紅茶のおかわりはいかがですか?(GJ部二次創作に移行しました) 作:橘田 露草
くーさんこと露草です。
暑いですね~。
このまま暑くなったら冬はもっと暑くなるんじゃないですかね~。
あ、どうぞ。
4限終了の鐘が鳴り、お昼休み。
仔犬のクラスである中等部1年1組も騒がしくなる。
「ヒナ~、今日もお前は弁当か?」
名字で前後の席のためすぐに仲良くなった2人はすでに親友と呼べるほどになっていた。
ちなみに、ヒナというのは仔犬の教室でのあだ名だ。
雛森だからヒナ。
あだ名なんて単純なものだ。
「うん、そうだよ。類斗は?」
「弁当。紗南が作ってきてくれるってさ。」
「おばさまもおじさまもいらっしゃいませんから仕方なしですよ。」
2人が話していると少女の声が割り込んできた。
類斗の左隣の席の
この2人は幼馴染らしい。
「あはは、いつも2人は仲いいよね~。」
そう言いながら、仔犬の左隣の席の
「で、どうしよっか?今日はどこで食べる?」
「いつも通り、屋上でいいだろ。」
そう言って席を立つ4人。
仲良しの4人は初等部の頃からいつも一緒に弁当を食べている。
そして、屋上。
雨風で錆びたベンチの中でも若干きれいな2つのベンチに座る4人。
ちなみに、右のベンチに類斗と仔犬、左のベンチに紗南、莉乃だ。
「じゃあ、紗南弁当!」
「…どの立場で上から目線で言ってるのでしょうか、あなたは。ひ、ヒナさんもよろしければどうぞ!」
類斗に弁当を渡しながら、仔犬にやたらと大きい別の弁当を勧める。
紗南は類斗には普通に話すのに、仔犬に話す時には緊張したように話す。
仔犬はその理由はよくわからない。
「じゃ、じゃあ、あたしのもどうぞヒナくん!」
類斗には目もくれず、仔犬にこれまた大きな弁当を渡す莉乃。
だが、もちろん仔犬には朝自分で作った弁当がある。
「じゃあ、少しだけ。」
そう言って先に勧めてくれた紗南の弁当をつまむ。
古武道の名家を実家に持つ彼女は、弁当も純和食だ。
ただし、ほとんどはお正月でしか目にしないような豪華な食材だが。
「うん、おいしい。紗南さんの和食は安心するね。」
「そ、そうですか。それはよかったです。」
顔を真っ赤にして嬉しそうに自慢の長い黒髪をいじる。
「おい、紗南!俺の方そんなイセエビとかないぐはっ!」
紗南にみぞおちを殴られ吹き飛ぶ類斗。
いつもの光景だからみんな気にしない。
「じゃあ、莉乃さんももらっていい?」
「もっちろん!」
そう言って莉乃の弁当もつまむ。
帰国子女の彼女の弁当は洋食だ。
グラタンやオムライスといったメニューをかわいらしく飾っている。
「うん、おいしい。莉乃さんのご飯はいつでもおいしいよ。」
「あはは~、ありがとヒナくん!」
ふわふわした茶髪を揺らしながら嬉しそうにニコニコする。
「じゃあ、俺もひとくぐぼっ!?」
莉乃に背中を蹴られ地面を滑る類斗。
やはりいつもの光景だからみんな気にしない。
「莉乃のお弁当は味が濃過ぎるし、栄養も偏りそうです。」
「紗南こそ味薄いし、おばあちゃんみたいなお弁当じゃん。」
「ヒナさんは私のご飯を安心するって言ってくれました!」
「ヒナくんはあたしのご飯はいつでもおいしいって言ってくれたもん!」
そう言って争う紗南と莉乃。
これもいつもの光景だ。
「平和だねー。」
家から持ってきたお茶を飲みながら仔犬は呟いた。
〇仔犬の一言
「ヒナってあだ名単純すぎないですかー?」