インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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二巻の最後にあたる部分ですね。

後半、のほほんさんと真がイチャイチャします。



23話 トーナメント戦後

「み、みなさん、おはようございます・・・・」

 

 タッグトーナメント戦の翌日。俺たちの副担任こと山田先生が、何やら疲れた表情で教室に入ってきた。一体何があったんだ?

 すると、一夏が顎に手を当てて呟いた。

 

「目玉焼きが半熟じゃなくてテンション上がりません、とかか?」

「お前は何を言って・・・いや、山田先生だと、何か否定できねぇ」

 

 こう言っちゃ悪いけど、慌て方とか弱気なところって子供ぽく感じてしまうんだよな。・・・あっ、ジト目で睨んでる。

 

「今日は皆さんに転校生を紹介します・・・。転校生って言うよりは、もう皆さんに紹介済みと言いますか。はぁ・・・・」

『『??』』

 

 山田先生の言葉に首を傾げる俺たち。転校生でありながら紹介は済んでいる? どういうことだ?

 

「じゃあ、入ってください」

「失礼します」

 

 ん? この声は―――――。そうか、なるほど。どうりで朝から姿を見ない訳だ。

 

「シャルロット・デュノアです。よろしくお願いします」

 

 ぺこりと頭を下げるのは、『女子の制服を着た』デュノアだった。そうかぁ。女子として過ごすことに決めたのか。デュノアは俺と一夏をチラリと見ると、小さく手を振っていた。俺たち二人は、彼女が行き方を決めたことに安堵の笑みを浮かべてしまう。

 一方教室では、男子だと思っていたのに女子だったということに対して、驚きや落胆などの声が出てくる。だが、誰かのある一言によって、その空気は固まる。

 

「確か織斑君って、デュノアさんと同室だったよね?」

 

 ・・・・・あ。そういえばそうだった。

 

「昨日って確か、男子が大浴場使ってたよね!?」

 

 え、そうだったの? 俺は帰ってすぐにシャワー浴びて寝てたから、分からなかった。

 横目で一夏を見ると、嫌な予感を感じ取ったのか顔を青くしていた。それと同時に、後ろから殺気のような物を感じる。恐る恐る振り返ると、般若の如きオーラを漂わせてる箒が・・・って、怖っ!

 

「一夏! まさか、デュノアが女だということを知っていたのか!?」

「えっ、あ、いやぁ・・・そのぉ・・・ハイ」

「では、風呂に入ったのは本当なのか!?」

「いや、それはさすがに・・・」

「酷いよ一夏~。昨日は背中をピッッッタリと合わせたじゃないか~」

「あ、ちょっ!?」

「一夏ぁ! そこに正座だ!」

「待て、箒! 確かに風呂には入ったけど、やましいことはしていない! 無実なんだぁぁ!」

 

 ・・・・・・修羅場と化してる。っていうか、一夏とデュノアは何やってんだよ? よく見ると、デュノアの奴は顔を赤くしながらクネクネしてるし・・・。明らかにこの場を楽しんでるだろ?

 すると、扉がガラッ!と勢いよく開かれた。あれは・・・鈴?

 

「一夏ぁ! 廊下まで聞こえたわよ! 私にも詳しく説明しなさい!」

「鈴さん! まだSHR中ですから!」

 

 衝撃砲を展開しようとしてる鈴と、それを抑えようとしてる相棒。教室では箒が一夏に説教をして、デュノアがその場を乱してる。セシリア? 彼女は風呂場の出来事を妄想してしまったのか、顔を赤くしてる。えーと、もしかして俺って空気?

 そう思っていると、鈴が突如崩れ落ちた。スパァンッ!という音と共に。彼女の後ろには、ボーデヴィッヒを連れた織斑先生がいた。最近俺の中で、出席簿が武器の一つに数えられてもおかしくないような気がしてきた・・・。

 

「SHRを抜け出すな馬鹿者。十六夜、教室へ戻ってくれ」

「はい。かしこまりました」

 

 相棒が一礼をすると、鈴を引きずって戻っていった。それを見送った織斑先生はそのままツカツカと箒とデュノア、一夏の後ろへ立ち、出席簿を振り下ろす。

 

「「「ぎゃうんっ!?」」」

「SHRでは無闇に騒ぐな。それと席を勝手に立つな」

「(き、教官・・・。ドイツ軍での時代よりも威力が上がっている・・・)」

「さて、遅くなってしまって申し訳ない。見ての通り、ボーデヴィッヒの体調が回復した。これからは再び彼女も授業を受ける事になるが・・・その前にボーデヴィッヒから言いたい事があるのだそうだ」

 

 すると、ボーデヴィッヒは少しだけ前に出ると勢いよく頭を下げた。

 

「こ、今回は、皆にこのような迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ありませんでした!」

 

 ・・・ほう。昨日、相棒がボーデヴィッヒと話がしたいとは言っていたが、まさかこのような事になるとはね? どうやら彼女は何か新しい目標のようなものを見つけたみたいだ。たった一言の謝罪の言葉だが、彼女の真剣な眼差しと姿勢、雰囲気から、何かが変わったと分かる。

 すると、一夏がジッとボーデヴィッヒを見ていた。

 

「・・・・・・」

「織斑一夏。私はお前を倒そうと思うがあまりに悪魔の取引に応じてしまった、愚か者だ。だが、今度はその様なものに頼らずに、お前を倒してみせる!」

「・・・・望むところだ!」

 

 一夏とボーデヴィッヒが硬い握手をする。その瞬間、箒とセシリアが二人に拍手を送った。当然、俺もだ。そしてそこからクラス中に拍手が沸き起こる。

 ・・・なんつーか、俺と相棒がコンビを組んだ時と似てるなぁ。

 

 

『絶っっ対に、テメェに参ったと言わせてやる! 正々堂々と、自分自身でぶつかってやらぁ!』

『望むところです! そのゴツイ身体、大きな傷を刻んでやりますよ! 宝玉に頼らなくともね!』

 

 

 いけねぇ。チビだったころを思い出しちまった。幻想郷にいた頃を思い出して、少しだけ心が切なくなる。

 

「さて、それではSHRを終了する」

 

 織斑先生の一言で、この大騒ぎのSHRは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 昼休み。俺は本音や一夏たちと共に、食堂で昼飯を食っていた。

 

「それじゃあラウラさんは、今はドイツの代表候補生ではないと?」

「うむ。専用機の詳しい検査と、イベントを潰してしまった事に対する罰と言う事で、代表候補生の資格を一次剥奪するというそうだ。最悪、そのまま資格は取り消され、軍からの降格か退役処分もあるだろうな・・・」

 

 シャルロットとラウラから、それぞれ下の名前で呼んで良いと言われた。それで今俺たちが話しているのは、二人のこれからについてだ。

 

「しかし、他人との書類が混じってて記入ミスとは・・・政府側も大変みたいですわね」

「そ、そうだね。アハハハ・・・・(うぅ~! 会社の命令で男装してたなんて言えないよ~。確かに、政府側が間違えたって事にはなってるけどさ~)」

 

 セシリアとシャルロットが話をしている。え? 一夏はどうしたのかって? そりゃあ・・・・・

 

「一夏、アンタねぇ・・・・。アンタのラッキースケベは違う意味で天才よ!?」

「女子の告白に気付かないのにラッキースケベは起こるというのは、一種の才能ではないのか?」

「がぁっ! 心が抉られる! そんな道端の石ころを見るような目で見ないでくれ!」

 

 シャルロットとの生活を聞き出していて、なにやら男装が判った瞬間について自白させられてる。つーかシャワーを開けたときに男装が分かったって・・・・・。あいつは凄いな。あんまり憧れないけど。

 

「むぃ~~~」

「お前は相変わらずのほほんとしてるな、本音」

「東風やんとのご飯は~、ぽわぽわして美味しいんだ~♪」

 

 柔らかい笑みを浮かべて美味しそうにオムライスを頬張る本音。何だよ。嬉しくなっちまうじゃないか。顔が少しだけにやけてるのを自覚しつつも、味噌汁を一口。うん、美味い。

 すると、他の奴らが俺と本音を見ている。ん? 何だ?

 

「思ったけど、真とのほほんさんって・・・・」←一夏

「お似合い、ですわね」←セシリア

「さりげなく甘い雰囲気を作り出してるな」←箒

「何というか・・・お兄ちゃんと妹って感じ?」←鈴

 

 何で俺がお兄ちゃんの立ち位置になってるんだよ・・・。前にも言ったかもしれないけど、俺は一人っ子だっつうの。

 俺が豚のしょうが焼きを食っていると、本音がその皿をじっと見つめている。まさかと思うが・・・。

 

「東風やん~。そのしょうが焼き一切れ頂戴~」

「やっぱりな。そんじゃあ、オムライスと交換だぞ?」

「大丈夫だよ~。だから・・・・あーん」

「え?」

「あーん♪」

 

 少し大きめに口を開けて待機してる本音。周りがざわついているが、その理由は分かる。これは・・・俺が食べさせてあげるやつだ! マジで? 母さんが父さんにやってるやつと同じことをするの!?

 

「ほら真? 布仏さんも待ってるんだからやってあげなよ~」

「シャルロット、てめぇ・・・! 相棒! 助けてく―――――」

「しかし、あの時の剣さばきは中々だったぞ。高速切替というものか?」

「そうみたいですね。しかし、私よりも父のほうがナイフの取り出しが早いんですよ。本当、修行の時は死にそうになりました・・・」

「と、遠い目をしてるが何があったのだ!?」

 

 駄目だ。ラウラのやつと話をしてる・・って、こっち見てニヤけてないか!? わざとだろ相棒!

 見ると本音は、少し悲しそうな顔をしながら俺を見てる。

 

「むぅ~~~~・・・・」

「あ・・・そのぉ・・・」

「あ~ん」

「分かったよ。あげるから。あげるからそんな目で見ないでくれ。・・・ほら。あーん」

「わーい! あーん」

 

 満面の笑みでしょうが焼きを頬張る本音。ところで、何で皆はもっと騒いでるの?

 

『いま、東風谷くん自分の箸であげてたわよね!?』

『ってことは、関節キスよね!?」

『『『『キャァァァァァァァァ!!』』』

 

 本音はオムライスを一口分スプーンですくうと、俺のもとへ運んでくる。癒されるのほほんスマイルを振りまきながら。

 やる方はやる方で恥ずかしいんだが、やられるのも恥ずかしいな・・・。

 

「お返しだよ。はい、あーん♪」

「お、おう。あーん、むぐむぐ・・・」

『『キャアアアア!』』

「た、互いに間接キス!? どうしてアタシ達には出来なくて、あの娘には出来るのよ!?」

「気が合うもの同士だからこそ出来るものなのか? むむむ・・・。私も一夏に積極的に仕掛けるべきか?」

 

 外野が何か騒いでるが、俺たちはその事を気にせずに食事を続けたのだった。

 

 

「美味しかったね~、東風やん」

「そうだな。俺もさ、本音と一緒に食べるご飯って、心が暖かくなって楽しいんだよ」

「はうっ!? あ、ありがとう~」

「おーい? 顔が赤いぞー?」

 




のほほんさんは可愛い。私はそう思います。
次回は、真がレゾナンス・・・でしたっけ? 買い物に行く話の予定です。

それでは、次回もお楽しみに!
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