シャイニングブレイド 〜蒼の魔導書を持つ男〜   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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最新話です

今回もぐだぐだです

そんなのでよければお楽しみくださいませ

ではどうぞ


灼熱のバルカローラ 6

アラタが振るった一刀が立ちふさがるドラゴニア兵を切り裂く

 

斬られたドラゴニア兵はゆっくりと崩れ落ち、そのまま動かなくなった

 

「こいつでドラゴニアに奴らは最後か?」

 

「そうみたいだな」

 

狼奈についた血を払いながらアラタはまわりうぃ見渡してディランの言葉に同意する

 

「よっしゃ。これで先に進めるな」

 

「えぇ。だけど油断は駄目よレイジ。確かにドラゴニアはこの場からいなくなったけど、火山島の魔物がいるんだから」

 

「っと…そうだった。むしろこれからなんだよな」

 

サクヤに指摘され改めてレイジがユキヒメを握りなおす

そんなレイジを咎めるようにユキヒメの刀身が輝き言葉を放つ

 

「<その通りだぞレイジ。お前はすぐに調子にのるからな>」

 

「う…わかってるよ」

 

そんな短いやり取りを交わしてるレイジに、向かってアラタは

 

「じゃあ行こうか、レイジ。ローナもいい?」

 

「<はい。いつでも大丈夫です>」

 

「おお。行こうぜアラタ」

 

◇◇◇

 

ところ変わって石窟街ローラン

 

火山島に出かけているメンバーとは違いここにいるには待機メンバーの面々である

 

「どうした。そんなものではないだろう」

 

「ぐっ…、当たり前です!!」

 

そんなローランの広場に該当するところで稽古している人がいる

 

一人はジン=キサラギ

 

もう一人はリック=エルウッドだ

 

リックは立ち上がり手に握った木刀で再びジンへと振りかぶる

 

ジンはいとも簡単にその一撃を受け流し、またガス! とがら空きの腹に一撃を叩き込む

 

「ぐっ!?」

 

「その程度か。違うだろう、もっと見せてみろこの馬鹿が!!」

 

「くっ…うおおおおおっ!!」

 

リックはまた立ち上がって木刀を構え直し再びジンに向かって行く

 

その稽古を傍らで眺めている数人の人物がいた

 

「うっはー…キサラギさん相変わらず容赦ないなぁ…」

 

「リック…大丈夫かなぁ…」

 

「ジンは容赦がないからな」

 

マコトとエアリィ、そしてアイラの三人である

 

「ていうか、マコトはジンの稽古を見たことがあるのか?」

 

「昔に何回かですけどね。あの時はノエルとツバキと一緒にやったんですけど…一回も勝てなかったです」

 

遠い思い出を振り返るようにマコトは言葉を紡ぐ

 

「…死ぬかと思ったなぁ」

 

若干ガタガタ体を震わせてマコトが涙目になる

…よほど厳しい稽古をやらされたのだろうか

仮にそうだとしてどんだけ厳しかったのか

すこしエアリィは興味があったが本気で震えるマコトを見て聞くのをやめた

 

「しかし、リックもよくついていくな。ジンも手を抜いているわけではないだろうし…それだけリックに期待を寄せているということか」

 

改めて二人の稽古に視線をやりながらアイラが口を開く

 

視線の先には激しい激闘という名の稽古をしているリックとジンの二人の姿

何度ぶちのめされても果敢にジンに立ち向かうリックとそんなリックを一切の容赦なく叩きのめすジン

 

「…いや、もしかしてリックはМなのか」

「どうしたらそんな考えに至るんだよ!?」

 

なぜだかぶっ飛んだ発言をしたアイラに全力で突っ込むマコト

エアリィはそんな二人をあふあふしながらどこか戸惑いながらも言葉を挟もうか悩んでいるときに

 

「パンが焼けたんだけど…」

 

バスケットにパンを入れてこちらにアミルとアルティナの二人がやってきた

二人はアルゴ砦でのとある出来事により少し仲良くなっていたのだ

現在ではたまに時間が空いたときにはパン屋さんのお手伝いをしているくらいの仲が進展している

 

「…なんか取り込み中…かな」

「大丈夫だよアルティナ。取り込んでないから」

 

ぐっと親指をサムズアップさせてアルティナに笑顔を向ける

 

「そう? ならいいんだけど」

 

そう言ってアルティナはマコトの隣に、アミルはエアリィの隣にそれぞれ腰掛けた

そして二人は持っていたバスケットを開いて中にあるパンをお披露目する

 

「うわぁ…美味しそう…!」

「本当…」

 

そんな感想を漏らしたマコトよエアリィの声を聞きながらアイラは「ほう…」と感嘆の声を上げた

 

アルティナのバスケットの中に入っていたのはアンパンやジャムパンなどのシンプルなものだ

ほかにもメロンパンやフランスパンといったパンなどが盛りだくさんだ

 

一方アミルのバスケットの中にはマフィンや蒸しパン、チョココロネなどの凝ったパンが入っていたのだ

 

「すごいな。すべて二人が作ったのか?」

 

「あ…はい…ところどころアミルに手伝ってもらいながら…」

「アルティナ、飲み込みが早いんです。近い将来すごいパン作るかも」

「ちょ、アミル!?」

 

和気藹々と話すアミルとアルティナを見て笑みを浮かべるエアリィ

そしてそれを微笑みながら眺めるアイラ

 

(…平和だな。…いつかジンエルミナや…ラグナさんともこんな平和を満喫したいものだ)

 

そんなことを思いながらアイラは適当にバスケットからパンを取り出す

 

そして稽古で疲れているであろうジンとリックへ届けてやろうとアイラは歩き出した

 

◇◇◇

 

ところ変わってまた火山島

 

「はぁっ!!」

 

ズバン、とユキヒメの一太刀が奥へと続く道を塞ぐモンスターを切り裂いた

 

「レイジ、そっちは」

 

「今終わった。アラタの方は?」

 

「片付いた」

 

アラタは頷いたあとディランとイサリの方を振り向く

どうやら二人の方も片付いたみたいだ

そのあとサクヤへと首を傾ける

彼女も排除完了したようだ

 

「…残すは、ブレイバーンだな」

 

レイジのその呟きにアラタは静かにうなずいた

少々道のりは険しかったが、やっと目的地にたどり着くことができた

 

「ところで…ブレイバーンってどんな奴なんだ?」

 

ふとそんなことレイジが漏らした

 

歩きながらディランが「あぁ…」と言いながら答える

 

「そうだなぁ…一言でいえば喧嘩っ早いやつだな」

 

「またずいぶんとアバウトだな…」

 

やけにざっくりとしたその言葉にアラタが苦笑いで返答する

 

「仕方ねぇだろ。そうとしか言えねぇんだからよ」

 

ボリボリと頭を掻きながらディランは言う

 

「まぁブレイバーンに限らず、この島の連中だいたいがそうだがな」

 

「島に住んでる連中というと…」

 

女海賊セイレーンが候補に挙がる

 

そんなことを考えにいれながらアラタはイサリを見る

対してイサリは考えが伝わったのか頷いて

 

「ああ。奴とその手下…かなり、危険」

 

「まぁこんな島だからな。暑くてイライラしてるんじゃねぇか? はははっ!」

 

ディランは笑っているが正直笑いごとじゃすまない

くれぐれも気をつけなければ

 

◇◇◇

 

アグネル火山島最奥部

 

その場所は入ってきた道以外溶岩で囲まれており、落ちればあ、という間にお陀仏な場所である

 

しかし最奥部についたはいいが肝心の炎竜ブレイバーンの姿が見えない

 

「…あれ、どこにいるんだそのブレイバーンって奴」

 

「…っかしいなぁ。普段はここにいるんだがよぉ」

 

ディランがあたりを見回しながらつぶやく、がブレイバーンはどこにも見当たらない

 

「…仕方ないわね。ここは一度戻って―――」

 

「<その必要はねぇぜ。人間のねぇちゃんよう>」

 

サクヤが撤退指示を出そうとしたその時、低いドスの効いた声が聞こえた

 

ゴゴゴゴゴ!! とうなりを上げマグマの中からその姿を現す一体の竜

 

それが炎竜ブレイバーンである

 

「<…へぇ…傭兵のねぇちゃんの言ったとおり、なかなか手強そうな奴らだな>」

 

ブレイバーンの存在感を地肌で感じながらアラタはレイジとアイコンタクトを交わす

 

そしてレイジが

 

「アンタがブレイバーンだな? 実は精霊王の卵の事で話が―――」

 

「残念だが、精霊王の卵は今ブレイバーンは所持していない」

 

「―――て、えぇ!?」

 

唐突に聞こえた女性の声にレイジはそんな素っ頓狂な声を上げてしまった

 

その女性の声がした方向へ一斉に振り向いた

 

その声はブレイバーンの頭部から聞こえる

ブレイバーンの頭部をよく見てみるとひとりの女性の姿がいた

 

「…いくらブレイバーンの御陣があったといえど、マグマの中は熱かったぞ」

「<はは、そいつは悪かったな>」

 

炎竜と軽く言葉を交えその女性は「よっ」と勢いよく飛び降りた

 

すたっ、とサクヤたちの前に着地してそれぞれの視線をやったあと彼女は名乗った

 

「挨拶が遅れた、私はバレット。わかりやすく言うなら傭兵だ」

 

「え、えぇ…私はサクヤ。ヴァレリア解放戦線の隊長よ」

 

お互いに短く自己紹介を交わし、軽く握手をする

そしてサクヤは先ほど聞いた言葉を確認するべく問いかける

 

「ところでバレット…先ほど貴方から、気になる単語を聞いたのだけど…」

 

「精霊王の卵の事だろう。先も言った通り、今ブレイバーンの手元に精霊王の卵はないんだ」

 

「えぇ!? ちょ、そりゃどういうことだよ!?」

 

その言葉に最も驚いたのはレイジだ

それもそうだろう、ダークドラゴンの打倒に必要な〝シャイニング・ブレイド〟の開放にかかわってくるのだから

 

「いや、お前たちが来る少し前にな、女の海賊が現れてそれを要求してきたんだ。おそらく宝石か何かだと思ったのだろう」

 

「セイレーン…」

 

アラタがつぶやき、その呟きに式が答える

 

「どうやら一足遅かったみたいだな」

 

「みたいだね…」

 

「<あの娘さんは竜の血族の末裔だったらしくてよぉ…実に楽しい戦いだった>」

 

ブレイバーンが感慨にふけるようにそんな言葉を漏らす

 

「まぁあの女性はどこかへと持ち出すことはしないだろう。この島の南に、彼女の隠れ家があるようだが…今はそんな事はどうでもいい」

 

キラリ、とバレットが目を光らせた

…ものすごく嫌な予感がした

 

「ブレイバーンは先ほどその女海賊と戦い疲弊している…。私はそれほど戦闘に飢えているわけではないが、相手にするにがドラゴニアの雑魚ばかりでは腕がなまる…そこでお前」

 

びしっとバレットはアラタは指差した

なぜピンポイントで俺なんだ、心の中でアラタは空しく突っ込んだ

 

「簡潔に言おう。私と一度戦ってくれないか。無論女だからと加減はいらない」

 

「…なんで俺なんですか」

 

「お前が一番全力で戦ってくれると思ったからだ」

 

「あぁ。あながち間違ってないぜ」

 

式に対して余計なことを! と思った時はもう遅かった

 

「…なら二つに分けましょうか」

 

サクヤがまた一つそんな事を言い出した

逃れることはできなさそうだ

アラタは深くため息をつきながら、それでいて決心したような顔つきでバレットを見る

 

「…決まりだな」

 

バレットがにぃ、と笑う

 

「…じゃサクヤさん。先に行っててください。追いつくかはわかりませんが」

 

「えぇ。…無理しちゃだめよ?」

 

サクヤのそんな言葉を聞きながらローナに視線を送る

ローナはその視線を受けた後、アラタへと手を伸ばしそっとその手を握り締める

その途端にローナは一振りの刀へと姿を変え、霊刀狼奈へとその姿を変えた

 

「ほう…霊刀か」

 

そうつぶやきバレットは籠手を装着し、拳を構える

どうやら彼女は素手のようだ

 

「…じゃあ、私たちはセイレーンの隠れ家へ行きましょう」

 

「あぁ。アラタ、そいつの相手は任せたぜ」

 

他人事だと思ってるな、式の奴…

 

そんなわけで、隠れ家へ向かう組(アラタ以外)とVSバレット(アラタのみ)と二つに分かれる運びとなった

 

はっきり言うが精霊王の卵とは何ら関係ない気がするが、正直アラタも楽しみだった

 

純粋に力をぶつけるのは彼も久しいからだったから

 

◇◇◇

 

特に宛もなく、ハクメンと一人の少女、レンが道を練り歩く

 

「それにしてもハクメンってホントに強いよね。モンスター出てきても瞬殺だもん」

 

「…あの程度、敵とは呼べん」

 

ハクメンは短くそう吐き捨てるとまたずんずんと歩いていく

 

「あ、待ってよもう…」

 

ハクメンとレンでは一歩の歩幅が違いすぎる

少し油断するとすぐ先に行ってしまうのだ

 

(けど本当に不思議な人)

 

近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、表情を隠したその仮面の下からは何らかの意思が見え隠れしている

 

…本当に何者なのだろうか

 

興味は尽きないが、それを言及する気はない

 

どこだろうと彼は彼であり続けるだろうから

 

そんな思いを胸に秘め、レンはハクメンの後を追いかけた




今年最後の投稿でした

みなさん、よいお年を

アラタ「また新年に」
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