仁義ある暗殺   作:絹糸

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会話文のみのおまけ。
かなり短めです。


『暗殺教室 E組の本条弥人』×『仁義ある暗殺』~おまけ~

 

 

◆最後の驚き(本条弥人&天木武宏)

 

 

「まさかあの色男が女だったとはなぁ。これ以上の驚きは滅多に味わえなさそうだぜ」

「それは俺も驚いた。でも、その前にあの子が日本有数の極道一家の組長の娘って情報を知った時のほうがもっと驚いたぞ」

「は? え、何? それ俺聞いてないんだけど」

「……お前、よく生きて戻ってきたな」

「うっわぁ……じゃあ俺、下手したら背中に刺青入ったおっさんに指寄越せって迫られたり東京湾に簀巻きで沈められたりするところだったのか」

「野郎と真正面からぶん殴りあって鼻血と青痣まみれになっても気にしないような女で良かったな」

「だな。しっかし、もっと早く気付こうと思えば気付けたと思うんだよなー」

「ほう。例えばどんなタイミングで?」

「金的に蹴り叩き込んだ時とか。普通の男なら悶絶するけどアイツは顔さえしかめなかった。俺はてっきり琉球空手のコツカケまでマスターしてるのかコイツって内心感嘆してたんだけど、あれはただ女だからそんなに痛くなかったんだろうな」

「女の股に蹴り叩き込んだのかよ……」

「そんなゴミクス見るような目でドン引きすんなって! だってあの時はアイツのこと男だと思ってたし! だいたい俺と数十分ぶっ続けでどつきあって倒れない女がいるとか想定外じゃん!?」

「……まあ、そうだな。打たれ強さでお前に匹敵する同年代の女がいれば、そいつはゴリラかクマの雌くらいだと俺だって思っていた」

「それはいくら何でも失礼じゃね?」

「お前にだけは言われたくない」

 

 

◆清々しい痛み(花槍有粋&赤羽業)

 

 

「同じ相打ちでも、俺と違って有粋のほうはボロボロだね」

「この程度なら風呂に浸かって布団で寝ちまえば、次の日にゃあ元通りさ。関節だって外れてねェしな」

「『骨折未満は全部軽傷』、だっけ。花槍家の家訓の一つ」

「惜しい。『欠損以外は無傷と同じ』だ」

「わー。想像してたよりすっげーワイルド」

「ま、かなりイイ攻撃してくる奴だったから休んでも多少の痛みは残るかもしれねェがな。けど悪くない痛みだ」

「えー。なになに、有粋ってばアイツとの喧嘩楽しすぎてついにMに目覚めちゃったの?」

「目覚めてたまるか。そうじゃなくて、本当に良い攻撃だったんだよ。今までどれだけトレーニング積んできたのか、拳の重みや足運びの上手さでよく分かった。そういう奴と殴り合って得た痛みは、清々しくて気持ちいいモンなんだ」

「んー……俺も強い奴に勝った時は嬉しいけど、痛みが気持ちいいとかは思わないかなぁ」

「こればっかりは生まれつきの性分ってやつさ。アタシもボロボロになりながら笑ってるテメェを見る趣味ァねェから、精々そのまんまでいてくれや」

「言われなくても」

 

 


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