インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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今回は、レゾナンスへ向かうお話です。
また、のほほんさんの視点もありますが・・・彼女の口調っぽくないかもしれません。ご了承ください。

「アンチタグは念の為」を消しました。


24話 いざ、レゾナンスへ

『おとーさーん! ご飯だよー!』

『あぁ。今いくよ、真』

 

 晴れ渡っている幻想郷の空の下、俺が大きな声で呼びかける。すると、神社の湖の近くの畑でクワを振るっていた父さんが、俺のほうへ顔を向けて笑顔で答えた。

 また午後にでも作業の続きをするんだろう。クワをそこら辺に置くと、首に掛けてた手拭いで汗を拭う父さん。そんな父さんに、俺はあるおねだりをする。

 

『おとうさん。肩車してー!』

『はっはっは。お前は肩車が好きだなぁ』

『うん! とっても高くて、好きー!』

 

 目の前がぐっと高くなって、地面を見渡すような高さになる。遠くから守谷神社の鳥居が見える。今日のお昼ご飯は、母さん特製のおうどんだ。八雲藍さんがおすそ分けした油揚げを使ったきつねうどんだから、早く早くとせがむ。父さんは笑いながら、はいはいと答えて、歩くスピードを少しだけ早くした。

 ・・・しばらく歩くと、俺は、ある疑問を思い出した。

 

『おとうさん。どうして僕の名前は真なの?』

『え? どうした、いきなり?』

『諏訪子さまとか神奈子さまが言ってたよ。名前には意味があるんだって。なんで僕の名前は真なの?』

『え、あ、いやぁ・・・。今のお前には、理解できるのが難しいんじゃないかなぁ?』

『おーしーえーてー!』

『あ、危ない! 頭を揺らすな! 分かった! 分かったから!』

 

 いっつもそうだ。父さんは、「お前には難しいから」って質問を誤魔化す時がある。俺は父さんの頭を両手で掴んでグラグラと揺らす。

 でも、父さんの力には敵わない。脇腹を両手で掴まれると、そのまま地面に降ろされた。もうちょっと高い景色を見たかったのに・・・。

 父さんは俺の頭に片手を置くと、優しく撫でる。そして俺に目線を合わせるようにしゃがんで、俺を見つめながら答えた。

 

『真。お前の名前の意味は――――――――――――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――やん! 東風やん!」

「・・・んぁ?」

「もうちょっとで着きますよ。起きてください」

 

 肩をゆさゆさと揺られて目を開けると、父さんの顔は無く、車窓から景色が流れていた。ちらりと横を見ると、学園の制服を着た本音が、俺をじっと見つめている。

 少し目を瞬かせたあとに周りを見渡すと、同じように制服を着た相棒と、眼鏡をかけた水色髪に赤い目の女子・・・確か、簪って名前だったか? その二人も俺を見つめている。

 

「あれ? 俺・・・」

「忘れたの~? 今日は、臨海学校に向けてお買い物するって話だったでしょ?」

「・・・あぁ。あぁ、そうだった」

 

 思い出した。もう少ししたら、校外実習こと臨海学校ってのがあるらしい。3日の日程のうち初日が自由時間で、その遊び場所と言うのが・・・

 

「海、かぁ」

「東風やんは、海を知らないの~?」

「いや、父さんや母さんから話を聞いたことがあるくらいで、な。行くのは・・・」

「もしかして、東風谷くんと十六夜君は、海無し県出身なのかな?」

「ま、まぁそうですねぇ。アハハハ・・・・・」

 

 そう。海っていう、妖怪の山や紅魔館の近くにある湖よりもデカイ水たまりなのだ。父さんや母さん、白斗さんなんかが偶に話してくれて、そのインパクトが強すぎて印象に残っている。とても塩辛いって聞いたけど、どんな感じなんだろう? 味噌を入れすぎた味噌汁みたいな物なのかな?

 とにかく、泳げるほど広いらしいから、水着を買いに行こうと本音に誘われたのが昨夜のこと。そして今朝、相棒のルームメイトである簪も一緒になったんだ。(互いに自己紹介をした後に、姉と混同されない為にも下のほうで呼んでほしいといわれた)

 それで、このモノレールってのに乗ってデカイ店に向かってる途中、日光の気持ちよさに俺は眠ってたわけだ。

 

「海に行ったことがないってことは・・・泳げないの?」

「いえ、泳げますよ。川とか湖で泳いでましたので。ただ、真さんは・・・」

「言うな。言わないでくれ、相棒!」

「川を泳ぐというよりは、流されてるのが多かったですよね?」

「言うなっつってんだろうがぁ!」

 

 修行の一つに、にとりの操る激流を耐え抜くってのがあった。河童の河城にとりは「水を操る程度の能力」ってのを持つ。その力で川の流れを激しくして、俺はそれにひたすら踏ん張って耐え抜くってやつだ。

 だが、俺の能力「岩竜になる程度の能力」は、水に弱い。水圧による痛みは尋常じゃなく、下手したら死ぬような内容だ。だが、父さんは言った。

 

『敵に弱みを見せるような鎧となるな。弱みを見せない、不動の要塞となれ』と。

 

 これは俺だけじゃなく、父さん自身にも言いつけていることらしく、父さんも似たようなことをやっているのを見たことがある。だから、俺は文句を言わずにやってこれた。

 ・・・まぁ、ものの見事に山の中腹から一気にふもとまで流されたけどな!

 

「泳げないわけじゃないんだよ。そこは勘違いしないでくれよ?」

「大丈夫。いざと言うときは、私がレクチャーしてあげるからさ~」

「本音、その優しさは偶に物凄いダメージを与える劇薬になるからな?」

「っていうか、本音のレクチャーって不安・・・」

 

 そうこうしている内に、駅までついたようだ。俺と相棒は、本音と簪と共に、外の世界の喧騒へと突入した。

 

 

 

 

 

~本音視点~

 

「おぉ、スゲェ。相棒。あれが車ってやつじゃねえか?」

「真さん、あまりキョロキョロするのはみっともないですよ。・・・うわ、本当だ」

 

 東風やんとみっちーは、辺りをキョロキョロとしながら興奮している。二人とも田舎の出身だって聞いてたけど、車もないような遠い遠い山奥から来たのかな? 一体どんな場所なんだろう? いつも東風やんはお父さんやお母さんの事を嬉しそうに話す。そして周りの人たちも、厳しい人もいるけどいい人たちばかりだって言ってた。それに、女の人が男の人より偉いなんて考えを持つ人もいないって言ってた。きっと、いい場所なんだろうな~。

 ずっと前に、東風やんとかみっちー、おりむーのことを良く思ってない先輩達が、東風やんのことを『マザコン』とか『ファザコン』なんて言って馬鹿にしてるのを聞いた。聞いてしまった。その時に胸がチクリと痛くなった。彼はただ親のことが大好きなだけなのに、なんで馬鹿にされなくちゃいけないんだろう? そう思ったんだ。

 

「二人とも、大きな街に来たのは初めてみたいだね」

「そうだね~。そういえばかんちゃんは、どんな水着にするの~?」

「・・・考えてなかった」

「ほえ?」

「十六夜くんが、たまには外へ出てリフレッシュしてみましょうって、無理やり・・・」

 

 そっか。きっと、みっちーはかんちゃんが少し無理してるに気付いたんだ。

 かんちゃんは日本代表候補生だけど、専用機がまだ完成してない。倉持技研がおりむーの白式を開発する事を優先しちゃったから、かんちゃんの打鉄弐式が遅れてしまった。そしたらかんちゃんは、自分ひとりで作り上げるなんて言い出して、いつもいつも夜遅くまでプログラミングとかをしている。

 見ると、前まで疲労が顔に出ていたのに、何か顔色が良いような気がする。きっとみっちーが、色々と気を使ってくれてるんだなぁ。

 

「・・・私は全然駄目駄目だなぁ」

「・・・どうしたの、本音?」

「うぅん。ひとり言~。早く行こうよ。東風やんとみっちーも~!」

「うん? あぁ、待ってくれよ!」

「あ!? いつの間にあんなところまで!?」

 

 東風やんとみっちーは、私達と距離が離れてることに気がついて、大慌てで走ってきた。おぉ~、はやーい。

 

「悪い悪い。俺としたことが、はしゃぎ過ぎたぜ」

「真さんならともかく、私まではしゃいでしまうとは・・・」

「おうコラ、どういう意味だ?」

 

 東風やんは言葉では怒っているけど、表情は笑ってる。この二人はとても仲が良い。

 私はちらりとかんちゃんを見る。・・・やっぱり、まだ仲良く出来ないのかなぁ。

 

「冗談ですって、全く」

「相棒の冗談は笑えねえんだよ。さて、バカはこれくらいにして行こうぜ。店の名前はなんだっけか?」

「レゾナンス、だよ」

「サンキュー、簪。そんじゃあ早速行こうぜ!」

 

 東風やんの掛け声に、私は「おー!」と腕を上げて答える。

 

 

 

 

 でも、私は知らなかったんだ。まさか、東風やんのあんな顔を見るなんて・・・・・・・。




一体、レゾナンスで何があったのか?ヒントは、女尊男卑です。

では、次回もお楽しみに!
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