シャイニングブレイド 〜蒼の魔導書を持つ男〜   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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今回ブレイブルー最新作から一人出演してます

若干キャラがぶれているかと思います
…申し訳ない

今回もグダグダですがお楽しみくださいませ

ではどうぞっ


灼熱のバルカローラ 5

ローランでの朝

 

早朝、恐らく五時前後

 

「…む」

 

今日はいつもよりも早く起きた

しかし椅子に座って寝るのも限界が来たかもしれない…

寒いし寝づらいし散々なのだ

 

「にゅう…」

「すぅ…」

 

…まぁ寝ているのが女子だから我慢できるのだが

男だったら殴り飛ばしてでも布団で寝る自信がある

 

まぁ仕方ないだろう

 

寝ている二人を起こさないようにアラタは静かに自分の部屋を出た

 

◇◇◇

 

「あら。早いわね」

 

外へ出ると黒猫形態のリンリンがとことこと歩いてきていた

 

「おはようリンリン。君も早いね」

 

「私も早く起きてしまってね。特にすることもないからこうして散歩をしていたの」

 

会話をしながらとことことアラタの足元に歩いていく

 

アラタは足元のリンリンを抱きかかえて近くのちょうどよさげな岩に腰掛けて、自分の隣にリンリンを置く

 

「そうだリンリン、気になったことがあるんだ。聞いてもいいかな」

 

「? 何かしら。答えられるものなら答えてあげるわ。…にゃふぅ」

 

最後に変な声が漏れたのはアラタが首や頭などをなでなでしてるためである

こんな可愛い猫がいて撫でないのは猫に失礼ではなかろうか

 

…話を戻す

 

「で、質問なんだけど…ユキヒメやローナ…ムラサメね。ムラサメがよく言ってる先代のことなんだけど」

 

「ああ。建国王のことね。聖クリストフ…クラントール建国王は、二百年前にこの世界、エンディアスを救った英雄…。ちょうど今みたいに、当時のヴァレリアは未曽有の危機があったの。大陸全他を闇が覆い、みんな恐怖に震えたわ…」

 

リンリンは思い出を振り返るかのように天井を仰ぎ見て一つずつ言葉をつづっていく

 

「その闇を祓ったのがクリス王よ。勇敢な仲間、そして無双の剣とともに、邪悪の化身、ダークドラゴンを封印したの」

 

「ダーク、ドラゴン…」

 

改めてその名前を呟く

 

ダークドラゴン

自分たちが倒すべき、敵

 

「そのあと、クリス王と三人の英雄は戦いで傷ついたヴァレリアを再建し、四つの国を設立。その四つが今でいうところのルーンベール、フォンティーナ、クラントール、ベスティアの四つよ」

 

「そうか。だからクリス王は建国王なのか」

 

国を建国したから、建国王

 

実にわかりやすい

 

リンリンは頷いて

 

「その闇との戦いで立ち向かった戦士たちは、尊敬と敬意の念を込めて〝シャイニング・フォース〟って呼ばれているの」

 

「その時のクリス王の武器が、霊刀・雪姫…。はは、そんなすごい事をしていたなら彼女やローナが尊敬するわけだ」

 

「ええ。崇拝していたとも言えるわ。それだけすごい人なのよ」

 

そう言うリンリンを撫でながらアラタはふと一つまた疑問に思ったことがあった

 

 

 

なぜこんなにリンリンは先代のことについて詳しいのか

 

 

 

撫でられながらリンリンはこちらの顔を見る

 

そして自分の中にある疑問を見透かしたように

 

 

「うふふっ」

 

 

そう小さく微笑んで

 

「私が何者か分からないと…怖い?」

 

そう意味深にリンリンは笑みを浮かべながらそう言った

 

彼女の瞳に見られながら、アラタも同様に軽く笑みを浮かべ返し

 

「なんともないよ、詳しいってだけだし為になるし…」

 

それになにより、と言葉を切ってリンリンを抱え上げた

 

唐突に抱えられたリンリンは「わにゃぁ!?」と彼女にしては珍しい声色を上げる

 

「仲間を疑うみたいで嫌だからさ」

 

「…、」

 

抱えられたままリンリンは少し黙り、また小さく笑んだ

 

「お人よしね」

 

そう言いながらするりとアラタの手を抜けて器用にアラタの肩に飛び乗った

 

「けど…嫌いじゃないわ」

 

そう言ったあとにアラタの顔に猫の手で軽くパンチを繰り出した

 

「いたっ…それ、褒められてる」

 

「失礼ね。ダントツに褒めているわよ」

 

◇◇◇

 

朝食も食べ終わり今日の鍛錬も済ませてやることがなくなった、何をしようかと無駄に考えを広ませていた時にそれは起こった

 

「おい! アラタ!」

 

レイジの焦った声色に現実に引き戻されて彼の方へ向き直る

 

「どうしたのさ、そんな血相変えて」

 

「そりゃ慌てるぜ、たった今ディランから入った情報なんだけどよ」

 

レイジは一度そこで深呼吸し息を整えてから改めて口を開く

 

「帝国の奴らが、北の火山島美向けて出発するみたいなんだ」

 

「なっ!? 本当かレイジ!?」

 

そう聞き返すと神妙な顔もちのままレイジはうなづいた

 

「たぶん精霊王を狙ってだと思う…」

 

レイジの一言にアラタはなるほど、と心の中で思う

 

そういうことのために港を占拠したというものもうなずける

 

「じゃあ急いでこっちも出発しないと」

 

「ああ。いまディランが準備してくれてる。なにか手伝えることがないか、聞きに行こうぜ」

 

レイジの提案に頷いてアラタと二人、ディランの元に歩いていく

 

…出発が間に合えばいいのだが

 

◇◇◇

 

まあ案の定あまり船に詳しくない二人は「ありがてぇけど大丈夫だ」と言われディランたちの作業を見学していることにした

 

作業のさなかにふと唐突にディランが口を開く

 

「そうだ。てめぇら、海に出たらセイレーンに気ぃつけろよ」

 

「セイレーン?」

 

召喚獣かなにかだろうか

 

「なんだそりゃ」

 

そんなワードが初耳な二人は当然のごとく聞き返す

 

そんな二人にディランの横でイサリが作業をしながらそれに答える

 

「船乗りの伝説…女の化け物。美しい歌で船を惑わせて、難破させる」

 

古来に伝わる妖怪のような話みたいだ

確か人魚の歌声にも似たような力があるってぬ~〇~先生が言ってた気がする

…なんか俺の頭の中って無駄なことは覚えているような…

 

「あー…まぁそうなんだが、俺の言ってるセイレーンはちょっと違う」

 

「え? 違う?」

 

「ああ。俺が言ってるのは火山島で活動してる女海賊のほうさ。海賊の間じゃ結構有名なんだぜ?」

 

「女海賊…そんなのがいるのか」

 

「けど、なんで俺達がそのセイレーンに気をつけなきゃならないんだ?」

 

レイジがそう聞くとディランは豪快に笑いながら

 

「だってお前ら、戦いにはつえぇけど女にはからっきしダメかと思ってよ。はははははっ!」

 

…ぐは

イタイ所を突かれたかもしれない

 

「<まったくだ…。気をつけろ二人とも>」

 

ユキヒメにまで言われるとは

今この場にローナがいなかったことが実に幸運だった、いや幸運でしかなかった…

 

「お、大きなお世話だっての!」

 

レイジは反論しているが正直アラタは反論できない

男が女に弱いのは人間の(さが)なのだ

 

◇◇◇

 

その後出航の準備も滞りなく終わり一同はブレイバーンがいるといわれているアグニル火山島へと船を出した

 

海には帝国の奴らもいるかと思っていたが、海上にはそれと思わしき船はなかった

 

「もしかしたらもう先に行かれてる?」

 

「不吉なこと言うな。当たっちまったらどうすんだ」

 

「わかってるよ…なんとなく言っただけだ」

 

式に咎められながらも船は火山島へと向かっていく

 

船を下りた一同が最初に目撃したのはドラゴニアの先兵たちだった

 

「…アラタの予感が当たっちまったな」

 

レイジの一言にアラタはがっくりと肩を落とした

 

式ははぁ、と聞こえるように大きく息を吐きながら

 

「…当てやがった」

 

言ったあとまたため息を吐いた

 

「偶然だよ。…偶然」

 

思いっきり目を逸らしながら言っても説得力はゼロである

 

「目を逸らすな」

 

「まぁまぁ…式もそれくらいにしてあげて。今は目の前の課題に集中して」

 

サクヤに言われその場の人たちは改めて火山島の先兵に視線を見やる

 

「幸いドラゴニアの奴らはそんなにいねぇ。蹴散らすにそんなに時間はかからねぇぜ」

 

「かかっても…五分前後…」

 

ディランとイサリにそう言われサクヤはゆっくりと頷く

 

「いい、皆。まずドラゴニアの連中を迅速に排除、その後にブレイバーンのいる火山島奥を目指すわよ」

 

軽く周囲を見渡してサクヤは作戦内容を通達する

 

その場にいたレイジ、アラタ、式、ディラン、イサリはしっかりと頷いた

 

「…よし、じゃあ行きますか」

 

アラタのその一言を皮切りにレイジたちは己の武器を構え、走っていく

 

ブレイバーンに会うために

 

◇◇◇

 

アグニル火山島最深部

 

「…ん」

 

ブレイバーンが浮遊するマグマ上空付近にある岩に腰掛けた褐色の女性が気配を感じ取った

 

「<あ? どうしたよ傭兵のねぇちゃんよぉ>」

 

気になったのかブレイバーンがその褐色の女性に問いかける  

  

「敵の気配って奴かぁ? けど気配っつったらさっきドラゴニアの連中が来たって―――」

 

「違う。あんな奴らよりもっと強い奴らだよ」

 

「<強い? さっき来た龍の血族の姉ちゃんもかなり強かったじゃねぇか」

 

少し前に女海賊セイレーンと名乗る女性が部下数人を引き連れて〝精霊王の卵〟をよこせと言ってきたのだ

 

当然ながらブレイバーンは試練を与えたがセイレーンは難なくその試練を乗り越えたのだ

 

「確かに彼女たちも強い。…しかし今くる連中は彼女たち以上の実力者かもしれない…」

 

そう言って褐色の女性は右手をぐっと握りしめて拳を作った

 

「先ほどの戦いはブレイバーンが課す試練だったから、私は眺めているだけだった。…今度は私が戦わせてもらう。構わないか、ブレイバーン」

 

そう言われるとブレイバーンは軽くため息を吐きながら

 

「<あぁ。お前さんに任せるぜ、傭兵のねぇちゃん>」

 

「…いい加減ねぇちゃんなどと呼ばないでくれ。わたしには、〝バレット〟という名前がある」

 

「<細けぇ事言うなよ。結構付き合い長いんだしさ>」

 

「…正直そんな長い付き合いではないんだが。…まぁいいだろう」

 

バレットは自らが腰掛けていた岩から立ち上がり肩を回す

 

「さて…どんな奴が来るかな」

 

これから来る連中に期待を寄せながらバレットは心を震わせた

 

正直ここに来るやつらは相手にならない連中ばかりだった

 

バレットは別に戦闘狂というわけではないがこうも連続だと体がなまってしまう

 

だからだろうか

 

「…ふふ、らしくないな。私としたことが、ワクワクしている」

 

そう言って何もない自分の正面の空を思い切り殴り付けた

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