インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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何とか、小説を書けるくらいまでの状態になれました。ですが、久しぶりの戦闘回なので、うまく書けているか不安です……。
また、真の機体がどうやって飛べているのかは、完全に独自解釈&ご都合主義です。そこのところをご了承ください。

それでは、どうぞ!



35話 vs銀の福音(前編)

 月がくっきりと見える空を、俺たちは飛行していた。今回の出撃でケリをつけると決めたセシリア達は、それぞれ祖国から支給されたパッケージを装備していた。セシリアは強襲用パッケージ『ストライク・ガンナー』を、シャルは防御パッケージ『ガーデン・カーテン』を、鈴は機能増幅パッケージ『崩山』を装備している。

 そんな名前からして凄そうなものを身に着けているのに、彼女たちの視線は、なぜか俺の方に向いていた。さすがに見られっぱなしだとむず痒い感じになるから、セシリアに聞いてみる。

 

「なぁ。何で俺の方を見てんだよ?」

「い、いえ。未だに信じられませんわ。そんな重そうな見た目なのに、私たちと同じくらいの速度で飛べてるなんて……」

「言ったろ? グラビオスは飛べるって」

「だからって、さっきまで低空飛行が精一杯だった機体がいきなりスイスイ飛んでるのを見たら驚きますわ!」

 

 あぁー……。そう言われると納得できるかも。でも、飛行が可能になった理由はセシリア達には話せない。話したとしても信じてくれるとは思えないし、相棒くらいにしか話せない内容だからだ。

 

「(真さんから霊力が溢れてる……? まさか……)」

 

 どうやら相棒は気付いたみたいだな。そう、俺は自身に蓄えられてる霊力を、ISに流し込んでいる。

 俺は、能力は父さんから受け継いでるけど、霊力といったものは母さんの影響を受けているらしい。幻想郷に住む人間よりもほんの少し霊力を多く持っていて、疲れにくい体なんだとか。そこにモンスター能力の影響も加わって、よりタフネスになってる……というのは、神奈子さまが教えてくれたことだ。

 話を戻すと、俺は機体に霊力を流し込む。するとグラビオスはその霊力をシールドエネルギーに変換して、飛行として利用できるわけだ。

 さらに、俺の能力を霊力から読み取ったのか、攻撃するもしくは受けそうになった瞬間に装甲を強化するというテクニックも覚えた。これによって、普段の装甲は軽くなった。これも飛行能力アップに繋がるわけだ。

 まぁ、これだけ大幅に追加された物があれば、当然、消えるものもある。射撃武器『カブレライトキャノン』と近接武器『ファイアテンペスト』が無くなった。武装は俺の拳と、シールドビットになる『グラビド・ヘッド』に限定されちまった。

 

「だけど……むしろ俺らしくて良いかもな!」

 

 幻想郷にいたころの俺は、基本的に武器は使わなかった。せいぜい、そこら辺に転がってた丸太を振り回すといった程度だ。今の装備ならシンプルでやりやすい。

 すると、シャルから通信が来る。

 

「みんな、福音が見えたよ!」

「……本当に待機してますね」

「まるで、腹ん中で眠る赤ん坊みてぇだな」

 

 膝を抱きかかえて浮かんでる姿は、まさにそれだ。だが、動かないってことは今がチャンス!

 

「セシリアぁ!」

「了解ですわ!」

 

 セシリアが、2メートルはあるかと思うレーザーライフルを撃つ。奴が攻撃に気付いた時には、すでに命中していた。寝起きドッキリを仕掛けられて混乱している中を、俺たちが距離を詰める!

 ちなみに、遠距離はセシリアが、中距離はシャルが、近距離は俺と相棒と一夏と鈴が担当だ。俺たちが殴る蹴る斬るをやってる間に、セシリアとシャルが援護射撃をするって戦法だ。

 

「まずは私から行きます!」

 

 相棒がブレードで斬りつける。スピード特化の機体だからか、福音が反撃しようにもすぐに後ろに回り込んだ。

 

「その翼は飾りかぁ!? あぁ!?」

 

 もはや顔芸なんじゃないかと思わせるほどの恐ろしい表情で叫ぶと、二本のブレードでXの字を描くかのように胴体を斬りつけた。かなりのダメージを受けたのか悲鳴を上げるが、その隙を俺は見逃さない!

 

《キィアアアアアアアァァァァ!》

「うっせぇんだよ!」

 

 拳に炎を纏わせて福音の腹を殴る。だが、一発決めたくらいで引き下がるほど、俺は甘くねえ。今度は何も細工をせずに蹴りをぶちかます!

 

《っ!? 打鉄型ISを攻撃優先対象に……》

「やらせるかってのぉ!」

 

 今度は鈴が、衝撃砲を連射する。不可視の砲弾ではなく、俺と同じように炎を纏わせた砲弾による猛攻撃。雨のように降り注ぐそれは、まるで隕石が降り注いでるような光景だ。

 そこへ追い打ちをかけるように、シャルのショットガン二丁撃ちが決まる。しかし、あの撃ち方……

 

「カッコいいなぁおい! 俺もやってみてぇ!」

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ、真!? ほら、来るよ!」

 

 シャルの視線の先に俺も顔を向けると、福音が攻撃を放とうとしていた。

 

「ヤバい予感がするな……。相棒は俺の後ろに隠れな! 一夏と鈴はシャルの後ろに!」

「わ、分かった!」

「了解!」

 

 相棒が俺の後ろにつくと、俺は『グラビド・ヘッド』を起動させる。こいつはシールドビットって奴だが、セシリアのブルーティアーズのように、複雑に動くことはない。俺を庇うように前に出るくらいの動きしかできない。

 ……その代わり、ちょっとした特殊機能を備えているがな。

 

「真さん、来ましたよ!」

「っとぉ!」

《銀の鐘、稼働開始》

 

 その瞬間、水色のエネルギー弾が襲い掛かる。この大雨を連想させるような攻撃……まさか!

 

「真さんの考えてる通りです! 一夏さんも、そのシルバーベルとやらで落とされたんです!」

「ついでに、俺を気絶させたのもこれか!」

 

 威力も相当のものらしいが、シャルは防御用パッケージだし、俺の機体も防御に秀でている。だからダメージは軽い。

 しばらくすると、相手の弾幕が薄くなってきた。福音は無防備になっている。

 

「今だぁぁ! 一夏ぁぁぁ!」

「るおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

《っ!》

 

 シャルの後ろから一夏が飛び出て、距離を詰めていく。どうやら、距離を詰めた後に『零落白夜』を当てるつもりらしい。

 だが、相手もただやられてる訳にはいかないようだ。素早く翼を広げると、さっきに比べたら軽めの、それでもかなりのダメージを与えられるであろう弾幕を放ってきた。

 

「一夏、危ない!」

「大丈夫だ、鈴! 『雪羅』をシールドモードへ!」

 

 すると、一夏の左手からシールドが発生し、相手の光弾を打ち消していく。すげぇ! 何だありゃ!?

 

「驚いている場合ではありませんわ! あれはおそらく、エネルギーをシールド状に形成しているもの……。長くは保ちませんわ!」

 

 セシリアが俺に解説しながら、レーザーライフルを撃つ。背中に撃ったもんだから、福音の攻撃が一瞬止まった。今だ!

 

「いっけぇぇぇぇ!」

 

 一夏の叫びと共に、光の刃が福音を切り裂いた。さぁ、これで相手はもう…………!?

 

「嘘でしょ!? まだ動けるの!?」

 

 シャルの悲鳴にも似た叫びが、俺たちを動揺させる。殆どのISなら一撃で落とせるであろう『零落白夜』。それを受けたにもかかわらず、福音はまだ動いていた。

 

《………………》

「ま、真さん……」

「言いたいことは分かるぜ、相棒……。嫌な予感がする……」

 

 その瞬間、福音が光に包まれた。あまりの眩しさに俺たちは目を瞑ってしまう。

 

《キィィィィィアアアァァァァァァ!!!》

 

 辺りに響く獣のような声が、ヤバい状態になってしまったことを告げていた……。




更新してしばらくしてから見ると、お気に入り登録してくださってる方がたくさんいて、嬉しくなります。本当に、ありがとうございます!

次回は、福音(第二形態)戦です。どうぞお楽しみに!
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