拉致られて今日から女子校ライフを送る事になったんだが…   作:タンホイザ◎

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第3話を投下します。

新キャラてんこ盛りでお送りします。

あるキャラのせいで恵美ちゃん大暴走。

ノエルさんデレるかも?

微エロ(?)

ではどうぞ。




第3話 怖い美人と壊れた眼鏡と声高の同級生

「はじめまして、天河隼君ね?」

「……………は、はじめまして」

 

突然の美人のお姉さんの登場に、戸惑いを隠せない天河隼です。

 

数々の好奇な視線に心を折られそうになりながらも、やっと理事長室にたどり着いたんだけど、出迎えてくれたのが、目の前のお姉さんだったわけなんだ。

 

部屋を間違えたのかとも思ったんだけど、小田切先生やノエルがいる所をみると、理事長室に間違いないみたい。犀川先生の姿が見えないのは、二人の代わりにHRに行っているんだろうな。チビッコ理事長はどこに行った?この人は誰なんだ?

 

「えっと、姉小路…理事長は?」

「玉姫は教室よ。あの娘はまだ学生でもあるんだから」

 

僕の質問にお姉さんが答えてくれた。すごく綺麗な声だ。

考えてみたらそうだよね。チビッコ理事長はまだ学生でもあるんだから当たり前か。

 

それにしてもこのお姉さん。怖いくらいに美人だな。美人すぎて怖いと言うべきか。美人を見て怖いと思ったのは初めてだよ。

 

透き通るような白い肌に、吸い込まれそうなくらいに澄んだ青い瞳。鮮やかな銀髪は腰の辺りまで伸ばしている…ってあれ?

 

「私は西条晴香。よろしくね」

「西条?じゃあ、西条姉妹の…」

「あら。あの娘達に会ったのね」

「お姉さん!」

「え?」

「ん?」

 

おや。僕は何か間違えたのかな?

 

「あら。天河君はお世辞が上手ね」

 

お世辞を言った覚えはありませんが?

 

「私はあの娘達の母親よ」

「は?」

 

う、嘘だろ?嘘だと言ってよお姉さん!あんた何歳だよ?普通にお姉さんと言っても通用するしますよ。

 

僕は餌を求めて水面に顔を出した鯉のように、口をパクパクさせるだけだった。自分でもずいぶん間抜けな顔を晒していたと思うよ。

 

いやぁ、この親にしてこの子ありとはよく言ったもので、西条姉妹の神秘的な美しさもスタイルのよさも母親譲りだと思えば納得出来る。それに親子揃って、素晴らしい巨n…。

 

「……どこを見ているのかしら?」

 

お姉さんに睨まれてしまった。仕方ないよね。胸は男の永遠のロマンです。胸を隠さない辺りは余裕があるのかな。

 

………………小田切先生、呆れたように首を振らないで。ノエルは自分の胸をペタペタ触らない!

 

「…まあいいわ。私がここの学園長よ。玉姫のサポートをさせてもらっているわ」

 

だよね。チビッコ理事長はまだ学生。手や目の届かない所もあるだろうからね。

 

「学園長として天河君の入校を一応歓迎するわ」

ん?なんかすごく引っかかる言い方をされたような?

 

「不満そうね?」

「いえ…別に…」

「隠さなくてもいいわよ。あなたの入校を全員が歓迎しているとでも思っていたのかしら?残念ね。少なくとも私は、あなたの入校を今でも不満に思っているのよ」

 

なんだこれ?いきなり喧嘩を売られてるんだけど…。

 

「ここは女子校なの。それをいきなり男子生徒を入校させますって言われて納得出来るわけないじゃない。おまけにあなた一人だけなんて」

「………………」

「あなたは別に優秀な人間じゃない。成績も普通ならスポーツに優れているわけでもない。平凡ね。はっきり言ってしまえば、あなたはこの学園に相応しい人間とは思えないのよ」

 

このお姉さん、ずいぶん厳しい事を言ってくれる。

 

「なんであなたなのか?理解に苦しむわね。あなたも不思議に思っているんじゃない?なんで自分が選ばれたのか?」

「それは…まあ…」

それはここに連れてこられてから、ずっと考えていた事だ。何故僕なのか?僕に何が出来るのか?

 

「聞かせて頂戴。あなたがここにいる理由は何?女子校に男子生徒が一人なのよ。ハーレムでも狙ってるの?」

「そんな事は考えていませんよ。僕はモテる人間じゃありませんから」

「じゃあ何かしらね。もしかして幼馴染と再会できたからとか?」

 

エーミの事まで知ってるのか?…当たり前か。僕の入校は学園にとっては重大事項だろう。僕の人と成りを調査しているんだろうからね。

 

でも学園長の言う通りだね。僕がここにいる理由はなんだろう?理事長に協力してほしいと頭を下げられたから?エーミに告白されたから?エーミの覚悟を聞いたから?………そして、唐突にある言葉を思い出した。

 

「覚悟には覚悟を持って」

 

僕は脳裏に浮かんだその言葉を口に出していた。どうしてこの言葉を忘れていたんだろ。

 

「えっ?」

「ある人の言葉です」

 

まあ、親父の言葉なんだけどね。

 

「学園長はご存知とは思いますけど、僕はここに無理やり連れて来られました。まぁ、両親のせいでもあるんですが…」

「それはこちらも聞いてるわ」

 

学園長はそう言って小田切先生を見る。小田切先生は顔を背けて口笛を吹く振りをする。ノエルはうなだれてるし。

 

「連れて来られた当初は、ここからどう逃げようかとばかり考えていました」

「今からでも遅くないわ。帰りたかったら、帰っていいわよ」

「帰りませんよ?」

「え?」

 

お姉さんは心底驚いたみたいだが、すぐに真剣な顔で僕を見る。やっぱりこの人…。

「正直な話ですが、ついさっきまでは帰りたいと思っていました。ここから逃げ出す方法もいろいろ模索していました。たぶん、さっきまでの僕なら学園長の提案に乗っていたと思います」

「……どういう心境の変化かしら?」

「さっきの言葉を思い出したからです」

「……聞かせてくれる?」

「はい…」

 

うまく説明出来るか自信はないけどね。

 

「僕はここに来て、二人の女の子の覚悟を見てきました。一人はエーミ…白鷺恵美さんです」

「幼馴染の子ね?」

「はい。僕は彼女からある覚悟を聞かされました」

 

『うちは隼君から離れへんし、隼君を離さへんと言うことや』

 

つい先程聞いたエーミの言葉が蘇る。これが彼女なりの覚悟なのだろう。

 

「そしてもう一人、僕に覚悟を示してくれた女の子がいたんです」

「……誰だったの?」

「理事長です」

「玉姫が?」

「はい。理事長は初対面の僕に頭を下げて、協力してくれと頼んできたんです。理事長自らが、学園のためとは言え、どこの馬の骨とも分からない男に頭を下げるなんて、簡単に出来る事じゃありません。よほどの覚悟があったのだと思います」

「……………」

「二人の女の子は僕に覚悟を示してくれました。そしてさっきの言葉……正確には『覚悟を示した者には覚悟を持って報いよ』…を思い出した以上、もう僕は迷いません。覚悟を持って、全力で学園生活を満喫するつもりです。学園長の言う通り、僕は取り柄もない平凡な男だと思っています。この学園に相応しくないかもしれません。だけど二人の覚悟を無下にしたくはないんです。これが僕がここにいる理由です。………えっと、そんな理由じゃダメ…ですかね?」

 

お姉さんが真剣な顔で、僕の話しを黙って聞いてくれていた。ジッと僕の顔を見て急に頬を緩める。

 

「あなた、いい目をしているわ」

「えっ?」

「十分に覚悟は伝わりました。合格です」

「あ、ありがとうございます」

 

よかった。ホッと一安心したせいか、全身から力が抜けてきた。

 

「さっきは厳しい事を言いました。謝ります。そしてあなたを試すような真似をしてごめんなさいね」

 

お姉さんが頭を下げる。やっぱり僕は試されていたんだな。

「少しアレではあるけど、問題はないでしょ」

 

アレってなんですかね?

 

「男の子だし仕方ないわよね」

 

何が仕方ないんでしょうか?もしかして貶されてます?

 

「さすが私達が見込んだ通りね。あなたなら安心して任せられます」

 

嬉しい言葉ですが、なぜか素直に喜べないんですが?

こっちの気持ちを知ってか知らずか、お姉さんは話しを続ける。

 

「あらためて、学園長として天河隼君、あなたの入校を心の底から歓迎します!」

「あ、ありがとう…ございます」

 

お姉さんは最高の笑顔だったけど、僕の心中は複雑でした。はい。

 

 

 

 

 

 

 

2年2組が僕の学ぶクラスになるようだ。小田切先生から待つように言われ、僕はノエルと一緒に廊下で待っている。僕の横に立つノエルがなぜか手を握ってくれている。相変わらずの仏頂面だが、彼女なりに僕に気を使ってくれているのだろう。その気持ちがありがたい。

 

「……天河」

「は、はい」

 

ノエルが話しかけてきた。珍しいこともあるもんだ。

 

「…さっきは…かっこよかったぞ」

「…えっ?」

 

褒められた?驚いてノエルを見ると、前を見据えたままの仏頂面だが赤くなっていた。ノエルの精一杯の褒め言葉。素直に受け取っておこう。ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだろうね。この疲労感は?

 

僕は今、机に伏してグッタリとしている。

 

「ちょ、ちょっと、しゅ、隼君、大丈夫なん?」

 

エーミが心配して声をかけてくるが、それに答える元気もない。まだ一時限目が終わったばかりなのに、このザマである。

 

「もう疲れたよ、パトラッシュ」

「気をしっかりもたなあかんよ。隼君!」

「なんだ。もうバテたのか?意外にだらしない奴だな」

 

チビッコ理事長が西条姉妹を引き連れて、僕の所にやってきた。

 

「廊下を見てもそう言える?」

「えっ?」

「なんの事だ?」

僕の言葉にエーミとチビッコ理事長は廊下を見た。

 

問題の廊下には、ものすごい人だかりが出来ていた。僕を一目見ようと、他所のクラスや他の学年から生徒が集まっているのだ。

 

「うおっ!な、なんだこれは?」

「嘘や!これみんな隼君目当てなん?」

 

二人が驚きの声を上げる。西条姉妹の顔も引きつっている。

 

「僕は珍獣なのさ。きっと日本に初めてやって来た珍獣なんだよ。ふふふ。パンダの気持ちがよく分かるよ」

それだけじゃない。このクラスでもそうなのだ。お互いが牽制し合っているのか、誰一人、積極的に働きかける事なく、話しかけてオーラをバンバン出しているので、気が休まらないのだ。

 

「これは、何かしらの対策を考えないといかんな」

 

チビッコ理事長が腕を組んで言ったが、対策って言っても僕を隔離できるわけもないからね。

 

「まあ、いずれブームは去って行くさ。それまでの辛抱だから」

「そうは言うがな…」

「大丈夫なん?」

 

二人が心配してくれている。すごく嬉しい。味方がいるだけでこんなに気持ちが楽になるんだな。

 

「ちょっといいかしら?」

「ん?」

 

縁なし眼鏡をかけた黒髪のポニーテールの女生徒が、無表情のまま声をかけてきた。誰?

 

「天婦羅君?」

 

おかしいな。自己紹介はしたはずなのに名前を間違えられたぞ。なんだその美味しそうな名前は?突然の闖入者の登場に、エーミもチビッコ理事長も西条姉妹も固まっている。

 

「天罰君だったかしら?」

 

僕が一体何をした?間違えるにしても酷すぎる。ガツンと言わないといけないな。

 

「あのな…」

「鳥皮君だったわね?」

 

知ってるかい?鳥皮って塩でもタレでも美味しいんだぜ。

 

「冗談よ」

「おい!」

 

なんだこいつ。人の名前で遊んでるんじゃねぇ。疲れたわ!冗談言ってる間も無表情ってなんだよ。

 

「……なんの用だ?」

「天河君は江ノ越高校だったのかしら?」

「…よく分かったね?」

「…その制服」

「ああ」

 

そうだった。僕はまだ江ノ越高校の制服を着てたんだったな。

 

「…あなた、天河茜音って名前に覚えあるかしら?」

「!!」

 

その名前って…。

 

「姉貴の事、知ってるの?」

「そう。ありがとう」

 

そう言うと、ポニー眼鏡は自分の席に戻って行った。なんだったんだ一体?

 

「珍しいな。司から声をかけるなんて」

「司?」

「伊集院司ちゃんや。あの子から積極的に話しかけるん初めて見たわ」

 

ポニー眼鏡は伊集院司と言うのか。姉貴の知り合いらしいし、少し警戒しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、時は刻々と過ぎていく。なんだかんだで五時限目の授業も無事に終わって、残すは最後の授業のみとなりました。

 

それにしても休み時間の度に、みんなよく集まれるよね。

今も廊下がすごい事になってるよ。この様子では明日で突然ブームが終わると言う事はなさそうだ。それはそれでなんか悲しいものがあるよね。でもブームはいつ終わるんだろうね?来月?再来月?もしかしたら1年間終わらなかったりして。背筋がゾッとした。余計な事は考えないようにしよう。

 

「なあ、隼君、ほんまに大丈夫なん?」

「エーミ、僕のストレスはすでにMAXなのだよ」

「やはりなにか手段を考えないといかんな」

僕の机の周りには、隣の席のエーミの他に、チビッコ理事長、西条姉妹が集まっている。

 

「僕を隔離する以外に何かある?」

「隼君?ヤケ起こしたらあかんよ?」

「僕を隔離すればみんな平和になれるんだよ」

「隼君?」

「うーん」

 

チビッコ理事長は一生懸命に考えてくれているが、妙案は浮かばないみたいだね。

 

「そ、そうだ!なあ、放課後、この島を少し案内してあげるわ。それで少しはストレスの解消になるやろ?」

なるほど。エーミは放課後デートをしたい訳だね。それはいいストレス解消にはなるだろうけど、発言は時と場合を考えないと。

 

「なるほど。島の散策か。それならストレス解消になるかもしれんな。よし、あたしも付き合おう。ましろにはくろもそれでよいな?」

「はい、玉姫様。わたくしもお供させていただきます」

「お嬢様、私も問題ありません」

「えっ?た、たまちゃん?」

 

ほらね。こうなった。デートに誘う時は相手が一人の時にしないと。

 

「ん?なんだ恵美、あたしがいてはいかんのか?」

「ううー、そんな事はないんやけど」

「そうか?なら問題はあるまい」

チビッコ理事長はどうやら『空気』という二文字が読めないようだ。エーミ、これはお前の失策だ。己の不明を恥じるといい。

「そ、そんなぁ」

 

エーミが落ち込んでしまった。仕方ない、今度は僕からデートに誘ってみるかな。

 

「ちょっといいかしら?」

 

この声は?来たな!

 

伊集院司が相変わらずの無表情で声をかけてきた。

 

「……伊集院さん、だったよね?」

「……私、あなたに名乗ったかしら?」

「いや、名乗ってないよね」

「…………調べたのね」

「ええ?」

 

いきなり何を言っているんだ。

 

「私の事を調べたのね。いけないわ!そんな事をしてはダメなのよ。どうしてそんな事をしたの?」

「い、いや、別に調べてなんか…」

「私の弱味を握って何をする気?あれかしら?それともこれかしら?」

「ちょ、ちょっと落ち着いて」

「私のあんな事やそんな事まで調べたのね。そしてこんな事まで調べたのね。なんて事なの?」

 

こいつさっきから何を言っているんだ?

 

「水色よ!」

「はい?」

「ライトブルーよ!」

 

なんかすごくイヤな予感がする。聞いてはダメだと理性は訴えているが、好奇心が勝ってしまった。

 

「な、なにが?」

「私の着けてる下着の色よ」

 

やっぱりか〜!

 

僕の周りの時が止まった。

 

そんな事は聞いてません。知りたくもありません。

 

「疑ってるのね?いいわ、証拠を見せてあげるわ。しっかり確認しなさい」

 

何をしようとしてる?自分でスカートを捲ろうとするんじゃない!

 

「う、うちはピンクや!」

 

エーミ、お前も何を言ってるんだ?変な対抗意識、出さなくていいから。

 

「しかもフリル付きや」

 

だからそんな事は聞いてないから!

 

「あら。白鷺さんは可愛いの着けてるのね」

「当たり前や!」

 

二人とも男がいるのを忘れてないか?男の前でする会話じゃないだろ?

 

「でも残念ね。私はレースの透け透けよ!」

「くっ!」

 

すごいドヤ顔。初めて見せた表情がドヤ顔とは。しかし、透け透けって高校生が着ける下着じゃないよね?

 

………いかん。鼻がムズムズしてきた。

 

落ち着け僕!心を無にするんだ。我が身すでに鉄なり、我が心すでに空…。

 

「あ、あ、あたしは…」

「参戦しなくていいからね」

 

顔を真っ赤にしてチビッコ理事長が参戦を試みた。恥ずかしいなら参戦しなきゃいいのに。

 

「わたくしは、わたくしは」

「私のは…」

 

西条姉は虚ろな目で譫言を繰り返してるよ。刺激が強すぎたの?西条妹は後ろを向いて何をしてんの?参戦するつもり?させないよ。

 

「…決めたで」

「エ、エーミ?」

 

決めたってなにを?

 

「隼君に決めてもらう」

「な、何をかな?」

 

もうイヤな予感しかしない。

 

「どっちが可愛い下着か隼君に見てもらう」

 

勝手に決めないでください。困ります。

 

「受けて立つわ」

 

立たなくていいから。

 

「うちは隼君に見られても平気やで。しっかり見ててな」

「天河君、しっかりと確認しなさい」

「お、おい」

 

二人が僕に迫ってくる。二人同時にスカートを捲ろうとしている。マジでやめろ。

 

「やめ———」

 

 

「やめんかバカモノ!」

 

救世主は小田切先生だった。

 

小田切先生は持っていたハリセンを振り下ろす。

 

パシッ!エーミの頭に。パシッ!司の頭に。バシッ!なんで僕まで?音も違うし、地味に痛いの。解せない。

 

「まったく、黙って見ていれば卑猥なコントを繰り広げおって。何をやってるんだ、君は?」

 

バシッ!なんで僕だけ2回目?理不尽だ!っか、見てたんなら止めてくださいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんであんたまでおるんや!」

「私は天河君のお姉さんに頼まれて、あの人に悪い虫が付かないように監視しているのよ」

「あんたが一番の害虫やんか!」

 

放課後、裏門から出て、待ち合わせ場所の校門前に行ってみると、早速、エーミと司が口喧嘩をしていた。チビッコ理事長と西条姉妹は苦笑いを浮かべている。

 

「こらこら、喧嘩はやめなさい。エーミも伊集院さんも」

「隼君。隼君からも何とか言ってや」

「天河君、遅かったわね。それじゃあ行きましょうか」

 

司が僕の左腕に抱きついてきた。

「ちょ、ちょっと伊集院さん?」

「司ちゃん。あんた何をしとるんや?」

「私は天河君のボディーガードよ。そばを離れるわけにはいかないわ」

 

すぐにエーミが怒りの声を上げたが、司はまるで意に介していないようだ。

 

「むーっ!エイ!」

 

エーミは掛け声と同時に空いた右腕に抱きついた。

 

「お、おい、エーミ?」

「ええやんか。うちもこうしたいんや」

 

左右に柔らかい感触を感じて、至福ではあるのだが、これじゃあ歩きにくい。

「天河隼。お前も大変だな」

「天河様、同情いたしますわ」

「天河さん、ファイト」

 

後ろからチビッコ理事長と西条姉妹が声をかけてくる。それより助けてもらえませんかね?

 

「隼君、お腹空いたからハンバーガーでも食べようや」

「何を言ってるの?ドーナツを食べるのよ」

「ハンバーガーや!」

「いいえ、ドーナツよ」

 

また始まった。この二人は何かとよくいがみ合う。頼むから僕を挟んで喧嘩はしないで欲しい。二人を何とか宥めていると、僕の携帯が鳴り出した。

 

「あっ、電話だ」

 

二人に離れてもらい相手を確認する。

 

「環からだ」

 

思わず声に出してしまった。

 

「え?」

「ん?」

 

チビッコ理事長が反応したぞ。そっか、チビッコ理事長も《たまき》だったな。

 

「もしもし?」

『しゅ〜〜〜ん!あんた一体なにをやってんのよぉぉぉぉぉぉ!!』

「ドワーッ!!」

 

いきなりの怒声に思わず携帯電話を耳から離してしまった。

電話の相手は、江ノ越高校の同級生、風祭環だった。

 





今回の登場人物の簡単な説明と次回予告

◎天河隼 本編の主人公。平凡な高校生。恵美と幼馴染。
両親と茜音と言う姉がいる。恵美曰く、エッチ君。学園長曰く、性格がアレ。

◎白鷺恵美 隼の幼馴染。6年ぶりに隼と再会するが、いきなり愛の告白をする。たまに大暴走する癖がある。エセ関西弁を話す。

◎姉小路玉姫 聖クロビス学園の理事長兼学生。名門 姉小路家のご令嬢。隼が学園生活を無事送れるように何かと世話を焼く。隼の事を認めている。

◎西条ましろ はくろの双子の姉。玉姫のメイド兼ボディーガード。柔術の達人。近寄りがたい気品を醸し出す、神秘的な美人で巨n。意外とウブで強すぎる刺激を受けると、目が虚になり、譫言を繰り返す。

◎西条はくろ ましろの双子の妹。玉姫のメイド兼ボディーガード。ムエタイを学ぶ。姉と違って、フランクで親近感を抱かせる雰囲気を持ち、開けっ広げな性格。神秘的な美人で巨n。

◎伊集院司 隼の同級生。黒髪ポニーテールに縁なし眼鏡が特徴。隼の姉、茜音と親交があるらしい。自称、隼の監視役兼ボディーガード。一見クール系に見られるが、実はものすごくぶっ飛んだ性格をしている。

◎小田切なつめ 聖クロビス学園の教師。寮長でもある。眼光鋭い切れ者。何もない空間からハリセンを取り出す事が出来る?

◎北沢ノエル コミ障気味の副担任。スタンガン大好き。隼にデレ始めた?

◎犀川美星 今回は名前のみ。セクシーな副担任。胸はとんでもない凶器。

◎西条晴香 聖クロビス学園の学園長。西条姉妹の母親。母親というよりお姉さんで通用するほどの若さと美貌を兼ねそなえる。隼曰く、美人すぎて怖いらしい。巨nの持ち主

◎天河茜音 今回は名前のみ。隼の姉。伊集院司と親交があるようだ。

◎風祭環 隼の江ノ越高校時代の同級生。目の前で隼が拉致される所を目撃した。


次回予告

環「唄うわよ〜」
玉姫「いっしょに唄ってくれ!」

環「勝負よ〜」
玉姫「……隼」

恵美「隼君はこの学園から転校したりせえへんよ」
環「それはどうかな?」

いい具合にカオスとなった隼の元に、ついに台風娘がやってきた。恵美や司、玉姫達を交えてのスーパーデートの結末は?そして新キャラの登場はあるのか?

天河隼「……もう、ゴールしてもいいよね?」
エーミ「あかんよ!」
小田切「なにをやっている?君の思いをボールに乗せないか?」
つかさ「やらないか?」
エーミ「やらせへんで!」

次回 台風15号接近中!決して田んぼに出ないでください。

乞うご期待!

予告タイトルは嘘です。

更新は不定期です。

次回もよろしくお願いします。



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