議題『別世界に介入してみたい』は(力ずくで)可決されました。 作:今更なひと
魔界では、装備品・道具と種類を問わず、道具(アイテム)を強化する事が出来る。
アイテムひとつひとつの存在の構造・概念をダンジョンという形で独立した世界として投影し、そこに“潜る”事でアイテムを『中から直接』強化する事が出来る。剣を強化したければ剣を、斧なら斧を。それがボロ布でも噛んだガムでも、強化は可能である。
『アイテム界』と名が着いたそのダンジョンは、既に存在しているアイテムの概念を内側から書き換えて強化しようとする事に対して修正力が働くのか、道中では悪魔や魔神といった形をとって致死レベルの障害が侵入者を待ち受けている。
深く深く、潜って行く程に危険度が増していくものの、到達した階層に比例してそのアイテムは強化されていく。
そうして強化を繰り返した装備品は、既存の物とは比較にならない性能を誇り、最強の称号を求める悪魔達には欠かす事の出来ないものとなっている。自分でアイテム界に潜り鍛えるもよし、強化された他人の装備品を盗むもよし。
途方も無い強化の果てにやっと造り上げた鎧を、盾を、装飾品を、彼はひとつひとつ外していく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★01:別世界突入まえ
~時空ゲート前で、えうろぱ(盗賊)を呼び止める~
えうろぱ 「やほー、生きてるって事は議題通ったんだ?」
男戦士 「まーな。悪いけど、これ預かってくれないか?」
えうろぱ 「装備品一式、持ってかないんだ。やりたい放題できるチャンスなのに自ら手放すなんて、キミはホントに悪魔なの?」
★02:行ってらっしゃい
男戦士 「バランス崩壊して楽しむのもいいかもだけど、とりあえずふつーに突入したいからな。頼む」
えうろぱ 「そっか。キミがそう言うなら貰っておくけど、ホントに行っちゃうの?」
男戦士 「おう、古株がえうろぱだけになるからお前の天下だな、威張れ威張れ。んじゃまたな」
えうろぱ 「ん、行ってらっしゃい」
えうろぱ 「…あーあ、つまんないなー。昔、キミの鎧を命懸けで調達したボクに何のお返しもなく別世界突入しちゃうとか。男戦士ってばマジ悪魔だなー」
★03:ひとり言
えうろぱ 「…まあ、ほぼ紙装甲のボクが安心して無茶できたのは感謝してるけどさ。もう守ってもらわなくても充分強くなったし、ね」
★04:ランダムネーム群から選びたい派
~再び暗黒議会~
男戦士 「名前、男戦士のままはアレだから変えてくか」
議題 『名前を変えたい』
男戦士 「“割りばし”…は却下、“そげぶ”…も却下、」
男戦士 「“かぼす”…も嫌だな、“壮絶な色気”…有り得ん」
犬の癖に議員 「(自分で好きに付ければいいのに)」
男戦士 「“レオ”…まぁこれでいいか」
レオ 「よし、出来た」
★05:続、ひとり言
えうろぱ 「思えば素質『普通』なのに、よく頑張ってたなー」
えうろぱ 「…しばらく、会えないんだよね。もう出発しちゃったのかな」
★06:素質
レオ 「今回は素質を『天才』にして転生出来るくらいにはマナもあったんだけどな」
レオ 「まあ、また『普通』でいいか」
レオ 「別に、誰かに褒めてもらえたとか、そんなんじゃないからな」
★07:その頃
えうろぱ 「僧侶ちゃん僧侶ちゃん、男戦士の使ってた盾、買わない?値段は負けられないけど、ちょー強いよ?」
えうろぱ 「盗賊のボクにさらっと預けちゃうんだもんなー♪ こうなるのは自業自得だよね♪ …あ、でも鎧は駄目だかんね、これはあげないから!絶対!!」
僧侶 「要りません。本当に貴女は『どうしようもないクズ』ですね」
えうろぱは『どうしようもないクズ』で、と決めてました(・ω・)