インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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何とか、引っ越し先での暮らしにも慣れ始めてきました。お久しぶりです、G大佐です。


今回は、久しぶりの戦闘回です。擬人化モンスターの登場ですので、「擬人化はちょっと……」という方は、ブラウザバックをどうぞ。


31話 海からの襲撃者

《現在、私たちの方では異常がありません。真さんの方は大丈夫ですか?》

「大丈夫だ相棒。今のところ、おかしな点は見当たらない」

 

 作戦が開始して数分。俺は、一夏と福音が激突すると思われる場所から最も近い位置の岩場で待機していた。俺のISは長時間の飛行が苦手なため、空中戦ではなく地上から援護射撃するという作戦だ。

 ……しかし、俺としては、申し訳ない気持ちで一杯だ。初めて会ったときに俺は、「お前を空へ飛ばしてやる」と約束したのに……全然飛ばすことが出来ていない。

 

「怒ってるよな、グラビオス」

《…………》

「応答無し、か…………む!?」

 

 奥の方から光が見えた。二つの光だ。恐らく……

 

「一夏と福音が戦ってるのか! よし!」

 

 ハイパーセンサーの感度を最大にして、カブレライトキャノンを展開する。

 

「徹甲榴弾、装填完了! さぁて……」

 

 スコープを覗き、相手を確認する。

 ……速いな。狙いが定まらない。これじゃあ一夏とセシリアに当ててしまう! フレンドリーファイアなんて、洒落になんねえぞ!

 

「クソッ! せめて相手がこっちに来てくれれば……」

 

 

―――――――警告、生体反応確認!

 

 

「何っ!?」

 

 その瞬間、足を何者かに掴まれる。そしてそのまま…………

 

「おおぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 海に引きずり込まれそうになる。俺は慌てて背中のブースターを全開にして抵抗した。このパワー……! やはりモンスターか!

 

「ぬおおおっ! クソッたれぇぇぇ!」

 

 歯を食いしばって一気に飛ぶ。その瞬間現れたのは、青い髪をしている上半身裸の男だった。

 

「ぬうっ! やはりバサルモスの力を持つのは伊達ではないか!」

「お前、俺の力を!?」

「当たり前だ! 私の……いや、我々の主はかつて貴様の父によって殺されたのだ! 主の無念を晴らすためならば、子孫の名前すらも調べ上げるのだ!」

 

 男はそう言うと、体の周りを発光させる。このバチバチという音はまさか……

 

「俺はヴァレッタ! 人間からはラギアクルスと呼ばれた男よ! 主の無念を晴らさせてもらう、東風谷真ぉ!」

 

 雷を身に纏って突っ込んで来る。俺は急いで避けようとするが……。

 

「しまった! この足場じゃ……!」

 

 岩場が崩れそうになり、慌てて足を引っ込める。この小さい足場じゃ、ISを着けてても駄目だ! こうなったらISを解除するしかない! でも解除したら、おそらく福音の…………あぁクソ!

 

「流れ弾が来ませんように! すまん、グラビオス!」

《頑張ッテ、オ兄チャン!》

 

 俺はグラビオスからの応援を受けながら解除し、拳を鎧化させる。こうやって海に潜んでいられるって事は多分、コイツの弱点は炎だ!

 

「ファイアウォール!」

「むっ!?」

 

 炎の腕を交差させてガードすることで、相手の攻撃を中断させる。炎を察したヴァレッタは一瞬だけ動きが止まる。隙ありだ!

 

「オラァッ!」

「ガァッ!」

 

 そのまま奴の顔面に一発拳をぶち込んでやる! もう一発だ!

 

「何度もくらうかぁ!」

 

 ヴァレッタが、身体の周囲を雷で覆う。ぐっ……大きなダメージにはならないけど、バチバチとしびれる感じが鬱陶しい!

 

「ぐっ!」

「ぬぉらぁ!」

「おぉっと!?」

 

 今度はタックルしてきた。さらに掌に雷を……!?

 

「やらせねぇ!」

 

 俺は霊力を集中させて光弾を作り、相殺する。ヴァレッタは一瞬驚きはしたものの、今度は口から雷の球を放った。何とか避けるが……

 

「コイツもくれてやる!」

「やばっ……!」

 

 今度は周りに球状の雷を3つほど回転させる。その軌道上に俺がいる。ま、間に合わねぇ!

 その瞬間、俺の体を痛みが駆け巡る。針で何度も刺されているような、チクチクとしたものではなく、ブスッブスッと刺されてるような痛みだ。それが全身を駆け巡るのだからヤバい。

 

「あがががががが!!」

「はっはっは! 大海の王という名は伊達ではない!」

「嘗めんじゃ、ねぇ!」

「むっ!?」

 

 頭を鎧化させて頭突きをする。拳で殴り、足払いで転ばせる。

 

「おぉぉぉぉぉぉ!」

「ぐっ、ごっ、がぁっ! おのれぇぇ!」

 

 顔面を何度も殴り、今までやられた分を返す。だがヴァレッタもやられっ放しではなく、俺に頭突きをし返す。仰け反った隙を見て、奴は立ち上がった。

 

「おのれ、俺としたことが。 慢心していたようだな……」

「そのまま油断してくれてたら助かったんだけどよ」

「ぬかせ。主の遺志のためにも、我々と渡り合える貴様ら……モンスター能力者は邪魔なのだ」

 

 モンスターと渡り合える……? この世界にはISや戦車と言った物もあるのにか?

 

「確かにアレも厄介だ。だがな、お前はこの世界の人間どもを見たであろう?」

「?」

「同じ種族である人間は今、男と女に分かれて対立している! 男が女を恨み、女は男を蔑んでいる!」

 

 確かに、ISの登場で女尊男卑になっちまった。俺も、そんな女たちに父さんたちを馬鹿にされた……!

 

「同族で争ってる以上、そんな人間を相手にするのは力と時間の無駄だ。ならば貴様らから排除する」

「そういう事かい……。色々と教えてくれてありがとさん……」

「そんな口も、すぐに叩けなくしててやる……む!?」

 

 その時だ。俺たちのいる足場に、大量の光弾が降り注いできた。あたりが爆発に包まれる。

 

「ぐぅっ! ISとやらの流れ弾か!」

 

 どうやら、福音によって広範囲の攻撃が放たれたようだ。このままでは、俺とヴァレッタがいる所はくずれてしまうだろう。

 ヤバいな。体力が少ないこんな状態では逃げられねぇ。出来る事といったら……

 

「『鎧化』……。これしか出来ねぇ、か……」

「ちぃっ! そのまま爆発に飲まれて消えるが良い!」

 

 ヴァレッタはそう言うと、海に飛び込んで逃げた。俺だけがこの場に残される。

 

《―――――――! ―――――!》

《――――!》

 

 この声……相棒と鈴か? ボンヤリとしか見えないが、セシリアとシャルロットの二人がぐったりしている一夏を背負っている。

 あぁ成る程……。失敗、しちまったのか……。

 

 そして、俺の視界は真っ暗になった。

 




福音の攻撃に巻き込まれた護。意識を失った一夏。その時、ミツル達は……。

次回を、どうぞお楽しみに。
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