99%の鎮守府活動報告書   作:色ハ型SMGMkⅡ

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UA500を突破して歓喜している色ハです。
特にいう事も無いので(本当はダメだけど)本編をどうぞ。


提督、君はお怒りなのかい?

目の前に広がるは青い海。

 

私はただ『妹』と前後の位置を交代しただけだった。

 

なのに……なのに………

 

一発の魚雷が、最後の私の妹を奪っていった。

 

あ、ぁあぁ、ぁぁぁあぁあ!熱い熱い熱い!あぁあぁぁぁぁあ!

 

私は燃えている妹を見てただ

 

 

 

 

見ている事しか…………出来なかった。

 

 

 

 

 

✡

 

 

 

「……………ん。」

 

私は姉妹達と共に寝ていて眠りについていた。

だが、まだ起きるような時間ではない。

私は体を起こし流れていた涙を拭う。

 

「また………見たのか」

 

最近になって見ることもなく落ち着いていたが、涙を流す理由はそれぐらいしかない。

だが…やはり………

 

「思い出せない。」

 

そう、夢の内容が思い出せないのだ。

どんな夢だったのか。どんな感じだったのかさえ分からない。

だけど私の体は、異様な恐怖に震えている。

私は自分の体を抱きしめながらいつもの様に彼が居るであろう場所に、この時間なら必ず居るであろう場所に足を進めた。

 

 

 

 

✡

 

 

 

「ふぁー気持ちよかった。」

 

現在時刻は午前四本時。

提督の最初の雑事はここから始まる。

それは入渠場所………つまりお風呂の掃除である。

此処は提督である彼も使用する入渠場所である。

一応は時間を分けているが遭遇したり頼まれたりすると髪を洗ったりしている。

(ねだるのは基本的に駆逐艦達)

因みに彼は1日に二度入る。

朝掃除後に1回夜に1回。

 

「司令官………」

 

「ん響か。珍しいな。」

 

そう言って彼、ギラは響と呼ばれた少女が何故この場所に来たのか。

大体想像はついていた。

それに…………

 

「目に思いっきり涙が溜まってる上に体震えてるじゃないか。悪い夢でも見たのか?」

 

「…………わからない。わからないよ司令官っ!」

 

そう言ってか弱い少女は力強い彼に溢れる涙を拭いながら抱きつくのだった。

 

 

 

 

 

俺は複数の吐息聞きながら考え事をしていた。

間宮や響達は艦隊としての記憶や武装、はたまた能力などを備えている。

だが記憶などそれはあくまで『彼女等の記憶ではない』

なのに何故彼女等はそれに縛られねばならないのだろうか。

 

「そんなの無いよな。」

 

俺の呟きはこの部屋にいる誰にも届かない程小さく消えて行った。

 

 

 

✡

 

 

「ん?なんだって?」

 

「だーかーら!」

 

時は変わり午前十時。

提督としては一息つける時間帯である。

だがそれは利根の一言で終わりを迎えた。

 

「何でも早穂の事を一目見たく、あわよくばこの鎮守府にいちゃもんつけて早穂を引き釣りこもうとする大将が今日!これから!来るそうなのじゃ!」

 

大将か………階級が上じゃ断れないじゃないか。

豚共に言って引かせ………やめとこ引き換えに艦娘達を要求するに決まってる。

 

「はー仕方ない。響と早穂はその大将が来たら俺と一緒に応接室へ。利根はまぁいつもどおりに頼む。」

 

「了解なのじゃ。それから夕張からの報告で例の装備が届いたそうなのじゃ。」

 

「んー。書類仕事も飽きたな。」

 

「司令官例の装備って?」

 

「私、気になります!」

 

響は、ギラの膝の上から聞いてくる。

早穂は何やらネタに走ってる。

というか良く知ってるな。

 

「ただの個人的趣味と早穂の武装が届いただけだ。」

 

「司令官の?」

 

「趣味?」

 

「そ、個人的な………な。」

 

 

 

 

 

 

✡

 

 

 

 

 

一般人からしての艦娘達のアンケート調査が毎年行われているが、その結果は毎年同じ様な物だ。

『あんな年端もない子に任せるとは恥ずかしくないのか』

『あんな女の子を……可哀想だわ。』

『彼女達を物としか見てないのか?』

 

うん、あんたらが言いたいことはよく分かった。

じゃあこういう質問に変えよう。

何故そこまで思えるのに変わりに戦おうと思わないのか?

答えは多種多様だが纏めるならば一概にノーだ。

 

そしてまた我々提督にもアンケートが来る。

艦娘達を兵器としてか人間としてとぢらの関係を取りますか?

『何を馬鹿な……』

『艦娘は兵器なのだ!それ以下でもそれ以上でもない』

『我々には無い力を持っているのだから戦いに出るのは当然のことだ。』

 

やはりそれでも俺は思ってしまうのだ。

兵器として見れないのか。

ならば彼女達は生命と定義されないのかと。

だがそんな提督達から帰ってくるのはさも当然のように決まっていた。

 

 

 

 

『艦娘は生きた兵器だ。と』

 

 

 

✡

 

 

 

「大将殿、遠路はるばるお疲れ様です。ここの提督を務めていますギラ・ドラグニル中将であります。」

 

応接間に入り、まずは目の前の大将に挨拶をする。

 

「いやいや、中将殿そんなかしこまらんでも………」

 

「いえ、番付1つ違えば家来……昔からの言われですから。」

 

実際相撲などの修行部屋などはそうだ。

 

「いやはや中将殿には勝てませんな。それで、例の兵器は何処に?」

 

ピクッとこめかみが反応したが今はよそう。

大将はやはり早穂が目当てなのか………

まぁ見るだけならば良しとするか。

 

「早穂、おいで。」

 

俺は短く先を呼び彼女を自分の隣に立たせる。

 

「彼女?ですかね?」

 

「はい。」

 

「ほほぅ、これはなんと信じられませんな。」

 

そう言うと大将は早穂に触れようと手を伸ばすが………

 

「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

大将が触れる前に、早穂が悲鳴を上げて座り込んでしまった。

早穂は両手で頭を押さえトラウマにうなされ涙を流している。

 

「ちっ早穂、しっかりしろ。俺が居るだろ。だから………な。」

 

「…ぅ……ぅ…ギラ……ぅ…」

 

早穂は俺にすがりついてくる。

俺は拒まずに抱き上げ頭を撫で落ちつかせる。

 

「これは………どういうことですかな?」

 

「済まない。大将殿早穂は……他人に触れられることにトラウマを持っているんだ。」

 

「なるほど、そういう算段ですか。いえ、説明はもう結構」

 

そう言うと大将が片手を上げると。

ガラスが割る音、ドアが破られる音ともに12人の艦娘が入ってきた。

皆艤装を付けそれを俺たちに突きつけてくる。

響はそれと同時に錨を取り出し俺の背中で構える。

 

「私はギラ提督を軍法会議にかけることにしました。」

 

「どういうことか説明を頂けますか?」

 

俺は突然の事に大将に説明を求めた。

軍法会議とはまた物騒なことを………

 

「なに貴方は提督に向いていないと告発するだけですよ。それにこれは一方的な告発ではなく交渉です。」

 

「どういう意味か全く分かりません。」

 

「ふん、あくまでシラを切るのか。まぁいい。早穂をいや。三式機龍を譲って頂こう。そうすれば告発もしませんどうですかな?」

 

「お断り致します。それに彼女は私に譲られたものですので、お譲りすることは可能ですがお譲りする気はありません。」

 

「ほぅ、ならば私は彼女らに貴方を撃てと命令しますがよろしいので?」

 

「貴様!」

 

「響!錨をしまえ。鎮守府での戦闘及び喧嘩は禁止しているはずだぞ!」

 

「しかし………」

 

だが、響はギラの目を見て錨をしまう。

 

「君達もだ。この鎮守府に来たからには従ってもらうぞ。」

 

だが、艦娘達は艤装を下ろそうとはしない。

1つ、ギラは彼女達から感じ取れたのは恐怖それから………

 

「大将殿1つ確認を……」

 

「今更なにかね?」

 

俺は冷たく大将を見て告げる。

 

『彼女たちに何を………いや、彼女達を道具や奴隷と思いですか?』

 

その言葉は何を指すのか。

早穂や響には分からなかった。

だが………

 

「君は何を『当たり前のことを言っているのだ?』

 

あぁやはりそうか。

こいつも豚や早穂を遊んでいた奴らと変わらない屑なのだと確信した。

 

「それで中将の答えをお聞かせ願おう。」

 

「端的に言えばノーです。何よりも彼女が行きたがらないでしょう。」

 

そう言うと、艤装を突きつけてくる艦娘1人。

駆逐艦の深雪が砲を頭に突きつけてくる。

 

「貴方の答えには心底がっかりさせられたよ。深雪、撃て。」

 

「どうした?………震えているぞ?」

 

ギラはそんなことをお構いなしに深雪を抱きしめる。

深雪や周りの艦娘は何が起きたのか分からなくなる。

響はやれやれといった感じで呆れ早穂は物欲しそうにギラを見つめている。

 

「震えていて当然だ。君は、君達は人を撃つのではなく深海棲艦を撃ち人を守るのだからな。君の、君達の恐怖は俺が拭おう。君達に厄災が降るのであれば俺が払おう。だから、砲を下ろしてくれ。」

 

「何をしている!深雪!撃て撃つのだ!」

 

「……………………出来ません。私には出来ません!」

 

深雪は遂に命令に背き、武装を解除してギラを抱きしめて泣き始めた。

それを見た他の艦娘も武装を解除する

 

「くっ貴様!よくも私の!」

 

「道具をか?そう思うなら食い殺されないうちに独りで帰るといい。俺は今……」

 

その時、窓から夕暮れの日が差し掛かりギラの影を壁へと写す。

そこに写っていたのは…………

 

「無性に腹が立っているのでな。」

 

三つ首の龍だった。

 

 

✡

 

 

 

大将は尻尾をまいて逃げていった。

日は沈み、夜が訪れる。

そして大将の艦娘達は俺が貰う事になった。

というか、いやでもついて来るそうだ。

 

「でなんでそんな膨れてんだよ。」

 

「知りません!私もわからないんですから。」

 

ご覧の通り何故かに膨れてしまっている。

 

「それよりもギラ、提案が」

 

「はいはい、何でも聞いてやるよ。」

 

「なら、この部屋で相部屋をしてください。後できれば添い寝を………」

 

「良いよ。………はっ!?」

 

いや待て、相部屋はまだいいとしよう。

だが、添い寝だと?

 

「はい、ギラなら大丈夫ですから。」

 

他の娘にバレたら殺されるな。

そう思いながら、早穂両手を握られ布団へと誘導されるギラだった。

 

 

 

✡

 

 

なんだ、あのギラという巫山戯た餓鬼は一体何者だったのだ。

そうだな。

確か三式機龍には耐熱装甲があったはずだ。

ならば…………

そう言ってボートの上で何かの弾頭を取り出して笑いあげる。

 

「ははは!!最終的に勝てばよかろうなのだ!汚染など気にしたことか!」

 

そう言って再び進路を東京湾へ取ろうとしたがそれは出来なかった。

なぜならその船は…………

 

 

『青白い光によって消えたからだ。』

 

 

 

 

 

報告書…………

 

被害者 提督

 

理由 早穂との相部屋強制

 

提出者一言

 

俺、バレたらどうなるんだろう。

 

提出者 ギラ・ドラグニル中将




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