シャイニングブレイド 〜蒼の魔導書を持つ男〜   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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最新話です

グダグダだと思いますがお楽しみくださいませ


灼熱のバルカローラ 4

朝、椅子の上にて目が覚める

 

なぜ椅子の上で目が覚めたかと言うと

 

「にゅー…すぅ…」

「ふぃー…ゆー…」

 

ローラとニューの二人がベッドを占領してぐっすりと眠っているからである

 

ニューは寝る時も眼帯をつけたままだ

 

器用だな、と思いながら邪魔したらいけないと椅子に座ってアラタは寝たのだが

 

「…やけにぐっすりだなー」

 

すやすやと寝息を立てて眠る二人のかけ布団をかけ直し、アラタは外に出る事にした

 

◇◇◇

 

「やっほー! アッラター」

 

開口一番そんな大きい声が耳に響いた

 

マコトだ

 

大きい尻尾にリスの耳

 

何よりも目を引くのが…

 

「あ。…ぬふふー、どこ見てたのー?」

 

そのたわわなバストである

 

思わずアラタは顔を赤らめて目を背ける

 

そんな反応を面白がってマコトは両手を使い、そのたわわなバストを寄せて、強調するように見せつける

 

「はは、意外に純情なんだね、アラタは」

 

マコトは笑みを浮かべて胸を寄せていた両手を腰に当て、アラタの顔を見る

 

「からかうな。ったく…」

 

アクティブな彼女には時折調子を狂わされるが、それが彼女の個性なのだ

 

「改めておはようアラタ」

 

「おう、朝から元気だな」

 

「元気なのがあたしのとりえだよー」

 

なははー、と口を開けて笑うマコト

 

釣られてアラタも笑顔になる

 

「ねぇねぇアラタ」

 

「ん? なんだよ」

 

唐突にこちらを窺うようにマコトは顔をうつむきながら上目でアラタを見る

 

「アルティナの事、どう思ってる…?」

 

「どう思ってるって…」

 

ラナといいマコトといいなんなのだろう

 

「急にそんな事言われてもな…。んー…相棒?」

 

「なんで疑問系なんだよ! 言い切ってよそこは!」

 

「なんでお前怒ってんの!」

 

なんでかマコトに怒られた

 

「…アラタに出会って、アルティナはすごく笑うようになったんだよ」

 

ゆっくりとマコトは口を開いた

 

「アラタに会う前も笑ってたけど、どうもエルフであろうって気持ちが前面に出てて、自然な笑顔じゃなかったんだ」

 

「自然な笑顔じゃ、ない…?」

 

マコトは頷きながら

 

「けどね、久しぶりにアルティナに会ったらすごく笑顔が映えてたんだよ。それで、君を見て思ったんだ、アルティナを支えてるのは君だって」

 

「買いかぶりすぎだ。俺はアルと普通に仲良くしてるだけで…」

 

「それでいいよ。アルティナの事、相性で呼んでるのアラタだけだし。解放戦線の中で一番仲が良いのも、多分アラタだけだしね」

 

そう言われても素直に頷けない

 

しかし言われてみるとラナやマコトたち一部を除けば付き合いは一番長い

 

それのおかげでもあるのだろうか

 

「頑張ってねアラタ。アルティナを支えられるのは、キミしかいないっ!」

 

ずびし! とアラタを指差してそう宣言した

 

「はは…なれるといいな」

 

「なれるさ! 必ず!」

 

…なんで断言できるんだろう

 

「はは、おっけー。頑張ってみる」

 

笑みを浮かべながらアラタは朝ご飯を作るべく厨房へと歩いていってしまった

 

◇◇◇

 

歩き去るアラタの背中をマコトは微妙な顔で眺めていた

 

「うぅ…、あれはなかなか強敵だよ…鈍すぎるよー…」

 

呟くマコトの声はマコトにしか聞こえなかった

 

◇◇◇

 

「あら、アラタ。ちょうど良かった」

 

朝食後、ローナと一緒にその辺を歩いていたアラタにサクヤが声をかけた

 

ちなみにニューはお散歩中だ

 

「アラタに顔を合わせておきたい人たちがいるの。さっきレイジとは顔を合わせたのだけどね」

 

アラタとローナは顔を見合わせる

 

「新しい…、仲間ですか?」

 

「そんなところよ。集会場で待ってるから、行きましょう」

 

サクヤに先導される形で、アラタとローナは集会場へと足を運んだ

 

◇◇◇

 

「お、どしたよ隊長さん。忘れ物か?」

 

集会場に着くとバンダナに前を開けた上着を着たいかにも船長という出で立ちの男性と妙に長い髪をした見目麗しい男性

 

「いえ、紹介してなかった仲間がいたから、その紹介に」

 

サクヤの言葉が終わる前にアラタは前に出て、口を開いた

 

「どうも、アラタっていいます。んでこっちは…」

 

「初めまして、ローナ=ムラサメと申します」

 

名乗り終わると船長がローナをじ、と見ていた

 

「はは、隊長さんもべっぴんだが、お前さんもべっぴんだなぁ」

 

「うぇぇ!? そ、そんな! サクヤさんの方が私よりも―――!!」

 

わたわたと手を振るローナを苦笑いしながら見るアラタ

 

船長は次にアラタへと視線をやり、

 

「俺は、ディラン。海賊騎士団[アークバッカニア]のリーダーだ」

 

んで、と言いながら隣の長髪の男性の肩を叩き

 

「こいつは相棒のイサリ。射撃と釣りの腕はピカイチだ」

 

イサリ、と呼ばれた人物はアラタの顔を見ると

 

「…どうも」

 

一言を言った

 

「ど、どうも…」

 

戸惑いながらも返答する

 

「よし、んじゃま一旦俺たちは港に行ってくるぜ。いい船みっけたら連絡すっからよ」

 

「? どういうことですか?」

 

疑問を浮かべたアラタがディランにそう聞いた

 

「おうよ、今から港に行って、帝国の船を物色してくる、んで、いい船あったら分捕るっつう話よ」

 

実に大胆で豪快だ

 

「なるほど…。ぶっ飛んでますね」

 

「おうよ。だから気に入ったぜここの連中。てなワケで、ちょっくら行ってくる。イサリ、行くぞ!」

 

「…わかった」

 

ディランとイサリの二人は集会場を後にした

 

恐らく港へ行き、良さそうな船を見繕ってくるのだろう

 

「…むー」

 

なにやらローナが考えるように声を漏らした

 

「どうした、ローナ」

 

「いえ…、さっきのディランって人なんですけど…」

 

ローナはこめかみのところを押さえながら

 

「なんだかどこかで会ったような気がするんです。…気のせいだと思いますけど」

 

珍しく真剣に考えてるローナ

 

だがアラタにはローナを使用するようになってからあんな豪快な人を見た記憶はない

 

「…たぶん気のせいじゃないか? わかんないけど」

 

「はい…。そうですね、やっぱり気のせいです。うん」

 

どうやら自己完結したみたいだ

 

◇◇◇

 

「じー…」

 

ニューは見据える

 

視線の先にはケルベロス

 

「じー…」

 

「…何の用ですか?」

 

じー、と見てくるニューを不思議に思ったケルベロスが口を開いた

 

「…いや…ケルベロスがなんだか、[へん]だから」

 

「…変?」

 

何が変だと言うのだろう

 

私はただマスターであるサクヤの言う事を機械的にこなしているだけなのだが…

 

「ケルベロス…まえはもっとあかるかった…。なにがあったの?」

 

「あか…、るい? …それは貴女の空想です。…私は、戦闘用オルガノイド。そんな感情などありません」

 

「ケルベロス…」

 

寂しそうなニューの瞳がケルベロスを捉える

 

なにか言いたそうなニューだったが、やがてケルベロスに「またね」と言ってどこかに歩いていってしまった

 

「…彼女は、いったい」

 

ケルベロスは呟く

 

あかるかった自分って、なんなのだろう

 

◇◇◇

 

「アラタ!」

 

パン屋でパンを見てたらレイジに声をかけられた

 

「お、レイジ。どうした」

 

「いや、さっきディランがいい船見つけたって、連絡が入ったからさ」

 

「あ、なるほど。ついに反撃に出んだな」

 

アラタがそう言うとレイジは強く頷いて

 

「ああ、帝国の奴らに一泡吹かせてやろうぜ」

 

パンを買うのは後回しだ

 

レイジと二人、準備をして港に向かう

 

「どうせなら、派手に行こうぜレイジ」

 

「おうよ、盛大に暴れてやろうアラタ」

 

そう言って軽くハイタッチを交わす

 

船分捕る作戦の始まりだ

 

◇◇◇

 

「…よし、皆乗り移ったか」

現在ドラゴニア帝国が所有する一隻の船の上

 

「皆いる。合図一つで行けるぞ」

 

アラタがそう言うとディランは頷く

 

そしてイサリに視線をやると彼は敵の方をしばし眺めて口を開いた

 

「敵は…こちらに気づいてない」

 

その事にディランはヘッ、と言うように笑みを浮かべる

 

「うしっ! それじゃあおっぱじめるぞ! この船を、丸ごと分捕ってやれ!」

 

ディランが声をかけると共に、その船に乗っていた仲間たちが一斉に攻勢へと動いた

 

ちなみに乗っているのはディランにイサリ、アラタ、レイジに式の五人だ

 

「遠慮はいらねえぞ、アラタ、レイジ!」

 

「海賊の流儀…見せつけてやれ」

 

「…海賊じゃないんだけどな、俺たち」

 

「細かい事気にすんなレイジ! 行くぞっ!」

 

アラタは結構ノリノリである

 

「おいレイジ、無駄にノリノリなあいつをサポートしてやってくれ」

 

式が半ば呆れた様子でレイジにそう言った

 

「ああ、それは任せてくれ。…けど、やけにテンション高いなぁ」

 

敵船とは言え船の上

 

やはりテンションは上がるものなのか、妙にアラタはウキウキしていた

 

◇◇◇

 

今回の戦いは強襲戦

 

気づいていない敵に奇襲をかけて動揺を誘って一気に殲滅する…というのがアラタの理想である

 

敵が気づいていないのならばこちらから一気に突っ込んで殲滅するが上策

 

隣にいる式に視線を送る

 

式は視線に気づくと頷いて敵の方を見た

 

「行くぜ!」

 

「ああ!」

 

アラタと式は船の右側、ディラン、イサリ、レイジの三人はその反対、つまり左側だ

 

アラタの声に呼応するかのように、反対側の三人も一気に駆け出していく

 

前方の視界に入ったのは完全に油断仕切っているドラゴニアの船員

 

アラタは一気に接近すると相手の腰にかけてある剣を音もなく引き抜きその背中に突き刺した

 

ゾグリっ!! と鎧ごと肉に突き刺さる音が聞こえたあと「ごぶっ…!?」とその船員が口から血を吐き出す

 

そして耳元で「あばよ」と呟くと同時に海の中へその船員を蹴り落とした

 

海へ落とされた船員はいずれ魚の餌になるだろう

 

溺れる船員には目もくれず、次の標的へと視線を移す

 

視線の先には何人かの船員と亀みたいな魔物、シェルタートルがいた

 

アラタは静かに狼奈を引き抜いて、相棒であるローナに語りかける

 

「行くぞ、ローナ」

 

「<御意に>」

 

ブン! と刀で空を切ると同時にアラタは駆け出した

 

◇◇◇

 

「はぁっ!」

 

ズバンっ! と狼奈の一撃が船員を切り裂く

 

斬られた船員は崩れ落ち、その場に倒れ動かなくなった

 

「アラタ、そっちは終わったか」

 

「ああ。式は?」

 

アラタがそう聞くと式は頷いて「終わった」と短く返答する

 

ちらりと見やると式の傍らには何体ものシェルタートルの亡骸が転がっていた

 

「さすがだな、式」

 

「お前もな」

 

会話を交えながらレイジたちの方へ視線を送る

 

どうやらレイジたちも船員の排除は終わったようだ

 

「ははっ! やったぜイサリ! なかなかいい船じゃねぇか、なぁ?」

 

豪快に笑うディランにイサリは無表情なまま

 

「船は浮かべば問題ない…」

 

そう短く返答した

 

「何言ってんだ。沈められた船の代わりにゃあ上等すぎるくらいだぜ。アラタ、レイジ、シキ、ありがとうよっ!!」

 

すっかり上機嫌なディランの姿に釣られてこちらも笑顔になる

 

何はともあれ、これで炎竜ブレイバーンのいる火山島へ行ける

 

その時が来るまではまた少しの間休息だ

 

◇◇◇

 

その日レイジやディランたちがローランに帰ってきて一番最初に目撃したのは

 

「おかえりー!!」

 

「ぶふぉ!?」

 

開口一番アラタにタックルをぶちかますニューの姿だった

 

彼女、鍛えればいいアタッカーになれるね

 

ちなみに彼女としては普通に抱き着こうとしてたみたいだがなぜだか勢い余ってタックルしてしまったようだ

 

「アラタ様!? こらニュー! いくらなんでもやってはいけないことがあることくらい貴女にだって―――」

 

「ローナもおかえりー!!」

 

ダウンしたアラタをそのままに今度はローナにタックル

 

今度は普通に成功し彼女はローナに抱き着いて頬擦りする

 

「わわっ、くすぐったいですぅ…ニューったらぁ…!」

 

ローナ陥落

 

「…一仕事終えたばかりなのに元気な連中だな」

 

わいわい騒ぐ二人(一人ダウン)を尻目に式は酒場へと足を運ぶ

 

「けどさ仲が良いって良い事じゃんか」

 

近くにいたレイジが式の近くによってそんなことを口にする

そしてその光景をみながら

 

「なんだかさ、あれって兄妹みたいじゃないか?」

 

兄妹、といわれて式は改めて騒いでる三人を見る

 

ダウンしているアラタ、ニューに抱き着かれ惚けてるローナ…

 

「…騒がしい兄妹だな」

 

軽く苦笑い浮かべて式は酒場へと足を踏み入れようとして立ち止まる

 

「おいレイジ」

 

唐突に式はレイジの名を口にした

呼ばれたレイジは「ん?」と式のほうを見やる

 

「なんだ式」

 

「お前これから暇か? 暇なら一杯付き合え」

 

「え!? 付き合えって…俺未成年なんだけど…」

 

「莫迦。酒なんか頼むか。ユキヒメ、お前もな」

 

「<なぬ!?>」

 

ついでに霊刀も巻き込んで式たちは酒場へと踏み入れた

 

入りながら式は思う

 

 

 

こんなのも、悪くはないかな

 

 

 

 

 




むむむ…

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