「うぅ……酷い目に遭ったんだぜ」
「……人聞きの悪い」
「本当の事なのに!?」
魔理沙が何か叫んでるけど自分には関係ないと思う。例えそれが自分の召喚した名状し難い触手のようなものに全身くすぐられて笑い死にしそうになったとか関係ない。ないったらない。
「……それで?何の用」
「ただ本を借りに来ただけだぜ。……なのにいきなりあんな目に」
「……本ならいつも通り、返却期限さえ守れば好きに借りて」
「サンキュー、少し物色してくるぜ」
魔理沙が去って行ったのでこちらも研究を続ける事にする。今行っているのは新しい分野への進展だった。一応パチュリー・ノーレッジは魔法使いではあるが『七曜』の魔法使いである。『普通』の魔法使いの魔理沙や、『七色』の魔法使いのアリスとはまた使う魔法が違う。なので今回はその幅を埋めるための研究なのだが、
「……難しすぎっしょ、アリスの操作術は化け物か?」
人形一体動かすのも全神経を集中しなければ上手くいかない。やはり根本的にやり方が違うのか、何度やってもぎこちない動きにしかならない。
「……今度本人に聞けば分かるか」
「呼ばれた気がするわ!」
バンッ!と音を立てて図書館の扉が開かれた。まあ最近は魔理沙ですら静かに入ってくるから音を立てるのは霊夢かはしゃいだフランか、今回は声で丸分かりだけど現状最も会いたくなかったのが来てしまった。不幸だ。
「!!!!?!??!パチュリーその服装はまさしく私に襲ってくれって言ってるのね仕方ないわねそこまで言うなら吝かでもないから今すぐ襲ってグベラッ!」
鼻息荒くまるでルパンダイブのように飛び込んできた
「いきなり吹き飛ばすなんて……でもこれもパチュリーから与えられたものだと思えばまた……」
「……帰ってくれないかしら?変態さん」
「やめて!これ以上ご褒美を与えられたらどうにかなっちゃう!」
「…………はぁ」
「パチュリー……てアリスも来てたのか」
「あら、魔理沙じゃない。久しぶりね」
「そうだなー。この前の春雪異変以来だぜ」
こうして魔理沙とまともに会話できるレベルにはまともなのにどうして私の時だけこんなに変態的なのだろうか。全くもって理解不能だ。
「パチュリー、とりあえずこれを借りてくぜ」
魔理沙が持ってきたのは召喚に関する魔道書だった。しかし
「……それ、変なのしか載ってなかったわよ」
「変なの?」
「……貴女にけしかけた触手とか、全身目玉の怪物とか、他にもおおよそ生き物としては見れなさそうな物ね」
「そ、それは聞きたくなかったぜ」
魔理沙が話を聞いて魔道書を戻そうとしたが
「触手!なにそれ面白そう!」
変態が魔理沙から魔道書を奪い取ってしまった。しかも既にページを開いて魔力まで込めている。
「ちょ!話聞いてたのかアリス!変なのばっかり載ってるって」
「だからこそウェルカムなんじゃない!さぁ触手カモーン!」
「こいつ変態だー!」
「……魔理沙、ちょっと退いて」
アリスの腹に割と遠慮なく空気の塊をぶつけて入り口まで吹き飛ばす。途中で手放した魔道書に魔力を込めて相殺しようとするが時既に遅し。魔道書の表面に魔法陣が出現し召喚が終わってしまった。
「な、何かいるんだぜ」
「……魔理沙、だからってくっつかないで。暑い」
「やーん、ぱちゅりーこわいよー」
「……貴女は棒読みでくっつかないで」
というかどうやってここまで戻ってきた。変態か?変態だからなのか?