議題『別世界に介入してみたい』は(力ずくで)可決されました。 作:今更なひと
プリニーとは
・ペンギンのような姿をしており、人間界で何らかの罪を犯した人の魂が入っている。
・魔界のプリニーは超重労働、低賃金で稼いだ金を犯した罪と同じ重さ分だけためると転生が出来る。
見習い魔法使いネギ・スプリングフィールドとエヴァンジェリンとの衝突から一夜明け、どうにかひと段落付いたかと安堵するレオ。
しかし唐突に知る事となった修学旅行(秘密裏に)強制参加の事実に、また面倒事かと眉を顰めつつ勘繰る。
そもそもただの学園外での行事ならわざわざレオを護衛として同行させる必要があるのか、と考えると絶対に何かあるのではないかと身構えてしまう。
レオはざっくりと一括りにしている“魔法使い”達の中にも幾つもの組織や思想があるのだろうし、今回の修学旅行先で魔法関連で何かが起こる確信があったのか、それとも何が起きてもおかしくない場所が行き先となっているのか。
とにかく厄介な事情があるのだろうなとうんざりしつつ手元に届いた変装用のアイテムを吟味していく。
届いた物が物だけに場所をレオの借家に移し、真名と共に六畳間に三品を広げる。
ひとつは、魔界の希少な鉱石を用いた金属を精錬し、鍛え上げて造られた“超合金ロボスーツ”。 ひと昔前のロボットアニメから飛び出して来たかのようなそのフォルムは、スーツではなく機械鎧といった出で立ちである。
もうひとつは、ペンギンに似た魔物、プリニーの皮を用いた“プリニースーツ”。 青と白を基調としたつるっとした生地と、黄色い嘴に棒の様な脚。身に着けた者の体型・体格を問わずプリニーになりきれる謎のアイテムである。
最後のひとつは、上質なシルクの生地に、上品なレースのあしらわれた白い三角形の小さな布。両端を結ぶ紐にまで精緻な細工が施されており、その高級感と艶やかさを際建てる“せくしぃパンツ”。
ほぼ二択のような三択を目の前に、さてどうしたものかと悩むレオであった。
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★01:悩ましい
レオ 「結局は二択だよなー」
真名 「穿くか被るか、どちらにしよう…と?」
レオ 「違ぇよ口を慎め女子中学生」
★02:現実的に考えて
レオ 「やっぱりプリニースーツかねぇ」
真名 「そのペンギン?の皮かい」
レオ 「見た目こんなだけどな、着ると見た目は完全にプリニーになりきれる魔界アイテムだ…ほら」
真名 「うわっ」
レオ 「うわ、とか言うなうわ、とか」
★03:刹那 「レオさん、修学旅行の件で話が…」
刹那 「…ペンギン?」
真名 「レオさんだ」
レオ 「よう」
刹那 「うわっ」
レオ 「せっちゃん!お前もか!」
★04:話とは
刹那 「秘密裏に同行すると聞いたのでどうするつもりかと聞くつもりでしたが、それとせっちゃん言うな」
レオ 「コレでいく、ペット枠で」
刹那 「無茶な」
レオ 「そりゃ無理あるけど君らのクラス相手なら問題無さそうな気がしてな。すんなり受け入れられそうじゃね?」
刹那 「あー…」
★05:いつかの
真名 「ところでそのペンギン擬き、レオさんに届け物を持ってきた魔物と同じやつだね」
刹那 「使い魔か何かなんですか」
レオ 「みたいなもんだな。プリニーって種族で、生前に罪を犯した人間の魂が入ってる。中身は君らと同じ人間だ」
刹那 「えっ」
★06:『プリニー転生して罪を償う』
レオ 「プリニーとして労働を強いられる事で生前の罪を償う制度もあるぞ。犯した罪の重さによって刑期は異なるものの、魔界でのプリニー達の労働は苛酷そのものだ」
真名 「そんなにかい?」
レオ 「知り合いの魔神とこのプリニーの話だと、福利厚生なしの年中無休で20時間勤務。給料はサンマで彼女の気が向いた時にしか払われず、ボーナスはイワシ一匹、だそうだ」
刹那 「鬼ですか」
レオ 「いや悪魔だな」
★07:今更だけども
真名 「しかし『知り合いの魔神』だなんて単語がさらっと出てくる所に、改めて住む世界の違いを感じるね」
レオ 「いつだったか『別魔界の魔王にケンカを売る』事があって、その時に知り合った。割と話しやすい奴だったぞ、プリニー使いはエグいけど」
★08:護衛の必要性
レオ 「あのさ、そもそもこんな無茶してまで同行させるのは何か面倒事でもあんの?」
刹那 「麻帆良学園は関東魔法協会に属するのですが、今回の修学旅行の行き先である京都は関西呪術協会の総本山がある場所で、両組織は昔から折り合いが悪いのだとかで、」
真名 「学園長も西との関係の改善を図ってネギ先生に親書を託したらしい。で、その手紙を届けるまでに向こうからの妨害が入る事を予想してレオさんも同行させたらしいよ」
レオ 「聞いてるだけで面倒そうな…説明長いし、簡潔に頼む」
真名 「 てがみ と ネギくん を まもってね 」
レオ 「りょーかい」
★09:それと
真名 「京都には神鳴流の本拠地もあるよ」
レオ 「神鳴流?」
刹那 「私の扱う剣技の流派です。基本的には野太刀一刀ですが、扱う武器を選ばない“退魔の剣”です」
レオ 「岩とか蓄音機とかフランスパンとかも?」
刹那 「せめて武器の範疇に収まる物にしてくれませんかね」
真名 「関西呪術協会の呪術師の前衛を務める事も多いらしいから注意が必要だよ」
★10:ふーん
レオ 「どれどれ『神鳴流 せっちゃん』検索、っと」
刹那 「おもむろに何を検索して「お、ヒットした」えぇっ
?!」
レオ 「なになに、『神鳴流といえばせっちゃんより素子ちゃんだよな』…だって。素子ちゃんとやらが誰だか知らないけど、せっちゃんドンマイ」
刹那 「喧しい」
真名 「いったい何処で検索したんだい」
レオ 「別次元の検索サイトで、ちょろっと」
★11:備えとく?
真名 「剣士相手に大振りな斧だけだと相当骨が折れそうだね」
レオ 「そこは“助っ人”に期待するしかないな…とりあえずネギくんとも話し合っておかないとだ。ちょっと行ってくる」
真名 「…ペンギンのまま出て行ったね」
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レオ 「ネギくーん」シュタッ
ネギ 「?!?!」
★:別次元の検索サイトでは
レオ 「せっちゃんがあられも無い格好になってる画像とかも出てくるぞ」
刹那 「そうですか、二度と検索を掛けないでください」
レオ 「さーてどうし「でないと目玉をほじくるぞ」うわこれ本気の顔だ」