ムシウタのかっこうとレィディ・バードをsrwZⅢに転生させてみた   作:rebo

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7話

「なぁ、ヒビキ。ダイスケとまた模擬戦してもらうことができないか?」

 

 甲児は出撃に向かう途中、ヒビキに頼み事をしている。マクロス・ウォータが移動している間で身体を温めるためにダイスケと生身で模擬戦をしていたがまるで相手にならなかったからだ。破界戦役から鍛えていた自分が手も足も出なかったのにショックを受けたのだろう。

 

「おい!俺様も参加させてもらうぜ。あれだけ相手にされなかったのは始めてだ。絶対、見返してヤルぜ」

 

 ボスの言葉にそれぞれミスリルも含め何人も賛同する。ヒビキはあまりの賛同する声の多さに動揺している。

 

「それだけ、あいつとの模擬戦は得るものが多いということだ」

 

アルトはヒビキに皆がダイスケと模擬戦を挑む理由を簡単に説召する。

 

「本当に俺にはもったいない弟だ」

 

 ヒビキはその言葉に笑顔で呟いた。

 

 

 

 ちなみにこの会話はマクロス・ウォータのブリッジ全体に聞こえており、ダイスケはヒビキの発言に顔を赤くしていた。艦長を含めたクルーのメンバーは微笑ましいものを見る目でヒビキとダイスケを見ている。

 

「すまないな。折角の修学旅行がこんなことになってしまって」

 

「いえ。いい経験になりましたし気にしなくていいですよ。できればその暖かい目で見てくるのは止めてください」

 

「ふっ。良い兄ではないか」

 

「自慢の兄ですから。これからもお願いします」

 

「任された」

 

(素敵です。艦長)

 

(それ以上にダイスケ君が艦長の隣にいても違和感ないわね)

 

 ダイスケは戦闘が良く見えるように艦長席の近くにいる。ハッキリ言って違和感がなく、指示されたら当然のように従ってしまうほど様になっていた。

 

「相良軍曹を発見しました!」

 

 敵機を撃墜している中、宗介を発見した。

 

「よし!あれを発射しろ!」

 

「了解!」

 

 宗介の位置に機体が発射された。艦長曰く宗介の新しい機体でミスリルからその機体で戦うよう依頼されていたようだ。宗介は早速乗り込みAIが組み込まれていることに驚いている。

 

「はっはー!面白いじゃねぇか、カシムゥ!」

 

 ガウルンは宗介の機体を見てラムダドライバを搭載していると見抜いたようだ。更にラムダドライバの出力を上昇する。

 

 ガウルンの機体の出力の上昇に驚愕する面々だがダイスケは懐かしむような過去を思い出すような表情で見ている。

 

「ダイスケ君?」

 

 ジェフリーはそんなダイスケを見て疑問を持つが戦闘中のこともあってすぐさま切り替える。

 

「さぁ。終わりにしようぜカシムゥ!」

 

 ガウルンの攻撃が宗介の機体に直撃するが無傷だった。

 

「直撃したのに無傷とは相当固い機体じゃねぇか!」

 

「見た目華奢なのに凄いな!」

 

「違う」

 

 甲児とクルツの会話に否定するダイスケ。その言葉に動揺するも通信機からの千鳥の声に意識を戻される。

 

「ぶちかませ!ソースケ!」

 

「応!」

 

 千鳥の説明を聞いた宗介はパートナを組んでいたキリコと全力の攻撃でガウルンの機体にダメージを与えた。これからが本番ということでガウルンが退く。

 

「おいおいおい。驚いたぜ。まさかダイスケ・カミシロがいるとはな」

 

 ガウルンが相手に伝わるよう通信をオープンにして話始める。ガウルンの機体には相手の通信を傍聴する機械も組み込まれているらしい。それを自慢してきた。

 

「兄の方は注目されていないが弟の方は注目されているぜ。なんせあのラクナルド博士の正当後継者だ。うちの幹部からも狙われているからな。むしろ引き抜かれようと勧誘してくるかもな!」

 

「なっ!」

 

「どういうことだ!?」

 

 ダイスケが狙われていると聞き驚くアルトたち。

 

「ここでお前を倒せばその情報は伝わらないわけだ!」

 

「できるかな!」

 

 そう言ってガウルンは一目散に逃げていく。その速度にヒビキたちは追いつけないでいた。

 

「くそっ!」

 

「気にしなくていいよ。夜にヒビキも父さんと一緒に戦っていた人たちは模擬戦相手じゃなくてああいう輩だし」

 

「そうだったのか!?」

 

 ダイスケの言葉に本気で驚くヒビキ。その様子に甲児たちは何とも言えない表情になる。

 

 

 

「ありがとうね。あなたのお蔭でソースケは無謀な突撃をしなかった。あんたはソースケの生命の恩人だよ」

 

「あはは。照れますよ。……あ、入って来た」

 

 マオがソースケのことでお礼を言うと甲児たちが入って来た。部隊に所属しているのを黙っていたことを謝りに来ている。ヒビキは落ち込みながら入ってきている。どうやら、夜な夜な父親と戦っていた人が襲撃者と気付かなかったことにショックを受けているようだ。

 

「ヒビキ君どうしたの?」

 

「以前の自分が鍛錬だと思って戦っていた者が実はダイスケを狙った襲撃者だと気付かなかったことにまだ落ち込んでいるらしい」

 

「あぁ。ヒビキ君、結構ボンクラだからね…」

 

「ボンクラ……」

 

(気づけよ…)

 

(マジでボンクラだな……)

 

(ダイスケ曰く、父親に引き取られてから元気を取り戻して直ぐに襲撃されてたからいつもの習慣のようなものになっていたこともあるらしいけど……)

 

(可愛い……)

 

((((え…!))))

 

 ヒビキの様子にスズネがポツリとつぶやいた言葉に戦慄していた。


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