インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

23 / 71
かなり遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年から勉強の日々・・・。投稿ペースはさらに遅くなると思います。ですが、失踪はしないつもりです。これからもよろしくおねがいします!


20話 専用機「夜影」

 あの多対一騒動から早数日。ついに学年別トーナメントが開催された。この間、一夏とのペアを巡って女子が殺到したが、一夏はデュノアとペアを組むらしい。俺も狙われたが、相棒とのペアを伝えると諦めていった。一部の女子は「本のネタになる!」とか言ってたけど・・・。

 さて、俺と相棒で、最初の相手を見てみる。

 

「最初の相手は、鈴とセシリアのペアか・・・」

「遠距離と近・中距離、互いの欠点を補ってますねぇ」

「厄介だなぁ。俺セシリアの狙撃苦手なんだよ。相棒に任せたわ」

「では、真さんは鈴さんの方を」

 

 二人で作戦を立てる。まぁ、単純に俺が片方の相手をしてる隙にもう片方を相棒がやるってだけなんだけど。とりあえず時間になったから、行くとしますか!

 

「グラビオス、出るぞ!」

「夜影、出ます」

 

 俺がピットから飛び出すと、歓声が沸き起こる。そして相棒の機体が出てくるとその声量はさらに高まった。

 相棒の専用機「夜影(よかげ)」は、量産機であるラファール・リヴァイブをスピード特化に改造したものだ。黒のカラーリングや少し大きめになっているブースター、ナイフのように鋭いウイングスラスターなど相棒らしさが伝わってくる機体だ。相棒の武装が気になるところだが、「秘密です」の一点張りで何も教えてくれなかった。まぁ、俺にまで被害が来るようなモンじゃないことを祈りますかね。

 

「やっぱりあんた達が来たわね」

「私たちの力、見せてあげますわ!」

 

 鈴とセシリアが俺たちに堂々と宣戦布告する。それと同時に試合開始のブザーが鳴った。俺は瞬時加速で鈴に詰め寄り、ファイアテンペストを展開して斬りつけた。

 

「うだらぁ!」

「がっ!? やっぱり真の武器は重いわね!」

「そいつぁ、どうもよ!」

「だけどわざわざ突っ込んでくれたのはありがたかったわ。食らっときなさい!」

 

 鈴によって先制攻撃が防がれる。その瞬間、後ろから衝撃がきた。なるほどねぇ。コイツが・・・

 

「衝撃砲か」

「その通り・・・って、よろけてすらいないってどういう事よ!?」

「機体の防御力を舐めてもらっちゃ困るぜ?」

 

 ファイアテンペストで切り上げるが、その前に鈴が双天牙月を二つに分離させた。武器を壊す作戦は失敗か。すると今度は胴体に衝撃。

 ・・・マズッたな。これは連続で来るパターンだ。

 

「ほらほらぁ! どんどん行くわよ!」

「ぬっ、ぐっ、がっ!」

 

 双天牙月によって何度も斬られて行く。これはアレだ。ナナシさんがたまに見せる双剣の戦法にそっくりだ。むぅ。だいぶシールドエネルギーが減ったな。

 

「そいやぁ!」

 

 鈴によるヤクザキックで、軽くよろける。すると鈴が少し笑みを浮かべる。

 

「セシリア! 今よ!」

 

 ほぉ? 俺の隙を見つけて狙撃させる作戦か。だが残念だったな。おそらくセシリアは・・・

 

「キャアアアアアアアア!」

「セシリア!?」

 

 鈴がセシリアの悲鳴がするほうへ顔を向けると、彼女は「影」によって滅多斬りにされていた。俺も見てみるが・・・うん。やっぱり相棒らしいぜ。よく見てみると、相棒が二本のブレードで様々な角度から斬りつけていた。そしてヤクザキックで突き飛ばしたあとにマシンガンを取り出して一箇所に撃ち込む。

 ・・・・うわぁ。えげつねぇ。あまりの光景に観客はおろか鈴も唖然としていた。

 

「くっ、ブルーティアーズ!」

 

 セシリアがBITを展開して牽制。四基のうち二基を囮にして、マシンガンの弾が機体のシールドエネルギーを削るのをやわらげた。さらに追い込みをかけるように側面から、残り二基のレーザーで狙い撃つ。

 

「ぬうっ!?」

 

 衝撃を受けて姿勢を崩す相棒。だが、そんなんで倒れるほどアイツは弱くない。

 なんと相棒は、ブレードを二本ともBITに向かって投げやがった。それに気付いたセシリアはすぐに動かして破壊されるのを免れようとするが、相棒はこれが狙いだったんだろう。セシリアへ詰め寄りながら武器を・・・同じブレードを取り出して、一気に斬り付ける。

 

《セシリア・オルコット、シールドエネルギー0》

 

 セシリアの負け判定が出る。さて、と。相棒がここまでやったんだ。俺も行きますか!

 

「何よ、あれ・・・・」

「俺の頼もしいパートナーだぜ。行くぞ、鈴!」

「セシリアの分も行かせて貰うわ!」

 

 俺はファイアテンペストを、鈴は双天牙月で大きく振りかぶった。

 

 

 

 

~千冬視点~

「まぁまぁの戦いだったな」

 

 私はコーヒーを飲み、ポツリと呟く。東風谷の瞬時加速や、十六夜のラピッド・スイッチなど目を見張るものがあった。もちろん、専用機持ちである二人にも成長性が見られた。オルコットは射撃武器を盾にするという発想を使い、凰も容赦の無い斬撃によって、防御力がかなり高いグラビオスのシールドエネルギーを大きく減らした。

 だが、四人ともまだ攻撃が荒い。東風谷と凰は攻撃が大振りだし、オルコットはまだ近接武器の展開が遅い。十六夜は自分の得意武器を相手に伝えてしまった。これではまだまだだな。

 

「良かったとは思わなかったんですか? 織斑先生」

「山田君か。良い所もあったさ。だが、あいつらはまだまだ若造だ。変に褒めちぎって天狗になられたらたまらん」

「だから弟さんにも厳しいんですね~。勉強になります!」

「ふふっ。さて、次のペアは・・・織斑&デュノアペアと、篠ノ之&四十院ペアか」

「どちらもアリーナで特訓してたらしいですよ。篠ノ之さん達にも期待しちゃいます!」

 

 箒も変わったな。前に見たときは束やISを恨んでいるかのような雰囲気だったのに、今では積極的にそれに関する授業に取り組んだりしている。束との和解も近いか? いずれにせよ、彼女が変わったことに嬉しさを隠せなさそうだ。

 だが・・・・

 

「ラウラ・・・一体どうしてしまったんだ」

 

 私は、ラウラのあの表情が信じられない。今彼女は精神安定剤を飲ませつつ保健室で待機させているが、情緒が非常に不安定だ。私の前では冷静にしていられるが、それ以外だと殺気を出してくる。特に一夏に対しては。

 第二回モンド・グロッソの時、私の棄権を狙った者たちが一夏を誘拐した。その時の捜索に協力をしてもらったのがドイツ軍で、その借りを返すために教官としてやって来たときに彼女と出会った。

 彼女の才能を開花させるために、私は色々な指導を行なった。彼女は見る見るうちに成長していき、そして・・・私に心酔した。そのときに一夏の話をしてしまったのがいけなかったのだろう。棄権の事を根に持つようになっていった。

 だが、なぜ彼女は殺そうとしてくる? 彼女のあの気持ちは、恐らく私と家族でいる事への嫉妬だ。たとえ私が許してやれと言っても、彼女は渋々了承するか、少し屁理屈を言う程度だっただろう。なのに・・・・

 

『教官は分からないのです! ブリュンヒルデを手にしたとき、その功績によってどれほどの人間があなたに尊敬と畏怖の念を抱くか! 織斑一夏をそれをぶち壊したのです! それは死に値する!』

 

 あの時、ラウラはそう言った。なぜだ。家族を失ってまで手にした栄光など、私は手にしたくないというのに・・・。

 

「織斑先生、緊急事態です!」

「ど、どうした?」

「厳重に保管していたシュヴァルツェア・レーゲンが、盗まれました!」

「何!?」

 

 プログラムに異常があったラウラの専用機は、我々が没収して検査をしていた。搭載されていたのは、『ヴァルキリートレースシステム』ともう一つ、謎のプログラム。非常に危険なため削除している最中だった。かなり厳重に保管していたのに、なぜ?

 

「監視カメラを映せ!」

「はい!」

 

 映像には、保管室にいる担当の教師が倒れていた。すぐに映像を逆再生させる。すると、清掃員の格好をした者が何かを教師に打ち込んで倒れさせている。無人機の件以来警備を強化させているつもりだったが、変装すら見抜けなかったとは・・・。

 

「先生! 保健室からの連絡で・・・・」

「何だ? まさか・・・」

 

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒさんが専用機を持ってアリーナへと向かっています!」

 

 

 

 




迫り来るラウラの狂気。一夏たちはどうするのか?

では、次回もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。