退院してテストを終えたあと、普通自動車免許を得るために教習所に通ってました。
区切りを良くするために、戦いは次回になってしまいます。本当にすみません。
久しぶりの投稿ですが、今回も読んでいただければ幸いです。では、どうぞ!
「…………湖?」
トンネルを抜けると……じゃなくて目を開けると、そこは湖だった。周りを木々が覆っていて、見上げれば青空が見える。
おかしいな? 俺はあの時ヴァレッタと戦っていて、空からの光弾の雨に巻き込まれて……。
《お兄ちゃん……》
「ん? ……母さん!?」
少し視線を下げると、そこには、小さくなった母さんがいた。な、何で母さんがいるんだ!? ていうか、何か幼くなってるような……。
ん? この声で「お兄ちゃん」と呼ぶのは……。
「もしかして、グラビオスか!?」
《正解~!》
「何だよお前、巫女服なんて着ちゃって!」
《わ~! 高い高い~!》
思わず高い高いをしてしまう。まさか、自分のISコアが人間の姿をして話しかけてくるとは思わなかった。初めて起動したときは、ただ声が聞こえてくるだけで、姿は見えなかったもんな。
てことは、ここはISコアの世界ってことか?
《うん。正確には、お兄ちゃんに似合いそうな景色を選んで映し出してるだけなんだけどね。あまり詳しく話すと……分からないでしょ?》
「おい、俺がバカだと言いたいのかコラ」
《うにゃ~! 頭をワシャワシャしないで~!》
遠回しに俺のことバカと言ってるみたいなので、頭をワシャワシャしてやる。反省しなさい、全く。
「で? ただこの景色を見せたいだけじゃないんだろ?」
《……うん》
グラビオスは、少し悲しそうな顔になる。
《…………ごめんなさい》
「ん? 何で謝るんだよ? さっきのことはもう気にしては……」
《そうじゃないの。お兄ちゃんにはとても強い力がある。だけど、私まで加わったせいで、お兄ちゃんが全力を出せない状態にしちゃった……》
つまり、俺の足枷になっちまってるって言いたいのか。やれやれ。んなこと気にしなくても良いのに。これは、俺がグラビオスをうまく扱えるかどうかの問題だ。
「これは、お前じゃなくて俺の問題だと思うんだがなぁ」
《お兄ちゃん一人じゃ駄目なの! お兄ちゃんは私に、動き回る楽しさを教えてくれた! いろいろな人と話して、私に人間を見せてくれている! それなのに……私だけお兄ちゃんに何もしてあげられないなんて、嫌だよぉ……》
「お前……」
涙をこぼしながら訴えてくるグラビオス。その様子に罪悪感が芽生えてきた。
《もっと私に頼ってよぉ……!》
「うぅっ……。そうは言っても……」
俺に出来る事と言ったら、精々、敵を殴るか蹴るくらいだし……。
《……お兄ちゃんは、その戦い方が得意なんだね?》
「え? あ、いや、まぁそうだけど……」
《私、お兄ちゃんが戦いやすいように、武器とか変えてみるよ! 頑張る! ふんすー!》
「おぉう!? そ、そりゃあ頼りにするけど……」
すると、目の前が眩しくなってきた。グラビオスの姿も見えなくなってくる。マズイ! せめてあの子に、俺が言いたいことを伝えないと!
「グラビオス!」
《ふえ?》
「俺も力を貸すぜ! お前がもっと空を飛べるように!」
《! うん……うん!!》
そして、目の前は完全に真っ白になった。
目が覚めると、旅館の天井が見えた。つまり、あの不思議な空間から帰ってきたということだ。
「真、大丈夫か?」
「……一夏?」
ふと隣を見ると、一夏が俺を心配そうに見ていた。
あれ? 確かお前ってボロボロになってなかったっけ? 見た感じすげぇピンピンしてるけど?
「お前、傷とか大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ。目が覚めたら治ってた」
「マジかよオイ!?」
たぶん寝かされてたんだろうけど、寝ただけで治るとか……。あ、それは父さんたちも一緒か。何はともあれ、一夏も回復したみたいだから良かったぜ。
「なぁ真。福音……どうなったんだろうな」
「いや、さすがに別の部隊とかが食い止めたんじゃないか? 俺たちが寝てる間によ」
「そうだと良いんだけど……」
「とりあえず、だ。今の状況を織斑先生に聞きに行こうぜ?」
「……だな。行こう」
さすがに俺たちが再び出撃するのを待ってるわけなんて無い……よな?
俺と一夏が部屋を出て廊下を歩いていると、3人の姿が見えた。相棒とラウラ、そして簪だ。見た感じ、相棒が二人に問い詰められてるように見える。
「よう、相棒。どうした?」
「ま、真さんに一夏さん!?」
「「えぇ!?」」
おいおい、何だよその反応。まるで幽霊でも見てるかのような顔しやがって。
「き、傷はどうした!?」
「奇跡的に軽傷だぜ。一夏に至っては全快よ。なぁ?」
「あぁ。なぁ、ラウラ。銀の福音はどうなった?」
「えっと、奴はなぜかその場から動いていない。その場で静止している」
「おうふ……」
予感が的中しちまったよ。静止してるとか、本当に俺たちの出撃を待ってるのか? まぁ良い。だったら、これは福音をボッコボコにするチャンスって事だよな! 迎撃する部隊の再編成もまだ出来てないっていうし、また俺たちが出撃することになるだろう。
俺を巻き込んだ仕返しをしてやるぜ、へっへっへ……。
「ま、真が怖い笑みを浮かべてる……」
「あれは、敵をぶん殴ると決めた表情ですね。間違いないです」
「こ、怖い……。なぜか恐怖を感じるぞ……」
簪と相棒とラウラが何か言ってる気がするけど、気にしない。さぁて、福音をどのくらいの力で殴ってやろうか。
そんなことを考えてると、鈴たちが戻ってきた。
「ふえ!? あ、あんた達……」
「大丈夫なの!?」
「あぁ、大丈夫だ。心配かけさせてゴメン、二人とも」
鈴とシャルに謝る一夏。想い人が無事だったことに、二人は安堵の表情を浮かべている。一方で、セシリアも笑みを浮かべている。
「ご無事で何よりですわ、真さん」
「ありがとよ、セシリア。サポート出来なかった上に心配させちまって、申し訳ねえ」
「ふふふ。でしたら、まだ福音が静止してますわ。リベンジするチャンスですわね」
「だな。そんじゃあ、行きますかね!」
俺はゴキゴキと首を鳴らしながら、出撃する場所へ向かう。
すると、相棒や鈴、簪にラウラまで引き止めようとしてきた。
「ま、待ってください! リベンジするにしたって、あなたの機体は……」
「飛行が苦手なはずよ! 相手はすばしっこいのに、どうやって戦うのよ!?」
「それに、エネルギーも大きく減ってるはず……」
「今から福音に挑むというのは無茶だ!」
みんなの言いたいことは分かってる。確かに、俺の機体は飛行が苦手だった。そう……「だった」んだ。
エネルギーは問題ない。知らないうちに回復していたようだ。だとすると、残りは戦い方だが……。俺は、思わずニヤリと笑みを浮かべてしまう。
「心配すんな。グラビオスは……飛べるさ」
復活を果たした一夏と真。果たして、戦いはどうなるのか?
次回をお楽しみに!