)>
あ、リクエスト&アイデアも随時募集中です(≧ω≦)
また次回お会いしましょう!