幻想警察録~Unit-6 Operation~   作:SOCOMレオン

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作者「今思ったけど、これ東方軍事組織を見ていない方にどうすればいいだろう?」

和人「ならそっちも見てもらえばいーだろうが」

作者「その手があったか!」

さとり(こんな作者で大丈夫なのかしら)


取引

人気の無い寂れた港で、灰色のセダンが止まり、SMGを持った警官達がボストンバッグを肩にかけて降りてくる。目の前には二人の男達がいた

 

 

「時間ぴったりだ。やるじゃないか」

 

 

「取引は時間との争いだからな。ほら」

 

 

警官の制服を着た男が何かがぎっしり詰まったボストンバッグを渡すと、私服の男がボストンバッグを開ける。中には白い粉が入った袋がぎっしり入っていた

 

男はそれをひとつ破り、少し指につけて舐める

 

 

「間違いない。本物の覚醒剤(シャブ)だ」

 

 

男は仲間に向かってそう告げると、仲間の男がセダンのトランクに入ったアタッシュケースを二つ出し、車の上においてケースを開ける。中にはぎっしりつめられた札束が入っていた

 

 

「そっちの要求通りの金だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

 

「良いだろう」

 

 

警官達が、押収された覚醒剤との交換でアタッシュケースを受け取り、自分達が乗ってきた車両にそれを詰め込む中、UZIを持ったスキンヘッドの男が茶髪の髪の男に声を掛ける

 

 

「アルト、見張りと連絡がつかない」

 

 

「ジャックの奴か?ったく、あのバk・・・」

 

 

アルトと呼ばれた彼は突如銃声と共に額に穴を開けられてコンクリートの床と平行になる

 

 

「ッ!?」

 

 

彼と警官達が車両に身を隠し、少しだけ顔を出して覗くと、スーツを着た男がハンドガンを構えていた

 

 

「警察だ!!今の男みたいになりたくなかったら全員動くな!!」

 

 

「警察っ・・・・!!」

 

 

彼は別の車両に身を隠している警官達を睨み付ける

 

 

「貴様ら、図ったな!!」

 

 

「バか言うな!あんな奴知らねぇ!」

 

 

彼は警官達の必死の表情を見て、言ってることが本当だと確信する

 

 

「クソッタレ!こんなとこで捕まってたまるか!!」

 

 

警官の一人がMP5を発砲すると、スーツ姿の刑事、三浦和人は壁に身を隠す

 

 

(・・・汚職警官共が)

 

 

和人はSIG社のSP2022からベネリ社のM4スーペル90に切り換え、銃撃が止んだタイミングを見計らって引き金を絞る

 

 

銃口から飛び出た弾丸は警官の顔に命中し、彼は倒れてピクリとも動かなくなる

 

 

(スラッグ弾ッ・・・!!?)

 

 

「ち、ちくしょう!!」

 

 

もう片方の汚職警官は片手でMP5Kの引き金を絞り、弾丸をばら蒔きながら車のドアを開けて乗り込む。取引が成立したところで、彼は最早用無しだったからだ

 

自分が乗ってきた灰色のセダンのエンジンを掛けて逃走しようとするが、セダンが前を向いた瞬間、スラッグ弾がフロントガラスを突き破り彼の顔に命中して、彼の遺体はハンドルにもたれ掛かって、港の辺り一体でクラクションが鳴り響く

 

 

「ッ!!」

 

 

彼はクラクションに一瞬気を取られ、彼から視線を外すが、その数秒後に彼女の足元にカランカランという乾いた音が鳴り響く

 

彼が足元に視線を向けるが、その瞬間彼の視界を真っ白な世界が包み込み、耳には甲高い音が貫くように鳴り響く

 

 

(フラッシュバンッ・・・・!!)

 

 

彼はフラフラとよろめき、ようやく目が慣れたときに見えた物は、SIG社のオートを構える和人の姿だった

 

その姿が見えた彼は、UZIを落として両手を挙げ、無抵抗の意思を示す

 

 

「ま、待ちなよ!アンタもブツが欲しいんだろ?わ、分けてやるから!」

 

 

「・・・・」

 

 

和人はひきつった笑みを浮かべる彼を、家畜を見下すような目で見ていた

 

 

「こんだけのヤクをさばきゃたちまち大金持ちだ。悪い話じゃねぇだろ?へへ・・・・。二人で大金持ちになろうぜ」

 

 

「・・ごたくはいい。お前達のボスはどこだ」

 

 

和人はSP2022の銃口を男に突きつけたまま問いかけるが、彼は口を割らない

 

 

「い、言えないっ!それをいっちまえば俺は消されちまう!」

 

 

「・・・お前、勘違いしてないか?どっちみちお前は俺に消されるんだからよ」

 

 

「そ、そんなっ!!お前は警察だろ!?」

 

 

「生憎と、俺は俺の正義を貫く主義でな。さぁ、答えろ。どっちみちお前は死ぬんだからよ。恐怖に怯えながら生きるか、今ここで楽に死ぬか、どっちかだ」

 

 

「そ、それは・・・・」

 

 

言葉につまった彼を、和人はハンドガンで殴り倒し、腹を踏みつける

 

 

「ぐっ!!」

 

 

「さぁて、質問の続きだ。お前の親玉は?言えば治療して、お前を親玉の手の届かないところに送ってやる」

 

 

「かはっ・・・・い・・今ごろは・・・・たぶん、アジトに・・・」

 

 

「場所は?」

 

 

和人が男の鼻をへし折ると、男は短く悲鳴をあげる

 

 

「いぎっ・・・!!5地区の・・北部のパール州だ!!そこにいるッ!!こ、これでいいだろっ!?」

 

 

「よく言えました。最後に地面にキスをしてこの世との別れを告げな」

 

 

和人はSP2022の銃口を男に向け、撃鉄を起こす。当然、男は納得がいかずに声をあげる

 

 

「お、おいっ!約束が・・・」

 

 

「何言ってるんだ?ちゃんと最初に言ったろ?"ケガの治療"して、"親玉の手の届かないところに送る"ってな」

 

スキンヘッドの彼はここでようやく嵌められたことに気づき、肩越しに和人を睨み付けて悪態をつく

 

 

「クソッタレ・・地獄に落ちやがれ!!」

 

 

「地獄に落ちるのはお前だよ。bad lack(ツイてなかったな)

 

 

和人が引き金に掛けた人差し指を引こうとすると、遠くからパトカーのサイレンが鳴り響き、どんどん此方に近づいてくる

 

 

(チッ・・・・誰か通報しやがったか?)

 

 

和人はサイレンの音に一瞬気をとられるが、躊躇わずに引き金を絞る。辺りに響いた銃声が完全に消えた後、和人の視界にパトカーが映りスーツを着た2人の女性警察官が銃を構えて降りてくる

 

 

「警察だ!無駄な抵抗はせずに武器を捨て・・・・・」

 

 

「ねぇパルっち・・あれ、和人じゃない?」

 

 

現場にやって来たリサは隣にいるパルスィにボソッと呟く。パルスィにも、あれが和人だと分かっているようだ。パルスィは和人に問いかける

 

 

「和人。貴方なにやってるの?」

 

 

パルスィが和人に向かって問いかける、和人は別段取り乱したりせず、むしろ少し笑っていた

 

 

「案外来るの早かったじゃないか。暇だったか?」

 

 

「質問に答えなさい。貴方は何をしてた」

 

 

「見てわからねぇか?お気に入りの女から聞いた悪人どもを成敗してたのさ。あ、そこでぐったりしてる警官どもは汚職してたからな」

 

どうやら和人が言っていたお気に入りの女と言うのは、情報提供者のことのようだ。だが、パルスィはまだ疑問が残っており、それを和人に尋ねる

 

 

「なんで殺したの?」

 

 

「?」

 

 

彼は"質問の意味が分からない"といった具合に、首をかしげる。しかも、彼の表情に罪悪感の欠片も感じられなかった

 

 

「・・・・なんで手錠(ワッパ)描けずに殺したの?」

 

 

「一応警告はしたんだぜ?にもかかわらず此方に発砲してきた。その時点で投降の意思はないと判断し、発砲、射殺した」

 

 

「警察でそれやって許されると思う?私たちの仕事は可能な限り犯罪者を捕らえることよ」

 

 

「その台詞、今まで耳にタコができるほど聞いたよ」

 

 

和人は軽く頭をかきながら、銃口を向けるパルスィに視線を向け続ける

 

 

「とにかく、コイツらが応戦してきたから撃ち殺した。それだけだ」

 

 

和人は先程自分が殺した男の死骸を足蹴にすると、ずっと手に握っていたSP2022をホルスターに戻す。すると、P30をずっと構えていたリサが突然和人の足下に向かって発砲する

 

 

「リサ!?貴女まで何してるの!!」

 

 

「パルっち・・・私、和人を許せない」

 

 

P30のグリップを握るリサの手に力が籠る。リサは本気で和人への怒りの感情を露にしていた

 

 

「おいおいおい、なんでそんなに怒ってるの?」

 

 

「まだ分からない?貴方が彼等(犯罪者)の法を受ける権利を蹂躙し、殺したからよ!」

 

 

リサは和人に怒鳴り付けるが、和人はまた首をかしげる

 

 

「ヤクの密売、それを他人に売りつけて人生めちゃくちゃにする輩に人権なんてあるのか?ましてや犯罪を取り締まる側の人間が犯罪を犯して、真っ当な法の裁きを受けられるとでも?」

 

 

「法の裁きを決めるのは貴方じゃない!!それは司法の手に委ねられる事だ!!貴方の行ったことはただの私刑よ!!」

 

 

「私刑かぁ、いい響きだ。これからは私刑執行人とでも名乗ろうかな」

 

 

和人はヘラヘラした笑みを作り、リサを挑発する。和人の態度に、リサは人差し指を掛けた引き金を絞りそうになるが、必死に堪え続ける。今ここで和人を撃てば、和人と同じになってしまうと判断したからだ

 

 

「俺は警官として俺の正義にしたがっただけさ。誰もが正義感ってのを持ってるだろ?」

 

 

「貴方の正義は間違ってるわ!」

 

 

「お前が他人の正義を否定できるのか?自らの思想を相手に押し付け、相手の思想を頑なに拒む事が正しいことなのか?」

 

 

「お前達は犯人を生かしたまま逮捕し、法の裁きを受けさせるのが正義で警官の勤めだと思っているようだが、俺の正義は犯罪者を排除し、権利を蹂躙されようとしている民間人を被害に会う前に助ける。これが俺の見出だした正義だ」

 

 

「そんなの・・・そんなの・・正義じゃない!!貴方の抱えるものは独善的すぎるわ!!貴方のそれじゃ誰も守れない!!」

 

 

リサのその言葉が、和人の心に突き刺さる。それと同時に、和人の頭の中に眠っていたある記憶が甦る

 

 

「・・誰も守れない・・か」

 

 

和人はリサを強く睨み付ける。リサに向けられたそのまなざしは、猟犬のように鋭い物だった。すると、先程まで黙っていたパルスィが口を開く

 

 

「・・理由はなんであれ、私達と来てもらうわ」

 

 

「・・・へいへい」

 

 

和人はM4スーペル90とSP2022を地面に置き、両膝を地面につけて腕を頭の後ろで組む

 

 

それを確認したリサとパルスィがハンドガンを向けたまま、和人に向かっていき、彼を地面に倒す

 

 

「三浦和人。殺人の現行犯で逮捕する。午前10時29分」

 

 

パルスィは和人に手錠を掛け、パトカーに押し込む。その間、リサは別の地点で待機していたさとり達に無線で知らせる

 

 

「チーフ、容疑者を確保しました」

 

 

【ええ。此方でも確認したわ」

 

 

さとり達はプライマリのサイト越しに、和人の身柄を拘束したのを確認していた。万が一何かあったら和人を射殺できるように

 

 

「リサ、そのまま和人を連行して。私達もすぐに戻るわ」

 

 

【了解です】

 

 

リサはさとり達の待機ポイントに向かって、『グッド』の合図をする

 

 

「私達も帰りましょう。やることはたくさんあるわ」

 

 

さとりはため息をついてパトカーのドアを開ける。帰った彼女達には和人のやったことに対する膨大な事後処理が待っているのは目に見えていたからだ

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