ISとコラボさせてみたくなって作りました。
独自解釈・性格改変がありますが、ご了承ください。
季節は春。幻想郷の妖怪の山は、緑色の中に桜色が混じるという美しさを出していた。そんな山の中を、ある親子が歩いていた。
「父さん。にとりが山の中で回収したってやつは、何なんだろうな?」
「にとりが興奮するものだから、機械なんだろうな。それも外の世界で作られたやつだろう」
黒髪に緑のメッシュが入った青年が、自分より少し背が高い父親に話しかける。一方で父親は、息子の問いに苦笑いで答える。
今日は、河童の河城にとりから「面白いものを回収したから、ぜひ見に来て欲しい」と言われて、二人でにとりのラボへ向かっていた。
ところで、この親子は何者なのか、読者も気になるだろう。
「父さん」と呼ばれた男の名は、
十数年前に幻想郷の支配を企てた龍、ミラボレアスを倒した一人である。
今は早苗と結婚し、守矢神社で家族に囲まれて幸せに暮らしている。
その家族のうちの一人、
小さい頃から父の話を聞き、今も憧れを抱きながら、強くなろうとしている。
黒髪の中に緑髪が混じっているが、これは地毛だ。きっと早苗の特徴も受け継いでいるのだろう。
二人は、少しわくわくした気持ちでラボに向かっている。しかし二人は……特に真は知らなかった。
にとりが回収したものによって、予想も出来ない大きなことを経験するということを…………。
山道を歩き、途中から川に沿って歩くと、目的地へと辿りついた。見た目はどこにでもありそうな掘っ立て小屋だが、実は中に入るとたくさんの機械が置かれている。
ここが、河城にとりのラボである。
「よく来たね、二人とも!まあ中に入ってよ!」
言われたとおり中に入ると、油の臭いが鼻を突く。しかし二人は気にしなかった。なぜなら、目の前に見たことの無いものがあったからだ。
『ソレ』は、鎧のようなものだった。
全体的に灰色で、二つの盾のようなものがある。しかし気になるのは、その盾の持ち手の部分が存在しない事だ。そのせいで真と護は、一瞬だけ普通の鉄板と間違えそうになった。
「にとり。これは何だ?」
「これはインフィニット・ストラトス。略してIS。霖之助さんによると、本来は宇宙に行く為のものだったらしいよ。外の世界では、兵器やスポーツの一種になってるらしいけどね」
真は、なぜ本来の用途から外れてしまっているか納得できた。ISは身体の一部しか覆えないつくりになっている。これでは、大気圏を突破する以前の問題になってしまう。
そして何より、武器だ。これがあることにより、兵器の一種にもなってしまったのだろう。
「ははっ。全身を覆う形で、さらに武器が無かったら、宇宙に行けたかもしれないのにな」
苦笑いしながら真がISに触れた瞬間・・・真の視界は白一色に染まった。
「ま、真!?」
場所は変わり、ここは外の世界のとあるラボ。その中で必死にキーボードを打ち込んでいる女がいた。
彼女の名は篠ノ之束。ISを生み出した天才、いや、天災科学者である。
「う~ん。どうして、いっくんがISを動かせたんだろう?ちーちゃんの弟だから?……とにかく今の状況はヤバイよね~」
チラリと隣のディスプレイを見ると、親友の家に大量の取材者が押しかけている映像が映っていた。
本来、ISは女性にしか動かせない。その理由は束でも分からない。
しかし、親友こと織斑千冬の弟、織斑一夏は動かせてしまった。ISは男性にも動かせるという希望が生まれた反面、一夏が様々な危険分子から狙われる可能性も生まれてしまった。
「さてさて、他の子も動かせるかな? いや、むしろ動いて欲しいんだよね~」
束は、密かに飛ばした小型衛星で、各地の検査の様子を見てみる。映っている男子は、量産型IS『打鉄』に触れる。しかし何の反応もない。一人、また一人と気落ちしながら検査会場から去っていく。
そしてとうとう、どの男子も起動できないまま終わってしまった。
「そんな……」
束は、椅子の背もたれに寄り掛かる。彼女の目から一筋の涙がこぼれた。
「どこかにいないかな……。いっくんの他にもISを動かせる男性……」
「
「っ!?」
束が振り返ると、胡散臭い笑みを浮かべた金髪の女性がいた。普通に立っているならまだしも、沢山の目玉があるナゾの空間が異様さを引き立たせていた。
「ど、どうやって入ってきたのかな? かなり厳重にロックをかけていたから、そう簡単に入れないはずだけど?」
「私の能力があれば、この部屋へ一瞬で来ることなんて造作も無いですわ」
束の頭は、不可解なことで一杯だった。能力?こっちの世界?一体何のことだろうか?
「今は訳の分からない事が起きてるかもしれないけど、そんな貴女に吉報があるの。貴女の言う、ISを動かせるもう一人の男が誕生しましたの」
それは、束にとって吉報そのものだった。
「本当!?」
「えぇ。何故か幻想郷に流れ着いたISに触れて、ね……」
どうして今まで男性には反応しなかったのか。もしも異世界と言う存在が本当にあるなら、ぜひとも見てみたい。
束は、初めて、空想上のものに興味を抱いた。
「色々とお話したいの。……来てくれないかしら?」
束は大きく頷いた。
もう少しだけプロローグをやって、原作に入りたいと思います。